説明
広島電鉄白島線は、八丁堀電停と、白島電停とを結び、全長1.2kmと広電で最も短い路線でもある。また、全区間が広島市中区で完結する。
広電の第一期開業路線の一つとして、1912年11月23日に開業した。
開業当時は、現在の白島通りより西側を走っていたが、第二次世界大戦末期、広島市に原爆が投下された際に全線が不通になる。戦後、白島通りの整備に合わせて新線に切り替えることとなり、ほかの広電の軌道線より遅れた1952年3月に新線で運行を再開、旧線は廃止された。
また2007年には2度目の廃線の危機に立たされた。これは広島商工会議所が突然、廃止を提言したものだが、あまりに唐突すぎる廃止提言に対し、広島市は逆に「白島線は存続さるべき」と拒絶、広電も行政サイドの意向に従った。
その後、後述する超低床車の乗り入れが行われるようになり、現在にいたっている。
停留場
八丁堀電停(W1) - 女学院前電停(W2) - 縮景園前電停(W3) - 家庭裁判所前電停(W4) - 白島電停(W5)
- 他線との接続停留場は八丁堀のみ。1号線(宇品線)、2号線(宮島線)、6号線(江波線)に乗り換えられる(これら3線は、戸籍上は本線)。
- 白島電停より600m西に行くとアストラムライン城北駅がある。なおアストラムライン白島駅までは、西北西に1km以上とかなり遠い。日本郵政中国支社や広島逓信病院があるのは広電白島電停、広島ホームテレビが近いのはアストラムライン白島駅、と覚えておくとよいだろう。
- 停留場番号接頭の"W"は、白島の「白」を英語に訳した"White"の頭文字から取られたが、もう一つの由来として、2番目の女学院前電停を最寄とする広島女学院の英語表記"Hiroshima Women's school"からとも言われる。実際白島線は広島女学院の生徒が多く利用している。
運行系統
運行系統としての白島線は、正式には9号線と称する。1969年に広電で初のワンマン運転を開始した。
戸籍上の白島線と同じ八丁堀~白島の区間運転がほとんどで、この区間のみ利用する場合の運賃は、ほかの広電軌道線の均一運賃より安くなっている。ただし紙屋町・江波方面へまたがって利用する場合や広島駅方面へ乗り換える際の運賃は、通常の軌道線均一運賃を適用する。
長らく単車のみの運用線区だったが、2013年2月15日より江波~土橋~八丁堀~白島を直通する便が若干設定されるようになったのをきっかけに、超低床連接車1000型の運用が開始された。江波直通は江波電車営業所からの出庫、もしくは江波への入庫を、回送から営業運転に切り替えたもの。
日中は単車1両と1000型1編成による運行。ただし単車で「9号線・江波行き」の方向幕が用意されたのがもと大阪市電の900型ともと京都市電の1900型に限られており、通常使用される単車もこれら2形式が多い。
なお広電では、700型・800型を除く単車は全体に老朽化が進んでいるため、今後、白島線は1000型による運行に統一されることも考えられる。
関連項目
宮島線・・・戸籍上は広電唯一の鉄道線だが、運行系統上は軌道の本線と合わせて宮島線と称し、広島駅電停~広電西広島電停(あるいは駅)~広電宮島口駅を結ぶLRTとなっている。