概要
日本の自動車メーカー。主にトラックやバス等の大型車両の製造を行っている。
この企業の大本は現在の東京ガスの機械部門が1910年に分離して誕生した東京瓦斯工業であった。1913年に電気器具も制作するようになり東京瓦斯電気工業と名を改めたことを皮切りに事業を多角化、1919年には2年前から陸軍の勧めを受けて開発を始めた自動車「TGE-A型」が完成し自動車メーカーとなった。1918年には航空機のエンジンを作るようになっていったが、1937年に自動車工業(後のいすゞ自動車)と合併し東京自動車工業となった。1942年に旧東京瓦斯電気工業自動車部であった日野製作所が日野重工業として再分離され、1959年に日野自動車工業、1999年に日野自動車と改称し現在に至っている。
1960年代以前はコンテッサなど自社ブランドの乗用車の生産も行っていたが、トヨタ自動車との連携後は大型商用車生産に特化している(ただし現在もトヨタからの委託生産でランドクルーザー250などの乗用車の組み立てを行っている)。現在は、トヨタ自動車が半数の株を持つ子会社。
バス部門はジェイ・バスとしていすゞ自動車と経営統合し、両社がジェイ・バスから供給を受ける形になっている。
もっとも前述の通り、歴史的には当時の石川島造船所(現在のIHI)の自動車部門だったヂーゼル自動車(後のいすゞ)の日野製作所が本社の源流、つまり日野はいすゞから再分離してできた会社であるのでこの流れは至って自然とも言えるだろう。
2020年をめどに本社に併設されている日野工場(大型車・中型車を製造)が茨城県古河市に完全移転し、前身である日野重工業創立以来伝統ある工場が姿を消すことになる。なお本社はそのまま東京都日野市に残る。
2022年3月4日、国内工場で製造する中大型のトラックとバスについて、ディーゼルエンジンの排出ガスなどのデータを改ざんし、国土交通省に提出していたと発表。最大で同社の年間国内販売台数の2倍にあたる約11万5500台に搭載されたエンジンが不正な数値だった疑いがあるとのことで、事態を重く見た国は同月29日、エンジンを搭載しているバスやトラックについて認証を取り消す重い処分を下した。認証を取り直すまで少なくとも数か月は生産できなくなる見通しである。
その後、2023年6月には親会社であるトヨタ、ダイムラーが折半して設立する会社の傘下に入り、ダイムラー傘下の三菱ふそうと経営統合することを発表。それと同時にトヨタグループから離脱される事となった。これにより、日本の商用トラックメーカーは事実上2社に絞られることとなる。
事業所(国内のみ。関連会社の事業所を除く)
本社・日野工場(東京都日野市)※大型トラック(プロフィア)と中型トラック(レンジャー)を製造していたが、2020年に工場機能を閉鎖予定。
羽村工場(東京都羽村市) ※小型トラック(デュトロ)を製造。トヨタ自動車からダイナ・ランドクルーザー250・73式中型トラック・高機動車(陸上自衛隊向け)を受託生産
新田工場(群馬県太田市) ※鋳物、エンジン部品を製造
古河工場(茨城県古河市) ※日野工場から大中型トラックを生産を移管。2020年には日野工場にあった全機能が集約される予定。
車種
現行車種
トラック
大型・プロフィア(海外名:700シリーズ)
中型・レンジャー(海外名:500シリーズ)
小型・デュトロ(海外名:300シリーズ)
北米向けボンネット・600シリーズ
バス
セレガ(RU系、大型観光・高速)- 現行車種はいすゞ・ガーラ(RU系)との統合車種
ブルーリボンハイブリッド(2代目HL系、大型路線ハイブリッド車)- 車体はいすゞ・エルガ(2代目LV系)がベース
ブルーリボン ハイブリッド 連節バス(KX系、大型路線ハイブリッド連節バス)- いすゞ・エルガデュオとの統合車種
メルファ(RR系、中型観光・自家用)- 現行車種はいすゞ・ガーラミオ(RR系)との統合車種
ポンチョ(2代目HX系、小型路線)
リエッセII(XZB系、マイクロバス)- トヨタ・コースターのOEM車種
・その他
73式中型トラック(陸上自衛隊向けの輸送車両)
高機動車(陸上自衛隊向けの輸送車両)
関連動画
YouTube ビデオオプション ラーマン山田 ダカールラリー 優勝車 日野レンジャー に乗る!
※ダカールラリーで12年連続クラス優勝している競技用マシン
関連タグ
近畿日本鉄道 - 歴代トップが監査役に名を連ねる。近鉄バスは主要ユーザーの1つ。
富士自動車 - 同じく東京瓦斯電気工業を前身とする会社
BYD - 2020年に日本の日野自動車と電動商用車を開発する新会社を設立することを発表した。