1946年より1961年までルノー公団(現・ルノー)が製造した自動車。開発は第二次大戦中のドイツ占領下で極秘に行われていた。
全体的な基本設計にフォルクスワーゲンタイプ1の影響が色濃く、特にリアデザインはビートルそっくりであるため、第二次大戦後フランスに抑留されていたポルシェ博士(ビートルの設計者)が設計させられた自動車であるという伝説があるが、ルノーが開発中の4CVにポルシェ博士のアドバイスを求めたというのが真相である。
フランスで初めて登場した戦後世代のモデルで、発表当初は売れ行きがよくなかったが、やがて戦後復興が軌道にのるとともに、フランスの乗用車で初めて販売台数が100万台を超えた人気車となった。エンジンは760ccと小排気量ながら当時の大衆車の水準では高性能なもので、最高速度は100km/hを超えた。
日本でも日野自動車が日野ルノーとしてライセンス生産を行い、本国での生産終了後の1963年まで生産が行われ、亀の子ルノーと呼ばれ昭和30年代のタクシーによく使われていたが、当時の道路環境の悪さからギアボックス・ケースを割ったり、アクスルを折ったりしてルノーは足廻りが弱いと悪評をこうむった。
フランス本国では1961年に、フランス史上最大のベストセラー車であるルノー4(カトル)にバトンタッチし生産を終了した。
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