ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

目次 [非表示]

概要編集

渋谷自動車営業所が担当する路線のひとつで、同営業所の【都01】(グリーンシャトル)と同じく渋谷駅新橋駅とを結ぶが、こちらは大幅に運行経路が異なり、渋谷橋(恵比寿駅入口)・天現寺橋・麻布十番駅赤羽橋駅と港区の学生街、麻布の高級住宅街、オフィス街を回っていく。途中の古川橋は、明治通りの起点にあたり、本系統は渋谷駅から古川橋まで、この明治通りを走る。


この系統も元を辿れば前身の【橋85】系統、更に遡れば都電34系統を先祖に持つこれまた典型的な都電代替路線である。渋谷~天現寺橋間は戦前まで民間の玉川電気鉄道(現在は合併して東急電鉄)によって運行されていたことが他の都電系統とは大きく異なるが、戦前のうちに都電へと編入された。

終戦後は赤羽橋から先を北上して四谷見附行きとする迷走期間もあったがすぐに渋谷~金杉橋に区間が戻り、その後は1969年にバス代替となるまで運行区間の変更はなかった。

同年のバス代替以降は534系統を名乗り、折返し場所を求めて金杉橋~新橋駅間を延伸した。他の都電代替系統は起終点を忠実に運行する路線が多い中での延伸は異例中の異例で、金杉橋というどうしようもない行先からターミナル駅新橋への延伸は乗客からも喜ばれた。渋谷駅の乗車場所も東急百貨店寄りの乗り場で、主力系統の風格を漂わせていた。1972年に新番号付与で【橋85】に系統番号が変更になる。

所管は沿線に渋谷営業所がありながら全便が運行経路からやや離れた目黒営業所の担当となった。渋谷駅乗り入れ路線は今も昔も渋谷営業所が多い中で数少ない他営業所の路線だった。本線の本数が多いことから入出庫も頻繁に行われ、この出入系統も本数が多かった。天現寺橋で本線と別れ、外苑西通り、目黒通り経由で目黒駅へと至るルートで、天現寺橋以南は【橋86】と同じルートである。

当時は南北線大江戸線が未開業、ライバルは強いて言うならば天現寺橋で交差する日比谷線広尾駅といった程度だったため、沿線の大半が鉄道空白地帯かつ渋谷直通といった利便性が強く、渋谷側の乗客が多かった。また新橋~渋谷はやや大回りとなるため距離、所要時間ともに長く、経由する明治通り、麻布通り、第一京浜は混雑も激しかったことから都市新バスの効果が発揮されやすいと見込まれ、交通局6本目の都市新バスとして整備されることとなった。

こうして1990年3月、新橋~渋谷間2本目、都営バス6本目の都市新バス【都06】が走り出した。愛称は「グリーンエコー」とし、ヘッドマークは「エコー」という名前から音を連想させようとしたのか、ラッパを持った天使(都03と天使の絵は異なる)がデザインされた。平成に入ってから初めての都市新バス路線である。

都市新バス化にあたっては運行形態が大幅に見直され、これまで日中は新橋行、赤羽橋止まりが交互に運転されていたのだが、朝夕ラッシュ時を除き全て新橋行に変更された。朝夕ラッシュ時には渋谷駅にて遠近分離と交互発車のために「赤羽橋」「渋谷」のダルマポールで列を分けて並行乗車させる風景が見られた。赤羽橋には回転場がないため赤羽橋止まりは新橋行と一ノ橋~赤羽橋間で経路が異なり、赤羽橋止まりは都道319号経由で赤羽橋へと向かい、赤羽橋交差点で右折して三田通りに入り、直後の赤羽橋南交差点で新橋行と同様に裏道へと入って赤羽橋の渋谷行き乗り場手前に設けられた降車ポールで終点となった。中ノ橋の停留所が古川を挟んで対岸同士になるほか、赤羽橋到着までに信号で時間をロスすることが多く、赤羽橋に急ぐ場合は先発の赤羽橋止まりに乗らず、大人しく後発の新橋行きを待った方が速く着く事も多かった。

都市新バス化から暫くは本数、所管共に大きな変化はなく、運行形態、本数も非常に安定し、日中は地域輸送のみならず沿線の広尾病院への通院客も取り込んで賑わいを見せていた。

最初の変化は1999年のことだった。この時期に目黒営業所の再開発計画が本格化し、将来的な目黒の閉鎖を見越して渋谷営業所と共管となった。しかし渋谷にはエコー仕様車が存在しなかったため目黒からV代の一部が方向幕すらも変更せずそのままの仕様で転属して運用に入った、目黒転属のエコー仕様車はしばらく【都06】固定となり渋谷の他路線には方向幕の関係上出禁を食らう形となった。これ以降年を追うごとに段階的に渋谷の持ち運用が増加、それに合わせて目黒の担当は減少していく。

そして翌2000年、本路線の最大のライバルとなる大江戸線が全通、時を同じくして南北線も目黒まで全線開業した。沿線には麻布十番駅赤羽橋駅大門駅汐留駅(新橋)が開業し、本系統の半分は大江戸線との並行区間なり、本路線の強みだった鉄道空白地帯麻布の輸送独占は崩壊することになった。【都03】のような厳しい区間短縮が待ち受けていると思われたが本系統は大江戸線と並行する新橋行き日中便の一部を赤羽橋止まりに短縮する事で乗り切った。渋谷直通の需要が大きく、安易な区間短縮を行わなかった賢明な判断と言えるだろう。これによりダイヤは【橋85】時代のそれにやや近くなり、日中の赤羽橋行きも復活したが、2割近い本数削減を受けた。同時に渋谷所属車は方向幕の換装を実施。目黒転入組は新たに渋谷営業所の他路線のコマが、渋谷生え抜きの車両には【都06】のコマが追加され、従来運用のなかった【都01】の経年エアロスターが【都06】に回ってくるなど、車両のバラエティーが増えた。

その後は引き続き目黒受け持ち便の縮小が行われ、2003年の目黒分駐所格下げ(品川営業所の管理下に置かれる)と同時に目黒は本系統から撤退し、担当が渋谷に一本化された。これにより目黒入出庫便は全便廃止、外苑西通りや白金を走る都市新バス車両も過去帳入りした。

2004年までは本数の微減が続いたが、それ以降は本数が微増傾向にある。それだけ本系統の需要が底堅いという事なのだろう。車両面は2004年以降渋谷の新車が日野製に変更され、目黒以来の日野製車両で運用されることが増えていった。そして2008年からは何と品川営業所が運行に参入し、共管となった。目黒が品川の管理下に編入されたことを考えれば復帰ともいえるかもしれない。日中は3両で回す運用を組み、休憩は渋谷で行い、専用幕もあったそう。品川への回送経路は新橋、渋谷側双方に設けられ、新橋側は恐らく【市01】の回送と同じルートで、渋谷側は目黒時代と同様に天現寺橋までの回送も存在した。恐らく【品93】の経路で白金台まで回し、そこからかつてと同様のルートで回送していたのだろうが、詳細は不明である。しかし品川との共管は1年きりで終了し、それ以降、品川の車両が渋谷駅に乗り入れる事は無くなってしまった。近年では乗務員不足が深刻化していることもあり、もしかしたら再び品川と共管する日が来るのだろうか。


本系統も都市新バスという事でかつては専用ヘッドマーク、サボを備えた車両が運用入りしていた。渋谷移管後もT代までは専用車が導入されており、サボはノンステップバス表記に反転することができる。現在でも専用車両は残存しているが新車メインの本系統に入ることは稀であり、専ら学バスや【田87】の運用に入る事が多い。サボも現在は基本ノンステップバス表記になっているが、運転士の気分でグリーンエコーのサボを掲げて運用に入る車両も多く、都市新バスのサボに最も遭遇しやすい系統である。

車両も先述の通り都市新バスという事で新車が基本だが【都01】のように代走含めて必ず新車という訳ではなく、現在も代走でx代などの古参車が運用に入る事がある。


深夜06編集

本系統は都市新バス整備以前の1989年から深夜バスが存在し、それが【深夜06】系統であるのだが、ほかの深夜バスとは少々事情が異なり、独自ルートを辿る深夜バスであり、渋谷駅~赤羽橋を鉄道でカバーしきれなかった恵比寿地区東部、白金、麻布十番、赤羽橋を1日7本できめ細かくカバーしていた。

経路は【田87】と【都06】を足して2で割ったようなルートであり、往路は魚籃坂下まで【田87】のルートで向かい魚籃坂下から左折して一ノ橋、赤羽橋止まり【都06】と同じルートで赤羽橋へ向かうとそのまま【都06】のルートで渋谷へ戻るという経路だった。魚籃坂下は三田通り沿いではなく左折した先の【四97】の乗り場で客扱いを行っていた。

この派生系統として恵比寿三丁目から外苑西通りに入って目黒駅への入庫便も設けられたがこれは終前の入庫のみであり、最終便は赤羽橋から回送していた。

所管は目黒であり、23時台から2本のみ一般系統扱いで同一経路を走る運用も存在していたがこれには旅客上は【田87】、書類上は【都06乙】という複雑なものだった。方向幕もこの2本は一般系統を示す白地幕なのだが幕には深夜バスを表すフクロウマーク、そして系統番号を見れば【田87】なのだが行先は赤羽橋と矛盾をふんだんに詰め込んだ系統だった。渋谷駅の乗り場は【都06】の乗り場から発車で、現在の錦糸町~第六葛西小学校間を運転する【両28出入】のような現象が起きていた。復路は赤羽橋到着前に方向幕を【都06】に切り替えていたがラッシュ時の赤羽橋始発便は新橋発の本線幕を使用していたため、赤羽橋発の方向幕はこの便専用だった。登場してから暫くは集客もかったが深夜バスはバブル崩壊後に需要が低迷し、さらに大江戸線や南北線の開通もあってか2002年に深夜バスと一般系統まとめて廃止されてしまった。大江戸線開通後は赤羽橋発の終電が深夜1時まで繰り下げられ、その役目を終えた形となった。しかし一般系統は集客がよかったらしく、現在の【都06】終バスが21時55分渋谷発、【田87】が21時54分発であることを考えれば、本系統も【都06乙】として正式に残せなかったのかと思う。





関連編集

慶應義塾···天現寺橋バス停付近に慶應義塾幼稚舎(この幼稚舎とは小学校のこと)がある。

新木場駅···明治通りの終点。明治通りを走る都営バスには他にも【池86】(渋谷駅〜池袋駅)・【草64】(池袋駅〜浅草雷門)・【里22】(日暮里駅亀戸駅)などがある。

関連記事

親記事

都バス とばす

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 177

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました