概要
機械類などの整備や修理および改造の際、部品が必要となる場合が多いが、それらの部品単位の入手が困難、あるいは不可能となっている場合、同一および類似の個体から必要な部品を取り出す行為、あるいはその役割を担う個体( ドナー )を指す。
詳細
電子機器や工場の機械、自転車自動二輪自動車鉄道など各種車両など、安定した運用のためには定期的な整備やメンテナンスが必要となるが、その際問題が発覚したり、使用中不具合が発生した際に修理のための技術や交換用の部品が必要となるが、それら修理用の部品単体が調達困難、あるいは経年劣化等により新品部品が装着できない場合などに、使用されない個体から同一および上位とされる部品を調達する場合があり、その行為およびその部品を提供する個体を「部品取り」という。
個体
基本的に故障が存在するものや、不具合があるもの( いわゆるジャンク )など、状態の悪いものを充てることが多く、不良個所を除き使用される場合が多いが、中には新しかったり、状態の良い類似した個体から部品を提供させる場合も存在する。
共食い整備
それらが行きつくところまで行きつくのが共食い整備であり、これは「個体自体は現状必要とされるが、点検等で動かせない物から部品を調達する」というものであり、禁じ手の一つである。
改造
模型やパソコンに関してはいわゆるニコイチや魔改造のために新たなものを購入するケースも存在しているといわれる。
用途の変更
本来この目的に供するために購入した個体の状況がよい場合はこの用途にせずそのまま使用する、ということも存在し、甚だしくはこの状況にしてあるものを復活させる、という事例も存在する。
事例
鉄道
- 蒸気機関車の場合、特にボイラーの問題によりこの種の部品載せ替えは良く行われる行為とされる。
- ひたちなか海浜鉄道はJR東海および東海交通事業からキハ11を5両譲り受けたが、うち2両を部品取りとして入籍も整備もしていない。
- 長野電鉄では東急電鉄から8500系を購入した際に、予備部品の確保用として中間電動車2両(デハ8700形+デハ8800形)を同時に購入している。
- 豊橋鉄道は東京急行電鉄から7200系を譲受し、1800系として運用したが、1編成分3両を部品取りとして保管、そのうちの2両は事故廃車の際復活、残る一両も上田電鉄から同系車2両を譲り受け復活させた
自動車
自動車では高額となる部位(トランスミッション、エンジンなど)の致命的故障が見られる場合、廃車から取り外した同型に載せ換えることがある。部品を供出した車が部品取りのドナーとなる。
この中古部品には「取り外した状態そのまんま」の中古部品と、「外した部品のうち、まだ使えるものを修理の上で再整備し、新品同様に使えるようにしたもの」であるリビルト品の2種類がある。安価なのは中古の方だが、リビルト品は(業者次第な面こそあるが)きちんとした整備が行われており、中古よりは高いが新品より安く、業者が保証をつけてくれている。特に新品の部品が出ない旧車では、リビルト部品も選択肢になってくる。
整備にリビルト品を使った場合、外された古い部品はリビルト業者に送られて修理・整備され、また他の車で再利用されることになる。