路線用の小型ノンステップバス。初代と2代目が存在する。
愛称の由来はポンと乗ってチョこっと行くことから。また衣服のポンチョにもかけている。
初代ポンチョ
駆動系とシャーシは仏PSA・プジョーシトロエンが製造。ボデーは日野グループによる架装。仲介役はトヨタ。
乗用車の構造の延長としてシャーシが作られているため、エンジン横置きタイプの前輪駆動方式をとっている。車両サイズは全幅2m×全長5.8mで、客室フロア全体がノンステップ。
ちなみに、変速機は5速マニュアルのみ。2005年をもっていったん製造終了。
2代目ポンチョ
初代と異なり、純国産車。日野リエッセを基に造った車両であり、初代と異なりリアエンジン・リアドライブとなっている。また、ABS標準装備となり、ラインナップに5速OD付き電子制御ATが加わっている。またマニュアル車のほうはノンステップバスの構造上、リンケージを通す場所がないため、フィンガーシフトを採用している。(操作は一般的なマニュアル車と同じ)ちなみにヘッドライトは丸型だが、この部品は実はダイハツ ムーヴに使われている部品と同じ部品であることは秘密(他社製品の部品流用は割とよくある話)。
この他、東京都墨田区と羽村市でポンチョをベースとした「HINO PONCHO LOW-FLOOR ELECTRIC COMMUNITY BUS」というEVバスが納入されている。この車両は日野自動車が自ら開発した電気バスであり、アメリカ・UQMテクノロジー製モーターとIHI製リチウムイオンバッテリーを組み合わせている。
航続距離は30kmと電気自動車、それも比較的巨躯の中型バスであるため短いのは致し方ないものの、「短距離を走行し、その都度充電する」という前提での設計であるため、コミュニティバスという側面では理に適った構造となっている。
なお、当車両をベースに改造した電気バスは、早稲田大学も何両か開発しており、うち2両は長野市内を走行するコミュニティバス「ぐるりん号」で試験運用されたほか、長電バスが受け持った車両を用いて長野駅から平林街道を経由して柳原営業所へと向かう一般路線にも試験投入がなされた。
三菱ふそうエアロミディMEやいすゞエルガミオ7mといったライバルが姿を消したため7mクラスの路線バスやコミュニティバスの市場を独占状態である。
2018年にマイナーチェンジを実施し、MTを廃止しATに一本化した。これにより一般路線用バス車両からMT車が消滅した。(高速路線用を含めるとセレガ・ガーラにまだMT車の設定が残っている。)
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OD…OverDriveの略。変速比が1.000を切っている(入力より出力のほうが速い)変速段のこと。
ABS…AntilockBrakeSystemの略。急ブレーキ時や滑りやすい路面でのブレーキ時にタイヤがロックして路面を滑走すると、ブレーキのポンピング(ブレーキを緩めタイヤが回りだしたら再びブレーキをきつくする)を高速で行い、操舵不能に陥ることを軽減する装置。
フィンガーシフト…マニュアルトランスミッションの操作系統を機械的な接続からをX-by-Wire化したもの。シフト操作が軽く行えるのと、シフトリンケージを通さなくても良いことから低床化の面で有利であり、このポンチョに限らず1980年代以降のリアエンジンバスのMT車では標準的に使われている。
X-by-Wire…航空機のフライバイワイヤと同様に操作系統の伝達を電気信号や光信号などで行う方法。