概要
大阪市電気局、後に大阪市交通局が運営。
1903年に大阪港への足として開業。
以後延長を重ね最盛期には117.8kmの路線を運営。大阪市内はもとより、堺市や守口市にも伸びていた。
日本初の2階建て車両を導入するなど新技術の導入に積極的であったが、地下鉄網の拡大、交通渋滞の多発により漸次廃止されていった。
最後まで残ったのは、1969年3月末の終電を以て廃線になった阪急東口〜守口車庫前、玉船橋(西区)〜賑橋〜上本町六丁目〜今里の2路線である。これらは現在のOsakaMetro谷町線:東梅田駅〜守口駅、千日前線:西長堀駅〜今里駅に相当し、特に後者は市電全廃の翌日に開業した。
現在、四つ橋線北加賀屋駅近くにある緑木検車場内で、市電の車両が静態保存されている。
補足
大阪市電亡き後も、大阪市内における路面電車は、阪神電気鉄道運営による国道線とその支線にあたる北大阪線、南海電気鉄道運営による大阪軌道線(阪堺線、上町線、平野線)が残っていたが、阪神の2路線は交通渋滞の多発もあって1975年に廃止、南海平野線は谷町線天王寺駅〜八尾南駅間延伸に伴う代替で1980年11月に廃止になった。対する阪堺線と上町線は阪堺電気軌道に移管され現在にいたる。
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広島電鉄···現役で活躍する元大阪市電の車両として、単車ではモハ900形が江波電車営業所に在籍し、冷房化改造の上で、市内線で運用されている。連接車では過去にモハ2500形2511〜2514が荒手電車営業所に在籍、宮島線で活躍していたが、モハ3100形への改造を施されることなく全車引退した。