「やらなければ、何もかもやらなければそこに立つ事さえ出来ないんだ」
「僕は許せない。何もしなくて、何かを期待していた僕自身を」
「僕、強くなりたいです」
概要
CV:松岡禎丞
職業:冒険者/ 性別:男 / 人種:ヒューマン 身長:165C
冒険者になる為、そして祖父の教えから迷宮に出会いを求めてオラリオに足を踏み入れた少年。
【ヘスティア・ファミリア】所属となりなし崩し的に団長を務める事になる。14歳。
所持金:87890ヴァリス(最新刊時点)
主神・ヘスティアの為に一人で迷宮(ダンジョン)に潜り続けていたが、ミノタウロスに襲われていたところをアイズ・ヴァレンシュタインに助けられて、その際彼女に一目惚し、同時にこの出会いが、彼の「冒険者」としての本当の始まりとなるのだった。
外伝作『ソード・オラトリア』でも、作中に何度か登場。
主人公のアイズや、もう一人の主人公とも言えるレフィーヤ・ウィリディスの二人にとって大きく影響を与える人物となっており、12巻では【へスティア・ファミリア】のメンバーと共に、彼女達の戦いに本格的に参戦。戦局を左右する活躍をする。
人物像
白髪と赤目、華奢な体格から「兎」のイメージを持たれることが多い。
基本的に臆病な性格で、根も「超」がつくほど善良かつ純粋で相手を疑う事を知らないため他人に騙されてしまうことも多く、主神であるヘスティアも危惧している。ただし、よく騙されたり陥れられたりしているが、彼自身は悪意に影響を受けることは無い。
また、直ぐに動揺し顔に出るタイプである為基本的に隠し事は出来ない。その事から異端児(ゼノス)編ではフィン・ディムナにカマをかけられた際、すぐに『ダイダロス・オーブ』の在処やモンスター達との繋がりを露見してしまう事になった。
その根底にある正義感や真っすぐな心根は非常に強く、一度は自らの選ぼうとする選択に躊躇してしまう様な事態となっても、最終的には自らの信念を貫こうという強い意思を見せ、何度くじける様な極限状態に陥っても、立ち上がって敵に立ち向かおうとする不屈の精神力を見せている。
異端児編まではただひたすらアイズに追い付くという自分のためだけの目標で走ってきたがウィーネ達との繋がりを経た事で彼等の為により大きな野望、理想を掲げるようになっている。
一方、その純粋さや真っすぐさに反して、かなりのエロジジイだったと思われる義祖父の教育の影響か、元々上記の通りオラリオに来て冒険者になった動機は「女の子との素敵な出会いを夢見たから」、「御爺ちゃんから男ならハーレムを目指せと言われたから」と、意外に不純となっている。
ただし、その割には女性に初心な上に誠実、冒険者として活躍し始めてからは、「英雄になる」という動機で戦い続けており、当初の目的に関してはすっかり忘れてしまっている模様。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』というタイトルは何だったのやら…。
過去に両親を亡くし、唯一の家族であった育ての親である義祖父も姿を消した事が大きなトラウマとなっており、「家族」を失う事を極度に恐れ、現在の「家族」と言えるヘスティアや【ヘスティア・ファミリア】のメンバー達が危機的状況に陥ってしまうと、「無謀」と言えるまでに向こう見ずな行動に出てしまう事がある。また、仲間の生死に関わってしまう危機的状況に直面すると、冷静さを失ってしまい、決断力の乏しさを見せてしまう事も。
現在も、あまりにショックな出来事と対面すると泣き出してしまう事もあり、特に【イシュタル・ファミリア】の団長であるフリュネ・ジャミールに犯されそうになった際は、助けてくれたサンジョウノ・春姫に対し、子供の様に泣きついている(無理もないと言えるが…)。
英雄譚については、祖父が教えてくれたからか半ば失伝してるような貴重な情報まで把握しており、『ソード・オラトリア』のエニュオ編では、誰も知らなかった邪竜『ニーズホッグ』を滅ぼした『精霊の六円環』について【ロキ・ファミリア】の面々に伝えた結果、オラリオの裏で暗躍してきた『都市の破壊者(エニュオ)』の大まかな目的が判明する。
その優しさについては、金銭目当てで自身のナイフを奪いモンスターの群れの中に置き去りにしたリリルカ・アーデ(リリ)、自分達に『怪物進呈(パス・パレード)』を仕掛けて逃げ出した【タケミカヅチ・ファミリア】の面々、ベルの活躍に嫉妬と逆恨みを抱き、散々タコ殴りにされたモルド・ラトローを含む冒険者達、ウィーネを始めとする異端児達との歩み寄りをぶち壊そうとしたヘルメス等、普通なら絶対に許してもらえない真似をやらかした者もほとんど糾弾していない。
底無しのお人好しであると同時にヘスティアの眷族らしく差別を嫌い誰とも隔てなく接する様から【フレイヤ・ファミリア】のヘグニからは「無二の友..?」と思われている(何でも自身の持病を発症しても、気にかけながら喋ってくれそうだかららしい…)。
一方、そうした他人に甘すぎる性分や雰囲気に反する快進撃が仇になる形で、数多くの災難に見舞われるのも事実で、仲間からもよく心配されており、ヘスティアはリリなどにベルを見守ってくれと頼んでいる。
「騙し合いや裏切りも頻繁に起こる事のある冒険者には向いていない」とアイズからは評されており、足を掬われ危機に陥る事も珍しくない。
しかし、リュー・リオンなどからはそこがベルの美徳であると語り、実際作中でも多くの人物達に評価され好感を得ている。因みに他種族でありながらリューの手を握れた三人目の人物でもある。
元々非力で冒険者としての才能も乏しかったに過ぎなかったはずが、最短期間でLv.2にまで上り詰めた成長ぶりから、アイズの最短記録を抜かれて忌々しく思っていたロキからは、ヘスティア個人への嫌がらせも兼ねた「悪意」による糾弾が行われ、『神の力(アルカナム)』を使って不正を働いているのではないかと言い掛かりをつけている(実際はレアスキルの中でも希少である【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】の恩恵なのだが、他の神々から面白半分にベルが狙われる事を恐れたヘスティアは、伏せるしかなかった)。
また、ベル個人の方も【ロキ・ファミリア】の一部からは人気の高いアイズに気に入られている事による嫉妬を織り交ぜた酷いやっかみを受けており(特にベートやレフィーヤ)、漫画版『ソード・オラトリア』でも、ベル本人の居ない所で、【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯(ウォーゲーム)』に勝利した上でLv.3となった彼に対し僻みを覚え、不平不満を述べている団員達がいた。
更にオラリオの神々の中でも曲者の分類に入るフレイヤからも執着されて様々な『試練』を課せられてしまったり、オッタルを除く【フレイヤ・ファミリア】の面々からはほぼ全面的に憎悪・敵視されている(オッタルはむしろ成長を「期待」している)。
おまけに自身を『神工の英雄』に仕立て上げようとするヘルメスからも様々な「仕込み」をされ、フレイヤを毛嫌いするイシュタルにまで「フレイヤを出し抜く為の要素」として目を付けられ、【イシュタル・ファミリア】の面々からは貞操まで狙われてしまっている。
そして、異端児達と関わって彼等を助けようとした後は、自分達の期待を裏切られたと思った人々による失望感だけでなく、これまでの自身が冒険者として急激に成長し注目を浴びていた事に対する他の冒険者達の妬みや嫉みが一気に爆発してしまうに至り、オラリオの人間達ほぼ全てを敵に回してしまった事まであった。
この様に、とにかく心労の絶えない災難に見舞われる薄幸な少年である。
自身は身勝手な悪意であろうと簡単に許し然るべき処置を行わない為、そういった輩を余計つけ上がらせ、舐められて更なる被害に遭いやすいのだ。
そもそも毎度の事彼を中心に事件が爆発し世界が揺らぐ事からもはや『起爆剤(ボマー)』と称されており、17巻での事件の際は苦労人であるアスフィから「貴方はもう、本当になんなのですか……」と呟かれている。
だが裏を返せば、そんな人物こそが英雄たる資格を有していると言えるのだが…。
実は甘いものが苦手という意外な一面もある。
また、第二級冒険者としての五感に加え常日頃から美神の無遠慮な眼差しを受けている事から人一倍視線には敏感である。
『メモリア・フレーゼ』では、ヴェルフ・クロッゾとは違うベクトルでネーミングセンスが酷い(所謂、痛い)ことが判明する。
出生について
田舎で育ての親である義祖父と共に暮らしていた農家であることしか明らかになってない。
また、6巻におけるヘルメスからの台詞で、その義祖父はオラリオを追放されたかつての都市最強ファミリア、【ゼウス・ファミリア】の主神・ゼウスであることが判明されている。
なお、その義祖父からは「男ならハーレムを目指せ!」、「男なら寝込みを襲えぃ!」、「覗きは男の浪漫(ロマン)だ!」等、ロクでもない事ばかり教わっていた模様。
とんだ助平神である…。
義祖父と二人暮らし(後に生き別れる)のためか、料理が得意。田舎育ちのため、森の果物にも詳しい。
彼の親については、現時点では本編で全く描写もベル本人からのコメントが無く、全くの謎だった。
――が、ダンメモ3周年イベント「アストレア・レコード」の追加エピソードにて、ベルの両親が判明する。
彼の血縁によると、父譲りの赤い瞳以外は母親によく似ているという。
なお、その容姿は童話に出てくる英雄、アルゴノゥトに酷似しており、恐らくはベルの前世だと思われる(詳しくは『アルゴノゥト』を参照)。
冒険者としての能力
基本的には、《神の刃(ヘスティア・ナイフ)》をメインとした短剣状の武器を両手に用いて戦い、スピードと手数を生かして敵を翻弄しつつ猛攻を加えていく戦法を得意とする。また、相手のモンスター等の攻撃によっては、他の冒険者から武器を借りたり、その場に落ちている冒険者達の遺品となる武器等を利用する事もあり、大型の剣や盾、大戦斧、はたまたはモンスターの使っていた武器も利用したりしている。
アイズに戦闘を教わっている事や憧れている事もあり戦い方が彼女に似ているらしく、【イシュタル・ファミリア】のフリュネや外伝で彼の戦いを見た【ロキ・ファミリア】がアイズの姿を重ねていた。
足の速さだけに関しては恩恵を授かる前から天性の物を持っておりそこに【憧憬一途】が拍車をかけ、敏捷の伸びは凄まじく、ヒューマンの身でありながら獣人を凌ぐ程に成長している。
習得魔法である【ファイアボルト】に関しても、詠唱を必要としない速攻性に優れた物で、【英雄願望】によるチャージを組み合わせる事で火力調節も可能になっており、更に第四部の時にはこれらを組み合わせた必殺技である【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】を「習得」ではなく「自力で編み出す」という形で成功している。
現在のベルの戦闘スタイルは、「俊敏な動きと跳躍力を生かした魔法戦士」と言える物となっている(しかも、魔法戦士タイプであるリューやフィルヴィス・シャリアとは違って、「スキルのチャージ」は必要でも「魔法の詠唱」は必要としない利点がある)。
ファミリア入団当初こそは、ダンジョン最弱のゴブリン一匹倒して大喜びで帰って来てヘスティアにガッカリされる程の非力であった。
ただし、本来の駆け出しの冒険者だったら、同じ駆け出しの冒険者同士でパーティを組んで挑むか、あるいは【ロキ・ファミリア】の様に所属するファミリアの先輩格の冒険者達に守られながら指導を受けて戦っていたのに対し、ベルの場合は誰からも指導も受けられず、パーティすら組んでもらえない状態でずっと一人で戦っていた為、「非力」であったとしても「情けない」とまでは言えなかったと言える。
と言うより、冒険者としての才能や経験も無ければ、魔法も全く使えない状態で、誰ともパーティを組んでもらえず一人でダンジョンに挑み続ける事自体が、普通に考えれば文字通りの「自殺行為」に等しかっただろう(実際、ギルドで担当となっているエイナ・チュールからも、「パーティを組まずにソロでダンジョンに潜っているだけで危険」と言われている)。
しかし、自身を助けてくれたアイズの様になりたいという願いから、レアスキルである【憧憬一途】を発現させたのを機に、急激なステイタス向上をしていく事になる。
トラウマの対象であったミノタウロスを単独で倒した事で、冒険者を始めてから一ヶ月半という世界最速記録という形でLv.2へのランクアップを果たし、その一ヶ月後には【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』に勝利した上でLv.3、更にその二ヶ月後には『異端児達』を巡る事件を経てLv.4という、他の冒険者と比べてもあり得ないスピードでのランクアップを繰り返しており、自らの身に起きた災難ですらも、結果的にランクアップに繋がってしまうのだから、もはや皮肉と言わざるを得ない。極東の言葉で言い表すなら「災い転じて福となす」とでもいうべきか。
ただし、これらはあくまでも発現させた【憧憬一途】のスキルによる恩恵とベル本人が必死に培ってきた努力、そしてそれらによって数多くの危機を乗り越えてきた賜物と言える。スキルを発現させる以前の非力さや魔導書が無ければ魔法も習得できなかった事実に加え、精霊の血を引いている上に冒険者として天性の才能の持ち主であったアイズや、狼人族という元から戦闘センスに優れた種族であったベートと比べてみても、ベル個人に冒険者や戦士としての優れた才能があったとは言い難い。
事実、作者からTwitterで神をプレイヤーとし、眷族をガチャキャラに例えるならアイズやリューはSSSRに対しベルはRぐらいだと言われている(ただし特定イベント達成によってプレイヤーを阿鼻叫喚のどん底に突き落とすバグカードその被害者がオラリオ、そのガチャを引いたのがロリ神とのこと)。育ての親であるゼウスからも、「意地も根性もあるが圧倒的に素質がない。およそ大成する器ではない」と思われていた程。
つまり彼は、元から英雄としての素質を秘めていたのではなく類い稀ない努力と、出会いによって自ら掴み取ったのである。ここが他の次代の器達との違いである。
また、短期間で急激にランクアップし続けた事による「欠点」も持ち合わせている。通常、ランクアップには相当の月日や年月が掛かり、その分経験や場数を積み重ねていく事にもなるのだが、ベルの場合は、皮肉にも短期間でのランクアップが原因で、その経験や場数がランクアップに相応しないまでに足りないと言う「弊害」が生まれてしまっており、短期間でのダンジョン攻略においての経験やダンジョン攻略に関する勉強でしか、その不足を補う事が出来ずにいる。
事実、外伝作である『ソード・オラトリア』では、「未知の新種」と言える極彩色のモンスターに対して圧倒的に不利な状況となっていた(たまたま同行していたレフィーヤの存在があって、何とか生還する事が出来ている)。
しかし、異端児篇以降は、好敵手となるアステリオスとの出会いや初めての敗北といった経験やウィーネ達異端と暮らせる世界を目指すという目標も得た結果、自ら「偽善者」であろうとする事を決意。相手が未知の存在であっても、恐れず戦いを挑もうとする等、精神的に大きな成長を見せている。
そして、第四部ではモス・ヒュージの強化種や階層主をも上回る危険度を誇るジャガーノートの撃破にも成功している。
覚醒
『メモリア・フレーゼ』の「迷宮の白い闇(ホワイトアウト)」では、闇派閥(イヴィルス)に所属する研究者であるミュラーが、捕らえたレイを「心置きなく辱めて利用できる、最高の実験台」とまでのたまった事に、静かながらも本気でキレる様子を見せ、食人花(ヴィオラス)とコボルトを合成させた『強化コボルト』の大群を『単独』で瞬時に撃破するという驚異的な戦闘力を発揮している。
この光景にアーニャ・フローメルやクロエ・ロロは「これもう、ミャーたちより強くね?」と驚愕を隠せず、敵のミュラーもLv.3であるはずの彼を「Lv.4…!いやそれ以上の――!」と戦慄させている。また、その光景を見たレイは、「ウィーネや私達(異端児)、彼(アステリオス)と出会った事で『覚醒』する程に強くなった」と評している(ちなみに、ベルはその時無意識的にレイと惚気るような雰囲気になってアーニャ達に非難されたり、その場にいたレフィーヤは活躍を見て嫉妬を爆発させて不機嫌になっている)。
活躍
本編開始前
祖父と田舎で暮らしていたが、ある日祖父が事故で亡くなってしまい(実際は死んでいなかったようだが)、それからしばらくした後、生前祖父から聞かされていた冒険譚によって冒険者に憧れ、冒険者になるべくオラリオにやってくる。
しかし、あらゆるファミリア(『ダンメモ』では【ヘルメス・ファミリア】や【ゴブニュ・ファミリア】に入団を希望していた)から門前払いを受けて、途方に暮れていた時にヘスティアと出会い、彼女のファミリアの最初の団員となった。
第一部
誰ともパーティを組んでもらえず、「迷宮の上層にて単独でモンスターと戦う」という大きな危険の伴う日々を送っていたが、上層に現れないはずのミノタウロスに襲われ、恐怖で身動きできなくなった所、それを撃破したアイズと出会い、彼女に憧れと共に一目惚れする事になる。
しかし、その後の酒場で一部始終を見ていた【ロキ・ファミリア】のベートによって酒の肴にされる形で笑い者にされた結果、自分の中の冒険者としての甘い考えを自覚させられ、一念発起する形で戦い続けた事でレアスキルの中でも非常に希少となる【憧憬一途】を発現。それを機に、異常な速度で急成長していく事になり、彼を知るヘスティアやエイナ等から驚愕されている。
それから数日後の【ガネーシャ・ファミリア】の主催する『怪物祭(モンスター・フィリア)』にて、自身に『試練』を与えようとしたフレイヤが放ったモンスターに襲われて窮地に陥るが、自身の力になろうとしたヘスティアがヘファイストスに借金してまで製作してもらった《ヘスティア・ナイフ》を用いてモンスターを撃破する事に成功する。
その後、シル・フローヴァに手渡された魔導書(フレイヤがベルに渡るよう仕向けた)で速攻魔法である【ファイアボルト】を習得。小人族のリリと出会い、《ヘスティア・ナイフ》を狙っていた彼女と一悶着の末に相棒関係となった後、再会したアイズからは一週間の訓練を受ける事になる。
しかし、その後のダンジョン探索でオッタル(正確にはフレイヤ)によって仕向けられた隻角のミノタウロスと遭遇。かつて自分が戦意を失う程のトラウマを負ったのと同じミノタウロスと再び相見えた事で、最初は恐怖に支配されて「逃げる」事を考えていたが、アイズや【ロキ・ファミリア】のメンバーが現れた事で、また助けられてしまう事を拒み「戦う」道を選んだベルは、壮絶な死闘の末、Lv.1の身でミノタウロスを奇跡的に撃破。トラウマを乗り越え、誰もが成し遂げた事の無い前代未聞の偉業によりランクアップし、『世界最速兎(レコードホルダー)』として一目置かれる存在となる。
なお、ミノタウロスとの戦いの中、【ロキ・ファミリア】のティオナ・ヒリュテからはベルの姿が英雄譚の登場人物『アルゴノゥト』に見えると評され、リヴェリアがミノタウロスを倒すのと同時に気絶したベルのステイタスを調べた際は、アビリティが「オールS」と判断されている。
第二部
Lv.2にランクアップしたことで【未完の少年(リトル・ルーキー)】という二つ名を授かり、ヘスティアは無難で安心していたが、ベルは思っていたより普通だったため、少し不満気であった。
また、ミノタウロスを倒した偉業で密かに【猛牛殺し(オックス・スレイヤー)】という異名も持っている。
そんな中、自身の装備を製作した張本人で、【ヘファイストス・ファミリア】に属する鍛冶師であるヴェルフと正式契約を結ぶのと同時にパーティを組む事になるが、【タケミカヅチ・ファミリア】によって『怪物進呈』を仕掛けられた結果、窮地に陥る事になる。
しかし、階層主であるゴライアスから逃げ切り、何とか中層となる18階層にまで辿り着いた事でアイズと遭遇。彼女に助けられ、「遠征」から帰還中であった【ロキ・ファミリア】と一時の交流を経て、探しに来たヘスティア達や【タケミカヅチ・ファミリア】の面々と合流し、和解する。
しかし、ヘルメスに唆されてヘスティア達や【ロキ・ファミリア】の女性陣による水浴びの覗きに付き合わされた結果、「覗き」の疑いを掛けられてしまう。何とか誤解は解けたものの、未だに怒り狂っていたレフィーヤに追いかけ回された末に、彼女と共に遭難する事態となり、闇派閥とも関わったり、食人花に襲われる事にもなっている。
【ロキ・ファミリア】と別れた後は、自身の活躍を妬んでいたモルド達と一悶着を起こす事になるが(モルド達はヘルメスに透明になれる兜を渡された上で唆されていた)、【ロキ・ファミリア】が倒したゴライアスとは別の個体がリヴィラの街を襲撃。モルド達や街に滞在していた冒険者達と共闘する形でゴライアスを撃破する。
それからしばらくした後、酒場で【アポロン・ファミリア】と喧嘩沙汰になってしまい、団長であるヒュアキントス・クリオに敗北。この件が原因で、アポロンから『戦争遊戯』を挑まれる事になってしまい、更には【アポロン・ファミリア】の襲撃によって本拠(ホーム)であった廃教会を破壊され、リリは【アポロン・ファミリア】と結託していた【ソーマ・ファミリア】の元へと連れ戻されてしまう。
この事態を打開する為に、ヘスティアは【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』を受ける事を決意。【ロキ・ファミリア】の元へ向かい、アイズとティオナの二人から戦闘訓練を受け、パーティを組んでいたリリとヴェルフ、【タケミカヅチ・ファミリア】のヤマト・命の三人が【ヘスティア・ファミリア】の正式な団員となり、最終的にはヒュアキントスを撃破する形で『戦争遊戯』に勝利。【アポロン・ファミリア】の拠点であった巨大な館を『竈火(かまど)の館』とする形で【ヘスティア・ファミリア】の新たな本拠とする事になった。
【ヘスティア・ファミリア】の名が一気に有名になったのを機に行った新団員の募集にて、多くの希望者が募ったものの、《ヘスティア・ナイフ》の借金が発覚して失敗。その後、【イシュタル・ファミリア】の拠点となっている歓楽街で、娼婦となっていた狐人(ルナール)である春姫と出会い、彼女が命やヒタチ・千草の友人である事を知った事で、身請けをするべくダンジョンで稼ごうとするが、自身がフレイヤのお気に入りである事を知り、それを利用しようと目論んだイシュタルの仕掛けた罠に掛かって捕らわれてしまう。
独断で自身を犯そうとした団長のフリュネが牢からいなくなった隙を突いた春姫の手で、何とか脱出に成功したものの、合流した命やそこに現れた副団長のアイシャ・ベルカから、春姫が殺生石に魂を封じ込められて【イシュタル・ファミリア】の強化の為に命を捧げる事を知る事になる。最初は、自身のファミリアが抗争に巻き込まれる事を恐れ、春姫を助けるかどうか躊躇してしまうが、『娼婦』であるというだけで彼女が「英雄にとっての破滅の象徴」と見なされる事に納得のいかなかった結果、命と共に助けに向かう事を決意。
二手に分かれて【イシュタル・ファミリア】の拠点へと乗り込んで殺生石を破壊し、説得を受けた春姫の【ウチデノコヅチ】によるレベルブーストの恩恵を受けて、フリュネを対決する。フリュネとの闘いは【フレイヤ・ファミリア】幹部達の襲撃で中断されるが、最終的に「ケジメ」をつけに現れたアイシャと対決し勝利。春姫の救出に成功する。自身が捕らわれた事実を知ったフレイヤ自ら率いるファミリアによって【イシュタル・ファミリア】が壊滅に追いやられた事もあって、狙われる事も無くなり、春姫を【ヘスティア・ファミリア】の新たなメンバーに迎える事になった。
シルが関わっていたダイダロス通りに存在する孤児院の子供達と交流を経た後、アレス率いる国家系ファミリアのラキア王国がオラリオを攻め込んでくる事態となり、その際に些細な事で喧嘩して館を出てしまったヘスティアがアレスに捕縛されてしまう。
ヘスティアを救出すべく、アイズと共にオラリオから出てベオル山地で追いつくが、乱戦の中でヘスティアやアイズと共に崖下の川へ落ちてしまい、付近にあったエダスの村で休息を取り、そこで神ブリギッドの眷族であった長老の最期を看取る。その後、互いの過ごす時間が異なる故にうまく向き合えなかった本心をヘスティアに語った事で彼女と仲直りし、オラリオへと帰還する。
第三部
ある日、リヴィラの街での冒険者依頼を受けたベルは、その下の19階層にて、モンスターでありながら知性や感情を持った異端児の一人であるヴィーヴルの少女・ウィーネと出会う事になり、彼女が他のモンスターと何かが違うと本能的に感じ取った事で、地上の『竈火の館』へと連れ帰り、そこで【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共にウィーネと心を通わせる。
それを知ったギルドの主神・ウラノスから強制任務(ミッション)を受け、迷宮の20階層にある未開拓領域に向かった事でウィーネと同じ異端児であるリドやその仲間達と出会い、彼等とも交流を経る事になり、同時期にフェルズに連れ出されたヘスティアも、ウラノスから異端児の存在や【ヘルメス・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】も協力関係にある事実を知らされる。
しかし、異端児達を自分達の欲望や暴利を貪る為の道具として利用していた、ならず者集団のファミリアである【イケロス・ファミリア】によって、異端児のラーニェ達が惨殺された上でウィーネが連れ攫われた結果、それによって激怒した異端児達がリヴィラの街を襲撃する事態となってしまう。
事実を聞かされた事で、ウィーネの救出と異端児達を止める事を決意し、表向きは「討伐隊」となっている【ガネーシャ・ファミリア】と共に18階層へ向かい、偶然手に入れたダイダロス・オーブを使って、フェルズと共に【イケロス・ファミリア】が拠点としている『人造迷宮クノッソス』への侵入を果たす事に成功。そこで待ち受けていたディックス・ペルディクスの呪詛によってリド達が同士討ちを始めてしまい、更には額の宝石を剥ぎ取られたウィーネも暴走し、それでも助けようとする事からディックスに「偽善者」と罵られるが、助けたい者に人間もモンスターも関係無いという自身の心からの叫びから、リド達は正気を取り戻し、ディックスを追い詰める。
だが、最後の悪あがきに出たディックスによって呪詛で完全に正気を失ったウィーネが地上へ誘導されてしまい、リドと共に追って暴走するウィーネを止めようとするが、討伐に現れた【ロキ・ファミリア】と対峙してしまった上で、ウィーネはイケロスの眷族のグランが投げた長槍に貫かれて死亡してしまう。しかし、そこに現れたフェルズの蘇生魔法によってウィーネは奇跡的に助かり、地上に出てしまった異端児達も散り散りに逃亡するが、この件が原因で、一転して「人々からの信頼を裏切った冒険者」としての悪名が広がってしまい、数少ない理解者の一人であったエイナからも、本当のことを話してくれなかったことで頬を叩かれた上で悲しませる事になった。
※余談だが、この判断については彼自身後悔しており、一か八か全て話せばもっと他のやり方があったんではないかと葛藤していたが、この時仮に彼等と交渉し説得できたとしてもフィンは一族の再興の為の名声を何よりも欲しているため自身が零落しないよう(名声に傷がつく=悲願の妨げとならないよう)問答無用に情報だけ聞き出し殺していた為、どう転んでも意地汚い冒険者を演じるしか場を切り抜ける方法はなかったのである。
事実、これは【ロキ・ファミリア】視点を描いた外伝でフィンの口から、及び作者からも語られている。
実質的にオラリオの人々の殆どを敵に回してしまい、孤児院の子供であるライからも「裏切り者」呼ばわりされてしまった事で、かつて無いまでに精神的に追い詰められる事態となってしまうが、シルに励まされ、少しずつ立ち直った末、地上に残された異端児達を迷宮に帰還させる事を決意する。
僅かながらも心強い協力者達を得て、ヘルメスに渡された『ダイダロスの手記』の情報を元に、クノッソスを利用した迷宮への帰還作戦が進む中、クノッソスの攻略に必要となる『ダイダロス・オーブ』の入手と異端児の殲滅の二重の目的を狙っていたフィン率いる【ロキ・ファミリア】と全面的に敵対する事になるが、その混乱の最中でウィーネとはぐれてしまい、彼女を見つけた所でアイズと対峙。モンスターを激しく憎悪し殲滅の対象としか見なさない彼女とは全く相容れない形で対決し、彼女の圧倒的な憎悪の力の前に追い込まれてしまうも、そこに逃がしたはずのウィーネが現れ、自らの爪と翼を引き剥がした上で自身を守ろうとする意志を見たアイズは戦意を失ってしまい、何とかその場を去った末、合流した異端児達と共にウィーネを無事にダンジョンへと逃がす事に成功する。
しかし、本心では人間の異端児の共存を「絵空事」と見なし、ウラノスを裏切ったヘルメスの謀略によって、偽物のダイダロスの手記の情報を鵜呑みにしてしまったフェルズやリド達は、そこで待ち受けていたヘルメスによって自身を『神工の英雄』に帰還させる為の「茶番」に協力するよう脅迫され、自身を助ける為に自ら犠牲になる道を選んだ石竜(ガーゴイル)のグロスと一部の異端児が街で暴れだす。ヘルメスに渡された宝石と同じものを渡されていたエイナが英雄回帰の為の「生贄」にされてしまい、それを止めるべくグロスと激突する事になるが、あくまでもグロスを信じたいという気持ちから、「武器を収めてグロスを信じる」という選択を選んだ結果、グロスもまた攻撃を止める事になった。それを見たヘルメスの指示を受けたアスフィが、グロスを暴走させる為に『紅針(クリゼア)』を打ち込もうとしたその時、かつて迷宮の9階層で死闘を演じた隻角のミノタウロスの転生した異端児であるアステリオスが乱入する。
ヘルメスの『茶番』を完全に覆す形で、自らの憧憬の対象を遂に探し当てた彼から再戦を申し込まれた事で、【フレイヤ・ファミリア】や彼等に抑えこまれた【ロキ・ファミリア】、オラリオの人々や神々等が見届ける中、1対1での激しい死闘が巻き起こり、最終的には片腕を失いながらも圧倒的な力を発揮したアステリオスが制し、冒険者としての初めての敗北を迎える形で、異端児を巡る事件は終息した———。
しかし、その直後、彼に残るのは止めようの無い無力感と敗北感であった。止めることの出来なかったディックスの思惑、守ると決めたウィーネを一度は目の前で死なせた、その後も憧憬を相手に全く太刀打ち出来ず、「勇者の策略」や「神の悪意」に振り回された最後には、生まれ変わってまで自分を求めた好敵手にも敗北…。敗北に次ぐ敗北を重ねる事しか出来なかったベルは、純粋に冒険者として雄として勝ちたかった思い、それら全てが悔し涙となり一人残されたその場で声を上げて泣くのであった…。
この戦いでの敗北は、新たに憧憬以外の目標を見出し精神面でも大きく変化する切っ掛けとなり、ファミリアの団長、パーティのリーダーとして仲間達を先導し、英雄の素質を掴み取った、器を示したと評される程にまで成長していく事になる。
第四部
地に堕ちた名声を取り戻し、Lv.4になった際には新しく【白兎の脚(ラビット・フット)】という二つ名を授かった(アニメでは『神会』がカットされて【リトル・ルーキー】と呼ばれたまま物語を進めている。ただし、ダンメモのサイドストーリーでは【白兎の脚】と呼ばれている)。
遠征編では今迄の限界突破していたステイタスもあり、Lv.4になって間もない時点でLv.4上位の実力を発揮し、『強化種』のモス・ヒュージにジャガーノートと言った最恐の敵との死闘を経て深層から脱出した後のステイタスはLv.4後半…Lv.5一歩手前というレベルまで上り詰め、ランクアップも可能となったがあまりに短期間すぎる為、神々が再び注目し始めると危惧したヘスティアにより、現在保留状態である。
しかしその後、遠征から帰還したばかりの際に、エニュオによるオラリオ壊滅計画が最終段階に入った結果、【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共に、『切り札』として参戦。エニュオに捕まった人質救出部隊のメンバーとして遅れて参戦し、圧倒的な強さで食人花や晶黽(ヴァルグ)などのモンスターの群れを一人で殲滅し、その場にいた【ロキ・ファミリア】の二軍メンバー達を驚愕させた(この時ナルヴィ・ロールは彼にアイズの姿を重ね、クルスは自分と同じレベルになって間もないにも関わらず既に最上位の力を発揮した事によって、レフィーヤが癇癪を起こす理由がようやく分かったと呟いている)。
ファミリアのメンバーも各地でそれぞれの力で活躍する中、エニュオの最大戦力であった邪竜ニーズホッグを撃破するだけでなく、その際に使用した【英雄願望(アルゴノゥト)】の能力による鐘の音で、オラリオ各地で戦っていた冒険者達を鼓舞し、奮い立たせて戦いを勝利に導く、文字通りの「奇跡」を起こしてみせた。アイズもスキル【復讐者(アヴェンジャー)】の影響で我を失い堕ちようとした時にベルとの思い出が憎しみを上回り、正気に戻った事によって宿敵レヴィスに勝利する。
エニュオは当時最強の二大派閥だったゼウスとヘラが消えた15年前からオラリオを破壊する計画の障害として【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】【イシュタル・ファミリア】【ヘファイストス・ファミリア】【ウラノスの私兵・異端児】の六つの戦力を予想していたが、わずか半年前に冒険者となり急激な成長を遂げたベルは完全に予想外となり、計画は狂い都市の運命を変える事になった。外伝であるにも関わらず、憧憬のアイズを追いかけた少年のまさしく集大成と言える戦いとなった。
第五部
オラリオの二大祭の一つである『女神祭』が近づいてきたある日、【フレイヤ・ファミリア】の侍従頭のヘルンが訪れ、シルからの女神祭でのデートの誘いの手紙を受け取る。シルに確認をするために『豊饒の女主人』に向かったが、途中でフレイヤの眷族で第一級冒険者のヘディンに拉致され、シルのデート相手として相応しい紳士に育てるために、ヘディンによる容赦ない超スパルタ教育がベルに施される。ちなみに、この特訓でヘディンを「師匠(マスター)」と呼ぶようになる。
女神祭1日目、シルとのデートが始まり、特訓の成果を発揮して見事にシルをエスコートする。途中、【フレイヤ・ファミリア】(とついでに尾行していたヘスティア達)の監視の目を欺いて船上レストランでシルと食事をしていたが、出し抜かれたことに怒った監視役の【フレイヤ・ファミリア】の眷族達が船を襲撃し、二人は船から水路に飛び込む。ずぶ濡れになった二人は宿に逃げ込むが、その時シルに迫るもののシルが自分らしくないと引き下がり、朝起きたらシルがいないことに気付く。
女神祭の2日目にベルはシルを探して『豊饒の女主人』に向かいヴェルフと再会し、彼に諭されてけじめをつけるために探し回り、工業区でシルを見つけ出すが、フレイヤの眷族で第一級冒険者のヘグニに襲撃される。駆け付けたリュー達がヘグニを足止めしている隙に逃走し、偶然出会ったヘルメスに頼んでアイズにも足止めしてもらう。その後、廃墟に身を隠したベルとシルだったが、実はベルは初めからそのシルが偽者であると見抜いており、ナイフを持った彼女の右手を掴んで何者かと問う。彼女はベルとだけの思い出の場所にシルがいるとのみ語り、ベルはシルから初めて告白された場所に向かった。
そして、シルを見つけたベルは、シルからもう一度真剣に告白される。ベルもシルの望みに真剣に応え、「ごめんなさい」と告げた。しかし、それにより『娘(シル)』という枷を解かれた『シル・フローヴァ』だったフレイヤが本気でベルを奪いに動き出した。
シルを拒絶した罪悪感に苛まれ、女神祭の3日目にリューが自分の元に訪れた時にリューにシルの告白を断ったことを告げる。そして、シルが店に来ていないことを知ったベルはリューとともに探しに向かうが、フレイヤが眷族達に【ヘスティア・ファミリア】への襲撃を命じ、二人の前に立ちはだかったオッタルにベルとリューはなすすべなく一撃で倒される。
翌日、【フレイヤ・ファミリア】の本拠である『戦いの野(フォールクヴァング)』で目を覚ましたベルは、部屋を出てすぐにヘディンに見つかり『特大広間(セスルームニル)』に連れて行かれると、何故か【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者達に迎えられ自分に親しく接してくる。状況が呑み込めず戸惑っていると、自分が【フレイヤ・ファミリア】の一員になっていることに唖然とする。「自分はヘスティアの眷族」と主張しても周りから「ベルは最初からフレイヤの眷族」と言い返され、本拠を飛び出すが、【ヘスティア・ファミリア】や今まで関わって来た人々から「【フレイヤ・ファミリア】のベル・クラネル」と他人行儀され、拒絶され、怯えられるという周囲の反応に愕然とする。
本拠に連れ戻され、フレイヤの眷族達にベルは呪詛によって偽の記憶が植え付けられていると決めつけられる。フレイヤに呼ばれて対面すると、「ヘスティアの眷族」の根拠のために主神にしか出来ないステイタスの更新を要求するが、フレイヤは『更新薬(ステイタス・スニッチ)』で欺きステイタスを更新したことで「ヘスティアの眷族」という事実を打ち崩され心を大きく折られる。
その後、日中は殺し合いさながらの『洗礼』に放り出されて第一級冒険者達に死ぬ寸前まで扱かれて心身ともに消耗し、夜はフレイヤの神室に招かれて彼女に労われつつ今までの出来事を偽物の出来事とすり替えられ、憧憬を忘れるように甘言される日々を送り、徐々に精神を追いつめられる。
だがある日、いつものようにフレイヤに招かれるとフレイヤが元気が無いことを指摘し、からかわれた時にふとシルの面影を見て「シルさん?」と呼ぶと、フレイヤは愕然とした様子を見せ、そのまま怒って部屋を追い出される。
シルを探しに『豊饒の女主人』を訪ねると、ミアに発破をかけられて最後に『憧憬』を確かめることを決意し、アイズの元へ訪れる。そばにいたティオネ・ティオナに胡乱な目で見られるが、アイズに何か覚えてないか問い掛け、二人に連れられて去ろうとしたアイズがベルの手を掴み、「訓練、する?」という言葉に今までの軌跡は本物だったと確信したベルは、「【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネル」として奮い立った。その後の『洗礼』でアイズとの訓練を思い出してヘディンにかすり傷だが攻撃を当てることに成功する。
その日の夜、リューの脱走で外で騒ぎが起きていることに気付くもヘイズ・ベルベット達に部屋から出してもらえず監禁状態にあったが、謎の影が見張りの団員を倒し、影に誘われて進むと「瞑想室」でヘルンと対面。そこで、ヘルンが『シル・フローヴァ』であり、『シル・フローヴァ』はフレイヤでもあることを知る。ヘルンからフレイヤが『娘(シル)』によって苦しめられており、彼女を助けてほしいと懇願される。
フレイヤとヘルン(シル)を助けることを決心したベルはフレイヤと対峙するが、その瞬間ヘスティアの権能によってフレイヤの『魅了』が解除され、ヘスティアと再会する。
フレイヤに『戦争遊戯』を宣言されると、ベルはフレイヤに「勝利した時は『本当の貴方』を教えてください」と要求する。
ステイタス
※原作17巻時点
Lv.4(ランクアップ可能)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1033 | SSS1218 | SS1041 | SS1089 | S965 |
幸運 | 耐異常 | 逃走 | ||
F | G | I |
スキル
- 憧憬一途(リアリス・フレーゼ)
アイズとの出会いを経て発現したスキル。「相手を想う心に比例して成長する」。
一言で言えば、惚れる(想う)ほど強くなる。
その成長スピードはヘスティア曰く「成長ではなく飛躍」で、ステイタスの限界とされた「S」を超える「SS」にまで成長した(後に、更に上の「SSS」にも到達している)。
副次効果として『魅了(チャーム)』への耐性が存在し、彼の想いと素質によって神クラスの魅了にも耐えている(ただ本人が余りにも初心なので、異性に詰め寄られたら無駄に赤面する)。
一方で無理矢理襲われて情景や夢を砕かれた場合は効果を失い、今後成長出来なくなる(少なくとも今までの急成長は望めない)危険性を孕んでいる。
ただし、アイズを除いて気の知れた異性と合意によるものでも失われるのかは不明。また、ベルが仮に憧憬たるアイズを超える冒険者になった場合、どうなるかは解明されていない。
因みに神々がベルに興味を持って玩具にされてしまう恐れとアイズへの嫉妬(半分以上は後者が理由)から、ヘスティアはベルにこのスキルの事を伝えていない。
その為異常な成長速度は成長期と言う事で誤魔化している(かなり無理があるような…)。
後にファミリアに移籍してきたリリ達(他の団員)には、異常な成長速度の理由を問いだたされた事で白状した。また、一時【フレイヤ・ファミリア】にいた時にステイタス更新でフレイヤにも知られることとなる(他にもイシュタルも知ったが、他に知れ渡る前に天界へ強制送還された)。『メモリア・フレーゼ』では、「アエデス・ウェスタ」でヘファイストスも知ることとなる。
フレイヤによれば、このスキルはベルの一途さだからこそ盤石たりえるもので、少しでも憧憬を疑えば効果が発揮されず、他の者では即刻無用の長物と化するほど厄介で脆いスキルと見ている。
- 英雄願望(アルゴノゥト)
より詳しく説明すると、体力と精神力を対価に必殺技の威力を上げる事が出来る。
チャージする時間によって威力は跳ね上がるが、その分消耗は激しく、使用する状況に合致する英雄をイメージしないと本来の効力は発揮されない。同時2ヶ所のチャージは不可能。Lv.2~3の時の最大蓄積時間は3分までが限界だったが、Lv.4になった時は4分に増えた。
憧憬となる英雄を引き鉄(トリガー)にする事で『限界解除(リミット・オフ)』し威力は最大級になる。
使用する際には鐘(ベル)の音が響き渡るが、チャージが一定以上になると(上記のリミット・オフ)、大鐘楼(グランドベル)の鐘の音が響き渡り、周囲の者を奮い立たせる。
- 闘牛本能(オックススレイヤー)
Lv.2の頃から闘牛殺しの異名を持っていたが、このスキルの発現により名実ともに猛牛と戦いし者(オックススレイヤー)の名を冠することとなった。
発展アビリティ
- 幸運
現状、ベルのみに発現が確認されてるレアビリティ。ギルドの記憶にない為、詳細な効果は不明だが、クエストで探していたレアなドロップアイテムを一発で見つける、特に経験がないカジノでバカ勝ちしてしまう等、文字道り運が良くなるアビリティのようである。
またヘスティア曰く『加護』のような力を有しているらしく、その影響かカサンドラ・イリオンの誰にも信じてもらう事の出来ない呪いのような効力が作用する予知夢を信用するなどの効果を見せている。また、確定したわけではないが800年成功しなかったフェルズの蘇生魔法がウィーネに対していきなり功を成したのも、このアビリティの力だと思われる。
更には、人情深いヘスティアの眷族となったりアイズやリリ、ヴェルフ、命、春姫、リュー、レフィーヤ等といった優秀かつ善性の人柄の持ち主と言える者達と「出会い」を果たし絆を紡いでいるのも、このアビリティに関わりがあるのかもしれない。
ただし、先述の活躍や後述の修羅場の数々から見ても、ベルは「幸運」を関するアビリティを持ちながらも、数々の災難に巻き込まれたり厄介な存在に目を付けられ、更に人生どころか命の危険にまで度々晒される等、実際は不運塗れな人生を歩んでいるという皮肉な事になっている。もし、このスキルが無ければ、間もなく死んでしまうか、生きていたとしても廃人か狂人のどちらかに陥る顛末を迎えてもおかしくなかったとも言えるかもしれない。
- 耐異常
- 逃走
魔法
- ファイアボルト
『魔導書』によって強制的に発現した魔法。走る稲妻の様な爆炎を放つ。
詠唱を必要とせず撃発音声だけで放てる「速攻魔法」。乱戦の際は大きな優位性を発揮するが、そのぶん素の威力は抑えめで、タメなしでは強敵相手だと牽制にしかならない。
……が、英雄願望によるチャージと掛け合わせることで、そこいらの大砲や並みの魔術師の攻撃魔法程度なら凌駕しうる大火力にも変貌し、さらに発動の際に手に持っている武器や道具、体術等と併用する事で、それらに更に強烈な必殺性を持たせる事も出来る為、大ボス級の強敵への決め技に使われる事も多い。言わば、魔法戦士の様な戦い方が可能となっている。
聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)
上述の通り、ファイアボルトと英雄願望を応用して使われるベルが編み出した必殺技。
刀身が炎によって伸び、それを敵に向かって一閃する技。
字面は地味だが、その威力は凄まじいものであり、『強化種』のモス・ヒュージの上半身を一撃で消し飛ばし、『ジャガーノート』の右腕すら両断せしめる恐ろしい技。
技名の『アルゴ』は英雄譚に登場する主人公『アルゴノゥト』から。『ウェスタ』はヘスティアから『永遠に燃え続ける聖火(ほのお)』という意味でベルに贈られたもの。不滅の白き炎は時を超克して、再び心を照らす。
作者もあとがきで言及しているため元ネタはおそらく『火炎大地斬』。
装備
- 短刀
ギルドから支給された初期装備。
現在はベルが初心者の頃、世話になった鍛冶屋「雛鳥の鉄床」店主ダルドが買い取り、店の奥に飾られている。
- シュワイザーデーゲン
- 神様のナイフ(ヘスティア・ナイフ)
※リンク先参照。
- 牛若丸(うしわかまる)
刀身は短いが、4~5巻時点では神のナイフよりも攻撃力が高い。微量ながらも火属性が付与されている。
前に枕の下に入れて寝た時は激強の猛牛が夢に現れ、ベルは殺されかけた。
アニメ版では手数を増やすためか、双剣の片方(もう一方は《ヘスティア・ナイフ》)として用いられている。本編11巻で、アステリオスとの決闘の際に失われてしまった。
- 牛若丸弐式(うしわかまるにしき)
彼が習得した【鍛冶】アビリティの効果により、牛若丸とは一線を画する攻撃力を持つ。クノッソスで【イケロス・ファミリア】との対決の際、紛失している。後にベルがあとで拾いに行く意向は見せていたが結局の所、回収されたかは不明。
- 白幻(はくげん)
毒を受けた際に、刀身を用いることで解毒効果を発揮する力も備わっている。
予想値段は1000万ヴァリス。
- 兎鎧(ピョンキチ)
ネーミングが非常に残念だが、防具自体は良く出来ており、ベルは一目見て気に入り持ち金の殆どをはたいて購入した。
ミノタウロスとの戦いで破損したが、再びヴェルフの防具を求めていたところに偶然本人と出会い、パーティを組むきっかけとなる。
Mk-IIからMk-Vまであり、Mk-Vはシリーズ最高の防御力と軽量化に成功した傑作。
- ゴライアスマフラー
アステリオス以上の攻撃力と推定されたジャガーノートの破爪を防ぐ程の防御力を持ち、更に重量、耐久力も非常に高く、これを利用しムチのように相手を薙ぎ払う、相手に巻き付けてこちら側に引き寄せるといった今までにない中距離攻撃が可能となった。
- 栄光のファミリア・クロス
なお、ベルのメイン装備はこのような感じ(特に得物は神のナイフや牛若丸を中心とした小剣の使用が多い)だが、長剣や大剣、あるいはアルミラージ等から奪った石斧などといった別種の武器もそれなりに扱って戦えている。
戦績と前代未聞の修羅場
上記の通り彼は【憧憬一途】の効力により数ヶ月の単位で昇格し同レベル帯では瞬く間に最上位の座に君臨している…のだが毎度戦う相手は格上であり、同レベルの人物との戦闘はモルド、アイシャ、ドルムルとの三戦のみとなっている(しかも、モルドとアイシャが戦ったのもベルが昇格して間もない時)。Lv.3に昇格した直後には、いきなりLv.5、Lv.6と言った都市どころか世界でも上位の第一級冒険者達と連戦するなど神時代最初期まで遡っても早々いないだろう。
後の宿敵となる隻角のミノタウロスとの戦いに辛うじて勝利した後も、何度も人生において窮地に陥る様な事態に巻き込まれる事が多い。
リリやヴェルフと中層へ探索に向かうだけだったにも関わらず、【タケミカヅチ・ファミリア】に怪物進呈をけしかけられたのを皮切りに何度も死に掛ける形で18階層に辿りつき、それから間もなくレフィーヤとのトラブルで闇派閥の食人花と戦う羽目になったり、生還後も大勢の冒険者と協力してとはいえ、イレギュラーの階層主である「漆黒のゴライアス」と戦いを繰り広げる羽目になっている。劇場版も含めれば、オラリオの帰還からわずか数日後の時期に、経緯がどうであれ「神殺し」の大罪まで犯してしまい、非常に厄介な女神に目を付けられる羽目になった。
オラリオの帰還後も、中堅ファミリアである【アポロン・ファミリア】と僅か数人で戦争遊戯で戦わざるを得なくなったり、それから間もなく更に上位のファミリアである【イシュタル・ファミリア】に身柄どころか貞操まで狙われている。
更に都市を揺るがす程の爆弾である異端児事件では、冒険者としての名声が地に落ちる程までに追い詰められ、何とか事なきを得た後も初遠征にも関わらずいなきりイレギュラーの強化種との戦闘やお尋ね者の妖精とのいざこざに首を突っ込んでしまい、挙句少数で向かえば確実な死が待っている深層にまで落とされ、遭遇したら即死確実となる階層主以上の脅威とたった二人で戦わされ、外伝も含めれば何とか生還した直後に世界の命運を賭けた一戦に切り札として放り込まれている。
そしてその後はオラリオでも最凶最悪の女神とそのファミリアに狙われ、それまでに築いた人間関係殆どを強制リセットされた上で、連日において加虐趣味極まれりの拷問も同然の「洗礼」を問答無用で受けさせられ、死ぬ事さえも許されず心身共に摩耗させられてしまう等、もはや突っ込み出したらキリがなく、どう考えても冒険者として一年も活動をしていない少年が体験する事とは思えない。
もう一度言う!彼はオラリオに来て一年も(正確には半年しか)経っていないのである。
その為、ベルの担当アドバイザーであるエイナは、客観的に見ればあまりにも信憑性の低く説得力の無さ過ぎる彼の活動記録を未だに上層部に提出出来ていない。
新人冒険者が向上する為の見本となる為に『ギルド』にとっては必須制度になるのだが、ベルの活動記録は完全に新人冒険者どころか上級冒険者の範疇を超えており、こんなの参考にしたら未経験同然の新人冒険者に「死ね」と言ってるような物なので、毎度お蔵入りである。
実際、【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』までの記録を見たミィシャ・フロットも、ベルの生き地獄同然の活動記録から「修羅場しかないし、短期間で昇格(ランクアップ)したければ死んで来いって冒険者に言ってるようなもの」と評している。
VS.シルバーバック『勝利』
VS.片角ミノタウロス『勝利』
VS.巨靭蔓(ヴェネンテス)『レフィーヤとの共闘で撃破』
VS.モルド・ラトロー『主神介入により中断』
VS.ヒュアキントス・クリオ『一勝二敗』
初戦:酒場で敗北
二戦目:街中で敗北
三戦目:『戦争遊戯』で辛勝
VS.アイシャ・ベルカ『一勝一敗』
一戦目:ダンジョンで春姫の魔法で擬似昇華した彼女に敗北。
二戦目:【イシュタル・ファミリア】ホームで勝利
VS.フリュネ・ジャミール『オッタル介入により中断』
【フレイヤ・ファミリア】の侵攻により有耶無耶になったが終始歯が立たなかったので勝ちとは当然言えない。
VS.リド『引き分け?』
同族を預けるに足る人物か見極める為の一応軽い交戦であったが、リドはこの時点から既にLv.5の潜在値を誇っていた為、仮に続けても負けてたのは言うまでもない。
VS.ディックス・ペルディクス『リドとの共闘で撃退』
呪詛に抗ったリドの加勢が来るまでは終始押され、結局彼の思惑は止められなかったので実質敗北と言っても良いかもしれない。
VS.アイズ・ヴァレンシュタイン『ウィーネの覚悟で中断』
精神面では完全に上回ったが肝心の剣戟の方は結局終始手加減されていながらもヘスティアが引くぐらいのボコボコだったので完全な負けとも言えないが勝ちとは当然言えない。
VS.アステリオス『敗北』(だが、実質一勝一敗?)
VS.モス・ヒュージ(『強化種』)『勝利』
VS.ジャガーノート『リューとの共闘で辛勝』
二度に渡り激戦を繰り広げており、一度目に右腕を切断され首の骨を折られかけるなどの致命傷を受けたが、マリィの血で回復して一命を取り留めている。二度目も今度は左腕がズタズタになるなど重傷を負い、最終的にはリューがとどめを刺して撃破するが、両者とも力尽きている。そこに救出に来た異端児達に発見されなければ確実に命を落としていた。
VS.ニーズホッグ『勝利』
VS.ヘグニ・ラグナール『リュー介入により中断』
とある理由からシルを処刑しようとした所を阻止する為交戦したがヘグニ側には彼に傷一つ付けてはならない縛りがあったにも関わらず手も足もでなかった。『豊穣の女主人』メンバーが介入したがそれでも全く勝てる気がせず逃走と言う形になっている。そも、能力値以外ではベルを上回るリューがその後瞬殺されている事から続けても結果は分かりきっていた事である。
VS.オッタル『完敗』
フレイヤが本格的に自身を奪いに来た際なんと都市最強の彼直々にお迎えに上がっている。結果は記述の通りである。そもそもこればっかりは一対一ならベルに限った話ではなく誰でもあり得るのだが…。
VS.Lv.1~4の強靭な勇士(エインヘリヤル)『勝利』
各レベル帯の上位に位置する精強揃いのフレイヤの眷族達との初めての『洗礼』で最後の一人になるまで勝ち残ったとはいえ、バトルロイヤル方式であることと【ファイヤボルト】の優位性があったためであり(それと『深層』を四日間生き延びたという意地)、ベル自身も自分が他より強かったわけではないと自覚している。
ダンジョンに出会いを求めて
祖父の教育によるものとは言え、ダンジョンに潜った理由が「女の子との出会いを求めて」等と割と不純だが、本人は女性に対してやや奥手(そして鈍感)。しかしその純粋な性格により様々な人物(主に異性)から好感を得ている。
異端児編以降は精神的な成長もあってか女性への気遣いも無意識に向上しており、リリに「以前より女ったらしになった」と言われてしまっている。
作中では何人かの女の子を成り行きからお姫さま抱っこしているが、自身もついにとあるポンコツエルフにお姫さま抱っこをされてしまった。
現在はすっかり有名人になった事で、オラリオの女性冒険者からは『将来性』順位1位、『玉の輿を狙うなら今!』順位3位、『男性冒険者に《お姉ちゃん!》って言われたい』順位7位というランキングがつけられている。
ちなみに、本人の好みとしては「金髪(長髪)エルフ」で、冒険者になった時もアドバイザーにエルフを要望していた。見た目の美しさからエルフに憧れを抱いていたが、ヘディンの超スパルタ教育を受けてからは「エルフこわい」と少しトラウマを抱いた。
なお、一部では神をも誑かし弄ぶと思われているため、「妖夫(ようふ)」と呼ばれている。
ベルに好意を抱いている女性
神族:ヘスティア(ン億歳):自分の初めての眷族であり家族になってくれた。ベルヘスも参照。
フレイヤ(ン億歳):見た事のない透明な魂の色の持ち主として興味を持つ。
アルテミス(ン億歳):オリオンの矢を抜き、自身を救ってくれた。
眷族:リリ(15歳):騙していた事を許され、自分を救ってくれた。ベルリリも参照。
春姫(16歳):儀式の生贄にされるところを救ってくれた。ベル春も参照。
カサンドラ(18歳):誰にも信じてもらえない予知夢を信じてくれた。
ローリエ(19歳):13階層で『怪物進呈』に見舞われたところを助けられた。
異端児:レイ(20歳):異形の存在である自分達のために戦ってくれた。
マリィ(年齢不明):ダンジョンでの戦う姿を見て。
その他:エイナ(19歳):子供ではなく一人の男性としての泣き顔を見て。ベルエイも参照。
シル(18歳?):モンスターに立ち向かう姿を見て…しかし実際は。
リュー(21歳):深層で死地を共にし自分のために戦ってくれた。ベルリューも参照。
恋愛感情ではないが特別な感情を抱いている女性
アイズ(16歳):ご存じベルの憧れであり、意中の女性。そんな彼女からの印象は『兎さん(愛玩動物)』と異性としてはあまり見られていないようである。ベル君どんまい。
しかし、アイズが他人に興味を持つこと自体珍しい事であり、彼女の中のベルへの印象も少しずつではあるが変わりつつあり、特に『ソード・オラトリア』の10巻では、ベルが「守ってくれる英雄」となっていた異端児のウィーネに対し、無意識ながらも「女」としての嫉妬心を見せていた。
ベルアイも参照。
レフィーヤ(15歳):憧れであるアイズに気に入られていることもあり、いい印象はあまり持たれていないが、幾度かの交流を経て次第に認めるようになっていく。
また『戦争遊戯』での戦いを「カッコよかった」、アステリオスとの決闘を「熱くて強くてお腹の中が煮えたぎるほど気高かった」などと聞かれてもいないのに熱く語っていた。そして、エニュオとの最終決戦では、心身共に摩耗しきっていた所でベルの【英雄願望】の大鐘楼の音を聴いた結果、彼も戦っている事を感じ取り、ライバルとして絶対負けられないと奮起している。
少なくとも、彼女もアイズと同様、異性の中ではベルが最も気になる存在となっている。
ベルレフィも参照。
ティオナ(17歳):Lv.1時のベルとミノタウロスの決闘を目の当たりにしてかつて読んだ英雄譚の登場人物『アルゴノゥト』と彼を重ねファンを自称するようになり、『戦争遊戯』に備えアイズと共にベルの特訓に付き合うなど、積極的に協力している。また、自身の小さい胸が当たっても意識してくれる事が嬉しいあまり、自分からくっつこうとする事も多い。
彼女が今のように笑うようになった切っ掛けが『アルゴノゥト』にて記されており、涙腺崩壊間違いなしである。
因みに彼女の好みのタイプは「ヒューマンの同い年以下の男」。ベルと完全にマッチングしている。
ウィーネ(0歳):明確に好意を抱いているが、恋愛感情というよりは家族愛に近い感情を持つ。ダンジョンで生れ落ち、人だけでなくモンスターからも襲われているところを助けられ懐くようになる。異端児事件では自分のためにアイズと対峙し傷つくベルを見兼ね、二人の前に現れ自分もベルと一緒にいたいという想いを語り、アイズの前で自分の爪や翼を折るという覚悟を見せた。
アイシャ(21歳):初対面の時から初心そうな雰囲気を気に入っていたが、アマゾネスの強い男性を気に入る性質から、後に自分を倒した雄として性的な意味で狙っており、ファミリア解散は【ヘスティア・ファミリア】に入ろうともしていた。最近では心身共に成長したベルを見て、「そろそろ、食べ頃かねぇ」と密かに呟いている。
クロエ(21歳):自他共に認めるショタコン。特にお尻に目がなく、ベルを初めて見た時から彼のお尻に興味を抱き、時折撫で回す事を要求してくる。
「好意」というよりは、「発情」と見るべきか…。
上記を見てもらえばわかるように、彼に惹かれている女性はウィーネを除いて全員年上である。またベル自身も年上の女性が好みらしく意識しやすい。
神はおろか、人に近いとはいえモンスターすら彼を意識する有様を見て、フェルズは「英雄色を好む・・・いや愚者は色を拒めず、か」とつぶやいている。
疫病神?
悪意とは一切無縁な性格のベルであるが、毎度毎度オラリオで大騒ぎのタネと化しているために疫病神扱いされることもある。実際、リューが主役のグラン・カジノ編では悪友のモルドたちとカジノを訪れているが、その際にリューから【ガネーシャ・ファミリア】を遠ざける目的で出禁確定の大騒ぎを起こしたためにモルドから疫病神呼ばわりされるハメになった。
上記の顛末はいわゆるギャグで済まされているが、本編や外伝を振り返ってみると疫病神という表現もあながち間違っているとは言いきれない。ただし、ベルと関わって本当の意味で不幸になったのは殆どが救いようのない悪党である。
ダンまちシリーズ自体、シビアな世界観ゆえに多くの主要人物が理不尽な目に遭わされているが、その分悪役も悲惨な目に遭うことが多い。特にベルと直接、あるいは間接的に関わったことで悲惨な末路を辿った悪党はシリーズにしばしば登場した。例を挙げると、
- リリを嵌めるために『怪物進呈』を仕掛けたまではよかったが、欲に駆られてオッタルのカーゴを盗んでしまったことで対ベル用のミノタウロスに全滅させられた【ソーマ・ファミリア】のゴロツキ冒険者
- ベルを狙ったせいで【フレイヤ・ファミリア】の幹部たちの侵攻を受け、挙句彼らの逆鱗に触れて冒険者として再起不能の心の傷を負った醜悪極まるヒキガエル
- 異端児を虐げたことでベルの怒りを買い、逃げた先でベルを探し求めるヒロインと出くわして文字通りにスクラップにされた最低最悪のハンター
- ジャガーノートをテイムするためだけに多くの冒険者を犠牲にし、結局テイムに失敗して真っ二つにされた『怪物趣味』の調教師
といった具合である。上記の彼らに共通しているのは、いずれも自業自得の末の不慮の事故であるということ。ダンまちの悪役はベル以外の人物からも怒りを買っていることが殆どで、ぶっちゃけた話、わざわざベルが手を下すまでもなく勝手に破滅してしまうのである。他にも最たる例として、
- ベルの存在を計算に入れなかったせいで最後の最後で計画が水泡に帰した『下界の凌辱者』
纏めると、ベルは善良な者にはトラウマを晴らすほどの幸運をもたらすが、身勝手かつ欲深な愚か者には知らず知らずのうちにこれ以上ない不幸をもたらしている。ベルは悪役にとってはまさしく破滅へ導く疫病神そのものでもあるのだ。
元ネタ?
テセウス:ミノタウロスの最大の宿敵としている点が共通。
ヘラクレス
ペルセウス
その他の出演
2021年1月のコラボイベントで、アイズと共にプレイアブル参戦。
魔鏡技は、「英雄願望(アルゴノゥト)」。
- この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ
関連イラスト
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ヘスティア・ファミリア 迷宮都市オラリオ 迷宮(ダンジョン)
ヘスティア(ダンまち) アイズ・ヴァレンシュタイン
リリルカ・アーデ ヴェルフ・クロッゾ ヤマト・命 サンジョウノ・春姫
シル・フローヴァ リュー・リオン エイナ・チュール レフィーヤ・ウィリディス ウィーネ
ベルヘス ベルアイ ベルリリ ベル春 ベルリュー ベルエイ ベルレフィ
黄金の精神 愚者(ダンまち)
アルゴノゥト、エレボス:同シリーズ内での中の人が同じキャラ。
不動明:神様に恋され、恩恵を与えられるが、本人は別の女性に惚れているなど、ベルと共通点の多い主人公。
愛乃めぐみ/キュアラブリー:「男神様に恋する少女」という、「女神様に恋される少年」なベルと見事に対称的な主人公。
フレイ/ロキ:ベルと共通点(体や髪は真珠色の白と紅い眼)が似ているキャラ
キリト(SAO)、嘴平伊之助:中の人繋がり。また、『ともすれば女と見間違いそうな美形の素顔』『ひとかど以上の実力を持つ二刀流の剣士』『産みの両親と幼少時に死別している』など、意外に共通点は多い。
実際に中の人ネタイラストも投稿されている。
結城リト:一級フラグ建築士なハーレム主人公繋がり。キャラクターとしても「童顔かつ女顔」、「彼を慕うヒロインの種族が多種多様」、「メインヒロイン+αと同居している」、「女性に対しては純情で初心」、「理不尽な目に遭おうが純粋な殺意を向けられようが笑って許すほどのお人好し」、そして「多少揺らいでも初恋相手一筋」であるなど、共通点は挙げたらきりがない。
彼の声を当てているのはアイシャ役の渡辺明乃女史。つまりアニメ2期10話のベルとアイシャの直接対決は、見ようによってはハーレム系主人公の先輩後輩対決と捉えることもできてしまうのだ。
五河士道:『メモリア・フレーゼ』でクロスオーバーしたデート・ア・ライブの主人公。中の人はご存知松岡禎丞の大親友(彼は後にベルの師匠を演じることになる)。こちらも困ってる者を決して見捨てない極めて献身的な性格で、ベル同様命がけの戦いの末に数多のフラグを建てている。
また、ベルが呼び捨てで呼んだ数少ないキャラクターでもある(最初こそ「さん」付けだったが)。両者の中の人同士が親友ということもあってか、コラボストーリーでは共に戦い、時に大ゲンカし、そして絆を深めるという少年マンガのようなストーリー展開が繰り広げられた。後編におけるベルと士道の大ゲンカは中の人の演技も相まって一見の価値あり。
ちなみに彼には女装した姿も存在し、作中においては【ロキ・ファミリア】と接触するためにこの姿になった。士道は女装した自分を見て取り乱したベルに対し、「俺だってベルが女装したらきっと取り乱す」と悲しげに呟いたのだが、このときの2人は知る由もなかった。このコラボの2年後にベル本人の女装姿が実装されてしまったということに…
ゴブリンスレイヤー:同じレーベル作品の主人公繋がり。メモリア・フレーゼのコラボイベント『Dungeon&Goblins』にて幻想とフレイヤの謀(TRPG)に巻き込まれ共に行動する内に戦友とも呼べる奇妙な間柄になっていく。
外部リンク
ネタバレ
※「アストレア・レコード」のネタバレが存在します。
『メモリア・フレーゼ』の3周年イベント「アストレア・レコード」のエクストラストーリーにてザルド、アルフィアによってベルの両親について語られている。
父親は【ゼウス・ファミリア】の一番下っ端のヒューマン。名は言及されていない。下っ端も下っ端で当時ひよっ子だったオッタル達に負けるなど非常に弱かった。サポーターだが率先して逃げたり、主神と女湯を覗きに行くなど、美談のない醜聞しかないような人物。
母親は【ヘラ・ファミリア】のメーテリア。アルフィアの双子の妹である。凡人と言われるように、アルフィアと違い才能はない。一人では一歩も部屋から出られないような、アルフィア以上に病弱で脆弱であった。
だが唯一、優しさだけは持っていた。
何もできないが、誰からも愛される不思議な人物。
誰かから受け取った優しさを、誰かに返してあげることのできる普通の娘であった。
ベルはメーテリアによってゼウスに預けられた。
ベルの赤い目は父譲りでそれ以外は母親譲りらしい。
アルフィアはベルの叔母にあたる。ベルには「お義母さん」ならともかく「おばさん」と言われるのが嫌で会いに行っていなかった。
ザルドはベルについて「あのバカの息子なら俺たちの家族に違いあるまい」と、また「一目見ておくべきだったか」と発言している。
「アストレア・レコード」での戦いは、オラリオの後進、『英雄達』がザルド、アルフィアを喰らい『黒き終末』を乗り越えるために。そしてこの世に『希望』をもたらすために、
妹の子が戦わずに済む世界のために。
もし、父親と母親の血の導きによってオラリオに来たとしても、世界の命運を掛けた戦いに巻き込まれていったとしても
―― 数多の『英雄』が立ちはだからんことを
――『英雄』の洗練を浴び、より強い冒険者にならんことを
―― そして願わくは、数多の洗礼を受け、いくつもの壁を超え『英雄』なんてものに至らんことを
―― 父親譲りの逃げ足は、誰かの窮地を救い、次に繋げるかもしれない
―― 母親譲りの優しさは、誰かの涙を拭い、笑顔をもたらすかもしれない
今のオラリオには、ベルが知らない『家族』からの願い、愛情がある。
『英雄達』の力、技、強さはベルに引き継がれていっている。
ちなみに母と伯母の病弱さが遺伝しなかったのにも理由があるようだが今の所詳細は不明。