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キハ11

きはじゅういち

キハ11は気動車の形式のひとつ。国鉄に存在した初代と、JR東海・東海交通事業・ひたちなか海浜鉄道にいる2代目がある。
目次 [非表示]

国鉄キハ11形気動車編集

古色蒼然

1955年から1957年にかけて日本国有鉄道国鉄)が新製したキハ10系気動車の形式の一つで、トイレ付両運転台車。津軽鉄道茨城交通(→ひたちなか海浜鉄道)に一部車輌が譲渡された。茨城交通譲渡車輌は3両中2両が鉄道博物館リニア・鉄道館で保存されている。

2015年にJR東海が製造したキハ11もひたちなか海浜鉄道に譲渡されているのは何の因果だろうか。

JR東海・東海交通事業キハ11形気動車編集

太多線

1988年から1999年にかけてJR東海が新製した気動車。

新潟鐵工所(→新潟トランシス)の軽快気動車NDCシリーズをベースとした18mサイズの両運転台車。キハ85系と同じカミンズ社製エンジンを搭載している。JR東海の非電化各線で運用されていたほか、子会社の東海交通事業も保有。


各番台区分編集

普通鋼製車の0番台・100番台・200番台は2016年までに全車両が引退しており、現在運用されているのはステンレス車の300番台のみとなっている。


  • 0番台 (引退)

1988年に新潟鐵工所で10両が製造された。暖地型で、全車が伊勢車両区に配置され、紀勢本線参宮線名松線で運用されていた。トイレは設置されておらず、紀勢線多気以南では長距離列車が多いことから必ずトイレ付の300番台を連結して運用されていた。なおキハ11-9は落石事故により一足早く廃車された。残りの9両も2代目キハ25に置き換えられ2015年3月のダイヤ改正で引退、ミャンマー国鉄へ譲渡された。

  • 100番台 (引退)

1988年に新潟鐵工所とJR東海名古屋工場で23両が製造された。寒地型で、ホイッスルシャッターの取り付けや扉の保温対策がされている。美濃太田車両区に17両、キハ11-107~112の6両が伊勢車両区に配置された。0番台同様トイレは設置されていない。

やはり2015年3月のダイヤ改正でキハ25に置き換えられ、1両がひたちなか海浜鉄道へ売却、残る22両がミャンマー国鉄に譲渡された。

  • 200番台 (引退)

1993年の城北線全線開業時に4両が製造された。201・202は城北線専用として、扉保温対策の廃止、ドアステップの廃止などの仕様変更がされている(台枠構造自体は0・100番台とほぼ同じで、ステップを付ける代わりに側板と床材で埋め込んでいる)。203・204は100番台と完全に同仕様で、城北線の線路使用料相殺のため美濃太田車両区に貸し出されていた。203は城北線車の検査入場時に代走として城北線を走ったことがあるが、204は一度も城北線を走ることなく、役目を終えた。なお城北線運用時の203はステップを埋めるために金属の箱を置いていた。

JR貸出車は美濃太田車両区に配置され、高山本線太多線で運用されていた。

なお新製当初は203・204も201・202と同一の仕様だった。全車ひたちなか海浜鉄道へ売却。


  • 300番台 (現役)

1999年に新潟鐵工所で6両が製造された。暖地向け改良型である。

変更項目

車幅の拡幅2.7m→2.8m
車体の素材ステンレス
トイレの追加(接客上最大の変更点)
エンジンの変更キハ75と共通(330PS→350PS)変速機容量の増大により引き上げ
変速機の変更キハ75と共通
台車の変更2軸駆動式のボルスタレス台車に

初め伊勢車両区に全車配置され、唯一、トイレ付である利点を生かして主に紀勢本線(JR東海管轄、多気以南)で運用していた。

 現在は、前述の201・202が引退したこともあり301・302が東海交通事業に移籍、JR東海には4両が残る。これらは伊勢車両区が閉鎖されたため名古屋車両区に転属しているほか、JR東海の現役車両で唯一、1両でも走行可能である利点を生かし、主に名松線で運用される。


 当初は2両編成以上になるときは0・100番台を併結して2両1編成とすることが多く、参宮線にはまれに乗り入れ、名松線にはほとんど乗り入れなかった。

 また城北線では線内に地上抜き取り設備が存在しないため、301・302のみトイレは使用できない。


ミャンマー国鉄RBE3000形

JR東海で廃車されたキハ11形のうちミャンマー国鉄に譲渡されたもの。冷房装置の埋め込み、ドアへのステップ・手すりの設置、屋根上機器の撤去、車軸の改造、座席のオールロングシート化及びFRP製座席化等の改造が施された。

デビュー後はヤンゴン環状線で「アトゥーヤター」(特別列車)として運用されている。塗装はJR東海時代のままで、自動ドアもそのまま使用されている。

2015年頃は冷房車として運用していたようだが、その後はドア全開に戻っている模様。


ひたちなか海浜鉄道キハ11形気動車編集

ひたちなか海浜鉄道 キハ11形

先述のJR東海東海交通事業のキハ11形のうち5両がひたちなか海浜鉄道へ移籍することになった。

車両は100番台のキハ11-123号のほか、200番台の4両全てを購入した。塗装をJR東海色、東海交通事業色からオレンジ一色の帯に変更し、改番、必要最低限の整備の上2015年12月30日から運用を開始した。

現用されているのは元の123号・203・204号(順に-5~7)で、番号はキハ3710形の続番とされた。201・202号は当初から部品取り車として譲受したため、営業運転に就くことはできない。

関連タグ編集

気動車 ローカル線

キハ10系 国鉄 津軽鉄道 茨城交通

NDCシリーズ JR東海 東海交通事業 ひたちなか海浜鉄道

高山本線 太多線 名松線 紀勢本線 参宮線 城北線 湊線

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