概要
神戸市中央区雲井通にある阪急電鉄と阪神電気鉄道の駅。神戸市のみならず、兵庫県を代表する駅となっている。
JR三ノ宮駅、神戸市営地下鉄西神・山手線と神戸新交通ポートライナーの三宮駅と隣接し、地下鉄海岸線三宮・花時計前駅とも連絡している。又、阪急・阪神両社での乗換案内では地下鉄西神・山手線が三宮駅の隣駅の新神戸駅から直通する北神急行電鉄についても案内されていたが、同社線が神戸市営地下鉄に編入された2020年6月からは、この案内は当然のことながら廃止になった。
神戸高速線・山陽電気鉄道からは阪急・阪神双方の当駅に向かうことができるため、それぞれに社名を冠して案内している(梅田駅も同様)。
阪急・阪神共に現駅名への改称とともに駅番号も設定され、阪急はHK-16、阪神はHS 32を与えられた。
阪神電気鉄道
阪神本線が発着する。
1905年に神戸駅(神戸雲井通駅とも)として開業し、1912年に滝道駅への延伸で三宮駅に改称したものの、1933年に地下化で神戸駅に名前を戻し、さらに1936年に元町駅への延伸で三宮駅に再度改称、2014年に現在の神戸三宮駅に改称した(改称の発表は阪急と同時だったがこちらのほうが実施は遅かった)。
地下駅で、駅地上部分には阪急百貨店神戸店(2代目。初代はJR神戸駅南側、ハーバーランド内にあった)が立地しているが、ここはかつてのそごう神戸店だった。
駅構造
逆コの字型になった島式ホーム1面3線を持つ。真ん中の切り欠き部分の線路は頭端式となっており、近鉄奈良方面行き快速急行が主に使用している。有効長は近鉄車両8両分。ホームの床には2012年に関西の私鉄で初めて設置された発光式列車案内表示器がある。電車がないときは消灯し、電車の接近をスクロールで知らせ、ホームに入ってから停車するまではすべての表示器が点滅、停車中はすべての表示器が点灯する。発車予告から電車がホームから離れるまでは再びすべての表示器が点滅する。
地下化当初は4面3線の頭端式ホームを採用した。その後山陽電気鉄道とともに湊川への延伸を計画し、3線あるうち北側の2線を元町に延伸した。その結果、上下線の南側に折り返し線がある構造となり、2012年まで続いた。
湊川への延伸はかなわなかったものの、1966年に神戸高速鉄道東西線が開業したことで、阪神の電車が乗り入れるようになり、山電も直通運転を開始した。
南側にあった折り返し線は、1965年から1974年まで運行された西大阪線(現在の阪神なんば線)西九条行き特急が廃止となってから使われなかったが、1980年代前半に快速急行の始発駅となったため、3番線が使われるようになった。1998年から2001年までは普通電車の折り返しに3番線が使われた。その後使われる頻度が少なくなったが、2009年3月20日に阪神なんば線が開業してからは、近鉄奈良線から阪神なんば線を経由して快速急行が毎日ここで折り返すようになった。
2007年10月から2013年3月20日まで改良工事が行われた。その一環として2012年6月2日に配線が変更され、真ん中の線路が2つのホームに挟まる現在の形となった。同年8月25日の終電をもって、北側にあった降車専用ホームの0番線を廃止、1番線を拡張している。
のりば | 路線 | 方向 | 行き先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 本線 | 上り | 甲子園・尼崎・大阪梅田方面 | 土休日朝の新開地発奈良行き快速急行3本も発車 |
2 | 本線 | 上り(当駅折り返し) | 甲子園・尼崎・大阪梅田方面、大阪難波・近鉄奈良方面 |
|
- | 本線 | 2番線おりば専用 | ||
3 | 本線 | 下り | 高速神戸・新開地・須磨・明石・姫路方面 |
阪急神戸高速線(旧:神戸高速鉄道東西線の阪急方面)との運賃調整のため、当駅〜元町駅では特別運賃となっており、また、高速神戸駅方面〜神戸三宮駅では阪急と同じ運賃とし、阪神神戸高速線(旧:神戸高速鉄道東西線の阪神方面)と阪神本線の運賃区界は当駅になっている。
近鉄奈良線の車両は当駅までの運転で、同線方面行きの阪神車は土休日に限り新開地駅から運行されている。山電は山陽姫路駅〜当駅〜阪神梅田駅で直通運転している。
駅構内においての近鉄線方面行きの案内表には小さく名古屋・伊勢志摩と書かれてあるが、当駅からその方面の定期列車の運行は行ってはおらず。運賃表にも記載されていない。
改良工事
2007年10月から以下の順に改良工事が行われ、2013年3月20日に完了した。工事は神戸高速鉄道に駅施設を譲渡し、同社が事業主体となる上下分離方式で事業化された。
- 旧トンネルを撤去。
- 4番線を廃止し、2・3番線を東に延伸し拡張。構内配線を変更。
- 東改札を設置。
- 明石・姫路方面行き線路だった2番線を大阪・奈良方面行き折り返し線に変更し、折り返し線だった3番線を明石・姫路方面行き線路に変更。
- 0番線を東に移設・仮設化。1・2番線を東に20m延伸する工事を開始。
- 0番線を撤去。その跡地に新たな1番線を敷く(前述の通り)。
- 1・2番線を拡張。2番線の北側ホームを乗車用、南側ホームを降車用とする。
- 西口の北改札から南改札に駅長室を移転。近鉄の特急券売り場を駅長室に移設。
- 西口改札を新駅長室寄りに集約。切符売り場も新駅長室横に集約。
- 西口の定期券・高速バス乗車券売り場をかつて西口北側の自動券売機があった場所に移設。近鉄の特急券売り場を定期券売り場に移設。
阪急電鉄
神戸本線と神戸高速線が発着し、当駅から東・大阪梅田方面が神戸本線、西・新開地方面が神戸高速線である。
1936年に西灘駅(現:王子公園駅)からの延伸で神戸駅として開業した。それまで神戸駅を名乗っていた駅は上筒井駅に変更している(その後1940年に廃止)。1968年に神戸高速鉄道東西線(現:阪急神戸高速線)開業により三宮駅に改称、2013年に現在の神戸三宮駅に改称した(改称の発表は阪神と同時だったが、京都本線の西山天王山駅開業にあわせたため、こちらのほうが早かった)。
駅構造
島式ホーム2面3線の高架駅。
真ん中の線路は主に当駅折り返しの列車が使用している。ホームの案内は阪急の管理駅では唯一、号線ではなく番ホームと案内される。
ホーム有効長は10両だが、神戸高速線内は8両分のホーム有効長にとどまるため、10両編成は当駅が西限。
下りは西隣の花隈駅との間、JR元町駅付近で地下へ急勾配を潜り、上りは地下から急勾配を駆け上がる。この区間は、旧・神戸高速鉄道時代には同社唯一の地上区間ともなっていた。
のりば | 路線 | 方向 | 行き先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 神戸高速線 | 下り | 高速神戸・新開地・山陽電鉄(須磨・明石・姫路)方面 | |
2 | 神戸高速線 | 下り | 高速神戸・新開地・山陽電鉄(須磨・明石・姫路)方面 | 原則として当駅止まり |
3 | 神戸本線 | 上り | 西宮北口・大阪(梅田)方面 | 当駅折り返し |
4 | 神戸本線 | 上り | 西宮北口・大阪(梅田)方面 | 主に新開地からの特急梅田行き |
2010年までは神戸高速鉄道との共同使用駅だったが同年以降は神戸高速線の運営体制が変更されたため、阪急電鉄の単独駅になっている。運賃は神戸高速線が神戸高速鉄道だった名残から当駅で運賃体型が変わる。
山陽電気鉄道は当駅までの運転となっている。阪急車は山電へは現在は乗り入れておらず、神戸高速線新開地駅までの運転。
当駅の駅ビル・神戸三宮阪急ビル(メイン画像の建物)は1995年の阪神淡路大震災によりフロアが潰れるなどの被害を受け、取り壊された。その後21世紀に入って三宮駅周辺の再開発にあたり、旧駅ビルをモチーフとして、オフィスフロア・ショッピングプラザ「EKIZO神戸三宮」・ホテル「レムプラス神戸三宮」をテナントとする地上29階の新「神戸三宮阪急ビル」の建設が行われ、2021年4月26日に開業した。
この他、当駅付近の地下化の計画や、地下鉄西神・山手線西神中央駅方面との乗り入れの計画がある。
利用状況
近況
阪急電鉄
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は111,066人である(神戸市統計書より)。
- 阪急の駅では梅田駅に次いで2位となっている。
- なお、神戸市統計書から24年4月~6月まで1日平均乗降人員は123,133人となっている。
阪神電気鉄道
- 2023年(令和5年)度の1日平均乗降人員は105,596人である(神戸市統計書より)。
- こちらの阪神の駅では梅田駅に次いで2位となっており、利用者が増加傾向にある。
- なお、神戸市統計書から24年4月~6月まで1日平均乗降人員は111,376人となっている。
年度別利用状況比較表
事業者名 | 阪急電鉄 | 阪神電気鉄道 |
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年度 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 124,027人 | 89,940人 |
2009年(平成21年)度 | 118,241人 | 90,537人 |
2010年(平成22年)度 | 111,477人 | 101,222人 |
2011年(平成23年)度 | 111,454人 | 102,323人 |
2012年(平成24年)度 | 113,367人 | 99,923人 |
2013年(平成25年)度 | 112,377人 | 101,058人 |
2014年(平成26年)度 | 112,709人 | 100,389人 |
2015年(平成27年)度 | 113,651人 | 105,098人 |
2016年(平成28年)度 | 108,868人 | 108,718人 |
2017年(平成29年)度 | 106,816人 | 110,394人 |
2018年(平成30年)度 | 105,176人 | 111,961人 |
2019年(令和元年)度 | 105,849人 | 113,112人 |
2020年(令和2年)度 | 73,451人 | 89,904人 |
2021年(令和3年)度 | 77,001人 | 93,101人 |
2022年(令和4年)度 | 89,189人 | 98,937人 |
2023年(令和5年)度 | 111,066人 | 105,596人 |
隣の駅
阪急電鉄 | ||||
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神戸本線・神戸高速線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
| 岡本駅(HK-11) | 神戸三宮駅(HK-16) | 花隈駅(HK-17) | 神戸高速線内では各駅停車。 |
快速急行 | 六甲駅(HK-13) | 神戸三宮駅(HK-16) | 花隈駅(HK-17) | 神戸高速線内では各駅停車。 |
| 春日野道駅(HK-15) | 神戸三宮駅(HK-16) | 花隈駅(HK-17) | |
S特急 | 花隈駅(HK-17) | 神戸三宮駅(HK-16) | 土休日の朝上り1本のみ。 | |
阪神電気鉄道 | ||||
本線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
直通特急 | 御影駅(HS 25) | 神戸三宮駅(HS 32) | 元町駅(HS 33) | |
特急 | 御影駅(HS 25) | 神戸三宮駅(HS 32) | 元町駅(HS 33) | 当駅~須磨浦公園駅間は各駅に停車。 |
快速急行 | 魚崎駅(HS 23) | 神戸三宮駅(HS 32) | ←元町駅(HS 33) | 当駅~新開地駅間は土休日の上りのみで各駅に停車。 |
S特急 | 神戸三宮駅(HS 32) | 元町駅(HS 33) | ||
普通 | 春日野道駅(HS 31) | 神戸三宮駅(HS 32) | 元町駅(HS 33) |
参考文献
※1 阪急乗降人員上位50位
※2 ハンドブック阪神