概要
阪急電鉄と同じく、阪急阪神東宝グループ(阪急阪神ホールディングスグループ)の一員。
阪急バスは登記上の本店所在地を大阪府池田市、本社を同・豊中市に構え、京阪神地域を中心として一般路線バスを運行している企業。
阪急観光バスは貸切バスのほか、大阪空港リムジンバス(他に一部の関西国際空港リムジンバス)、および主に大阪駅(=梅田駅阪急三番街バスターミナル)を起点とした高速バスを運行する企業で、本社は豊中市にある。旧社名は大阪空港交通で、2022年7月に旧・阪急観光バスを合併した。
阪急バス
大阪府に本社を構えるバス会社としては最大規模で、大阪駅や新大阪駅にも乗り入れるが、大阪シティバスがあるためか、大阪市内に発着する路線バスはごく少ない。
1927年に設立され、1946年に現在の社名「阪急バス」に変更している。
路線バスは北摂乗合自動車(能勢電気軌道系)などとの合併や、旧京阪新京阪線(現:阪急京都線)沿線の京阪バス(京阪電気鉄道系)の譲受、神鉄バス(神戸電鉄系)の大部分を譲受し、旧京都交通の能勢電鉄妙見口駅発着の路線の内、兵庫県・大阪府内の区間を継承する(旧京都交通のその他の路線は京阪京都交通や現京都交通に継承されている)などして路線を拡大した。
また、兵庫県川辺郡西谷村(現:宝塚市の北部)の西谷自動車を傘下に収め阪急田園バスに社名を変更、同社に一部の営業所を委託していた。2019年7月1日付で阪急田園バスを吸収合併し、同社が管轄していた路線は宝塚営業所に移管(その後猪名川営業所に再移管)の上、受託関係を解消した。
運行地域
2023年1月末現在は、阪神地域と、京都地域とに完全に分かれている。
阪神地域
東は大阪府高槻市、西は神戸市長田区、南は大阪駅(梅田駅)、北は大阪府豊能郡能勢町に広がり、池田市や箕面市、豊能郡では同社が独占し、豊中市や川西市などは阪急バス以外の路線がごく少ない。
他方で、国道171号線を境に淀川寄りを近鉄バスや京阪バス、山側を阪急バスが棲み分けている茨木市や、海側を阪神バス、山側を阪急バスが支配する一方で市内部などは両者が混在する西宮市のような自治体もある。
営業所は以下の通り;
【大阪府】
すべて「大阪」ナンバー。
吹田市・・・千里営業所、吹田営業所
池田市・・・石橋営業所
茨木市・・・茨木営業所
箕面市・・・箕面森町出張所
高槻市・・・柱本営業所
豊能郡豊能町・・・豊能営業所
一時期、大阪市淀川区に大阪営業所(現・阪急観光バス大阪営業所)が存在し、同営業所配属の車両のみ「なにわ」ナンバーが付けられていた。また、かつては池田市に伏尾台営業所、豊能郡能勢町に能勢営業所が存在した。
【兵庫県】
すべて「神戸」ナンバー。
宝塚市・・・宝塚営業所
西宮市・・・山口営業所、西宮営業所
芦屋市・・・芦屋浜営業所
川西市・・・清和台営業所
伊丹市・・・伊丹営業所
川辺郡猪名川町・・・猪名川営業所
神戸市北区・・・唐櫃営業所
太字は特に配置車両数と担当路線が多い営業所。かつては、神戸市灘区に六甲出張所、宝塚市に西谷出張所が存在した。
京都地域
京都市西京区・伏見区、京都府長岡京市・向日市・乙訓郡大山崎町、大阪府三島郡島本町で運行。
大山崎営業所と向日出張所がある(「京都」ナンバー)。
現在は阪神地域の路線網とは分断されているが、かつては、茨木駅と水無瀬駅を結ぶバスがあり、阪神地域の路線網とつながっていた。
共同運行路線
阪神バス、京阪バス、近鉄バスと共同運行している路線がある。末尾の【】は担当営業所。
近鉄バス共同運行・・・JR茨木駅〜万博記念公園駅(土休日のみ)【茨木】
かつては神戸・尼崎の両市バスと共同運行する路線もあったが、現在は神戸市バス共同運行だった路線は阪急バス単独運行になり、尼崎市バス(→阪神バス)共同運行だった路線は逆に阪急が撤退している。
阪急観光バス
空港リムジンバス
空港営業所が担当。
現在の路線
大阪(伊丹)空港発着路線 | ||
---|---|---|
大阪市内方面 | ||
大阪駅・梅田 | なんば(OCAT) | 上本町(都ホテル) |
あべの橋(あべのハルカス) | USJ | 新大阪駅 |
大阪府下方面 | ||
高槻・京田辺・津田 | 東大阪・八尾 | 関西空港 |
その他 | ||
西宮 | 神戸三宮 | 姫路 |
京都 | 奈良・天理 |
関西空港発着路線 | ||
---|---|---|
大阪駅 | 大阪空港 | 西宮 |
神戸三宮・六甲アイランド | 京都 |
大阪空港交通時代に存在した川西能勢口駅への路線は、他路線とは異なり、一般路線バスのような前中扉車両が専用されていた。
余談だが阪急伊丹駅へは伊丹市交通局が一般路線バスを運行する。
高速バス
大阪営業所が担当。かつては阪急バスによる運行だったが、漸次移管され、2022年7月の新・阪急観光バス発足に合わせて阪急バスは高速バスから撤退した。
路線名・愛称 | 行先 | 共同運行会社 |
---|---|---|
おけさ号 | 新潟 | 新潟交通 |
アルペン松本号 | 松本 | アルピコ交通 |
大阪-富山線 | 富山 | 富山地方鉄道 |
大阪-宮津線 | 宮津 | 丹後海陸交通 |
京都-有馬温泉線 | 有馬温泉 | 京阪バス |
パールエクスプレス徳島号 | 徳島 | 阪神バス・南海バス・徳島バス |
しこくさぶろうエディ号 | 阿波池田 | 四国交通 |
さぬきエクスプレス号 | 高松 | 西日本JRバス・JR四国バス・四国高速バス |
よさこい号 | 高知 | とさでん交通 |
オレンジライナーえひめ号 | 松山 | 伊予鉄バス |
大阪-池袋線 | 池袋 | 京王バス |
アルペン伊那号 | 伊那 | 信南交通・伊那バス |
大阪-湯村温泉線 | 湯村温泉 | 全但バス |
大阪-福井線 | 福井 | 京福バス・福井鉄道 |
大阪-津名・洲本線 | 洲本 | 淡路交通 |
車両
いすゞ、日産ディーゼル、日野、三菱ふそうのすべてが揃うが、名鉄バスや神奈川中央交通と並ぶ三菱ふそうのヘビーユーザーで知られており、かつては全車両の7割近くを三菱ふそうが占めていたこともある。
また、西日本車体工業が製造した車体を載せた車両も多く、特に日産ディーゼル車はすべて西日本車体である。
コラボ
ちいかわ
2023年10月(※)~2024年3月まで、阪急電鉄『ちいかわ』コラボの一環として、3台のバスがちいかわラッピング車両となった。車体カラーも阪急電車をイメージしたマルーンに変更。
※当初は8月からの予定だったが、諸事情により開始日が遅れた。
ラッピング | 車両 | 期間 | 備考 |
---|---|---|---|
ちいかわ号 | 猪名川営業所3251号車(エアロスター) | 2023年10月30日~2024年3月26日 | |
ハチワレ号 | 西宮営業所3237号車(エアロスター) | 2023年10月28日~2024年3月24日 | |
うさぎ号 | 茨木営業所7197号車(エルガ) | 2023年10月26日~2024年3月28日 |
関連タグ
阪急電鉄、能勢電鉄、神戸電鉄、北大阪急行電鉄、阪神電気鉄道、阪神バス、丹後海陸交通:グループ会社
北神急行電鉄:かつてのグループ会社