概要
2010年にエアロキングが製造を終了して以後日本国内で新車の2階建てバスを購入することは実質不可能になった。
定期観光バスにエアロキングを使用しているはとバスは増車のために京阪バスで使用されていた中古のエアロキング(U-MU525TA改)を購入して東京都内での運行に適合するDPFの取り付けを行ったが、これもいずれ限界が来る。
このためはとバスは海外のバスメーカーに「日本基準の2階建てバスを作ってくれないか?」とオーダーを出したが、どのメーカーもはとバス1社では抱えきれない台数を最低発注ロットに提示してきた。そんな中でスウェーデンのバンホール社がはとバス1社でも抱えきれる台数を最低発注ロットとすることで承諾し、2016年より輸入が開始された。
元々はとバスのために製造・販売されているような車両だったが、老朽化が進むエアロキングの代替を模索していたJRバスや高速バスのバリアフリー化を目指す京成バスなどの路線事業者にも導入が行われている。
アストロメガとInterCity DD
元々アストロメガの名称はTDX24全般を指し示す名称として使われていたが、高速路線仕様車としての導入例が増えるに連れて観光貸切仕様車はアストロメガ、高速路線仕様車はInterCity DDと呼び分けるようになった。
InterCity DDは全席4列仕様車はJRバス関東が、2階3列シート仕様車は西日本JRバスが導入の窓口となる模様。
導入状況
アストロメガ
- はとバス
定期観光用と貸切用として保有。貸切用にはトイレ付き仕様車も存在する。
- 東京ヤサカ観光バス
サンシャイン55の名称で貸切運行用に保有。座席定員55名。トイレはない。
- オートウィル
千葉県の貸切バス会社。ビールサーバーも装備。トイレ付き。
106急行バス用に導入。大部分が4列シートだが、一部の座席は3列シート。アストロメガを名乗る車両だが路線用。
InterCity DD
初の夜行路線仕様。全席4列シート。
有楽町・東京駅鍛冶橋駐車場と成田空港を結ぶ有楽町シャトル用に導入。こちらは収容力の増強というよりは車椅子利用者の乗降時間短縮が目的。
全席4列シート。
お台場・東京テレポート駅と鹿島神宮駅を結ぶ路線へ導入。関東鉄道にとってはJRバス関東からリースされていたネオプラン・メガライナー以来の2階建て車となる。
全席4列シート。
2両が2019年度末に納車。主に中央道系統で運用されている模様。全席4列シート。
2両が2021年に納車され、夜行バスやまと号に使用されている。座席は2階3列シート・1階4列シート。
最初に新宿駅とディズニーリゾートを結ぶ路線に導入。2018年9月からは新東名スーパーライナーにも1往復導入。何気に東名高速線では初めての4列2階建て車である。2019年より増車され、青春昼特急と青春エコドリーム号にも投入されたが、新東名スーパーライナーでの定期運行はなくなった。
2020年より2階席を3列独立のクレイドルシートとしたグランドリーム仕様車を導入。
JRバスグループではJRバス関東に次いでの導入で、青春昼特急・青春エコドリーム号として2019年8月より運行開始。
2020年より2階席を3列独立のクレイドルシートとしたグランドリーム仕様車を導入。2階3列仕様車の導入は他のJRバス向けでも西日本JRバスが協力している。
- ジェイアールバステック
2019年4月より御殿場プレミアム・アウトレット線に投入。全席4列シート。
バリアフリー対応高速バス車両として6両導入する事を2019年末に発表し、2020年3月末から4月初頭にかけて3両が納車された。
2階を3列独立シート、1階を4列シートとする合造車で、3列シートはJR東海バスでは初となるクレイドルシートを採用。
2020年6月より新東名スーパーライナー1往復で運行を開始し、7月からはドリームなごや号でも運行。
車番付番法則が従来車と異なっている。
2021年夏に島根支店に2両を導入。2階を3列独立シート、1階を4列シートとする合造車。
出雲・松江と東京を結ぶスサノオ号に運用。
バリアフリー対応高速バス車両として5両を導入予定で、まず3両が納車された。
配置先は高知支店で、高知エクスプレス号と京阪神ドリーム高知号で運用。