概要
阪急バスに次ぐ大阪府第2のバス事業者で、大阪市とその周辺地域で路線バスを運行している公営事業者「大阪市交通局」が運行していた。路線は大阪市全域に展開し、他の公営バスと違い文字通り大阪市内全域を網羅しており、事実上大阪市内の路線バスを独占している状態となっていた。また、古くから新技術・サービスの導入には積極的なバス事業者として知られていた。
2018年の地下鉄・バス民営化に際し、地下鉄は新たに設立した「OsakaMetro」へ、バスは外郭企業として設立していた「大阪シティバス」へそれぞれ移管され、大阪市営バスとしての運行は2018年3月末をもって終了した。
歴史
- 1927年に、あべの橋~平野間の路線でスタート、車両塗色から「銀バス」の愛称がつけられていた。
- 1940年にそれまで大阪市内で競合していた大阪乗合自動車(青バス)を統合し市電、地下鉄を合わせて大阪市内交通を事実上独占する状態(市営モンロー主義の完成)に。
- 1951年に日本初のワンマン運転のバスの運行をスタートさせている。
- 1960年台には、周辺の民間バスとの相互乗り入れの形で市外路線も多数開設された時期もあった。
- 2018年4月に全路線が大阪シティバスに移管。
系統番号の法則
道路事情が著しく逼迫していた1970〜90年代、バスターミナルを境に運行系統を市内部からの「幹線」、外縁部からの「支線」に分割し、バスターミナルなど乗り継ぎ指定バス停で乗り継ぐ際に「乗り継ぎ券」を受け取ると運賃が通算される「ゾーンバス制度」が実施されていた。これらゾーンバス系統は、「幹線○○」、「支線○○」(例···出戸バスターミナルからあべの橋への「幹線1(現在は単に1)」系統、平野区長吉六反への「支線1(現在は61)」系統)というように、たとえ運行区間があさっての方向に向かう系統であっても同じ数字が振られることも少なくなかったが、幹線のみ、支線のみの系統番号もあり、さらに幹線の枝分岐系統には、「幹線臨○○」系統が複数存在した(支線は、当時JR平野駅から運行されていた「支線臨9」系統が唯一)。
また、幹線と支線の複合系統は「特○○」とされ、ゾーンバス系統ではない普通系統は単に数字のみで表されていた。
このゾーンバス制度は、道路事情の改善により2000年からは姿を消している。
営業所
大阪シティバスに移管し現存
- 井高野自動車営業所
- 守口自動車営業所
- 中津自動車営業所
- 酉島自動車営業所(以前は春日出自営)
- 鶴町自動車営業所
- 住吉自動車営業所
- 住之江自動車営業所
市営バス時代に廃止
平成期の廃止
- 古市自動車営業所(守口に統合)
- 港自動車営業所(酉島に統合。以前は九条自営)
- 東成自動車営業所(住吉に統合)
- 長吉自動車営業所(住之江に統合)
昭和50年代〜昭和末期の廃止
- 木津自動車営業所(住之江に統合)
- 生野自動車営業所(東成に統合)
- 長居自動車営業所(住吉に統合)
- 加美自動車営業所(長吉に統合)
- 森之宮自動車営業所(古市に統合)
関連タグ
バス 大阪市 大阪市交通局 大阪シティバス 大阪市営地下鉄・OsakaMetro 市営モンロー主義
ロート製薬:西側に生野自動車営業所が隣接し、最寄りバス停も「生野車庫前」(現・北巽小学校前)だった。