説明
広島電鉄江波線は、戸籍上は本線の土橋電停より分岐し、江波電停にいたる全長2.6kmの軌道線で、広島市中区で完結する。
もともとは戦時中の1943年、現在の江波沖町にある造成埋立地で操業を開始した三菱重工広島造船所(現・広島製作所)江波工場への通勤輸送を強化する目的で、旧日本軍の要請により同工場と土橋との間3.9kmの路線として計画・建設されたもので、同年12月26日に土橋電停~舟入本町電停の間で、複線にて開業する。翌年には舟入本町と舟入南町の両電停の間が単線ながらも延伸されたが、ここで原爆投下、そして敗戦を迎える。現在の終点・江波電停まで伸びたのは戦後の1954年のことになった。残る三菱重工江波工場までの1.3kmは、延伸計画が具体化されていないまま今日に至っている。
停留場
土橋(M13) - 舟入町(E1) - 舟入本町(E2) - 舟入幸町(E3) - 舟入川口町(E4) - 舟入南(E5) - 江波(E6)
- 土橋電停には江波線独自の乗り場がなく、停留場番号は本線(宮島線)のもののみである。
- 江波電停から若干南下したところには江波電車営業所があり、江波線に乗り入れる6・8・9号線はここの担当である。
乗り入れる運行系統
運行系統上の江波線は、6号線と称し、本線の広島駅電停を起点に土橋電停から戸籍上の江波線に入り、江波電停にいたる。
単車である700型・800型による運行がほとんどで、超低床連接車1000型は夜間に用いられる程度だが、今後は700型・800型を除く単車が全体に老朽化が進んでいることもあり、これら2形式をほかの単車が用いられる運行系統に振り向ける分、1000型による運行が増えることも考えられる。
また江波線には、運行系統上の横川線である8号線と、同・白島線である9号線も乗り入れるが、9号線の乗り入れが始まったのは2013年度からのことで、それも出入庫間合いなどごく少数にとどまる。なお8号線は6号線と同様に単車による運行が多いが、9号線の江波乗り入れ便は1000型の方が多い。