京阪京都交通
けいはんきょうとこうつう
本社を京都府亀岡市篠町篠向谷に構え、京都市の洛西(主に西京区)、亀岡市全域、南丹市の八木地域と園部地域、および兵庫県丹波篠山市の一部でバスを運行する事業者。
2005年4月1日に創業。同年7月1日、旧・京都交通(舞鶴市に本社を置く日本交通グループの現法人とは異なる)から、南丹市以南に残っていた路線バス事業全ての譲渡を受けて営業を開始した。
そもそも旧・京都交通は1944年までに、戦時統制により発足した丹波交通(亀岡市)、中丹自動車(福知山市)、三舞鶴交通(舞鶴市)をその母体としており、このうちの丹波交通の成立に際して、京阪バス(当時・京阪自動車)が京都-亀岡間の路線を現物出資した。戦後、京阪側は経営民主化のため、相当数出資していた丹波交通の持株を川本直水ら丹波交通の経営陣に譲渡し、一度は経営から撤退した。
旧・京都交通はその後、山陰本線(嵯峨野線)の電化と複線化によるスピードアップの影響で利用客が鉄道に転移した結果、2004年に会社更生法を申請し倒産、さらに自主再建を断念して会社を精算することになるが、このとき同社株を買い戻したのが京阪である。
ちなみに、舞鶴市と福知山市の現・京都交通の路線網とは、旧・京都交通の末期の時点で、ほぼ分断されたも同然の状態になっていた。
営業所は本社併設の亀岡営業所と、京都市西京区樫原秤谷町にある西京営業所の2ヶ所。
亀岡管内は、山陰本線の亀岡駅・馬堀駅・八木駅・園部駅に発着する路線を担当し、さらに亀岡市コミュニティバス(亀岡の中心市街地を運行する都市型コミュニティバス)と、亀岡市ふるさとバス(こちらはローカル型コミュニティバス)を受託運行している。
このうち同社の一般路線で最長の23kmに及ぶ、京都駅〜桂駅〜亀岡駅線は、丹波交通〜旧・京都交通の基幹路線でもあり、現在も毎時1〜2本のペースで運行する。
西京管内は、京都駅、桂駅、桂川駅に発着する路線を担当し、これらの駅と、洛西ニュータウン内の桂坂中央、洛西バスターミナルとを結ぶ路線が多い。
特に桂駅は、阪急京都本線の全列車が停車する最重要駅のひとつでもあり、ここを起終点や経由地にする路線が目立つ。
このほか、亀岡営業所は京都縦貫自動車道を経由して京都先端科学大学(旧・京都学園大学)や明治国際医療大学へ向かう通学高速バス(同社単独運行)を、西京営業所は京都駅を起点に山陽自動車道を経由して岡山駅・倉敷駅へ向かう都市間高速バス(両備バス・下津井電鉄との共管)を運行している。
余談
京都先端科学大学を起点とする、亀岡市ふるさとバス別院循環線に、春日部というバス停があり、縁もゆかりもないものの関東の同名の市と読みがまったく同じである(京都の地名は「曽我部町春日部」)。ただバス自体の本数が少ないので、某国民的アニメの聖地と勘違いすることのないようにされたい。
同じ京阪グループのバス会社である京都京阪バスとは社名も含めて非常に紛らわしい。
同社は主に宇治を中心とした京都府南部を営業エリアとする会社で、大元は宇治田原自動車商会から京阪子会社となった京阪宇治交通である。宇治交通の子会社として設立された後、宇治交通の京阪バスの経営統合などを経て現在に至っており、京阪京都交通とは同じグループに組み込まれたというだけで営業エリアが重なってはいないしルーツも異なるが、社名はどちらがどちらか非常に紛らわしいものとなっている。
車両塗装は京阪京都交通が京阪バスのものを踏襲している赤と白のもののに対して、京都京阪バスは京阪宇治交通時代のものを引き継いだ緑と白のカラーリングで一目で違いが分かる…のだが、実は京阪バス本体からの移籍車など京都京阪バスにも赤白カラーの車両が走っておりますます紛らわしい。ただし2社は社章が異なっており、バス正面中央にある社章の違いで2社の車両を見分けることが出来る(この違いは京阪バス本体との区別にもなる)。
小型車は亀岡営業所のみに配備され、園篠線、亀岡市コミュニティバス、亀岡市ふるさとバスに専用される。
中型車は一般路線においては閑散時間帯に多く使われ、狭隘区間を抱える八木駅〜原(京都市右京区嵯峨樒原)線、桂川駅/京都駅〜長峰(京都市西京区大原野)線では中型車を専用する。また、亀岡市ふるさとバスにも中型車で運行される便がある。
大型車は西京営業所に多く配備され、以前は京阪バス、神戸市バスなどからの移籍車が多かったが、次第に自前のノンステップバスに置き換えられていった。
京都市バス···西京区大枝東新林町に洛西営業所を持ち(運行管理委託先は近鉄バス)、ここが担当する桂駅西口〜京都大学桂キャンパス〜桂坂中央線が事実上の同社共同運行路線(京阪京都交通【20・20A】/市営【西6】)である他、京都駅〜洛西ニュータウンの各路線を同社と分担している。