概要
鉄道ファン以外にはあまり知られていないかもしれないが、正式な路線名称は「東京都交通局上野懸垂線」で、都営地下鉄や都営バスなどでおなじみの「東京都交通局」が運営していた。「新しい交通手段」として東京都と日本車輌がモノレールを開発、実際に営業用路線として上野動物園内の東園駅・西園駅を結ぶ0.3km区間が1957年に開業した。旧私鉄路線で専用軌道が多くバス転換にも地下鉄建設にも困難が予想された都電荒川線(旧王子電気軌道)及び洲崎線(旧城東電気軌道)を置き換える事を目標とし試験的な意味合いで導入されたものの、結果は芳しくなかったのかモノレール計画は変更を繰り返した末に消滅し、洲崎線はバス転換、荒川線は都電として恒久的に存続する事となった。
数少ない懸垂式モノレールの路線の1つだが、片側から下ろしたアームによって車体を支え、車輪をゴムタイヤ方式とした「上野式」と呼ばれる独自のものを採用していた。
車両更新や設備更新を何度も行っており、そのたびに運行休止と再開が繰り返されてきた。これは「上野式」のモノレールはここでしか採用されていないのが影響しており、車両更新に多額のコストがかかるため。
2019年10月末で「上野式」のモノレールは運転休止。
路線存続については協議の結果、既存設備を撤去したうえで小型の乗り物を使った新路線を整備し、2026年度の営業開始を目指す方針に決定。東京都は2023年7月21日に国土交通省へモノレールの鉄道事業廃止届を提出、モノレールの路線は同年12月27日付で廃止となった。
新路線は泉陽興業が開発したコースター型の交通システム「エコライド」を本採用する。
運賃・運行時間
以下は2019年の休止前日時点。
運賃は中学生以上の大人が片道150円、2歳~小学生の小児が片道80円。SuicaやPASMOといったICカードは利用不可。
運行時間は上野動物園の営業時間に合わせ、始発が9時40分、終電が16時30分。上野動物園の休園日は運休であった。