ノンステップバス
のんすてっぷばす
低床バスの一種で、低床型ツーステップバスや低床型ワンステップバスより更に床面を低くして高齢者や肢体不自由者など段差の上り下りが困難な人や不可能な人も容易く乗車できるように作られたバス。
バリアフリーの一環として路線バスに導入されている。ただし、駆動系統を装荷するスペースがなければ自走できないため、後輪から後ろは何かしらの段差や傾斜、デッドスペースといったものができてしまいがちになることや、最低地上高が低いため路線によっては路面と干渉(※)してしまい採用できない場合がある。
低床バスとして次のような装備がなされていることが多い。
ニーリング機能
扉扱い時に自動的に乗降口側のエアサス(空気バネ)の圧縮空気を抜き、車体を少し傾けて地面との段差を少なくすることにより乗り降りしやすいようにする機能。扉を閉めると自動的にエアサスへと圧縮空気が補給され車体は水平に戻る。
このニーリング機能の応用で、車体を一時的に上昇させることでロードクリアランスを確保するリフトアップ機能が組み込まれた車両がある。これの開発により導入路線に対する制約は減ったといえるだろう。
車椅子用スロープ
車椅子用に格納式スロープを装備している。車椅子は原則中ドアからの乗降にしか対応しない。
概要の補足
※・・・シャコタン車が段差でやらかすアレと同じ事が起こってしまう。
フルノンステップバス
前輪から客室後部まで段差のないノンステップバス。客室後部まで段差がないというのはあくまでも通路の部分だけで、中扉から後の座席へはよじ登る形で着席する。
AT車ばかりでスペースの関係から大型エンジンを搭載できない、専用部品が多く車両価格が高い事から事業者から敬遠され、日本国内のメーカーでは2005年に製造終了となった。このほかエンジンの配置の関係から、追突事故発生時に客室へエンジンがのめり込むかもしれないという、安全性の問題が浮上したことや、エンジンがデッドスペースとなるため、定員が増やせないといったデメリットも敬遠された要因のひとつである。
なお、某公営交通事業者は2018年に導入したスカニア製車両を、日本初のフルフラットノンステップバスとして謳っているが、それ以前からいすゞ、日野、日産ディーゼルなどの国産車を使用していたため、決して日本初ではない。
前中ノンステップバス
ツーステップバスやワンステップバスをベースとしたノンステップバス。
前扉から中扉までの床面を切り下げてノンステップとし、中扉から後ろは床を嵩上げすることで部品をある程度ワンステップバス・ツーステップバスと共通化させたもの。
現在製造されているノンステップバスは全てこのタイプ。
「ノンステップバス」は和製英語なので、海外では通じないので注意。海外では"low-floor bus"または "kneeling bus"という。