ミャンマー最大民族であるビルマ族の自称名「バマー(ဗမာ, bama)」(国名ともなった「ミャンマー(မြန်မာ, mranma)」の口語形)が転訛したもの。元々ミャンマーとバマー(ビルマ)は同じ意味であったが、1989年の国名公式英称の変更以来、文語形由来の「ミャンマー」が国名を、口語形由来の「ビルマ」が民族名を指す名称として一般に用いられている。
ビルマの歴史
東南アジアの西端に位置し、イラワディ川の流域にさまざまな民族が興亡した。10世紀にチベット系のパガン朝が成立、上座部仏教を保護した。
13世紀に元の侵略を受けて滅び、その後ペグー朝、トゥングー朝が続き、18世紀のコンバウン朝はタイやインドに進出してビルマ最盛期となった。19世紀後半にインドに続いてイギリスの植民地とされ、1930年代から独立運動が起こった。第二次大戦中の日本の軍政を経て、1948年に独立した。
しかし、60年代から軍部が台頭し、一時は社会主義路線をとる軍事政権が現れた。80年代以降はアウンサンスーチーを指導者とした民主化運動が起きたが、弾圧が続いた。軍事政権は1989年には国号の国際表記をビルマからミャンマーに変更した。