「……許せとは言いません」
「ベル・クラネル……あなたはもう、本当になんなのですか……」
概要
CV:茅野愛衣
【ヘルメス・ファミリア】の団長にして【万能者(ペルセウス)】の二つ名を持つ、ヒューマンの女性冒険者。22歳。
レアアビリティ【神秘】によって魔道具(マジックアイテム)を製作する、稀代の魔道具作製者(アイテムメーカー)としてオラリオ内外で知られている。
いつも主神であるヘルメスに振りまわされ、年齢に見合わない疲労が滲み出てしまっている苦労人。
人物像
水色の髪に銀枠の眼鏡をかけた、理知的な雰囲気の美女。
常に主神であるヘルメスの奔放な言動に振り回されながらも、彼の要望をキッチリとこなしてくれる。本人曰く、「苦労人(びんぼうくじ)」。
とはいえ盲目的に従っている訳ではなく、ヘルメスの行動に疑問や批判・反感は抱いており、時折、殴る・足を踏む・縄で縛る・小言を述べる等で諌める事も多々ある。
特に『異端児(ゼノス)』事件終盤での彼の行動には反吐が出ると、ハッキリと答えている。しかし、彼女も都市にとっては毒になりかねない彼等を保護する事にはどちらかと言うと反対側であり、命令に逆らう事はしなかった。ただし、自分の地位や名誉を捨てて「愚者」に落ちる道を選び、命を掛けてでも彼等を守ろうとするベル・クラネルへの裏切り行為には、若干良心が痛んでいた模様。
実はとある海国の姫で、立ち振る舞いが洗練されている。
また、王族でしか知りえない国家間の秘密なども把握している。冒険者になる以前から空に焦がれていたこともあり、城から連れ出してくれたヘルメスに対しては愚痴や文句を言いつつも感謝しており、眷族として渋々ながら付き従っている理由の1つでもある。ちなみにドラマCDで「ヘルメスの事は感謝はすれども、男性として意識することは決してない!」と述べている。
『暗黒期』時代は副団長だった。この頃から苦労人が板についており、当時の団長のリディスに振り回されていた。リディスが『闇派閥(イヴィルス)』との戦いの中で死んだため、繰上りで団長に就任した。
この頃はまだ凄腕の魔道具職人程度で、現在の様な世界に名だたるほどの知名度はなかった。
『Danmachicollectionextra2021』にて『ディザーラ』という名の海洋国が存在する事が判明したが、彼女の故郷との関連性は如何に...?
レアアビリティ【神秘】を保有する稀代の魔道具作製者でもあり、発明した魔道具は枚挙に暇がない。自身の魔道具を用いる事で、ギルドによる依頼の遂行率を高め、結果として【ヘルメス・ファミリア】が都市内外を自由に行き来できるだけの信頼を得たことに一役かっている。魔道具製作者としての矜持も持っており、フェルズの作った遠隔通信用魔道具・『眼晶(オクルス)』を見た際には珍しく血が騒いだと語り、新たな魔道具を制作している。
当初はヘルメスが入れ込んでいるベルの事を「頼りない存在」としか見なしておらず、映画『オリオンの矢』では、ヘルメスが呼んだ増援がベル達だったことに(映画の時間軸ではベル達と出会って日が浅く、ベルもまだLv.2とステイタスも低かったので)、心もとなさを見せた。しかし、彼が「神殺しの大罪」を背負う形でアルテミスを救う為に戦い抜いたのが切っ掛けとなったのか、以降はベルを信頼する様子を見せ始める様になっていった様で、外伝『ソード・オラトリア』12巻では、ヘルメスの要請で事件の黒幕『都市の破壊者(エニュオ)』を倒す増援としてベル達を呼んだ際に、多くの試練を乗り越えて成長した彼らを見て心強いと、対照的な印象を抱いている。
本編では【ヘスティア・ファミリア】と関わることは少ないが、ドラマCDでは飲み会に呼ばれてヘスティアらと愚痴をこぼしたり、ヘルメスのおふざけで作ったダンジョンの借金で、ヘスティアをカモにしたりしている。
ゲーム『メモリア・フレーゼ』では、「魔道具を作れるだけで、冒険者としての戦闘能力は他の者に劣る」と自身を卑下したところをベルにフォローされており、団員のルルネ・ルーイからはベルとフラグが立つのでは?と思われている。果たして…。
本編17巻で、【フレイヤ・ファミリア】の本拠を監視中に『魅了』が効かないベル一人のために主神や第一級冒険者達が振り回される現状を察した時は、内心彼を「起爆点(ボマー)」と評し、同情と絶望が入り混じりつつ戦慄する様子を浮かべている。
ラキア王国の王子で、主神アレスに振り回されるという似た立場のマリウス・ウィクトリクス・ラキアには同情的。
また、闇派閥や怪人(クリーチャー)などの事件に関わっているファミリアの団長という立場からか、アイズ・ヴァレンシュタインやリュー・リオンといったそれらに深い関りを持つ人物達とも、行動を共にすることが多い。特に、リューと新しくファミリアの団員となったアイシャ・ベルカとは共闘することも多いのだが、二人とも自分から危険に首を突っ込む性分の為か、ここでも苦労人としてよく振り回される。
リュー・リオンとは暗黒期に知り合い、周りの人物に振り回される苦労人としての共通点から親しくなり、現在でも交流が続いている。
『ファミリアクロニクル』episodeリューでは、彼女の頼みでグランカジノの人身売買について情報を提供したりと、闇派閥の件抜きにしても彼女にとって今のオラリオでは数少ない味方の一人であり、頼られている。
アスフィ自身も、依頼を受ける度に遠回しに警告するなど、常に身を案じている。「アストレア・レコード」の衣装ストーリー「正翼継想」では、彼女がまた正義と向き合い、また歩み始める事が出来るように願いを語っている。
劇中の様相
フレイヤがベルを奪うためにオラリオ中に『魅了』を施そうとした際、ヘルメスの真剣な命令を受けて、オッタルにやられたリューを連れて急いでオラリオから脱出したことで、魅了を免れる。
オラリオから離れたアグリスの町で重傷のリューを手当てし、彼女が目を覚ますとオラリオとベルを調査するために、リューとともにオラリオに潜入。途中、リューがフレイヤに捕まり、一人で調査を進めて【フレイヤ・ファミリア】の本拠の偵察していたが、フレイヤの眷族達の動きに異変が起きたことを察すると、透明状態(インビジビリティ)でヘスティアに接触してヴェルフの工房で密会し、そのことを知らせた。
その際、ヘスティアの神血(イコル)を採取して保管場所を記したメモを作り、ヘルメスをヘスティアがいるジャガ丸くんの露店へ導き、ヘスティアに魅了される前にヘルメスが残したメモとともに、例のメモを渡させた。
そして、ヘルメスがオラリオを【竈】に変えると、ヘスティアをバベルの頂上へ連れて行き、権能を使用させ、ヘスティアの「神」としての偉大さを目の当たりにする事になっている。
その後、【フレイヤ・ファミリア】の本拠へ行き、ヘスティアを神室から侵入、そこでフレイヤの『戦争遊戯(ウォーゲーム)』の宣言をヘスティアが承諾した現場の証人となる。
その後、執り行われた『派閥大戦』では、自身の魔道具『飛翔靴(タラリア)』が今回の勝負形式である『神探し(ハイド・アンド・シーク)』ではあまりに有利すぎるため、名指しで参加禁止を告げられる。しかし、開始前にアストレアが剣製都市ゾーリンゲンにいることをリューに教えた上に、番の魔道具の片方をリューに渡して送り出した。更に、事前のリューとの取り決めで『派閥大戦』の内容が決定した際には剣製都市ゾーリンゲンにいるリューたちに伝えて、『派閥大戦』の最中に自身が持つ番の魔道具のもう片方が発光した際には(その時、派閥連合は参加した四十六の派閥の内の四十二が脱落して、敗北寸前だった)、バベル三十階から飛び出して『飛翔靴』で迷宮都市オラリオに向かっていたリューと【アストレア・ファミリア】を迎えに行き、オラリオが目視できるところまで近づいていたリューたちと合流し、リューだけを『飛翔靴』で『オルザの都市遺跡』の空中から投下して、そのままアストレアたちの下に引き返して【アストレア・ファミリア】を『オルザの都市遺跡』まで案内した。
そして、【アストレア・ファミリア】とデメテルとニョルズが派閥連合に途中参加した後は、シャクティ・ヴァルマや【ガネーシャ・ファミリア】と共に『オルザの都市遺跡』の外で『派閥大戦』の行く末を見届けた。
戦闘能力
ステイタスはLv.4と、第二級冒険者クラスの実力を有する。【ヘルメス・ファミリア】は主神の方針で実力を隠している者もおり、原作でのヘスティアやアイズの台詞から、彼女も公式発表しているレベルを偽っている可能性があるが外伝12巻を見る限りその線はないだろう。
同レベルの者に比べてステイタスの数値は劣るが洞察力や指揮能力に優れ、団長としての指示は的確。彼女が率いるパーティーはやや効率重視が見られるものの、【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者を除いた中堅パーティと同等以上の戦闘能力を誇る。個人の戦闘能力に関しては自身が制作した魔道具を駆使し、透明化による奇襲、飛行による攪乱、爆薬による攻撃といった他の冒険者とは全く異なる戦闘を行う。武器は《カノーヴァル・ダガー》と呼ばれる軽量の短剣。これも彼女が自ら作り上げた、オーダーメイドの武器である。
ステイタス
Lv.4
※異端児編時点でのステイタス
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
F398 | G278 | C631 | D545 | I67 |
神秘 | 調合 | 彫金 |
発展アビリティ
- 神秘
オラリオの中でも、所有者は5人に満たないとされているレアアビリティ。神の十八番である『奇跡』を発動させることが出来、このアビリティを使う事で魔道具を制作することが可能となる。また『魔導』と組み合わせる事で魔導書(グリモア)を作成できるなど、他の発展アビリティと併用することで作製できる魔道具の幅が広がるようである。
アスフィが制作した魔道具は下記を参照。
- 調合
- 彫金
魔法
- カロフ・アルゴール
詳細不明。詠唱にエラい時間がかかるうえに、ショボいとのこと。また、再生能力のある漆黒のゴライアスのような相手には相性最悪だという。
魔道具
- 飛翔靴(タラリア)
金の翼が巻き付くように施された靴(サンダル)。
ニ翼一対、左右合わせて4枚の翼を広げる事で、装備者に飛行能力を与える。その天外の能力故に秘匿されきた『神秘』の結晶であり、初めて目にした人々は一同に驚愕を表している。当初は奥の手として、あまり人目があるところでは使いたがらかったが、目撃者が増えたからかラキア軍捜索時など使用頻度は増えている。
元ネタはギリシャ神話での伝令神ヘルメスを象徴とする、有翼のサンダル。
- 漆黒兜(ハデス・ヘッド)
- 爆炸薬(バースト・オイル)
- 凍炸薬(フリーズ・オイル)
- 血潮の筆(ブラッド・フェザー)
ちなみに壊れたこの魔道具を参考に、手先が器用な異端児のレットがフィアの羽根を用いて羽根ペンを自主作成している。別名『半人半鳥(ハーピィ)の鵞ペン』。(異端児からの手紙より)
- 紅針(クリゼア)
- クノッソスの鍵(自作)
- ダイダロス通りの手記(偽物)
- 解炎剤
以下、本編13巻ドラマCD「ダンジョンにRPGを求めるのは間違っているだろうか」のネタバレを含みます。
- サンダーソード
- シルバーベル・ゴールドベル
ちなみに、金の斧に登場する泉の精の元ネタはヘルメス様本人だったりする。
- シャハールの鏡
「自分のマジックアイテムでやられるとは……不覚……」
後にも先にも、こんな不覚はこれっきりだろう。
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
ヘルメス ヘルメス・ファミリア
リュー・リオン アイシャ・ベルカ
ドラえもん:便利な道具で手助けをしてくれるキャラ繋がり。世話が焼ける人物の保護者のような立ち位置で苦労人など、共通点が多い。髪も青色(水色)だし。ネットでは、一部読者からアスえもんとか呼ばれたりもしている。
真手凛:放浪癖持ちの上司に振り回される苦労人繋がり。あちらの中の人は馬鹿魔力の妖精。