概要
一般に内燃機関を搭載した自動車や気動車で用いられる変速機のことを指す。
レシプロエンジンの場合は回転数により発生トルクが変化するため、エンジンで駆動する車両には何らかの変速機構が必要になる。ギア比を下げると回転数が減少し、発生トルクが増加する。自動車や気動車に使われるものでは、変速機構の違いでMT、AT、DCT、AMT、CVTに分けられる。このうちMT以外にはクラッチペダルがなく、オートマチック限定免許で運転できる。
変速機の信頼性に不安があった時代にはドイツやフランスの一部装甲戦闘車両(ポルシェティーガーなど)でトランスミッションを搭載せず、エンジンの発電した電力でモーターを駆動するガス・エレクトリック方式(一種のシリーズハイブリッド)を採る車両もあった。
なお船や飛行機(プロペラ機)はプロペラやスクリューの角度を変えることで速度を変えるものが多く、トランスミッションは搭載しない。蒸気機関車にも変速機はなく、逆転機と加減弁を組み合わせて速度を調整した。
電動車両の場合
電動車両(ラジコン車、電車、電気自動車など)のトランスミッションは一般に1速固定(一定の減速比で減速しトルクを増加させるだけ)であり、変速機構が存在しない。これは電気モーターが低速時に高トルク、高速時に低トルクという特性を持っており、変速機をかます必要がないため。
ただし、電気自動車に関しては高速時の性能改善のため変速機を搭載するモデルも増えている(モーターも極端な高回転では効率が落ちるため)。