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概要編集

ミャンマーの鉄道は1877年に旧宗主国イギリスによって建設されたものを創始としている。軌間は「メーターゲージ」と呼ばれる1000mmの狭いもので、これは同じくイギリス植民地だったインドで1,000mm軌間の鉄道を1,676mmの広軌に改軌する工事によって発生した余剰品を転用したためである。


第二次世界大戦中にはタイバンコクとマンダレーを結ぶ泰緬鉄道日本陸軍によって建設されたが、大戦後にミャンマー側の線路は撤去された。


その後は首都ヤンゴンおよび第二の都市マンダレーを中心とした国内ネットワークの拡充に移行し、今なお複数の延伸計画が進んでいる。

特に2000年代以降は日本資本を導入しての既存路線の体質改善にも着手しており、余剰となった中古車両を続々と購入している事で注目度が高まっている。将来的には日本製の新車を走らせたい意向であるようだ。


特徴編集

現在、全線が非電化である。

基本的に短距離列車が気動車、長距離列車がディーゼル機関車客車の運行で、地方ではバス部品を流用した小型のレールバス(メイン画像)も見られる。いずれも本数はさほど多くない。車両・軌道共に整備状況が悪いため乗り心地も悪く、遅延も珍しくないという典型的な途上国の運行スタイルである。

まだまだ非冷房の列車も多く、日本で冷房車であった車両であっても機能していない車両が少なくない。特に、初期に購入した車両は後述の理由から、大半が冷房機自体を撤去してしまっている。

2015年には広島電鉄のスタッフ・車両を招いてヤンゴン臨港線を試験的に電化したものの、諸般の事情により半年足らずで運行を休止してしまった。


車内の治安は途上国としては良い部類で、投石等の被害も少ないと言われるが、これは長年続いた軍事独裁政権によって鉄道が軍事機密と同等に扱われてきた事と表裏一体の関係になっている。

ごく最近まで撮影にはミャンマー国鉄の発行する許可証が必要であったばかりか、そもそも乗車券自体現地人と同じように購入する事ができなかった

民主化を遂げた現在ではそのような規制も無くなったとされるが、上記のような運行環境もあり、決して日本と同じ感覚で利用できると思ってはいけない代物である。乗車自体を目的として、入念な計画と信用できるガイドを立ててから渡航すべきだろう。


日本製車両の動向編集

ヤンゴン臨港線

線路幅の違いから、全ての車両で輪軸を改造している。

建築限界も特に高さ方向が日本に比べて厳しく、相当低い位置に陸橋等が架けられてしまっている路線も存在することから、多くの車両に対して屋根上の冷房機やベンチレータを撤去する改造や、屋根を凹ませて冷房機を一段低く設置する改造を行っている。一部は車体そのものも切り詰めて車高を下げているため、日本時代と印象を変えた車両も存在する。

長らく冷房機を撤去した車両はそのまま非冷房車として使用していたが、2010年代に入って屋根を切り欠いて車体に内蔵して取付位置を下げる改造を行う例が出始めた。

塗装は名古屋鉄道からの譲受車に由来する上半分をクリーム色、下半分を赤色とするものが標準だが、これも時折例外が存在しており、特に同じく2010年ごろからは日本時代の塗装を再現して塗り直す例も出てきている。2024年現在はJR東海から譲受した車両に由来する、アイボリー地に湘南色またはオレンジ色の帯の塗装を纏う車両も増えている。


改造技術が着実に向上している一方で、保守技術の方は芳しくない。

中古車の購入数は現在までに100両を超す一大勢力となっているが、老朽化と酷使により稼働率が低く留まってしまっており、現状では満足の行く輸送改善に繋がっていない。一時は次に購入した車両が到着するまで持つかといった有様で、使い捨てとさえ揶揄される惨状に陥っていた。

民主化後に日本の調査団が入った時には「死屍累々」と言うべき大量の走行不能車が確認されている。

中には購入計画自体に問題があった車両も存在するようで、禄に走行の実績さえ無いまま放置されている例も報告されている。気動車の中にはエンジンを完全に撤去して客車に組み込んだ例も出たが、これも何らかの原因で改造を中断しており、今も大量の中古車を求め続けている状況に変わりは無い。ただし、2024年現在は軍事政権下であるため、車両の輸出を行うと日本政府が軍事政権を支持していると見なされる恐れがあるため、日本から輸出したくてもできない状態である。


なお、日本政府からの円借款を使用して行われたヤンゴン地区の鉄道整備の一環で輸出された新車の電気式気動車も存在し、これは新潟トランシスで製造されたものである。しかし、こちらも軍事政権となった影響で支援が止まったため、少数のみの導入に留まっている。2024年現在においては、日本以外の国から購入した新車の電気式気動車が導入されている模様。


会社別一覧編集

元会社・形式に関わらず、気動車はRBE、機関車はD、客車はRBTの記号と通し番号で管理されている。気動車の形式のRBはRailBus(レールバス)に由来し、EはEngine(エンジン付動力車)、TはTrailer(トレーラー)に由来する。

斜字は現在運用が全く無いもの。


JR北海道編集

JR東日本編集

JR東海編集

JR西日本編集

JR貨物編集

  • DD51

北海道ちほく高原鉄道編集

  • CR70形

三陸鉄道編集

  • 36形(1100,1200番代と300,400番代)

真岡鉄道編集

  • モオカ63形

いすみ鉄道編集

  • いすみ200'形

のと鉄道編集

  • NT100形

名古屋鉄道編集

  • キハ20形
  • キハ30形

樽見鉄道編集

  • ハイモ230形

伊勢鉄道編集

  • イセⅠ形(ほとんどは輸出時にエンジンが取り外されていた)
  • イセⅡ形

井原鉄道編集

  • IRT355形

平成筑豊鉄道編集

  • 100形
  • 200形
  • 300形

甘木鉄道編集

  • AR100形
  • AR200形

松浦鉄道編集

  • MR100形
  • MR200形
  • MR300形

広島電鉄編集

  • 750形
  • 3000形

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