概要
広島市内を中心に西は廿日市市まで路線網を持ち、車両数を含めて日本最大の路面電車事業者である。
1960年代までは新車を積極的に導入していたが、70年代初頭からは廃止・存続が綱渡り的な状態であり(後に地下鉄の導入延期で廃止論は撤廃)、新車導入を控えるようになる。
しかし旧型車の置き換えも急務であり、同時期に全国(主に近畿地方)の廃車体を譲り受けて旧型車や宮島線専属の鉄道型車両(高床車)を置き換え、「動く電車の博物館」と言われたこともあった。これは同時に、70年代のモータリゼーションの進展で全国的にいかに路面電車が減っていったかを示すネーミングでもあり、どこか物悲しさを感じさせた。
しかし、80年代に入って見直され出した路面電車界において、広電は真っ先に完全新造車の導入を再開。超低床電車の導入数も国内最大となっており、まさに全国的な路面電車界の盟主といえる地位を築いたとも言える。
また、広電は広島県最大のバス会社でもある。
高速バスはとくに陰陽連絡バスが知られ、広島バスセンター、広島駅新幹線口を起点にしている。広島市の中心部にダイレクトに乗り入れる利点もあり、利用客は極めて多い。
一般路線バスは広島市と周辺の呉市、廿日市市が主なエリアとなる。
路線
広電では、路線記号、電停・駅ナンバリングを採用している。なお、路面電車では広電のほかに豊橋鉄道(東田本線)、京福電気鉄道(嵐電)、長崎電気軌道がナンバリングを採用している。
本線・宮島線:直通運転先で、2号線の運行系統上の愛称でもある宮島線(Miyajima)のM
宇品線:宇品(Ujina)のU
白島線:白島(Hakushima)のH、といきたかったが、比治山線がHを使ったため、最初の「白」を英語読みしたホワイト(White)のW、一説には途中の女学院前停留場を最寄り電停とする広島女学院の英語表記(Hiroshima Women's School)からW
横川線:横川(Yokogawa)のY
江波線:江波(Eba)のE
皆実線:皆実(Minami)では本線・宮島線と重複するので、5号線の運行系統上の愛称である「比治山線」(Hijiyama)からH
市内線
文字通り広島の市内を運行する路線で、独立した系統である9号線の一部の便を含め、殆どの電車が複数路線間で直通運転を行っている。たとえば1号線は本線と宇品線、2号線は本線と宮島線、といった具合である。
市内線区間の路線は、戸籍上は以下の通りである。詳細は上記のリンクを参照されたい。
本線(M):広島駅-八丁堀-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)-十日市町-広電西広島(己斐)
宇品線(U):広島港(宇品)-広電本社前-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)
白島線(W):白島-八丁堀
横川線(Y):横川駅-十日市町
江波線(E):江波-土橋
皆実線(H):皆実町六丁目-比治山下-的場町
宮島線
戸籍上は、広電西広島(己斐)と広電宮島口を結ぶ路線で、他の路線が軌道なのに対してこちらは「鉄道」、つまり郊外電車区間である。大部分が山陽本線と並行しているが、駅間距離が短く電車の本数もこちらのほうが多い。ただ、全便が各駅停車であるためか広島市内から宮島口方面へは時間がかかる。このため急行運転が要望されているが、山陽本線が実質的な急行線となっていることもあり、依然としてメドは立っていないようだ。
上記のうち、宇品線、白島線、横川線、江波線、宮島線は運行系統上の愛称ともなっている(後述)。
運行系統
基本的な運行系統は以下の8つであるが、このほかに臨時や入出庫などの扱いで運転される0号線がある。
また2号線には西広島から宮島方面への発着、商工センター入口やJA広島病院前、広電廿日市発着の区間便があり、3号線の昼間時間帯は宇品二丁目折返し運転であるなど、区間便がいくつか存在するが、同じ系統であれば区間便も同一の系統番号を名乗る。
なお、何故か4号線のみ欠番となっている。
(忌み番号もしくは発音の問題(行先を示す「for」と混同される)と噂されるが不明)
1号線(宇品線):広島駅-八丁堀-紙屋町東-広島港(宇品)
2号線(宮島線):広島駅-八丁堀-紙屋町東/西-十日市町-広電西広島(己斐)-広電宮島口
3号線(西広島線):(広島港(宇品)-)宇品二丁目-紙屋町西-十日市町-広電西広島(己斐)
5号線(比治山線):広島駅-的場町-比治山下-広島港(宇品)
6号線(江波線):広島駅-八丁堀-紙屋町(紙屋町東・紙屋町西)-十日市町-江波
7号線(都心線):広電本社前-紙屋町西-十日市町-横川駅
8号線(横川線):江波-十日市町-横川駅
9号線(白島線):(江波-)八丁堀-白島
車輌
最新車両の1000形。
広電では、3・5車体連接車による運行を「連接車」、1車両での運行を「単車」と呼ぶ。つまり1車輌での運行であれば、路面電車でも一般的なボギー車でも「単車」と呼ばれる。かつてはこの他に2両の単車を1編成とした「連結車」2000形の運用もあったが、現在は休車状態にある。
なお、連接車は主に宮島線と市内線の直通を向上させるべく60年代より導入を開始、80年代の車両新造開始以後は本格的な増加を始めたが、特に90年代中頃から連接車のみの導入を行っており、超低床電車も全てが連接車である。
更に言えばこれらの超低床電車の大半(5000形・5100形)は在来の連接車の定員に匹敵する規模で作られたため、国内では最大の5連接車体の長い編成を組む。
また連接車が全体的に増加したことにより、宮島線直通車輌以外でも連接車が単車を置き換える例が増え、また宮島線直通運用から撤退した旧型の連接車も単車置き換えに貢献している。
とは言え、閑散線区など、単車で十分な需要の箇所もあり、未だ大量に残る旧型単車の置き換えを促進させるべく、2013年より前述の5100形超低床車を3車体連接に短縮させた1000形の導入を開始。定員規模は他の多くの都市で導入されている2車体・3車体連接超低床車と同規模であり、これをもって本格的に残存する旧型単車を置き換えていく方針である。
単車
市内線の主力の一つ、700形。
100形(3代)
101号、開業当時の電車を再現した車輌。いわゆるレプリカ。
4月~10月の土曜日、日曜日、祝日に「レトロ電車」として8号線で運行されていたが、現在は主にイベントで使用されるぐらい。
足回りは下記150形の157号のものを流用しており、150形・200形と共に日本でも数少ない「二軸単車」である。
150形
被爆電車。生え抜き車では残存する最古の車両であり、広電の定義ではない、一般的な定義上での「単車」にあたる(つまり、台車は二軸のものが一つだけ)。車体自体は1952年に取り換えている。156号が1987年に復籍したが、室内などが木製で運行の都度許可を取らなければならないため、現在は江波車庫で休車状態にある。
2020年11月23日のイベントに合わせて走行できるように整備し、33年ぶりに本線走行が行われた。地元のテレビ番組では、特番が組まれるほど話題にもなった。
200形(2代)
238号「ハノーバー電車」。1988年に、広島市がドイツ(当時は西ドイツ)・ハノーバー市との姉妹都市提携5周年記念として茶室を寄贈したお礼として、ハノーバー都市交通事業に戻っていた当車が広島市に寄贈され、広島電鉄に入線。
毎年11月~3月の日曜日・祝日に8号線で運行される。12月にはクリスマス電車として活躍。
350形
最初に作られた宮島線直通対応車両だが、ATSの関係で現在は実質的に直通できないようになっている。元の名は850形であったが、神戸市電車導入の際にこの形式を流用する予定があったらしく改番。しかし流用はされず、現在に至るまで850は空き番である。広電生え抜き車では数少ない60年代以前の製造の生き残りであり、乗務員研修にも用いられる。352号が現役。
570形
もと神戸市電500形。神戸市電時代から数えて80年ほど走っている電車である。車体は幾度かの改造を加えられているが、元をただせば日本でも最古参クラスの高齢車両。現在は582号のみ在籍。
600形(2代)
もと西鉄北九州線500形。扉移設、屋根修繕、ライトの交換などなど、改造内容は多岐に渡り、西鉄時代とは別物のようである。現在は602号のみが在籍するが、朝ラッシュ時しか動かない。
650形
木南車両製でノーシル・ノーヘッダーの美しい車体が特徴。戦時中の1942年に製造され、数少ない60年代以前の広電生え抜き組の一系列。「被爆電車」として有名であり、終戦直後にも真っ先に走り続け、途方に暮れる広島市民を勇気づけた。この他、広電自社完全新造では初となるボギー車でもある。被爆電車では唯一現役であり、修学旅行などで貸切運用されたりもする。現在は老朽化に加え小型で収容能力が小さく、性能も最新型と比べると劣るため、651号と652号の2両が現役。653号は主に貸切やイベントで使用される。654号は広島市交通科学館で展示されている。
700形(2代)
市内線主力形式の一つで1982年より製造。単車としては約20年ぶりの新造車である。製造時期によって性能が違う。701~707は旧型車(750形)の足回りを利用した吊掛式、711~714はカルダン駆動の完全新造車。台車と車体はいずれも新造である。
750形
もと大阪市電1601、1651、1801形。特に1651形は自社製造の650形のデザインにも影響を与えた。戦前から戦後初期にかけての製造で、まとまって活動している系列では最古参クラスであった。このため、もと1601形については700形に機器を譲り廃車。残りのグループも廃車が進行しており、2013年の1000形導入以後、現役で稼働しているのは1940年製の762号ただ1両のみとなったが、輸送力が大きいため混雑路線で重宝されている。また、一部はミャンマーに再譲渡された。
なお、1両(766号)が「西部警察PART-Ⅱ」のロケで使用され、広電宮島口駅構内で爆破され、壮絶な最期を遂げたことで有名。
このロケに際しては鉄道線を全線運休させて撮影するという全面協力体制を取ったため、広電の社史に堂々と書かれていたりする。この他にも、768号が食事可能なイベント車両「TRAIN ROUGE(トランルージュ)」となっている。
800形(2代)
市内線主力形式の一つであり、サイリスタチョッパ制御を採用した軽快電車。700形と同時期の1983年導入縦配置前照灯の初期車(801-802)、700形の製造後の1987年以降に量産が開始された中期車(803-812、更に細かく分類も可能)、3900形風に前面をマイナーチェンジした後期車(813-814)に分かれる。現在のところ最後に製造された単行車である。近年になって、行先表示幕がLED化された車両もある。
900形
もと大阪市電2601形。大阪市電の廃止時に大量の廃車が発生したため、ワンマン化に対応していた14両を譲り受けた。750形と同じく大阪市電色で活動しているが、最近は超低床車1000形(2代目)の増備もあって、残るは1両のみとなってしまった。
1150形
もと神戸市電1150形。神戸時代は「和製PCCカー」の一つ(いわゆる高性能車)として扱われたが、少数派故に扱いにくく、従来性能車に合わせて性能は落とされ、後に神戸市電全廃により広電に1100形と共に移籍した。冷房化も行われたが、ICカードの機械を取り付けたときにパワー不足が発覚、輸送力もそれほど大きくなかったため、1156号を残して廃車された。なお、本物のハノーバーから来た電車(200形)がいるにもかかわらず、ハノーバーの動物園の動物を描いた「ハノーバー電車」となっている。なおこの1156号、元々廃車される予定だったが、本来保存される予定だった1105号が事故廃車になったため、急遽保存された危機一髪なエピソードを持つ。
1900形
もと京都市電1900形。他の中古車同様元の所属場所(当系列の場合は京都市電)と同一のカラーリングを施してある。全車両に京都にちなんだ愛称がつけられているのが特徴。京都市電の全廃は遅かったため、他社からの中古車では最後に広電に入り、戦前製の初代700形や元同僚の京都市電800・1800と類似した初代800形を置き換えた。2020年現在も、全車両現役。使い勝手の良さから単行車では2代目700・800形と共に主力を張り、単行車では最多の在籍数(15両)を誇る。
そんな1900形も最近廃車が出てしまった。現在は13両が走っている
連接車・連結車
「Green Liner(グリーンライナー)」3950形。
2000形
元は1960年に350形の改良版として導入した宮島線直通の単行車だが、2500形や1300形(両形式とも現在はそれぞれ3100形・3000形)導入後は輸送力不足が指摘されたため、1974年に2両をそのまま連結化。その際余った1両は事業車とされたが、後に廃車された。貫通路付きの永久連結車は、今や純粋な路面電車では全国唯一の存在。2009年にICカード「PASPY」の運用を外れ、惜しまれつつ営業引退したが、モハ2004-モハ2005の1編成のみ現在も在籍し、保管されている。3000形と共に旧直通色を引き継いでいる。
3000形
1975年にもと西鉄福岡市内線の1100・1200・1300形を譲り受けたもの。まず1300形が2連接のままで運行を開始し、その後輸送力増強のため3連接車に改造(これが後々2000形・3100形・3500形の運命を狂わせる)。このときに3000形を名乗った。当初は宮島線直通運用に就いていたが現在は市内線での活躍が中心。定員は広電史上最大であり、その圧倒的収容力はラッシュ時や催事に効果を発揮する。ラッピング車を除き旧直通色で、2000形が引退状態のため、現役では唯一の存在。一部はミャンマーに譲渡。2023年5月現在、3003号のみ在籍。
3100形
もともとは2車体連接車の2500形として登場したもの。2000形が連結化したことで収容力で逆転されたこともあり、1985年に一部車両を中間車化した上で結合するという手法で3車体連接車に改造して3100形となった。なお、2両5編成を3両3編成としたために連接車の片割れが1両余ったが、流石にこれだけではどうにもならないので廃車となっている。この後もしばらく直通色で運行。その後3500が登場すると、この編成は「ぐりーんらいなー」色となっているが、どうも似合わないような…。3101は宮島直通色に復刻され現在も改造された3編成全てが在籍しているが、走っている姿は朝のラッシュ時以外殆ど見かけない。なお、2500形時代には750形と同じ大阪市電1601形を元に、連接車に魔改造した編成が存在したが、流石にこちらは3連接車体にならず廃車となった。
3500形
初代「ぐりーんらいなー」、1980年に登場した「軽快電車」である。サイリスタチョッパ制御であり、座席はセミクロスシートに近い。宮島線直通電車のサービスアップを狙い登場したが、元々2連接車体で設計されたところに広電側の要望で中間車を後付けしたため、パワー不足に陥ったらしく、最近は車庫で寝ているときのほうが多い。それでも詰め込みが効くので、ラッシュアワーには動いていた。...のだが、故障を起こし荒手車庫に留置。なんとか修理したものの、2012年の広電100周年イベントの際にまたも故障を起こしてしまい、それ以降は江波車庫の奥に入れられて事実上の休車状態となっている。1編成のみが在籍。
3700形
「ぐりーんらいなー」の一つ。事実上3500形の量産車といえるタイプで、各部が簡素化されて生産性と信頼性が上がっている。もっとも、60年代あれだけ全国の路面電車業者を手こずらせたカルダン駆動をあっさりと導入している点からも、ここ数十年の鉄道技術の発展がようやく反映された形式と言えよう。座席もロングシートに変わっている。制御方式は抵抗制御。後輩の増加により、一時期市内線へコンバートされた車両もあったが、現在は5編成とも宮島線の運用についている。
3800形
「ぐりーんらいなー」の一つ。広電では初めてVVVFインバータ制御を採用した。短期間で大量に増備された。前期型は丸ライト、後期型は角ライト。この3800形と3900形は従来とカラーリングが違う。超低床車を除く連接車では最大勢力。超低床車が増えたことで、市内線に移った車両もある。9編成在籍。
3900形
「ぐりーんらいなー」の一つ。3800形を踏襲したデザインだが性能面ではモーターの出力が上がっているなど進歩が見られる。3800に続行する形で製造されたが、製造期間は同車より長い。3800形との見た目の違いは前照灯の形状と周辺の緑帯の巻き方に顕著。2017年に3901編成がVVVFの更新(SiC素子採用)と定速走行装置設置工事を受けたことをきっかけに、残りの編成も機器更新が進められている。近年行先表示幕のLED化が進行中。8編成在籍。
3950形
3900形の車体をマイナーチェンジしたもの。デザインを外部に委託してよりスマートなスタイルとなった。愛称も英語表記の「Green Liner(グリーンライナー)」となった。事実上、最後の「グリーンライナー」である。一時期、車体の振動が問題となったことで市内線にいた時期もあった。その後も宮島線直通と市内線を行き来することが多いが、基本は直通車である。全編成とも、行先表示幕はLED化されている。6編成在籍。
超低床連接車
「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」5000形。
5000形
ドイツ・デュワグ(現シーメンス)製、5車体連接の超低床電車「コンビーノ」の広島仕様。通称「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」。第1編成は飛行機に乗せられてやってきたことで有名。試運転のときは黒いフィルムを貼り付けていた。広電初の超低床電車として活躍し、2号線で運行中。朝ラッシュは3号線にも入ることがある。5012編成のみ1号線を中心に運行される。5007編成以外は行先表示幕のLED化が完了。また、日本の旅客用電車としては恐らく唯一のクイル式駆動車である。12編成が導入されているが、海外から部品調達する手間を考えてか、5007編成は休車され部品取りにされている。
5100形
国産初の100%5車体連接・独立車輪の超低床電車「JTRAM」の一つで、愛称は「Greenmover max(グリーンムーバーマックス)」。おもに、市内線(1号線)での運用が主だが、朝ラッシュには5号線に入ることも。また、5001編成が2号線の運用に就いている。10編成在籍。
1000形(2代目)
国産の100%3車体連接の超低床電車。5100形の3車体版とも言えるが、機能性・静粛性・メンテナンス性を向上を目的に、制御装置・補助電源装置・空調装置・車両情報装置を新設計。市内線単行車の置き換え用。単行車の代替であるため、連接車では初のワンマン対応車となった。1001号の愛称は「ピッコロ」、1002号の愛称は「ピッコラ」。それぞれイタリア語で「小さい」を意味する単語で、開業時を意識した茶色の塗装(色合いが僅かに異なる)。1003号以降は「Greenmover LEX(グリーンムーバーレックス)」として、5100形をマイナーチェンジしたような塗装。ただし、1001号は2020年現在「広電バス」と「Greenmover LEX」を半分ずつ塗装している。2017年現在は16編成が在籍しており、着実に勢力を増やしている。
市内線の6・7・8・9号線と1・3・5号線でそれぞれ運行。
5200形
2018年に導入が発表され、2019年に運行を開始した超低床電車。5100形、1000形(2代目)に続く「JTRAM」シリーズの一つで、愛称は「Greenmover APEX(グリーンムーバーエイペックス)」。インテリアとエクステリアは「モノトーン+アクセント」をテーマに、5100形をスタイリッシュにした印象を持つ。2号線で運用。
2020年現在、4編成が在籍している。
過去の保有車輌(単車)
500形
かつて存在した形式。初代は戦前に京王から購入した中古車の車体を載せ替えたもので、被爆電車の一つだった。その後初代700形となった後全廃。2代目は初代800形に続く戦後新造車で、2000年代初頭に全廃。
550形
551は当時全国的に流行っていた高性能車として作られたが、これまた全国的な潮流で増備車は一般車と同等の性能に戻され、551においても同等性能に改造されてしまった車両。直通対応にもなっていたものの、早くに廃車が進行。長らく551の1両のみ休車されていたが、2013年全廃。
600形(初代)
650形と同時期に登場し、スタイルも類似。元々650形と共に高床型であった。しかし改良が進まず、早くに全廃となった。
800形(初代)
京都市電800形のコピー製品で、改造を終えた500→700形(初代)の続番となった、戦後初の完全新造車。前後扉故にワンマン化しにくく1両を除いて実働20年ほどで廃車となる。改造された803→2代目801も2代目800形のデビューを控えた1983年に引退、その後荒手車庫に保管されたが、2003年に解体された。
1100形
もと神戸市電1100形。後続の1150形とは神戸時代の性能が異なるが車体等は殆ど一緒である。1150形と同じく収容力不足やパワー不足により全廃、1103号が保存目的で神戸に里帰りした以外は全て解体された。
過去の保有車輌(連接車)
70形
もとはドイツ(当時は西ドイツ)・ドルトムント都市事業70形。1959年デュワグ社製。ドルトムント市電が一部地下化されたため余剰となった電車を購入・改造したもの。保守に手間がかかるため新型連接車が入るといらない子になってしまいモハ77ACBは2006年に解体。モハ76ACBのみがマダムジョイ(広電系のスーパーマーケット。2018年に閉店し現在はマックスバリュになっている。)千田店前に展示されていたが、現在はアウトレットモール「THE OUTLETS HIROSHIMA」に移転されている。
高床車
かつては宮島線専属の、床が路面電車より高い車両が使われていた。要は一般の鉄道車両である。1060形、1090形など1000番台を名乗る形式が多かった。
1090形のみ、晩年に冷房化されている。
この中には阪急電鉄からの譲受車両も存在したが、阪急電車では数少ない系列外他社への転出例である。
キャラクター
鷹野みゆき
鉄道むすめのキャラクターで、初登場時は車掌。その後運転士試験に合格し宮島線運転士も務める。
的場まりな
同上。初登場時は運転士(運転指導員兼任)。鷹野みゆきの先輩である。
シャルロッテ=フォン=ハノーファー
観音町ひめ
アプリゲーム「ステーションメモリーズ!」に登場した公認キャラクター。
前者は200形(2代)、後者は5200形がモチーフとなっている。
関連イラスト
(左)1000形各種。上がピッコロ・ピッコラ塗装。下がGreenmover LEX塗装。
(右)左が3100形、右は時計回りに旧大阪市電750形・被爆電車650形・Greenmover max5100形・Green Liner3950形・ぐりーんらいなー3800形。
上段右より時計回りに750形・2代目700形(0番台)・350形・2代目800形(中期タイプ)。
(左)旧京都市電の1900形。
(右)西部警察での爆破シーンを再現したイラスト。