概要
公式の通称は「都営バス」だが、地元では「都バス」と呼ばれている。
pixivでは、「都営バス」タグが付いている作品や、「東京都交通局」タグでまとめられている作品の方が多い。
東京23区内のうち、中心部(山手線の内側とその東側)や城東方面(墨田区、江東区、江戸川区)をおもに走っているが、目黒区には路線がない。一方、多摩にも小平市~青梅市間及び青梅市一帯に路線がある。
かつては隣接する事業者と相互乗り入れで長距離路線を持っていたが今は存在せず、観光バスも貸切免許を維持するのに必要最小限である5両(しかも純粋な観光バスはこのうち3台で残り2台は路線バスの車を貸切車として登録した兼用車)しか持っておらず、本格的な観光バスは基本的に東京都も出資しているはとバスへ任せている。
利用者も運行本数も多い路線もあるが、23区内であっても1時間に1〜2本しかない(※ここの「しかない」は都市基準である)路線も多く、しかも運行間隔は、23区内・多摩問わず、ほぼすべての路線でパターンダイヤになっていない。鉄道のダイヤと見比べるとかなりの差がある。
23区内では路線が多い分、運行経路も複雑で、同じ駅の最寄りのバス停が散在している事も多い。同名のバス停同士で乗り換えるより、その隣のバス停から歩いた方が楽という事例もたまにある。
路線の変更・新設・廃止も頻繁にあるため、久し振りに東京へ行くとかいう場合には、あらかじめ路線と時間を確かめておこう。
という具合に、地元の人間以外にはハードルが高い乗り物であるが、一日乗車券(バス専用と、地下鉄・都電も使えるもの)があるので、乗りこなせればかなり便利である。
23区内以外に住んでいるpixivユーザーが一番お世話になると思うのは、東京国際展示場での各種イベントの際に出る急行バスだろう。
一般路線バスは下記の画像のようになるが、地元人以外にはやはりハードルが高いので、あまりお奨めできない。お盆と年末年始には、同じ日でも平日・土曜・休日のどのダイヤが適用されるかが路線により異なるのも、このハードルを余計に上げている。
2013年時点。
それ以外の詳細な情報や歴史などについては、外部リンクを参照のこと。
営業所・車庫
営業所名 | 記号 | 所在地 |
---|---|---|
品川 | A | 品川区北品川 |
港南支所 | Y | 港区港南 |
渋谷 | B | 渋谷区東 |
新宿支所 | C | 新宿区西新宿 |
小滝橋 | E | 中野区東中野 |
杉並支所 | D | 杉並区梅里 |
千住 | H | 足立区梅田 |
有明 | J | 江東区有明 |
南千住 | K | 荒川区南千住 |
青戸支所 | Z | 葛飾区白鳥 |
江東 | L | 墨田区江東橋 |
北 | N | 北区神谷 |
練馬支所 | F | 練馬区豊玉上 |
巣鴨 | P | 豊島区巣鴨 |
深川 | S | 江東区東雲 |
早稲田 | T | 新宿区西早稲田 |
青梅支所 | W | 青梅市森下町 |
江戸川 | V | 江戸川区中葛西 |
臨海支所 | R | 江戸川区臨海町 |
車体カラー
都バスの車両のカラーリングはその長い歴史で何度も変わっている。
初代は昭和26年頃から昭和34年まで使われたカスケードブルー、モスアゲートグレー、フェザードグリーンの3色にオレンジの帯を巻いたもの。
昭和34年から45年までは都電と同じクリーム色にマルーン色の帯を巻いたもの。
(イラストは参考)
昭和43年度の新車からアイボリーブルー地に水色の帯を巻く塗装へ変更される。当時の都知事の名前をとって美濃部カラーとも呼ばれる。
昭和56年導入の新車から事故防止のため、視認性向上を狙って黄色地に赤帯を巻く塗装へ変更される。当時の都知事の名前をとって通称鈴木カラーとも。
ただこの塗装、「奇抜で派手過ぎる」など大変評判が悪かった上に色彩の専門家からも「都市景観全体との調和を考えるべき」との意見が寄せられる有様だったため、翌年にはコンペの上で新しい塗装が制定されることとなった。
かくして翌・昭和57年に制定された塗装はクリーム地にスカートをベージュ、側面に緑色が斜めに走るナックルライン塗装。こちらは評判がよく、ノンステップバスの導入開始までの新車や経年の浅い在来車に施された。
平成9年からはナックルラインカラーをアレンジして側面にオレンジとクリーム色の大きな円が入った塗装を採用。この塗装はノンステップバスにのみ施されており、ツーステップ車や都市型超低床車には施されていない。
なおこのノンステカラーの派生として平成30年度から納車されたスカニア・ボルグレン製のフルノンステップバス専用塗装がある。従来のノンステカラーと比較してオレンジとクリーム色の円がなく、窓まわりをブラックアウトし、その下と車体裾にオレンジ色の帯を入れている。
この他にも同じく平成30年度より導入されたトヨタ製「SORA」燃料電池バスでは、白をベースに水色と黒色を廃した専用塗装が採用された。
局番
都営バスの車輌を管理する文字を局番といい、側面に書かれている。数字や他の文字と間違えやすいI、O、Q、J、Uの文字を除いた21文字が使われる
例「T-Y490(早稲田)」、
‐T 営業所記号
その車両がどこの営業所所属かを示す。
A→品川 B→渋谷 C→新宿といったように営業所ごとに分かれている。
‐W 購入年度
A→平成27年導入車 →B平成28年導入車 C→平成29年導入車といったように年度ごとに割り振られ令和2年導入車は Fとなる。
ZまでいってしまうとまたAから繰り返し使用されるが、前回のFの対象年度は平成11年導入車である。基本的に車両の置換サイクルは東日本大震災以前が12年、現在はおおよそ15年のため年度記号が重なる可能性は無い為特に問題にはならない。
‐490 通し番号
車両ごとの通し番号。
百の位はその車の区分を示すが路線車の場合100から899となることが多い。この場合801以降が中型車に割り当てられるが令和3年度のG代では既に中型車は全廃になった後のため大型車に使われた。(かつて在籍した中型ロング車は大型扱いのため799以前を使用)900番代はかつて行ってた特別学校の特定輸送の車に割り当てられたがすでに廃止となりかなりの時間が過ぎたため令和4年度のH代で900番代も路線車の番号に転用された。
ちなみこの車両は早稲田営業所所属で平成25年度導入の490号車である。
余談
実は都バスはお金のないバス会社にとって高品質な中古車を放出してくれる救世主だった。しかし、U-規制車の廃車が進んでた当時「排ガス規制に引っ掛かる車両を規制区域外へ売り飛ばすのは、汚染を押し付けているようでいかながものか」と、石原裕次郎の兄の一声で転売が禁じられた。その影響で、車両を代替出来なくなったり、中古車価格が高騰したり、という事態が発生したことがある。
さらに東日本大震災と原発事故で、都が保有する東京電力の株が無配になったため、赤字がひどくなり「まだ使えるのにもったいない」と、車の使用期間をギリギリまで伸ばして使い倒すことにした。このためU-規制車は、平成16年度あたりまでの廃車が中古流通したほかは、ほとんど解体業者へ引き渡された。ただし一部はインドネシア・ジャカルタ特別市や、スマトラ沖地震で被災したスリランカへ、人道支援や復興支援として無償譲渡されている(その他不正転売され東南アジアへ輸出された車も存在する)。
KC-規制車は、震災復興支援や夕張支援として無償譲渡された車があるほか、「売却時に購入者が排ガス浄化機構を付ける」ことを条件に少数が売却されたのみである。今は排ガス規制に不適合だったKC-規制車がほぼ一掃されたこともあり、交通局の財政健全化の一環として中古車両の売却が再開されており、全国の地方事業者に都バス出身車が多数流れている。事業者によっては座席モケットを東京都時代のみんくる柄のままで使っていることも。
別名・表記ゆれ
外部リンク
関連イラスト
関連タグ
はとバス …東京都が出資している観光バス。