川西市
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かわにしし
兵庫県南東部にある市。大阪府に隣接し主に池田市に隣接する。
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すべて見る如月かれんは二百二十二回死ぬ。
2018年 ゲーム化ノベルコンテスト「現代部門・優秀賞」受賞作品。 橡原メル(くぬぎはら・める)、16歳女子、この物語の語り手。川西市内の共学高に通っている。【立ち絵B】【背景A】 季節は初夏、梅雨の終わりごろ。 ある日の放課後の教室に突然あらわれたのは、メルの知らない、他校の制服を着た黒髪の美少女。「おぉ、橡原か。意外と遅かったな。」いかにもなれなれしい口調でメルに話しかける彼女は、如月かれん(きさらぎ・かれん)を名乗った。【立ち絵A】 妙に枯れ枯れしい、年寄りくさい独特な話し方をするその美少女は、自称・「222回目の死に戻り」の人生をまたこの街で過ごすつもりだと。そのように、まったく悪びれる様子もなく淡々とメルに語った。かれんが言うには、彼女はこれまで222回死んで、そのたびに、この時期のこの街に、強制的に巻き戻ってきている。かれんがメルと会うのもこれが222回目。そして言うには、「わたしはおまえの親友だ。」と。そんなことまで言い出す始末だ。 すこしも面識のない美少女の不合理な説明を、まったく受け入れられないメル。しかし、押しの強い、ひたすらにマイペースな相手の勢いに押され、街の高台にあるメルの和風な自宅で【背景C】、なんとも奇妙な2人きりの同居生活が始まった。 かれんは毎日学校にも行かず、市内や近郊の公園、動物園、ネットカフェなどを渡り歩いて、のらりくらりと、気楽で気ままな休暇ライフを楽しんでいる。メルは、「222回死んだ」というかれん主張はあくまで彼女の虚言に過ぎず、実際は、おそらくただの家出少女なのだろう、と想像した。これという特別なこともない、しかしそれなりに楽しくなくもない、女子ふたりだけの、ちょっぴり奇妙なハウスシェアな日々。 しかし7月に入ると、かれんのテンションが、なんだか目に見えて低くなった。「体調悪いの? まさか病気?」 メルは心配して、かれんを問いつめる。かれんはとうとう、告白する。「わたしは来週、死ぬ」のだと。けれどもメルの方では、その説明を、そのまま言葉通りには信じられないでいた。おそらくこれも、かれんの虚言に違いない、と。メルはそのままやり過ごしてしまう。 7月のある日、置手紙だけを残してかれんは姿をくらます。手紙には、「わたしはまもなく死ぬが、どうか探さないでほしい。」その言葉とともに、メルに対する感謝の言葉が、くり返しくり返し、独特な字でつづられていた。 あちこち街じゅうを駆けまわり、かれんを探すメル。しかし、かれんの姿はどこにも見えない。すっかり日が暮れて、くたびれ果てて、メルは駅前のベンチに座りこむ。街の明かりが、あちこちともり始めた。そのときメルは、ハッとあることを思い出す。ふたたび立ち上がり、夜の街へと走り出すメルは… ひとまず「あらすじ」はここまで。このあとのクライマックス部分はぜひ、ノベル本編でお楽しみくださいと。そのように、ここでは締めくくっておきたいと思います… (作者 ikaru_sakae)24,809文字pixiv小説作品