京王バス
けいおうばす
2002年2月1日設立。当初は中核会社の京王電鉄バスと傘下の子会社の京王バス東・中央・南・小金井の4つの地域子会社に分かれていた。
2020年10月1日より京王バス南を存続会社として、京王バス東・京王バス中央の各社を統合し『京王バス』として再出発。なお京王バス小金井だけは何故か単独で存続する事になった。
これにより、京王電鉄バスグループは親会社の京王電鉄バス、子会社の京王バスと京王バス小金井の三社体制となったが、2022年4月1日にバス小金井が電鉄バスに吸収合併(※)されたことで京王電鉄バスと京王バスの二社体制となった。
本社は武蔵野線北府中駅近くに所在する府中営業所に併設されている。
※京王バス小金井の電鉄バス吸収合併直前の2022年2月16日、小金井営業所敷地内に京王バス府中営業所小金井支所が設置され、【武71】、【武73】、【府75】(武蔵小金井駅〜府中駅・東府中駅系統)と【武84】、【武85】、【武94】、【武95】、【磨01】、【磨02】(武蔵小金井駅〜自動車試験場正門〜多磨町・多磨霊園駅系統)の一部が移管・京王バス府中営業所本所と共同運行された。また、電鉄バス小金井営業所と【武41】(武蔵小金井駅〜小平団地)を共同運行する事になった。
。
東京都城西・南部多摩地方を中心とした京王線・JR中央東線沿線で展開し、東は新橋駅、西は八王子市小仏、南は神奈川県の相模原駅や橋本駅、北は本来関東バスのエリアである練馬駅まで足を伸ばす。
多摩地方では、鉄道網が東西方向主体であるがゆえに、お互いの鉄道駅を南北に結ぶ路線として国分寺駅〜明星学苑〜府中駅の【寺91・92】、武蔵小金井駅〜府中駅の【武71・73】、国立駅〜聖蹟桜ヶ丘駅の【国18】などがあり、中でも【寺91・92】は非常に本数が多い。
23区内では新宿駅・渋谷駅・中野駅・永福町駅を起終点とした路線が目立つ。さらにこれらの拠点をつなぐ路線として、新宿駅〜渋谷駅の【宿51】、新宿駅〜永福町の【宿33】、新宿駅〜中野駅の【宿45】、渋谷駅〜中野駅の【渋63・64】、中野駅〜永福町の【中71】が存在し、鉄道網を補完している。
自治体のコミュニティバスは渋谷区(ハチ公バス)・杉並区(すぎ丸)・三鷹市(みたかシティバス)・調布市・小金井市(CoCoバス)・国分寺市(ぶんバス)・府中市(ちゅうバス)・多摩市・日野市で運行しており(うち三鷹市と調布市は小田急バス、小金井市はつくば観光交通と路線を分担)、調布市と多摩市のコミュニティバスには、京王独自の系統番号も存在する。
このほか京王線、JR中央東線沿線から羽田空港や成田空港までを結ぶ空港連絡バス、新宿駅、渋谷駅から京王線沿線およびJR中央線沿線方面への深夜中距離バスや深夜急行バスも運行している。
なお小金井営業所のみ、空港連絡バス・深夜急行バス・コミュニティバスの運行を一切担当していない。
中央高速バス
名古屋系統は夜行便設定あり。
その他の路線
仙台・石巻系統は夜行便設定あり。
行先 | 共同運行会社 |
---|---|
長野 | アルピコ交通・アルピコ交通東京 |
仙台・石巻 | 宮城交通 |
三島・沼津 | 富士急シティバス |
浜松 | 遠州鉄道・JR東海バス |
静岡 | しずてつジャストライン・JRバス関東・JR東海バス |
東京ディズニーリゾート | 京成トランジットバス |
幕張→渋谷・新宿 | 東急トランセ・京成トランジットバス・ちばシティバス |
軽井沢 | 東急トランセ・西武観光バス・上田バス |
味の素スタジアム→新宿 | 京王バス単独運行 |
夜行:阪急梅田・USJ | 阪急観光バス |
夜行:姫路 | 神姫バス |
京王バスグループではいすゞ自動車、日野自動車、日産ディーゼル、三菱ふそう、スカニア、トヨタの6メーカーが製造したバスを運用している。
一般路線車では日産ディーゼルの比率が高い時期が続いていた。これは1995年以降、車両の低床化とバリアフリー化推進のために同社製のJP系を大量導入したり、同社と共同で小型ワンステップバスのRN系を開発し、多数導入したりしたことによる。
2010年に日産ディーゼル→UDトラックスがバスの製造・販売より撤退し、以降徐々に日デ車の割合が下がっている。
京王バス車の大きな特徴としてフォグランプが深夜急行バス用車両や高尾駅発着の山間路線で使用する極一部の車両を除き省略されている点がある。これは京王特注の仕様で、同じようなフォグランプ省略車は東急バスや関東バスにも導入されていたが、近年まで新車でフォグランプ省略車を導入しているのは京王バスグループのみであった。2014年度製造の車からフォグランプが付くようになった。
またツーステップ時代には、東急・関東バス・西武バスと同じく3扉車を導入していた実績もあるが、現存車はない。末期は後扉を閉鎖し、整理券方式の路線で中乗り・前降りで使用していた。
2020年にトヨタの燃料電池バスSORAを京王バス多摩営業所へ導入。同年には高尾営業所管内で運行を開始したミニバス路線nearくる用にハイエースも導入している。
2021年に日野自動車のブルーリボンハイブリッド連節バスを京王電鉄バス八王子営業所と京王バス高尾営業所に各1台ずつ導入、4月5日より運行を開始した。特に八王子営業所の車両は連節バスのメーカーでもある日野自動車本社への通勤輸送向け専用で運用されている(朝の通勤時間帯に日野駅から日野自動車前までの片道運行。途中停留所は無停車。車両の折り返しは日野自動車本社構内で行ってそのまま日野駅へ回送される)。なお、高尾営業所の車両は、朝に高尾駅南口から館ヶ丘団地へ片道1本を準急バスとして運行している。
深夜急行バス用にワンステップのワンロマ車も保有。
高速路線車は三菱ふそうと日野自動車の2メーカーが主に導入され、中央道富士五湖方面線向けにスカニア・TDX24も導入している。
固有番号
所属営業所を示すアルファベット一文字と5桁の数字で構成される。
万の位でメーカー及び車両の用途を表し、千の位と百の位は購入年度(西暦下2桁)、十の位と一の位が整理番号を表す。
例えば固有番号L30712の場合、
L:調布営業所所属
3:三菱ふそう製の一般路線車
07:2007年度購入車
12:固有番号。必ずしも導入順というわけではない。
を意味する。
営業所固有記号と、万の位のメーカー車種の対照表は以下の通り
営業所名(所属会社) | 固有記号 | ナンバー |
---|---|---|
八王子(電鉄) | C | 八王子 |
桜ヶ丘(電鉄/バス※1) | S | 八王子 |
調布(バス) | L | 多摩 |
永福町(バス) | D | 杉並/練馬 |
中野(バス) | A | 練馬 |
世田谷(バス)※2 | X | 杉並 |
南大沢(バス) | M | 八王子 |
多摩(バス) | J | 多摩 |
高尾(バス)※3 | T | 八王子 |
府中(バス) | B | 多摩 |
小金井(電鉄/バス※4) | G | 多摩 |
※1・2019年11月16日より併設。一部路線を電鉄より移管。地域子会社合併により2020年10月より京王バス中央から京王バスへ移管
※2・2019年10月1日に永福町営業所世田谷車庫に格下げ。これに伴い所属車両は世田谷ナンバーから杉並ナンバーに変更。高速車のみ在籍。
※3・2019年10月1日に京王バス南・南大沢営業所寺田支所より格上げ。京王バス南に移管前は電鉄バス八王子営業所の寺田車庫だった。
※4・2022年2月16日に京王バス府中営業所小金井支所が併設。2022年4月1日に京王バス小金井は京王電鉄バスに吸収合併。
万位の数字 | メーカー/車種 |
---|---|
1 | いすゞ一般路線車 |
2 | 日野一般路線車・トヨタ燃料電池バス |
3 | 三菱ふそう一般路線車 |
4 | 日産ディーゼル一般路線車 |
5 | 三菱ふそう高速路線車 |
6 | 日野高速路線車 |
7 | 日産ディーゼル小型路線車(RN系)→スカニア2階建て高速路線車・ハイエース |
8 | いすゞ高速路線車 |
9 | (事業用普通乗用車) |
貸切車は営業所に関係なく記号はK、高速車も営業所に関係なくXを割り当てる。車体の固有番号表記上、貸切車・高速車は記号が省略される。
車両カラーリング
路線車両の車体塗装は電鉄バスは6000系までの電車と同じようなアイボリーにピンクとブルーのストライプ、京王バスは白にブルーとゴールドが基本だが、管理委託や営業所間の転属の関係で一部の車両に電鉄バスカラーで京王バスの所属車両や京王バスカラーの電鉄バス所属車両があり、ややこしい状態になっている。そのためか、京王バスカラーの車体ロゴが従来は「KEIO BUS」であったが、最近増備された車両は京王電鉄バス籍でも京王バスカラーで登場するためロゴが「KEIO」のみとなっている。
桜ヶ丘営業所では、電鉄バスと京王バスが同居しているため、識別のために京王バス所有車(色問わず)の前面社番の下に黄色い線を引いている
【京王電鉄バスの車両を使用して京王バスの乗務員が委託運行している日野市ミニバス用車両の一部も含む】
東京23区内、武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市全域と府中市の一部地域を走る路線は前乗り中降り・運賃先払いで均一運賃制である。
武相地域(概ね西武多摩川線以西の地域)は中乗り前降り・運賃後払い式で運賃は乗車する区間によって異なる。
ただし、京王バス調布営業所と京王電鉄バス/京王バス桜ヶ丘営業所の運行する路線の一部では武相地域を走る路線でも前乗り中降り運賃先払い制を採用している。この場合乗車時に運転手に降りる停留所を申告する。
2020年の子会社統合による車体表記変更では、京王バス所属車(除く小金井)については、電鉄バスカラーは「京王バス」表記に貼り替えたのに対し、京王バスカラーについては旧社名の方角部分だけ車体と同じ色のラッピングで塗り潰す事で対応した
【「京王バス南」表記の場合は「南」だけを塗り潰した】
100周年記念後も、京王帝都電鉄時代の高速車や貸切車の復刻塗装車を増備したが、隷書体の「京王帝都」の文字にあわせたのか、車体後部の所属会社名(当時の京王バス中央、京王バス東)のフォントを隷書体に近い古印体で表示する羽目に…………、
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