概要
京王帝都電鉄(⇒京王電鉄)が保有・運用していた通勤形電車。1972年から1991年にかけて、合計304両が製造された。
走行路線の京王線系統の建築限界が拡大したことを受け、京王線系統で初めて全長20m・4ドア(後述の20番台を除く)の車体を採用した。また、都営地下鉄新宿線が新宿まで開業、同線との直通運転が1980年に始まることから、都営新宿線への乗り入れ対応車両も本系列が抜擢されている。
1972年に製造された1次車6両編成6本は、初代5000系に続き抵抗制御のままとされたが、翌1973年の2次車以降は界磁チョッパ制御に改められた。
塗装は当初初代5000系と同様のアイボリーに臙脂色の帯であったが、2002年より8000系や9000系に合わせたチェリーレッド&インディゴの帯に変更された。
番台別
0番台
基本番台となる地上線専用グループ。デビュー当初から優等列車としての運用が組まれていたほか、競馬場線・動物園線のワンマン運転開始の際、本系列の一部編成を対象に対応改造が施行された。
- 1998年より初期の編成から廃車が始まり、8000系・9000系の新造投入と7000系の支線区転用により2011年までにすべての編成が廃車除籍となった。
- 2004年10月、デハ6107・デハ6407・デハ6457号車がデワ600形デワ601・621・631号車へ改造されて事業用車(動力車・牽引車)へ転用。9000系ベースのデヤ901・902形が投入される2015年まで活躍した。
- 廃車解体の際、運転機器を松本電気鉄道(⇒アルピコ交通)3000系、岳南鉄道(⇒岳南電車)8000形に、主要機器を上毛電気鉄道700型へ提供した。いずれも京王井の頭線用3000系からの改造車。
30番台
都営新宿線乗り入れ車のグループ。地下鉄区間走行に必要なATCと列車無線を搭載し、また8両固定編成では救援車対策として電動車を1両増やした6M2T組成とされた。
2005年に9000系30番台が登場し、本グループは2009年までに全廃された。
- 1979年までに8両固定編成11本が改造・改番により竣工されたが、以降空いた番号を埋める形で地上線専用編成が製造されたため、この地上線専用編成は車両番号が2代目となった。
- 1981年に一部列車の10両編成乗り入れが始まるのに合わせ、1981年から1989年にかけて増結用2両固定編成が7本新造。また、これとは別に輸送力増強用として1988年から1990年にかけて8両固定編成3本が新造された。
- 6731~6733編成が2001~2003年に廃車となったが、その代替用として車齢の若い0番台6716・6718・6719編成が追加改造を受け30番台へ改番・編入。
20番台
混雑激化により朝ラッシュ時の優等列車のほとんどが10両編成となっていたが、それでも乗降時間の増加と列車の遅延が常態化していた背景から、1991年に最終増備車として20番台5両固定編成4本が新造された。20番台は5ドア車となり、車体強度確保のため4ドア車にあった戸袋窓を省略している。
「3両と2両の間に20番台5両を挟む」という運用が組まれたが、その後各駅停車列車の10両編成化が進んだ背景もあり、「座席数が少ない」「整列乗車を乱す」という理由で2000年に改造が行われた。
- 6721編成はデハ6122号車を組み込んで6両編成化。運用は相模原線の区間運転列車へ限定された。運用制約もあり2007年廃車。
- 6722編成はデハ6122号車を外して4両編成化のうえ動物園線専用車へ転用。6000系全体の中で最後まで残り2011年に退役。
- 6723・6724編成は5両編成のまま側面の鋼体を改造して4ドア車へ変更。2009年まで活躍した。