概要
阪急神戸線の夙川駅から分岐し、甲陽園駅までの2.2kmを結ぶ路線。1924年開業、全線単線電化。2006年10月のダイヤ改正で、起点となる夙川駅に神戸線の特急列車が停車して以降、日中は10分間隔で運行されている。
阪急6000系3両編成によるワンマン運転が終日行われている(全列車が線内折り返し)。6000系が入るまでは神宝線で使われた車両のうち、廃車間際の車両が入ることが多かったが、1998年に今津南線と共にワンマン運転化された(今津南線と共通運用)。
エピソード
沿線周辺には「西宮七園」と称される戦前からの高級住宅地が並ぶ。終点のある甲陽園を含め、七園の内4つが「甲」の字がつくが、この内甲陽園を含む3つの地名は近隣の山「甲山」に由来する。
古くは「神(カン)の山」とも言われたとされるこの山は西部の神戸市街周辺の後背に聳える六甲山系からやや独立した単独峰で、1000万年以上前に噴火した痕跡のある死火山であるとされる。
古くは「六兒(ムコ)の山」と称された(畿内から見て「向こう」を意味したと言われる)六甲山とは名の由来も火山としての成立過程も異なるが、文化的・地理的には近しい関係にあり、何れも廣田神社の旧領地であった。なお、甲陽園駅は甲山の最寄り駅でもあり、約1.7km先にある。
七園の殆どどこからでも甲山が見渡せることも、この名が周辺の地名にもよく使われた理由の一つであろう(なお、4つの内残り一つの甲子園の「甲」は干支に由来するもので、字が同じなのはたまたまである)。