路線データ
路線延長 | 32.3km |
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軌間 | 1435mm |
駅数 | 16駅(起終点含む) |
複線区間 | 全線 |
電化区間 | 全線直流電化(1500V) |
最高速度 | 115km/h |
車両基地 | 西宮車庫 |
歴史
既に宝塚線を開業させていた箕面有馬電気軌道が建設し、1920年(大正9年)開業した路線。開業を期に社名を「阪神急行電鉄」に変更している(「阪急」の名称はこの時から)。既に阪神間を走っていた「阪神電気鉄道」とは別モノで(後に経営統合するが、それは後述)、それに加え国鉄が既に開業しており、当初から三つどもえの激しい競争となっていた。開業当初は市内を外れた上筒井(当時は神戸駅を名乗っていた)までの開業で、三宮乗り入れを果たしたのは昭和11年(1936年)であった(同時に上筒井〜西灘(現:王子公園)間は支線となった)。また宝塚線同様、住宅街の少ない地を通し、後に沿線開発をする手法をとったため、それを逆手に「綺麗で早うて、ガラアキ、眺めの素敵によい涼しい電車」というキャッチコピーで集客につとめたほどであった。
当初より比較的大型車両が高規格の路線で運行していたため、車両が変わった以外は際立った変化は見られなかったが、大きく変化したのは1968年(昭和43年)に開業した神戸高速鉄道への乗り入れで、これにより山陽電気鉄道と相互乗り入れを開始、神戸高速以西では同じく乗り入れた長年のライバルである阪神の電車と同じ線路を走行することとなった。
国鉄の民営化以降は、その攻勢に晒される形となるが、大きく転機を迎えたのは1995年(平成7年)1月17日に発生した、「阪神・淡路大震災」で、阪急も神戸線などが各所で寸断されるなど被害を被るが、なんとか復旧する。直後の1998年(平成10年)長年続けてきた山陽との乗り入れを廃止している。現在もJR西日本との乗客獲得競争は依然として続いており、近年では神戸市営地下鉄との乗り入れも検討されるなど(計画は事実上白紙に近いが)さらに変化を見せようとしている。2006年(平成17年)には長年のライバルだった阪神と経営統合をしており、事実上同会社となっている(運行、料金体系は変わらず)。
2010年(平成22年)に阪急の新開地駅~西代駅間、山陽の神戸高速鉄道線内の第二種鉄道事業を廃止し、同時に運営体制を変更した。さらに、神戸高速鉄道が担ってきた列車運行や駅舎、付随する施設の管理業務を第二種鉄道事業許可の区分に従って阪急・阪神・山陽・神鉄各社に移管することになった。
- 日中ダイヤは、特急と普通電車のみがそれぞれ毎時6本、運行されている。大阪梅田駅~神戸三宮駅もしくはそれ以西を運行する電車のみで伊丹や今津線に乗り入れる電車は日中には存在しない。
- 並行する阪神本線に比べて駅数が圧倒的に少なく、駅間距離も長め。その為、阪神間の駅数や所要時間でJRと激しく競争しており利用者は意外と多い。
- JRは優等列車が停車する尼崎市や芦屋市の利用者が多いのに対し、阪急は優等列車停車駅や今津線直通列車の関係で西宮市や宝塚市の利用者が多く、すみわけはなされている。
列車種別
特急
停車駅:大阪梅田・十三・西宮北口・夙川・岡本・神戸三宮~新開地間各駅停車
神戸本線の最速達種別で、早朝深夜を除きほぼ終日運転される。早朝に西宮北口駅始発新開地行きがある他は原則大阪梅田〜新開地間の運転である。昼間は7000系以降のワンハンドル車両がもっぱら運用に用いられ、線形が良く通過駅が多い十三駅〜西宮北口駅間で115km/h運転を行うものもある。
1930年の運転開始以来、戦時中と阪神・淡路大震災直後を除き、ほぼ一貫して設定されている。1930年の運転開始当初の停車駅は西宮北口駅のみで、1937年に十三駅を追加してからは、永らく十三駅と西宮北口駅のみであった。阪神・淡路大震災後の1995年6月12日の改正で岡本駅に、2006年10月28日の改正で夙川駅に、それぞれ新たに停車するようになった。
2022年12月改正までは、平日朝ラッシュ時に神戸三宮駅で2両を増結して10両編成で運転される列車も存在した。
通勤特急
停車駅:大阪梅田・十三・塚口・西宮北口・夙川・岡本・神戸三宮~新開地間各駅停車
特急の停車駅に伊丹線との接続駅である塚口駅を加えた種別。1995年6月12日の改正で運転を開始、2006年10月28日の改正で夙川駅に新たに停車するようになった。
平日朝ラッシュ時にのみ運転され、この時間帯は神戸方面行き優等列車はすべて通勤特急となる。高速神戸・新開地・神戸三宮発着だが、西宮車庫から送り出すために梅田行き、神戸行きともに西宮北口発の電車もある。神戸三宮発着の電車と送り込みのための西宮北口発の電車のうち、平日朝の10両編成については、神戸三宮方の先頭車が女性専用車両となっている。
準特急
停車駅:大阪梅田・十三・塚口・西宮北口・夙川・岡本・六甲・神戸三宮~新開地間各駅停車
1987年12月改正で「快速急行」として運転を開始。2022年12月改正で「準特急」へ改称。
深夜の速達型優等列車としての役割があり、早朝に新開地発大阪梅田行が1本運転されるほかは基本的に22時以降の運転となる。
前身の快速急行は平日の夕方ラッシュ時に入る前の時間帯、土曜日の昼間や春秋の休日に、臨時列車として運転されたこともあった。2006年10月改正で、通勤特急の夙川駅停車により通勤特急との停車駅の違いが六甲駅に停車するか否かの違いだけになった。
急行
停車駅:梅田・十三・塚口・西宮北口~神戸三宮間各駅停車
特急と並び戦前から存在する種別であり、長年停車駅が変わっていない。伊丹線との接続駅である塚口駅および西宮北口駅〜神戸三宮駅間の各駅への速達列車として運転される。
通勤急行化により運行本数が少なくなり、平日ダイヤでは深夜に(大阪梅田発)神戸三宮行きが2本、土休日ダイヤでは朝に(神戸三宮発)大阪梅田行きが1本、深夜に(大阪梅田発)新開地行きが1本、神戸三宮行きが2本運転されるのみ。
通勤急行
停車駅:梅田・十三・塚口~神戸三宮間各駅停車
武庫之荘駅での乗降客の増加に起因する梅田駅〜園田駅間の混雑率を緩和することを目的に、(急行からの停車駅追加で)設定された列車。1995年6月改正で運転を開始。通過する駅は中津・神崎川・園田の3駅のみ。
2016年3月改正までは、平日朝ラッシュ時に西宮北口駅で2両を増結して10両編成で運転される列車も存在した。
準急
停車駅:阪急今津線(今津北線)宝塚~門戸厄神間各駅停車・塚口・十三・梅田
平日朝ラッシュ時に今津線からの直通列車として、8両編成で宝塚発梅田行のみ運転される。
1957年10月に運転を開始。梅田駅到着後は1本目は回送、2本目は西宮北口駅まで回送されて同駅発の普通電車となり、3本目以降は通勤特急となる。
なお、西宮北口駅構内では神戸本線への連絡線(9号線)を通過するが配線の関係上、運転停車(約1分)するものの旅客扱いは行わない。全列車とも西宮北口からは特急の直後を雁行し、特急が通過する塚口駅を補完している。
神戸本線での停車駅数だけで見れば通勤急行・準特急・通勤特急よりも準急の方が実質格上(特急と同格)という珍しい停車駅設定となっている(ただし路線図などでは準急が格下として扱われている)。これは、この種別が今津線直通のものしか存在しておらず、あくまで、今津線で競馬終了後に臨時運行される「臨時急行」に対する「準急」であり、神戸本線の「急行」に対する「準急」ではないからであると考えられる。
1995年6月12日から2001年3月のダイヤ改正までは、平日の夕方に梅田発宝塚行きが3本運転されたが、今津線の宝塚方面行きホームの長さの関係で6両編成で運転された。
普通
停車駅:各駅停車
各駅に停車する種別で、終日運転される。運転系統は主に梅田駅 - 神戸三宮駅間、梅田駅 - 西宮北口駅間で、昼間時は梅田駅 - 神戸三宮駅間で運転され、上下列車とも西宮北口駅で必ず特急との待避・接続を行うが、西宮北口駅出発後は梅田駅・神戸三宮駅まで先着するダイヤとなっている。
阪神・淡路大震災前の日中は、平日・土曜に限り六甲駅で特急を待避し、日曜・祝日には六甲駅で待避せず、臨時電車の運転を考慮して西宮北口駅での長時間停車と園田駅での退避を行った。
1998年2月改正までは、山陽電気鉄道本線からの直通列車も六甲駅まで設定され、山陽電車における種別表示のまま六甲駅まで普通電車として運転されていた。現在の直通列車は神戸三宮駅折り返し。
臨時列車
嵐山直通特急
2008年秋以降、春と秋の行楽期に限定して京都線を経由し、嵐山まで直通する。2010年春の行楽期から「直通特急」が種別として設定された。神戸線内の停車駅は、高速神戸発着のもの(現在の「あたご」)が快速急行、今津線経由宝塚発着のもの(現在の「とげつ」)が準急と同じ。高速神戸発着の「あたご」は六甲駅で特急を待避する。
2019年春は「あたご」「とげつ」は運転されず、3月末から4月上旬までの平日に限り7000系「京とれいん 雅洛」を使用して西宮北口-嵐山間の運転が行われた。
神戸ルミナリエ・みなとこうべ海上花火大会
神戸ルミナリエ開催期間中の土日は、夜に神戸三宮発梅田行きの臨時特急が設定され、特急と同じ停車駅で運転される。また同日の深夜には神戸三宮発梅田行きの臨時快速急行も設定される。
みなとこうべ海上花火大会開催日も同様に、神戸三宮発梅田行きの臨時特急と、神戸三宮発梅田行きの臨時快速急行が設定される。
臨時特急が運転される際、直前に出発する普通電車は六甲駅で待避を行うため時刻が変更される。
阪神競馬場における競馬開催日
阪神競馬場で競馬が開催された後の夕方に今津線仁川発梅田行きの臨時急行が運転される(仁川16時発から17時40分発までで最短10分間隔)。停車駅は塚口と十三のみ。西宮北口駅は配線の都合上、先述の準急と同様運転停車を行うが、客扱いはしないため通過扱い。
本来のダイヤで西宮北口発となる定期急行を運休させ、そのダイヤの一部を使って仁川発梅田行きの臨時急行を運転していた時期があった。
梅田発仁川行きが運転された時期があった。1980年代までは午前中に30分間隔で運転されていたが、1993年改正で廃止。それ以降、阪神競馬場で桜花賞・宝塚記念などのGIレースが行われる日の朝に限り3本の仁川行きが運転されていたが、利用客の減少により2006年10月改正をもって運転が中止となった。
停車駅一覧
凡例
●:停車,レ:通過,‖:運行せず,↑:上りのみ運行
一覧表
阪急神戸本線(梅田〜神戸三宮)・阪急神戸高速線(神戸三宮〜新開地)
駅番号 | 駅名 | 読み | 特急 | 通勤特急 | 準特急 | 急行 | 通勤急行 | 準急 | 普通 | 乗り換え路線 | 備考 |
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HK-01 | 梅田 | うめだ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
HK-02 | 中津 | なかつ | レ | レ | レ | レ | レ | ↑ | ● | 阪急宝塚線 | |
HK-03 | 十三 | じゅうそう | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
HK-04 | 神崎川 | かんざきがわ | レ | レ | レ | レ | レ | ↑ | ● | ||
HK-05 | 園田 | そのだ | レ | レ | レ | レ | レ | ↑ | ● | ||
HK-06 | 塚口 | つかぐち | レ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 阪急伊丹線 | |
HK-07 | 武庫之荘 | むこのそう | レ | レ | レ | レ | ● | ↑ | ● | ||
HK-08 | 西宮北口 | にしのみやきたぐち | ● | ● | ● | ● | ● | ↑ | ● | 阪急今津線 | |
HK-09 | 夙川 | しゅくがわ | ● | ● | ● | ● | ● | ‖ | ● | 阪急甲陽線 | |
HK-10 | 芦屋川 | あしやがわ | レ | レ | レ | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-11 | 岡本 | おかもと | ● | ● | ● | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-12 | 御影 | みかげ | レ | レ | レ | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-13 | 六甲 | ろっこう | レ | レ | ● | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-14 | 王子公園 | おうじこうえん | レ | レ | レ | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-15 | 春日野道 | かすがのみち | レ | レ | レ | ● | ● | ‖ | ● | ||
HK-16 | 神戸三宮 | こうべさんのみや | ● | ● | ● | ● | ● | ‖ | ● | 当駅から新開地駅までは阪急神戸高速線 | |
HK-17 | 花隈 | はなくま | ● | ● | ● | ● | ‖ | ‖ | ● | ||
HS 35 | 高速神戸 | こうそくこうべ | ● | ● | ● | ● | ‖ | ‖ | ● | ||
HS 36 | 新開地 | しんかいち | ● | ● | ● | ● | ‖ | ‖ | ● |