概要
1914年開業。
大阪市内の天神橋筋六丁目から大淀(現在の北区大淀中4丁目付近)を経て、野田までを結んでいた路面電車。
同じ路面電車の国道線と線路がつながっていた。
また車両も共通していたが、比較的古めの1形などがよく使われた。
都市間鉄道的な国道線に比べ街の足という性格が強かった(大阪市電が走っていないエリアだったため)。
なお天神橋筋六丁目停留場は阪急とも大阪市電とも別にあり、線路はつながっていなかった。
国道線ほど赤字ではなかったが、車庫が国道線の浜田車庫(兵庫県尼崎市大庄。現在の阪神バス本社および尼崎営業所のお向かいにあった)に一極集中していた影響で、国道線廃止で浜田車庫が使えなくなる為、甲子園線共々巻き添えを喰らう形で同じ1975年に廃止された。
廃線直前の停留場一覧
停留場名 | 乗り換え他線 |
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野田 | 阪神本線・国道線、大阪市営地下鉄(当時)千日前線 ※1・2 |
海老江 | |
上海老江 | |
西大淀 | |
大淀 | |
東大淀 | |
中津 | 阪急神戸本線・宝塚本線、大阪市営地下鉄(当時)御堂筋線 ※1 |
北野 | 阪急神戸本線・宝塚本線・京都本線の梅田駅(現在の大阪梅田駅)茶屋町口から北へ徒歩数分の位置にあった |
南浜 | |
本庄中通 | |
天神橋筋六丁目 | 阪急千里線、大阪市営地下鉄(当時)谷町線・堺筋線 ※1 |
※1···大阪市営地下鉄は現在のOsakaMetroである。
※2···JR東西線は未開業。
代替バスもなくなった
廃線後は同区間を自社の路線バスが運行。その後阪神バスに移管されているが、大阪駅に乗り入れないことが災いしたのか、ダイヤ変更毎に減便を繰り返した結果、2021年7月31日のダイヤ変更で天神橋筋六丁目発着が平日全便運休・土休日夕方1往復のみ走る免許維持路線(免許失効させない為に、客が居なくても営業運転しなければならない赤字路線)と化した。ただ逆に言えば、祝祭日や元旦にも走っていたのである。
2023年11月3日ダイヤ変更では土休日1往復のまま、運行時間帯が朝8時台に変更され、野田や天六方面へのお出かけに使いやすい時間帯となった。
国道線の代替である野田阪神〜阪神杭瀬駅北も上記と同じ免許維持路線と化し、北大阪線の浜田車庫への入出庫ルート確保も兼ねて運行されていた。元々野田尼崎甲子園線の一部ではあったが、阪神杭瀬駅北発着とされた事で完全に系統分断され、この区間は実質的に北大阪線の一部と化し、2023年11月3日ダイヤ変更で同じく運行時間帯が朝に変更となっていた。
折悪しく全国規模でバス運転士が不足している状態が続いているが、阪神バスも例外ではなく、2024年1月8日の最終運行をもって、北大阪線は野田阪神-阪神杭瀬駅北ともども休止(事実上の廃止)になっている。
これにより、大阪市内から阪神バスの一般路線バスが消滅。野田停留場を転換する形で生まれた野田阪神前のバスターミナルは、大阪シティバスのみ発着する。
余談
- 北大阪線は阪神電鉄バス時代から尼崎営業所の担当であるため、大阪市で完結する路線でありながら、神戸ナンバーの車両で運行していた。
- 阪神バスは大阪市内の一般路線をすべて休止した結果、在阪大手私鉄系バス会社で唯一、大阪市内に一般路線を持たなくなっている。京阪バスも大阪市内では鶴見区にごくわずかに乗り入れるのみとなった。この両者は、共に在阪企業ではないという共通点がある。
- 北大阪線と阪神杭瀬駅北発着は同じバスでの一体運用にもかかわらず、両方向とも野田阪神で一旦全ての客を降ろし、野田阪神を境に系統分割する為、野田阪神を跨って乗車する場合、2乗車分の運賃となる(乗継割引等の救済措置も存在しない)運賃面での欠陥が生じていた。この問題は2009年に尼崎神戸線(阪神尼崎駅南-神戸税関前)での阪神西宮駅を境とする系統分割でも起きている。
- 野田阪神前〜中津の間は、大阪駅前まで乗り入れる大阪シティバスもあり、昼間でも毎時3回程度の頻度で運行する。中津〜天神橋筋六丁目は沿線人口の割には他にバス路線がないものの、北側の城北公園通を大阪シティバスの大阪駅前〜毛馬橋〜守口車庫前系統が、数分間隔で運行しており、これも広義の北大阪線の代替路線と見做してよかろう。
関連項目
東急世田谷線:こちらは専用軌道だったこともあり、個別の車両基地として、上町停留場に雪が谷検車区上町班を併設する対応を取り、本線にあたる東急玉川線が1969年5月11日に廃止(運行は前日まで)されたあとも現存している。