概要
ルノー4CVと、その後継車である4(キャトレール)の流れをくむ車として、1993年から製造・販売が行われている。
初代
パトリック・ル・ケモンによる奇抜なデザインは、ホンダ・トゥデイにヒントを得たものといわれ、ルノーはそれを否定していない。動力は前輪駆動(FF)のみ。
トゥデイに倣って4本のホイールを車体の外に追いやることでスペース効率を徹底したほか、後ろの席のスライドや跳ね上げ、前の席を倒してのフルフラットを実現させた。
左ハンドルしかなかった上、ミッションはMTとセミATしか用意されなかったにもかかわらず、1995年から日本に正規輸入され、当時の輸入車としては破格の値付けもあって中々の人気を得た。
2代目
13年もの長きにわたって製造・販売された初代に代わって2007年に登場。
設計は2代目クリオ(日本市場ではルーテシア)をベースとしている。2008年に日本市場にも投入されたが、為替レートの関係で割高になってしまい、あまり売れなかった。
3代目(メインイラスト)
2014年から製造・販売が行われている現行モデル。
現代のコンパクトカーとしてはきわめて異例のリアエンジン・リアドライブ(RR)を採用。これにより車体を100mm短縮しながら、車内の長さを130mm伸ばし、エンジンも大幅にダウンサイジングされた。リヤのトランクスペース床下に搭載されることを前提に設計され、シリンダーは49度も傾けられている。専用設計のSCe70エンジンは三菱自動車の3B2シリーズの設計をベースにしたとの記述が散見されるが、コンパクトカーの狭い床下に収めるために設計されたという共通点ゆえに設計が似たもので、基本的に無関係なエンジンである。
2代目(現行モデル)スマートフォーフォーは3代目トゥインゴと基本構造を共用。両者の開発はルノーが打ち出した案をもとに、メルセデスが賛同する形で進められた。
2016年9月15日に日本で発売され、好評を得ている。日本に正規輸入されているモデルは全て(2018年2月に正式なカタログモデルになったGT含めて)右ハンドルである。後輪駆動だけあって、最小回転半径は4.3mと、現在日本で販売されている乗用車では最も小さい(2021年12月まではスズキの8代目アルトが4.2mと最小であった)。
ライバル
- フィアット500
- フォルクスワーゲンUP!
- ホンダフィット(ジャズ)(※1)
- スズキイグニス(※2)→スプラッシュ
- トヨタアイゴ/プジョー107→108/シトロエンC1(ヨーロッパ市場)
- トヨタパッソ/ダイハツブーン(日本市場)(※3)
参考
(※1)ヨーロッパでは「ジャズ」という名称で発売されている。ただし3代目はヨーロッパ市場には投入されていない。
(※2)2016年から製造・販売されているクロスオーバーSUVではなく、初代スイフトのヨーロッパ向けバージョン。
(※3)トゥインゴを含む欧州小型車は日本市場では国産車に比べやや上級の扱いを受けているため、ベーシックカーであるパッソとはあまり競合しないと思われる。むしろスズキ・ジムニーやホンダ・N-ONEの上級グレードなどのプレミアム性の強い軽自動車がライバルに当たるかもしれない。