「やらなければ、何もかもやらなければそこに立つ事さえ出来ないんだ」
「僕は許せない。何もしなくて、何かを期待していた僕自身を」
「僕、強くなりたいです」
プロフィール
年齢 | 14歳 |
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身長 | 165C |
種族 | ヒューマン |
職業 | 冒険者 |
所属 | ヘスティア・ファミリア |
Lv. | 1→5 |
二つ名 | 未完の新人(リトル・ルーキー)→白兎の脚(ラビット・フット) |
所持金 | 40000ヴァリス(19巻時点) |
CV | 松岡禎丞 |
概要
冒険者になる為、そして祖父の教えから迷宮に出会いを求めてオラリオに足を踏み入れた少年。
【ヘスティア・ファミリア】の最初の団員で、仲間たちの勧めもあって現在は団長を務める事になる。
元は田舎の山奥で育ての親だった祖父と暮らしていた農民だったが、ある日祖父がモンスターに襲われて亡くなり天涯孤独となってしまう。あまりにも唐突な別れに悲しみが抜けず、無気力な日々を送るが、生前の祖父の言葉を思い出し、オラリオで英雄譚のような運命的な出会いを求めて冒険者になる事を決意する。
後にヘルメスの口から、この義祖父の正体はかつて世界最強のファミリアと謳われた【ゼウス・ファミリア】の主神ゼウスである事と、実はまだ天界に送還されておらず地上にいる事が判明。
かつて世界最強のファミリアを創り上げた手腕は伊達ではなく、ゼウスが義孫のベルに残した教えは、ベルの心の支えとして生き続けている。(「男ならハーレムを目指せ!」、「男なら寝込みを襲えぃ!」、「覗きは男の浪漫(ロマン)だ!」等のくだらない事もたくさん教えたけど)
オラリオに着いた当初は、弱そうな外見を理由に訪れた全てのファミリアから門前払いされてしまい、冒険者のスタート地点に立つことすらできない日々を送る。
どうすればいいからわからず途方に暮れていたが、自分のファミリアに入ってくれる団員を探し求めていたヘスティアと偶然出会い、彼女の誘いを受けて最初の眷族となる。
このベルとヘスティアの出会いを以って、後に世界を騒がす【ヘスティア・ファミリア】は結成される事となった。
主神ヘスティアの為に一人で迷宮(ダンジョン)に潜り続けていたが、5階層で本来いるはずがないミノタウロスに襲われていたところをアイズ・ヴァレンシュタインに助けられて、その際彼女に一目惚し、同時にこの出会いが、彼の「冒険者」としての本当の始まりとなるのだった。
外伝作『ソード・オラトリア』にも登場。
主人公のアイズや、もう一人の主人公とも言えるレフィーヤ・ウィリディスの二人にとって大きく影響を与える人物となっており、12巻では【へスティア・ファミリア】のメンバーと共に、彼女達の戦いに本格的に参戦。戦局を左右する活躍を見せる。
人物像
容姿
白髪と赤目、華奢な体格をしており、周囲から「兎」のイメージを持たれることが多く、実際よく兎扱いされる。
顔立ちも中性的で、一見ひょろくて弱そうに見える。
この外見が原因でどのファミリアからも門前払いされた事があるので、本人も結構気にしている。
性格
基本的に臆病かつヘタレで、心根も「超」がつくほど善良かつ純粋。
このような性格をしているので、周りからよく冒険者に向いていないと思われる事が多い。
人を疑うことも知らず隠し事も下手で、騙されてしまうことも多いので仲間達からもよく心配されている。
普段はこのようにとうてい冒険者とは思えない性格をしているが、いざ戦いになると強者相手にも臆することなく立ち向かう勇敢な冒険者へと変貌を遂げる。
戦闘時の雄々しいベルの姿には、人々や神々はおろか、時にモンスターすら魅了される事があり、冒険者なら誰もがなりたかった姿を体現しているとも言える。
その根底にある正義感や真っすぐな心根は非常に強く、目の前で傷つき涙を流す者がいれば、助ける為に命を賭けて戦う事に迷いはない。
幾つもの出会いと試練を経て精神的にも強くなっていき、特に『異端児(ゼノス)』達を巡る戦いで得た経験はベルの心に大きな影響を与え、例え周囲から「偽善者」と罵られようと、「愚者」と嘲笑われようと、自分の信念を貫く覚悟が芽生える事になる。
幼少期からゼウスに英雄たちの逸話を教わっている事もあって、英雄に対して強い憧れを抱いており、彼らのような『英雄になりたい』という願望を抱き続けている。
ちなみにゼウスがベルに教えた英雄たちの逸話は、ゼウスが天界から見聞きしていたもので、中には下界には広まらなかった情報や正しく伝わらなかった真実なども含まれている。
目標
「女の子との素敵な出会いを夢見たから」「御爺ちゃんから男ならハーレムを目指せと言われたから」など、義祖父ゼウスに幼少期から叩き込まれた英才教育(洗脳)のせいで、かなり不純な動機で冒険者になったベルだが、アイズに一目惚れしてからは、憧憬である彼女に追いつきたいという明確な目標を得る事になる。
後にウィーネ達『異端児』との邂逅を経てからは、怪物の体と人の心を持つという異端な存在であるが故にどこにも居場所がない彼らを救う事と、最強の異端児にして最大の好敵手であるアステリオスに勝つ事が新たな目標として加わり、より一層邁進していく事になる。
ちなみに、ベルの運命を大きく変え、目標を与えてくれたアイズと『異端児』だが、本作の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』というタイトル通り、ちゃんとダンジョンで出会っている。
団長として
目の前で傷ついている者がいれば損得など関係なしに助けに向かう性格をしているので、ファミリア全体を自分のせいで厄介事に巻き込んでしまう事が多く、自分では団長に向いていないと思っているが、ファミリアの仲間たちはそもそもそんなベルに救われた者や惹かれた者たちの集まりで、その信頼関係が揺らぐ事は一切ない。
また、戦闘能力では格段に劣る仲間達の事を心の底から信頼し、同時に自分には出来ない事を出来る仲間達を尊敬している。仲間たちもそんなベルの期待に応えようという思いから成長していき、団員のほぼ全員がベルとの出会いが切っ掛けで、新たなスキルや魔法の発現、ランクアップを果たしている。
巻き込まれ体質
天性の巻き込まれ体質をしており、次から次へとシャレにならない厄介事が襲い掛かるので、冒険者になってから短期間の内に何度も死にかけている。
作中では、毎度毎度ベルを起点にオラリオどころか世界すら騒がす厄介事が起きるので、アスフィからは、ベルは大事件を引き起こす「起爆点(ボマー)」だという評価を下されている。
一応、厄介事から逃げようと思えば逃げれるチャンスは結構あるのだが、自分が逃げれば身近な誰かが傷つき、最悪死ぬ可能性があるので、上記の様に誰かの悲しみや傷つくのを黙って見るぐらいなら命懸けで戦った方がましと考えるベルは、絶対に逃げる事はしない。
その為、アイシャからは「厄介事に巻き込まれているんじゃなく、厄介事に首を突っ込んでいる」と称されている。
また、巻き込まれるにせよ、首を突っ込むにせよ、厄介事の中心にいるという事は、言い換えれば誰よりも冒険をしているとも言えるので、事件が解決した後にステイタスが急速に成長を遂げ、ランクアップする事も珍しくない。
優しすぎて冒険者に向いてないと言われるベルだが、誰かの幸せと笑顔の為に命懸けで戦う事を厭わないベルの優しさこそが、ベルの急速な成長の礎になっている事は間違いない。
ちなみに、厄介事に巻き込まれている最中にオラリオとダンジョンの誰も知らなかった秘密を発見する事も多く、作中では『オラリオの地下に秘密裏に建造されていた人造迷宮クノッソスの発見』、『神時代の歴史の中でたった一回しか出現しなかったジャガーノートとの交戦』、『本編の約30年前に深層37階層に突如出現した『闘技場(コロシアム)』の存在理由を知る』など、現二大派閥である【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】はおろか、神時代最強と謳われた【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】ですら知らなかったであろう真実を見つけている。
周囲からの評価
荒くれ者が多い冒険者にしては珍しい優しい人柄や、主神ヘスティアの方針でボランティア活動もよくしているので、オラリオ住民からの人気が非常に高い。
Lv.2になった直後は、余りのランクアップの速さに周囲の冒険者に妬みから絡まれる事もあったが、ベルは衆目の中で戦う事が多く、傷だらけになりながら戦う姿を何度も見られているので、ベルの急速な成長はインチキなどではなく、誰よりも命懸けで戦っているからだと認められてからはそれもなくなった。
それでも最新の『冒険者順位(ランキング)』の『嫌われ者ランキング』で上位に位置するが、そのほとんどがあっという間にランクアップした嫉妬や主神に比較されて馬鹿にされた逆恨みなどであり、中にはアステリオスとの激闘を応援していたりダンジョンで助けられたことがある者もおり、本気で嫌っている者はほとんどいない。
ランクアップの世界最速記録保持者である事や、人目を引く凄まじい冒険ばかりしている事もあって、現在は世界的有名人になっている。
冒険者としての能力
基本的に《神様の刃(ヘスティア・ナイフ)》をメインとした短剣状の武器を両手に用いて戦い、スピードと手数を生かして敵を翻弄しつつ猛攻を加えていく戦法を得意とする。また、大型級モンスター等を相手にする場合、短剣ではリーチが足りないので、他の冒険者から大剣を借りたり、その場に落ちている冒険者達の遺品となる武器等を使用する事もある。
眷族はアビリティの適性と上限が生まれつき決まっており、最終的なアビリティは大抵がCかD、良くてBに落ち着き、アビリティに一つでもSがあれば高い資質を持っているといえる。しかしベルの場合、レアスキル【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】の効果で全アビリティがSどころかSSやSSSの領域までたどり着くので、身体能力の潜在能力(ポテンシャル)は冒険者の中でも最高峰と言っても過言ではなく、同Lv.帯はおろかLv.が一つ上の相手とも渡り合えるほど高い身体能力を有している。特に足の速さに関しては恩恵を授かる前から天性の物があり、『敏捷』の伸びは全アビリティの中でも頭一つ抜けており、ヒューマンの身でありながら獣人を凌ぐ程に成長している。Lv.5になった現在は、Lv.4以下の動きなら遅く感じるほど動体視力と反射神経も高くなっている。
『神の恩恵(ファルナ)』のステイタスに依存しないよう、技や駆け引きの鍛錬も毎日欠かさず行っており、アイズやリューといった実力者たちに実戦方式で戦い方を教わる事もある。
ちなみに、アイズに戦闘を教わっている事や憧れている事もあり、戦い方が彼女に似ているらしく、【イシュタル・ファミリア】のフリュネや外伝で彼の戦いを見た【ロキ・ファミリア】がアイズの姿を重ねていた。
純粋で慢心とは無縁の性格をしているので、他者から受けたアドバイスを素直に受け止め、それらをすぐに戦闘に組み込む事が出来る。
習得魔法である【ファイアボルト】に関しても、詠唱を必要としない速攻性に優れた物で、【英雄願望(アルゴノゥト)】によるチャージを組み合わせる事で火力調節も可能になっている。
更に第四部の時には魔法【ファイアボルト】とスキル【英雄願望】を組み合わせた必殺技【聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)】を「習得」ではなく「自力で編み出す」という形で成功している。
現在のベルの戦闘スタイルは、「俊敏な動きと手数を生かした魔法剣士」と言える物となっている(しかも従来の「魔法剣士」とは違って「魔法の詠唱」は必要としない利点がある)。
また、第一級冒険者になった頃には個人の『視野』はほぼ完成され、敵の誘導や死角からの対処なども可能だったベルだが、『学区(海上学術機関特区)』で学生として経験を積んだ事でパーティ全体にまで『視野』が広がり、戦況に応じてパーティに必要な行動を選択できるようになるなど、より優秀なリーダーとして成長しつつある。
世界最速兎(レコードホルダー)
眷族がランクアップするには、アビリティの基本項目が一つでもD以上である事と、自分より強いモンスターや冒険者を倒すなどの偉業の経験値(エクセリア)を獲得する事が必要だが、自分のアビリティを上限まで鍛えるのも、偉業の経験値をランクアップ可能になるまで習得するのにも、どんなに努力しても本来なら年単位は必要。
しかしベルの場合、神時代で初めて発現した成長促進系スキル【憧憬一途】の効果で、一年どころか、ひと月、ふた月もあれば、アビリティが限界を突破し、SSやSSSの領域までたどり着く事と、自分の信念や助けを求める誰かの為に、次から次へと襲い掛かってくる陰謀、死線、困難、修羅場に対しても逃げる事なく真っ向から立ち向かうので、偉業の経験値も凄まじい速度で獲得していく事になる。
その結果、冒険者になって1年でLv.2になれば規格外の天才扱いされるこの世界で、冒険者になってわずか半年でLv.5になるという神時代屈指の成長を遂げる事となり、ランクアップの世界最速記録保持者『世界最速兎(レコードホルダー)』として世界中に名を轟かせることになった。
このように規格外の成長を遂げたベルだが、実は才能に恵まれていたわけではない。
作中でゼウスは、ベルの事を「素質が圧倒的になく、およそ大成する器ではない」と断言しており、作者もTwitterで「神をプレイヤーとし、眷族をガチャキャラに例えるならアイズやリューはSSSRに対しベルはRぐらい」と言っており、本来は凡人程度の素質しかなかった模様。
ただし特定イベントを達成すると「プレイヤーを阿鼻叫喚のどん底に突き落とすバグカード」に進化を遂げるとの事だが、ここで言う特定イベントとは要するに「出会い」の事。
ベル自身も自分に才能があったとは思っておらず、出会いに恵まれ、多くの人に助けられたから強くなれたと思っている。
ちなみにゼウスは、才能がないと思っていた義孫が冒険者になって一ヶ月半でランクアップしたと聞いた時は、茶を噴き出すぐらい驚いたらしい。
また、短期間で急速にランクアップし続けた事による「欠点」もある。通常、ランクアップには上述のように相当の年月が掛かり、その分経験や場数を積み重ねていく事にもなるのだが、ベルの場合は、皮肉にも短期間でのランクアップが原因で、その経験や場数がLv.に対して足りないと言う「弊害」が生まれてしまっている。
作中で修行相手を務めたヘグニからも「理不尽の経験」と「不条理の場数」が足りないと称されている。もっとも戦闘におけるベルの勝負強さと成長速度は第一級冒険者達も高く評価しており、ダンメモのイベントでは武神や古代の英雄も認めている。
活躍
第一部
ファミリアが結成されたばかりでパーティを組む相手が誰もおらず、「迷宮の上層にて単独でモンスターと戦う」という大きな危険の伴う日々を送っていたが、上層に現れないはずのミノタウロスに襲われ、恐怖で身動きできなくなった所、それを撃破したアイズと出会い、彼女に憧れと共に一目惚れする事になる。
しかし、その後に訪れた『豊饒の女主人』で一部始終を見ていた【ロキ・ファミリア】のベートによって酒の肴にされる形で笑い者にされた結果、自分の中の冒険者としての甘い考えを自覚させられ、一念発起する形で戦い続けた事でレアスキルの中でも非常に希少となる【憧憬一途】を発現。それを機に、異常な速度で急成長していく事になり、彼を知るヘスティアやエイナ等から驚愕されている。
それから数日後の【ガネーシャ・ファミリア】の主催する『怪物祭(モンスター・フィリア)』にて、自身に『試練』を与えようとしたフレイヤが放ったモンスターに襲われて窮地に陥るが、自身の力になろうとしたヘスティアがヘファイストスに借金してまで製作してもらった《ヘスティア・ナイフ》を用いてモンスターを撃破する事に成功する。
その後、シル・フローヴァに手渡された魔導書(フレイヤがベルに渡るよう仕向けた)で速攻魔法である【ファイアボルト】を習得。小人族のリリと出会い、《ヘスティア・ナイフ》を狙っていた彼女と一悶着の末に相棒関係となった後、再会したアイズからは一週間の訓練を受ける事になる。
しかし、その後のダンジョン探索でオッタル(正確にはフレイヤ)によって仕向けられた片角のミノタウロスと遭遇。かつて自分が戦意を失う程のトラウマを負ったのと同じミノタウロスと再び相見えた事で、最初は恐怖に支配されて「逃げる」事を考えていたが、アイズや【ロキ・ファミリア】のメンバーが現れた事で、また助けられてしまう事を拒み「戦う」道を選んだベルは、壮絶な死闘の末、Lv.1の身でミノタウロスを奇跡的に撃破。トラウマを乗り越え、誰もが成し遂げた事の無い前代未聞の偉業によりランクアップし、『世界最速兎(レコードホルダー)』として一目置かれる存在となる。
なお、ミノタウロスとの戦いの中、【ロキ・ファミリア】のティオナからはベルの姿が英雄譚の登場人物『アルゴノゥト』に見えると評され、リヴェリアがミノタウロスを倒すのと同時に気絶したベルのステイタスを調べた際は、アビリティが「オールS」と判断されている。
第二部
Lv.2にランクアップしたことで【未完の少年(リトル・ルーキー)】という二つ名を授かり、ヘスティアは無難で安心していたが、ベルは思っていたより普通だったため、少し不満気であった。
また、ミノタウロスを倒した偉業で密かに【猛牛殺し(オックス・スレイヤー)】という異名も持っている。
そんな中、自身の装備を製作した張本人で、【ヘファイストス・ファミリア】に属する鍛冶師であるヴェルフと正式契約を結ぶのと同時にパーティを組む事になるが、【タケミカヅチ・ファミリア】によって『怪物進呈(パス・パレード)』を仕掛けられた結果、窮地に陥る事になる。
しかし、階層主であるゴライアスから逃げ切り、何とか中層の安全階層(セーフティポイント)となる18階層にまで辿り着いた事でアイズと遭遇。彼女に助けられ、「遠征」から帰還中であった【ロキ・ファミリア】と一時の交流を経て、探しに来たヘスティア達や【タケミカヅチ・ファミリア】の面々と合流し、和解する。
しかし、ヘルメスに唆されてヘスティア達や【ロキ・ファミリア】の女性陣による水浴びの覗きに付き合わされた結果、「覗き」の疑いを掛けられてしまう。何とか誤解は解けたものの、未だに怒り狂っていたレフィーヤに追いかけ回された末に、彼女と共に遭難する事態となり、『闇派閥(イヴィルス)』とも関わったり、食人花(ヴィオラス)に襲われる事にもなっている。
【ロキ・ファミリア】と別れた後は、自身の活躍を妬んでいたモルド達と一悶着を起こす事になるが(モルド達はヘルメスに透明になれる『漆黒兜(ハデス・ヘッド)』を渡された上で唆されていた)、【ロキ・ファミリア】が倒したゴライアスとは別の個体がリヴィラの街を襲撃。モルド達や街に滞在していた冒険者達と共闘する形でゴライアスを撃破する。
それからしばらくした後、酒場で【アポロン・ファミリア】と喧嘩沙汰になってしまい、団長であるヒュアキントスに痛めつけられる。この件が原因で、アポロンから『戦争遊戯』を挑まれる事になってしまい、更には【アポロン・ファミリア】の襲撃によって本拠(ホーム)であった廃教会を破壊され、リリは【アポロン・ファミリア】と結託していた【ソーマ・ファミリア】の元へと連れ戻されてしまう。
この事態を打開する為に、ヘスティアは【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』を受ける事を決意。アイズに師事してもらうべく【ロキ・ファミリア】の本拠地へ向かうがティオネに追い返されるも、事情を知ったアイズとティオナの二人から戦闘訓練を受け、パーティを組んでいたリリとヴェルフ、【タケミカヅチ・ファミリア】の命の三人が【ヘスティア・ファミリア】の正式な団員となり、最終的にはヒュアキントスを撃破する形で『戦争遊戯』に勝利。【アポロン・ファミリア】の拠点であった巨大な館を『竈火(かまど)の館』とする形で【ヘスティア・ファミリア】の新たな本拠とする事になった。
【ヘスティア・ファミリア】の名が一気に有名になったのを機に行った新団員の募集にて、多くの希望者が募ったものの、《ヘスティア・ナイフ》の借金が発覚して失敗。その後、命と千草が【イシュタル・ファミリア】の拠点となっている歓楽街に何故か向かってリリとヴェルフとともに後を追うがみんなとはぐれてしまう。そこに、敵幹部のアイシャ・ベルカら戦闘娼婦(バーベラ)達と遭遇して本拠に連行されるが脱走し、逃げ続けて偶然隠れて部屋で娼婦となっていた狐人(ルナール)である春姫と出会う。彼女が命達の友人である事を知った事で、身請けをするべくダンジョンで稼ごうとするが、自身がフレイヤのお気に入りである事を知り、それを利用しようと目論んだイシュタルの仕掛けた罠に掛かって捕らわれてしまう。
独断で自身を犯そうとした団長のフリュネが牢からいなくなった隙を突いた春姫の手で、何とか脱出に成功したものの、合流した命やそこに現れたアイシャから、春姫が殺生石に魂を封じ込められて【イシュタル・ファミリア】の強化の為に命を捧げる事を知る事になる。最初は、自身のファミリアが抗争に巻き込まれる事を恐れ、春姫を助けるかどうか躊躇してしまうが、『娼婦』であるというだけで彼女が「英雄にとっての破滅の象徴」と見なされる事に納得のいかなかった結果、命と共に助けに向かう事を決意。
二手に分かれて【イシュタル・ファミリア】の拠点へと乗り込んで殺生石を破壊し、説得を受けた春姫の【ウチデノコヅチ】による階位昇華(レベルブースト)の恩恵を受けて、フリュネを対決する。フリュネとの闘いは【フレイヤ・ファミリア】の襲撃で中断されるが、最終的に「ケジメ」をつけに現れたアイシャと対決し勝利。春姫の救出に成功する。自身が捕らわれた事実を知ったフレイヤ自ら率いるファミリアによって【イシュタル・ファミリア】が壊滅に追いやられた事もあって、狙われる事も無くなり、春姫を【ヘスティア・ファミリア】の新たなメンバーに迎える事になった。
シルが関わっていたダイダロス通りに存在する孤児院の子供達と交流を経た後、アレス率いる国家系ファミリアのラキア王国がオラリオを攻め込んでくる事態となり、その際に些細な事で喧嘩して館を出てしまったヘスティアがアレスに捕縛されてしまう。
ヘスティアを救出すべく、アイズと共にオラリオから出てベオル山地で追いつくが、乱戦の中でヘスティアやアイズと共に崖下の川へ落ちてしまい、付近にあったエダスの村で休息を取り、そこで神ブリギッドの眷族であった長老の最期を看取る。その後、互いの過ごす時間が異なる故にうまく向き合えなかった本心をヘスティアに語った事で彼女と仲直りし、オラリオへと帰還する。
第三部
ある日、リヴィラの街での冒険者依頼を受けたベルは、その下の19階層にて、モンスターでありながら知性や感情を持った異端児の一人であるヴィーヴルの少女・ウィーネと出会う事になり、彼女が他のモンスターと何かが違うと本能的に感じ取った事で、地上の『竈火の館』へと連れ帰り、そこで【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共にウィーネと心を通わせる。
それを知った『ギルド』の主神・ウラノスから強制任務(ミッション)を受け、迷宮の20階層にある未開拓領域に向かった事でウィーネと同じ異端児であるリドやその仲間達と出会い、彼等とも交流を経る事になり、同時期にフェルズに連れ出されたヘスティアも、ウラノスから異端児の存在や【ヘルメス・ファミリア】や【ガネーシャ・ファミリア】も協力関係にある事実を知らされる。
しかし、異端児達を自分達の欲望や暴利を貪る為の道具として利用していた、ならず者集団のファミリアである【イケロス・ファミリア】によって、異端児のラーニェ達が惨殺された上でウィーネが連れ攫われた結果、それによって激怒した異端児達がリヴィラの街を襲撃する事態となってしまう。
事実を聞かされた事で、ウィーネの救出と異端児達を止める事を決意し、表向きは「討伐隊」となっている【ガネーシャ・ファミリア】と共に18階層へ向かい、偶然手に入れた『ダイダロス・オーブ』を使って、フェルズと共に【イケロス・ファミリア】が拠点としている『人造迷宮クノッソス』への侵入を果たす事に成功。そこで待ち受けていた【イケロス・ファミリア】団長のディックスの呪詛によってリド達が同士討ちを始めてしまい、更には額の宝石を剥ぎ取られたウィーネも暴走し、それでも助けようとする事からディックスに「偽善者」と罵られるが、助けたい者に人間もモンスターも関係無いという自身の心からの叫びから、リド達は正気を取り戻し、ディックスを追い詰める。
だが、最後の悪あがきに出たディックスによって呪詛で完全に正気を失ったウィーネが地上へ誘導されてしまい、リドと共に追って暴走するウィーネを止めようとするが、討伐に現れた【ロキ・ファミリア】と対峙してしまった上で、ウィーネはイケロスの眷族のグランが投げた長槍に貫かれて死亡してしまう。しかし、そこに現れたフェルズの蘇生魔法によってウィーネは奇跡的に助かり、地上に出てしまった異端児達も散り散りに逃亡するが、この件が原因で、一転して「人々からの信頼を裏切った冒険者」としての悪名が広がってしまい、数少ない理解者の一人であったエイナからも、本当のことを話してくれなかったことで頬を叩かれた上で悲しませる事になった。
※余談だが、この判断については彼自身後悔しており、一か八か全て話せばもっと他のやり方があったんではないかと葛藤していたが、この時仮に彼等と交渉し説得できたとしてもフィンは一族の再興の為の名声を何よりも欲しているため自身が零落しないよう(名声に傷がつく=悲願の妨げとならないよう)問答無用に情報だけ聞き出し殺していた為、どう転んでも意地汚い冒険者を演じるしか場を切り抜ける方法はなかったのである。
事実、これは【ロキ・ファミリア】視点を描いた外伝でフィンの口から、及び作者からも語られている。
実質的にオラリオの人々の殆どを敵に回してしまい、孤児院の子供であるライからも「裏切り者」呼ばわりされてしまった事で、かつて無いまでに精神的に追い詰められる事態となってしまうが、シルに励まされ、少しずつ立ち直った末、地上に残された異端児達を迷宮に帰還させる事を決意する。
僅かながらも心強い協力者達を得て、ヘルメスに渡された『ダイダロスの手記』の情報を元に、クノッソスを利用した迷宮への帰還作戦が進む中、クノッソスの攻略に必要となる『ダイダロス・オーブ』の入手と異端児の殲滅の二重の目的を狙っていたフィン率いる【ロキ・ファミリア】と全面的に敵対する事になるが、その混乱の最中でウィーネとはぐれてしまい、彼女を見つけた所でアイズと対峙。モンスターを激しく憎悪し殲滅の対象としか見なさない彼女とは全く相容れない形で対決し、彼女の圧倒的な憎悪の力の前に追い込まれてしまうも、そこに逃がしたはずのウィーネが現れ、自らの爪と翼を引き剥がした上で自身を守ろうとする意志を見たアイズは戦意を失ってしまい、何とかその場を去った末、合流した異端児達と共にウィーネを無事にダンジョンへと逃がす事に成功する。
しかし、本心では人間の異端児の共存を「絵空事」と見なし、ウラノスを裏切ったヘルメスの謀略によって、偽物の『ダイダロスの手記』の情報を鵜呑みにしてしまったフェルズやリド達は、そこで待ち受けていたヘルメスによって自身を『神工の英雄』に帰還させる為の「茶番」に協力するよう脅迫され、自身を助ける為に自ら犠牲になる道を選んだ石竜(ガーゴイル)のグロスと一部の異端児が街で暴れだす。ヘルメスに渡された宝石と同じものを渡されていたエイナが英雄回帰の為の「生贄」にされてしまい、それを止めるべくグロスと激突する事になるが、あくまでもグロスを信じたいという気持ちから、「武器を収めてグロスを信じる」という選択を選んだ結果、グロスもまた攻撃を止める事になった。それを見たヘルメスの指示を受けたアスフィが、グロスにモンスターを暴走させるマジックアイテム『紅針(クリゼア)』を打ち込もうとしたその時、かつて迷宮の9階層で死闘を演じた片角のミノタウロスが転生した異端児であるアステリオスが乱入し、再戦を申し込まれる。
頭では再戦を受けている場合ではないのを理解しているが、傷だらけになりながら自分の前にやってきたアステリオスの願いを背くことは出来ず、ベルはこの再戦を承諾。アステリオスの歓喜の咆哮と共に二人の再戦が始まる事となる。
【フレイヤ・ファミリア】や彼等に抑えこまれた【ロキ・ファミリア】、オラリオの人々や神々等が見届ける中、1対1での激しい死闘が巻き起こるが、戦いを眺める全ての者が逃げる事も忘れて見惚れる事になり、同時に強大な力を持つアステリオスに雄々しく立ち向かうベルの姿に悪意も失意も消えていき、オラリオ中にベルへの声援が轟く事となる。
「怪物の心を持った人間の悪意」、「人工の英雄の偽善」、「傲慢な神の独善」、これらの思惑が重なり、悲劇の結末へと向かい続けた醜悪な『英雄回帰』の舞台は、ベルの信念とアステリオスの願いが創り出した真の『英雄回帰』の舞台によって覆される事となった。
最終的に二人の再戦は、圧倒的な力を発揮したアステリオスが制し、冒険者としての初めての敗北を迎える形で、異端児を巡る事件は終息した———。
しかし、その直後、彼に残るのは止めようの無い無力感と敗北感であった。止めることの出来なかったディックスの思惑、守ると決めたウィーネを一度は目の前で死なせ、その後も憧憬を相手に全く太刀打ち出来ず、最後には生まれ変わってまで自分を求めた好敵手にも敗北…。敗北に次ぐ敗北を重ねる事しか出来なかったベルは、純粋に冒険者として雄として勝ちたかった思い、それら全てが悔し涙となり一人残されたその場で声を上げて泣くのであった…。
この戦いでの敗北は、新たに憧憬以外の目標を見出し精神面でも大きく変化する切っ掛けとなり、ファミリアの団長、パーティのリーダーとして仲間達を先導し、英雄の素質を掴み取った、器を示したと評される程にまで成長していく事になる。
第四部
前半期
地に堕ちた名声を取り戻し、Lv.4になった際には新しく【白兎の脚(ラビット・フット)】という二つ名を授かった(アニメでは物語の順序が変更されており、『神会』前に遠征に出発したため、遠征開始時は【未完の少年】のままになっており、『強化種』のモス・ヒュージ討伐後に『神会』が開かれる。そして、リヴィラの街でボールスから新しい二つ名が発表される)。
遠征編では今迄の限界突破していたステイタスもあり、Lv.4になって間もない時点でLv.4上位の実力を発揮し、『強化種』のモス・ヒュージに『ジャガーノート』と言った最恐の敵との死闘を経て深層から脱出した後のステイタスはLv.4後半…Lv.5一歩手前というレベルまで上り詰め、ランクアップも可能となったがあまりに短期間すぎる為、神々が再び注目し始めると危惧したヘスティアにより、現在保留状態である。
しかしその後、遠征から帰還したばかりの際に、『都市の破壊者(エニュオ)』によるオラリオ壊滅計画が最終段階に入った結果、【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共に、『切り札』として後に『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』と呼ばれる戦いに参戦する。
片腕にハンデを抱えた状態で、『エニュオ』に捕まった人質救出部隊のメンバーとしては遅れての参戦であるものの、リューと共に深層で『ジャガーノート』を撃破した実力は伊達では無く、既に第一級冒険者並と言って良い圧倒的な強さで食人花や晶黽(ヴァルグ)等のモンスターの群れを一人で難無く殲滅。その場にいた【ロキ・ファミリア】の二軍メンバー達を驚愕させた(この時ナルヴィ・ロールは彼にアイズの姿を重ね、クルス・バッセルは自分と同じレベルになって間もないにもかかわらず既に最上位の力を発揮した事によって、「レフィーヤが癇癪を起こす理由がようやく分かってやれる気がする」と呟いている)。
【ヘスティア・ファミリア】のメンバーも各地でそれぞれの力で活躍する中、『エニュオ』の最大戦力であった邪竜ニーズホッグと対決。その際に使用した【英雄願望】の能力による鐘の音で、オラリオ各地で戦っていた冒険者達を鼓舞し、奮い立たせて戦いを勝利に導き、自身もニーズホッグを撃破する形で文字通りの「奇跡」を起こしてみせた。アイズもまた、スキル【復讐者(アヴェンジャー)】の影響で我を失い堕ちようとした時にベルとの思い出が憎しみを上回り、正気に戻った事によって宿敵レヴィスに勝利する。
『エニュオ』は当時最強の二大派閥だったゼウスとヘラが消えた15年前からオラリオを破壊する計画の障害として【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】【イシュタル・ファミリア】(作中で消滅したため代わりに『闘国(テルスキュラ)』が穴埋めとして参戦)【ヘファイストス・ファミリア】【ウラノスの私兵・異端児】の六つの戦力を予想していた。だが、わずか半年前に冒険者となり急激な成長を遂げたベルは完全に予想外となり、計画は狂う形で都市の運命を変える事になった。外伝であるにもかかわらず、憧憬のアイズを追いかけた少年のまさしく集大成と言える戦いとなった。
後半期
オラリオの二大祭の一つである『女神祭』が近づいてきたある日、【フレイヤ・ファミリア】の侍従頭のヘルンが訪れ、シルからの女神祭でのデートの誘いの手紙を受け取る。シルに確認をするために『豊饒の女主人』に向かったが、途中でフレイヤの眷族で第一級冒険者のヘディンに拉致され、シルのデート相手として相応しい紳士に育てるために、ヘディンによる容赦ない超スパルタ教育がベルに施される。ちなみに、この特訓でヘディンを「師匠(マスター)」と呼ぶようになる。
女神祭1日目、シルとのデートが始まり、特訓の成果を発揮して見事にシルをエスコートする。途中、【フレイヤ・ファミリア】(とついでに尾行していたヘスティア達)の監視の目を欺いて船上レストランでシルと食事をしていたが、出し抜かれたことに怒った監視役の【フレイヤ・ファミリア】の眷族達が船を襲撃し、二人は船から水路に飛び込む。ずぶ濡れになった二人は宿に逃げ込むが、その時シルに迫るもののシルが自分らしくないと引き下がり、朝起きたらシルがいないことに気付く。
女神祭の2日目にベルはシルを探して『豊饒の女主人』に向かいヴェルフと再会し、彼に諭されてけじめをつけるために探し回り、工業区でシルを見つけ出すが、フレイヤの眷族で第一級冒険者のヘグニに襲撃される。駆け付けたリュー達がヘグニを足止めしている隙に逃走し、偶然出会ったヘルメスに頼んでアイズにも足止めしてもらう。その後、廃墟に身を隠したベルとシルだったが、実はベルは初めからそのシルが偽者であると見抜いており、ナイフを持った彼女の右手を掴んで何者かと問う。彼女はベルとだけの思い出の場所にシルがいるとのみ語り、ベルはシルから初めて告白された場所に向かった。
そして、シルを見つけたベルは、シルからもう一度真剣に告白される。ベルもシルの望みに真剣に応え、「ごめんなさい」と告げた。しかし、それにより『娘(シル)』という枷を解かれた『シル・フローヴァ』だったフレイヤが本気でベルを奪いに動き出した。
シルを拒絶した罪悪感に苛まれ、女神祭の3日目にリューが自分の元に訪れた時にリューにシルの告白を断ったことを告げる。そして、シルが店に来ていないことを知ったベルはリューとともに探しに向かうが、フレイヤが眷族達に【ヘスティア・ファミリア】への襲撃を命じ、二人の前に立ちはだかったオッタルにベルとリューはなすすべなく一撃で倒される。
翌日、【フレイヤ・ファミリア】の本拠である『戦いの野(フォールクヴァング)』で目を覚ましたベルは、部屋を出てすぐにヘディンに見つかり『特大広間(セスルームニル)』に連れて行かれると、何故か【フレイヤ・ファミリア】の第一級冒険者達に迎えられ自分に親しく接してくる。状況が呑み込めず戸惑っていると、自分が【フレイヤ・ファミリア】の一員になっていることに唖然とする。「自分はヘスティアの眷族」と主張しても周りから「ベルは最初からフレイヤの眷族」と言い返され、本拠を飛び出すが、【ヘスティア・ファミリア】や今まで関わって来た人々から「【フレイヤ・ファミリア】のベル・クラネル」と他人行儀され、拒絶され、怯えられるという周囲の反応に愕然とする。
本拠に連れ戻され、フレイヤの眷族達にベルは呪詛によって偽の記憶が植え付けられていると決めつけられる。フレイヤに呼ばれて対面すると、「ヘスティアの眷族」の根拠のために主神にしか出来ないステイタスの更新を要求するが、フレイヤは『更新薬(ステイタス・スニッチ)』で欺きステイタスを更新したことで「ヘスティアの眷族」という事実を打ち崩され心を大きく折られる。
その後、日中は殺し合いさながらの『洗礼』に放り出されて第一級冒険者達に死ぬ寸前まで扱かれて心身ともに消耗し、夜はフレイヤの神室に招かれて彼女に労われつつ今までの出来事を偽物の出来事とすり替えられ、憧憬を忘れるように甘言される日々を送り、徐々に精神を追いつめられる。
だがある日、いつものようにフレイヤに招かれるとフレイヤが元気が無いことを指摘し、からかわれた時にふとシルの面影を見て「シルさん?」と呼ぶと、フレイヤは愕然とした様子を見せ、そのまま怒って部屋を追い出される。
シルを探しに『豊饒の女主人』を訪ねると、ミアに発破をかけられて最後に『憧憬』を確かめることを決意し、アイズの元へ訪れる。そばにいたティオネ・ティオナに胡乱な目で見られるが、アイズに何か覚えてないか問い掛け、二人に連れられて去ろうとしたアイズがベルの手を掴み、「訓練、する?」という言葉に今までの軌跡は本物だったと確信したベルは、「【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネル」として奮い立った。その後の『洗礼』でアイズとの訓練を思い出してヘディンにかすり傷だが攻撃を当てることに成功する。
その日の夜、リューの脱走で外で騒ぎが起きていることに気付くもヘイズ達に部屋から出してもらえず監禁状態にあったが、謎の影が見張りの団員を倒し、影に誘われて進むと「瞑想室」でヘルンと対面。そこで、ヘルンが『シル・フローヴァ』であり、『シル・フローヴァ』はフレイヤでもあることを知る。ヘルンからフレイヤが『娘(シル)』によって苦しめられており、彼女を助けてほしいと懇願される。
フレイヤとヘルン(シル)を助けることを決心したベルはフレイヤと対峙するが、その瞬間ヘスティアの権能によってフレイヤの『魅了』が解除され、ヘスティアと再会する。
フレイヤに『戦争遊戯』を宣言されると、ベルはフレイヤに「勝利した時は『本当の貴方』を教えてください」と要求する。
その後、最も協力を要請したかった【ロキ・ファミリア】の参戦を規定違反にされてしまう想定外の事態になりつつも、【ヘスティア・ファミリア】を中核とした派閥連合と【フレイヤ・ファミリア】による『オルザの都市遺跡』を舞台とした史上最大の『戦争遊戯』である『派閥大戦』が執り行われる。
その際、ベルは遂にLv.5へのランクアップを果たし、最速記録で第一級冒険者への仲間入りを果たす事になる。また、参戦を禁じられた【ロキ・ファミリア】だったが、参戦以外の協力までは禁じられていないため、特訓を買って出たヒリュテ姉妹と鍛錬を行い、ランクアップによる『肉体と精神のズレ』を開戦前に直した。
開戦後、ある人物の動きが不自然である事をリリに告げ、自身はただ一人、単独行動で【フレイヤ・ファミリア】本陣を目指していた。だが、向かう途中に入った『円形劇場』で、独断で待ち構えていたLv.4のヴァンと交戦。ランクアップしたベルの敵ではなく難なく倒すが、直後にオラリオ最強の冒険者であるオッタルが現れ、彼と一騎打ちを行う事になる。
しかし、魔法【ヒルディス・ヴィーニ】を発動させたLv.7の【猛者(おうじゃ)】である彼には、Lv.5にランクアップした上での必殺技である【聖火の英斬(アルゴ】も通用せず(それでもオッタル本人からは『Lv.を省みれば、お前の一撃が俺を上回った』と称賛されている)、その圧倒的過ぎるパワーによって捻り潰される事になってしまう。
だが、そこへ【アストレア・ファミリア】の元へ戻りステイタス更新によってLv.6にダブルランクアップしたリューが駆け付け、更にはロキからの説得を受けて派閥連合への協力を決意したミアも加勢。リューによって回復され、更にはフレイヤを「女神の『枷』」から解放する為に離反を決意したヘディンも加わる形で、スキル【戦猪招来(ヴァナ・アルガンチュール)】を発動させ、『獣化』した事によってLv.8相当となったオッタルに挑む。
最終的には、春姫の【ウチデノコヅチ】のみでなく、ベルを『馬鹿弟子』として認めたヘディンが発動させた付与魔法【ラウルス・ヒルド】による二重強化を受け、【フレイヤ・ファミリア】のヴァンから教わった「癖を『囮』に利用した駆け引き」でオッタルの体勢を奪い、【英雄願望】で最大強化した【ファイアボルト】の一撃で、遂にオッタルを下す(正確には意識こそ失わなかったが、ベル達の力を認めたオッタルが「5分待つ」という条件を付けている)。
その後、『最終闘走』でアレンの猛追撃を受けながらフレイヤのいる『神の家』へと向かうが、彼に捕捉されてしまい、あと一歩の所までとなる。だが、何とここで『不名誉な技術』とされていた発展アビリティである『逃走』が発動。それとヴェルフの援護によってアレンから逃げ切る事に成功し、遂にフレイヤと対峙する。
そして、「女神」としてのプライドをかなぐり捨てる形で自身への愛を必死に叫ぶフレイヤに対し、「貴方の『恋』を終わらせる事しか出来ない」と自分の想いを告げ、彼女の胸に飾られた「紫丁香花(ライラック)」を散らせる形で戦いを制する。
かくして、迷宮(ダンジョン)での初遠征から始まったベルの前途多難の戦いは終息を迎えたのだった。
第五部
【フレイヤ・ファミリア】との絶望的な戦いを制すに至ったベルだったが、その代償も大きく、オラリオ二大派閥の一つを解体に追い込んでしまった事での外界への影響は計り知れないものとなっていた。
ベル達が『豊饒の女主人』で祝勝会を行っている中、リューに呼び出されてファミリアへの入団希望を受け、後日みんなにもそのことを教えてリューの入団を快く受け入れる。
エイナに「リュー・アストレア」の入団を伝え、エイナからはファミリアがランク「B」になったことを知る。そんな中、『学区』の巨大浮遊艦である『フリングホルニ』が三年ぶりにオラリオに訪れ、学生達の中から新たなファミリアの眷族達を勧誘する一大イベント『眷族募集(リクルート)』が行われていた。エイナから息抜きを提案されて一緒に浮遊艦が停泊しているメレンに行くが、そこでベルはヘルメスに拉致され、そのまま強引に『飛翔靴(タラリア)』と『漆黒兜』で一緒に『フリングホルニ』へ無断侵入する羽目になり、すぐに侵入と素性がバレて学生達に追われてしまう(しかも、生徒達に顰蹙を買い幻滅されてしまう)。
追われている中、【バルドル・クラス】の主神兼『学区』の校長であるバルドルがいる部屋に偶然逃げ込んで彼に匿ってもらうことに(ちなみに、ヘルメスも先にいた)。さらにバルドルに見込まれる形で、『学区』への入学を打診される。一旦はファミリアに戻ってみんなと相談し、面倒事に巻き込まれたと自覚しつつも好奇心から入学を希望し、ヘスティアもそれを認める。
なお、素性がバレているため、魔道具で茶髪の兎人(ヒュームバニー)に変装し、赤い瞳は前髪をのばして隠し、改めて兎人の「ラピ・フレミッシュ」として、『学区』に入学し【バルドル・クラス】に編入した。その際、ハーフエルフの少女でエイナの妹のニイナ・チュールが『学区』の案内などを任されることとなる。
学校生活では、Lv.1として振舞うこととなり、バレないように四苦八苦していたが、今まで師事したアイズ、リュー、ヘディン達から教わったことの反対の言動をすることで誰からも第一級冒険者だと気付かれることは無かった(ただし、外伝ではレフィーヤに「かなり『できる』」と勘付かれている)。また、魔法を使った時に誤魔化そうとしてうっかり【ウィル・オ・ウィスプ】の詠唱をして魔力暴発(イグニス・ファトゥス)を起こしたことで、イグリンに「超素人(ドベ)」と呼ばれてお荷物扱いされる。
その後、教師でLv.7のレオン・ヴァーデンベルクの依頼で、ニイナが率いる『おちこぼれ小隊』『歴代最低辺の小隊(ワースト・パーティ)』として悪名高い『第三小隊』に加わり、五人一組という形で『特別(ダンジョン)実習』を挑む事になる。ラピはサポーターとして同行するが、小隊の戦い方が前衛のドワーフのイグリン、黒妖精(ダークエルフ)のレギ、小人族(パルゥム)のクリスがそれぞれ勝手に暴れて戦い、後衛のニイナが彼らに治癒魔法などで支援するという「四人のパーティ」ではなく「四つのソロの集まり」のような協調性が非常に乏しい小隊の酷い実態を知る。全員Lv.2のため個々の力はあったものの、連携の無さと考え無しに上層を突き進む無鉄砲さにこのままではダンジョンで全滅すると評していた。
レオンにレポートを提出した時に彼もベルと同じことを考えており、ベルを第三小隊に加えたのも「ベルを『学区』で学ばせる『交換条件』として第三小隊の面倒をみる」というヘルメスとの取引があったためであり、ベルが彼らを成長させることを期待していた。また、レオンはベルに前衛の三人の他にニイナも問題を抱えていることを教える。そして、どこまで行けるかと問われた時にベルは12階層が限界と予想し、その予想通りに12階層で課題の一つであるインファント・ドラゴンに苦戦して停滞してしまう。だが、ラピはサポーターとして後方から小隊のみんなを観察していたことで作戦を立案し、地形とそれぞれの最適の役割、そして自分の経験をもとに作戦を展開し、難なくインファント・ドラゴンの討伐及び目的のドロップアイテムの獲得に成功。この一件で小隊のみんなに認められる(ついでに「迷宮オタク」という異名も付けられる)。
帰還後、『ギルド』本部で換金した帰りにエイナがニイナを発見して声を掛けるが、ニイナは逃げ出してしまう。その後、ベルに戻ってエイナに事情を聞いて、ニイナに嫌われていると落ち込むエイナに、普段のニイナの人柄を知るベルはそれを否定し彼女を励ます。
『派閥体験(インターン)』として【ヘスティア・ファミリア】に戻ってベルとして冒険もしていたが、仲間の戦い方に対して的確な指摘を出来るようになり、『学区』での経験が活かされ戦術眼が発揮するようになる。
それからはラピが『第三小隊』の中心となって小隊をまとめるようになってから次第にみんなの成績も上がり、より一層信頼されるようになる(ついでにゴブニュから合格をもらえない『鍛冶学科』の生徒達に彼らが打つ『機構武装』の欠点を冒険者視点から指摘してヒントを与えた)。その後、小遠征で15階層を目指すことになったが、15階層の『岩窟の迷宮』を中心に起こった崩落に巻き込まれる。半年前の自分と同じ状況となり、ニイナが地上への帰還を目指すか留まって救助を待つのかを決めかねている中、ラピは「安全階層」の18階層へ向かうことも提案し、ニイナは18階層へ向かうことを決める。道中、ミノタウロスの群れが急襲してニイナを襲おうとしたのを助け、そのまま群れを一掃したことで、ニイナ達を驚愕させる(その際、Lv.2にランクアップしたと誤魔化した)。
なんとか17階層にまで到達するも、そこで前回と同じく階層主のゴライアスが生まれて急いで18階層へ向かったが、転倒したクリスを助けたことでゴライアスの剛腕が迫る。だが、ベルは脚に付与した一秒の蓄積による瞬間的爆速で小隊まとめて出口に突撃し、どうにか切り抜ける事に成功している。
リヴィラの街に着くと、ニイナ達は『学区』の生徒を嫌っているボールスと一悶着を起こしていたが、ボールスにこっそり自分の素性を明かして便宜を図ってもらったことで野営道具を手に入れて一息付いていた。その際、互いに『夢』を語り合っていた(ラピは【ロキ・ファミリア】に入団することと誤魔化した)が、ニイナは『夢』を持っていないと打ち明けられる。
その日の夜、見張りをしているニイナのもとへ行き、彼女から『夢』が無い理由や姉から逃げている自分の惨めさなど彼女が抱えている問題を知る。だが、ラピは彼女に寄り添い、ニイナのおかげで学ぶ楽しさを知ったことやニイナによって多くの人が助けられていることに感謝していると励ます。
その後、『修学旅行』と称して『水の迷都』を見せるためにボールス達を護衛に雇って下層へ行くが、そこで稀少種のブルードラゴンと交戦。正体を明かせない状況と遠距離の攻撃手段がないため苦戦し、逃げ遅れたイグリンを庇ってブルードラゴンのブレスを浴びてしまう。このまま我慢比べとなるが、ニイナが自分を助けるために稀少魔法【ラグリエル・クリスヘイム】で状態異常と身体の負傷が全快する。そのニイナの献身に応えるために本気を出してブルードラゴンを圧倒して最後は【聖火の英斬】で討伐に成功。この時の雄姿を見たニイナは「冒険者となってラピ(ベル)の隣に立って色んな景色が見たい」という『夢』を抱くようになる。だが、ブレスによって変装の魔道具が壊れてベル・クラネルとバレてしまう。
ベル達はそのまま18階層に戻るが、そこに同じく崩落事故に巻き込まれていた『第七小隊』と救援に来たアイズ達と合流する。そこに、『学区』の卒業生で『第七小隊』の『教導者(インストラクター)』を務めていた何処かの【千の妖精(サウザンド・エルフ)】に詰め寄られ、さらにブルードラゴン討伐の雄姿を見た影響でニイナがベルに熱い視線を向けているのに気付いた彼女が『イラァ』とした結果、『万年発情兎』と罵られる形で激おこされる羽目になった(この時期の彼女は、自分らしさを失っていた状態であった為、いつものやり取りを見たアイズやティオナ、ティオネの三人は喜んでいる)。
その後、バルドルとレオンに正体がバレてしまったことを謝罪するが、ニイナ達を大きく成長させて「期待を超えてくれた」と予想以上の成果に感謝される。レオンからは「今度は『俺』が君と冒険をしてみたい」と約束を取り付けられる。
ちなみに、本来は一時的な偽装処置のはずが、『学区』の一人の生徒としてしっかり登録(ステイタスや魔法などは適当)されており、いつでもベルを生徒として呼び戻せる準備が整えられている模様。
ステイタス
Lv.1(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 | |
---|---|---|---|---|---|
SS1091 | SS1019 | SS1098 | SSS1337 | SS1001 |
Lv.2(最終判明ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1088 | SS1029 | SS1094 | SSS1302 | A883 |
幸運 | ||||
I |
Lv.3(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1127 | SS1126 | SS1131 | SSS1477 | SS1009 |
幸運 | 耐異常 | |||
H | H |
Lv.4(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SSS1379 | SSS1501 | SSS1383 | SSS1442 | SSS1251 |
幸運 | 耐異常 | 逃走 | ||
F | G | I |
Lv.5(原作18巻時点)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
G222 | F340 | G245 | F311 | I98 |
幸運 | 耐異常 | 逃走 | 連攻 | |
F | G | G | I |
スキル
- 憧憬一途(リアリス・フレーゼ)
アイズとの出会いを経て発現したスキル。「相手を懸想に比例して成長する」。
一言で言えば、惚れる(想う)ほど強くなる。
その成長スピードはヘスティア曰く「成長ではなく飛躍」で、ステイタスの限界とされた「S」を超え、「SS」や「SSS」の領域にまで届く。
副次効果として『魅了(チャーム)』への耐性が存在し、彼の想いと素質によって神クラスの魅了にも耐えている。
因みに神々がベルに興味を持って玩具にされてしまう恐れとアイズへの嫉妬(半分以上は後者が理由)からヘスティアはこのスキルことを伝えていない。後にファミリアに移籍してきたリリ達(他の団員)には、異常な成長速度の理由を問いだたされた事で白状した。また、一時【フレイヤ・ファミリア】にいた時にステイタス更新でフレイヤにも知られることとなる(他にもイシュタルも知ったが、他に知れ渡る前に天界へ強制送還された)。『メモリア・フレーゼ』では、「アエデス・ウェスタ」でヘファイストスも知ることとなる。IFストーリーでは、この男神も知ることとなる。
また、フレイヤ曰く、このスキルはベルの一途さだからこそ盤石たりえるもので、少しでも憧憬を疑えば効果が発揮されず、他の者では即刻無用の長物と化するほど厄介で脆いスキルと推察している。
- 英雄願望(アルゴノゥト)
より詳しく説明すると、体力と精神力を対価に必殺技の威力を上げる事が出来る。
チャージする時間によって威力は跳ね上がるが、その分消耗は激しく、使用する状況に合致する英雄をイメージしないと本来の効力は発揮されない。同時2ヶ所のチャージは不可能。Lv.2~3の時の最大蓄積時間は3分までが限界だったが、Lv.4になった時は4分に増える。
憧憬となる英雄を引き鉄(トリガー)にする事で『限界解除(リミット・オフ)』し威力は最大級になる。
使用する際には鐘(ベル)の音が響き渡るが、チャージが一定以上になると(上記のリミット・オフ)、大鐘楼(グランドベル)の鐘の音が響き渡り、周囲の者を奮い立たせる。
- 闘牛本能(オックススレイヤー)
Lv.2の頃から闘牛殺しの異名を持っていたが、このスキルの発現により名実ともに猛牛と戦いし者(オックススレイヤー)の名を冠することとなった。
- 美惑炎抗(ヴァナディース・テヴェレ)
発展アビリティ
- 幸運
ベルが、Lv.2にランクアップした際に発現した発展アビリティ。現状、ベルのみに発現が確認されてるレアビリティ。ギルドの記憶にない為、詳細な効果は不明だが、クエストで探していたレアなドロップアイテムを一発で見つける、特に経験がないカジノでバカ勝ちしてしまう等、文字道り運が良くなるアビリティのようである。
またヘスティア曰く『加護』のような力を有しているらしく、その影響かカサンドラの誰にも信じてもらう事の出来ない呪いのような効力が作用する予知夢を信用するなどの効果を見せている。また、確定したわけではないが800年成功しなかったフェルズの蘇生魔法がウィーネに対していきなり功を成したのも、このアビリティの力だと思われる。
更には、人情深いヘスティアの眷族となったりアイズやリリ、ヴェルフ、命、春姫、リュー、レフィーヤ等といった優秀かつ善性の人柄の持ち主と言える者達と「出会い」を果たし絆を紡いでいるのも、このアビリティに関わりがあるのかもしれない。
もっとも、上述にある通りベルは何度も修羅場に遭遇し、何度も死にかけているので、本当にこのアビリティの効果が発揮しているのかという意見もあるが、ベルにとって一番の不幸は自分が傷つく事じゃなく誰かの悲しみと涙を見る事。
実際、事件に巻き込まれている最中こそ死に物狂いだが、事件が解決した後はベルの大切な人たちはみんな笑顔になっており、ベルにとって最も望む幸せな結末を迎えている。
- 耐異常
- 逃走
- 連攻
魔法
- ファイアボルト
『魔導書(グリモア)』によって強制的に発現した魔法。走る稲妻の様な爆炎を放つ。
詠唱を必要とせず魔法名を唱えるだけで放てる「速攻魔法」で、乱戦の際は大きな優位性を発揮する。素の威力は抑えめで格上相手だと牽制程度にしかならないが、スキル【英雄願望】によるチャージと掛け合わせることで、魔導士の長文詠唱魔法にも匹敵する大火力に変貌を遂げる。さらに発動の際に手に持っている武器や道具、体術等と併用する事で、それらに更に強烈な必殺性を持たせる事も出来る為、大ボス級の強敵への決め技に使われる事も多い。このように利便性・応用性に富んだ魔法で、周囲の冒険者たちからは反則技と称されている。
※ベルの魔法スロットは一つなので今後新たな魔法が自然に発現する事はないが、質のいい『魔導書』を使えば一定確率で魔法スロットが一つ拡張するので、ベルに新たな魔法が発現する可能性が消えたわけではない。特にベルの場合、発展アビリティ『幸運』があるので成功する可能性は高いと思われる。
必殺技
- 聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)
魔法【ファイアボルト】とスキル【英雄願望】を応用して発動するベルが編み出した必殺技。
魔力伝導率の高いミスリル製の武器《ヘスティア・ナイフ》に炎雷を纏わせ、拡散する前に『二重収束(デュアルチャージ)』する事で刀身が炎によって伸び、それを敵に向かって一閃する。
字面は地味だが、その威力は凄まじいものであり、『強化種』のモス・ヒュージの上半身を一撃で消し飛ばし、『ジャガーノート』の右腕すら両断せしめる恐ろしい技。
技名の『アルゴ』は英雄譚に登場する主人公『アルゴノゥト』から。『ウェスタ』は主神ヘスティアのもう一つの名で『燃え続ける聖火(ほのお)』を意味する。
不滅の白き炎は時を超克して、再び心を照らす。
作者もあとがきで言及しているため元ネタはおそらく『火炎大地斬』。
装備
- 短刀
ギルドから支給された初期装備。
現在はベルが初心者の頃、世話になった鍛冶屋「雛鳥の鉄床」店主ダルドが買い取り、店の奥に飾られている。
- シュワイザーデーゲン
- 神様のナイフ(ヘスティア・ナイフ)
※リンク先参照。
- 牛若丸(うしわかまる)
刀身は短いが、4~5巻時点では神のナイフよりも攻撃力が高い。微量ながらも火属性が付与されている。
前に枕の下に入れて寝た時は激強の猛牛が夢に現れ、ベルは殺されかけた。
アニメ版では手数を増やすためか、双剣の片方(もう一方は《ヘスティア・ナイフ》)として用いられている。本編11巻で、アステリオスとの決闘の際に失われてしまった。
- 牛若丸弐式(うしわかまるにしき)
彼が習得した【鍛冶】アビリティの効果により、牛若丸とは一線を画する攻撃力を持つ。クノッソスで【イケロス・ファミリア】との対決の際、紛失している。後に、ベルが後で拾いに行く意向は見せていたが結局の所、回収されたかは不明。
- 白幻(はくげん)
毒を受けた際に、刀身を用いることで解毒効果を発揮する力も備わっている。
予想値段は1000万ヴァリス。
- 兎鎧(ピョンキチ)
ネーミングが非常に残念だが、防具自体は良く出来ており、ベルは一目見て気に入り持ち金の殆どをはたいて購入した。
ミノタウロスとの戦いで破損したが、再びヴェルフの防具を求めていたところに偶然本人と出会い、パーティを組むきっかけとなる。
Mk-IIからMk-Vまであり、Mk-Vはシリーズ最高の防御力と軽量化に成功した傑作。
- ゴライアス・マフラー
瀕死のアステリオス以上の攻撃力と推定されたジャガーノートの破爪を滑らせ防ぐ程の防御力を持ち、更に重量、耐久力も非常に高く、これを利用しムチのように相手を薙ぎ払う、相手に巻き付けてこちら側に引き寄せるといった、今までにない中距離攻撃が可能となった。
- 身代わりの首飾り(仮称)
詳しい効果は不明だが、致命傷となる攻撃から一度だけ身代わりとなって防いでくれる効果がある稀少な魔法具だが、使用されると宝石が砕けるという一回きりの使い捨てである。これによってヒュアキントスの【アロ・ゼフュロス】から(無傷ではないが)致命傷にならずに済む。
シルは酒場で懇意している冒険者から譲ってもらったと語っていたが、砕けた宝石のところに【フレイヤ・ファミリア】のエンブレムである「戦乙女の側面像(プロフィール)」が刻まれていたため、フレイヤがベルのために用意した模様。
あるIFルートでは、ある人物を救うための重要なアイテムとなる。ちなみに、この時にヘルメスがその首飾りを「身代わりの首飾り」と称していた。
- 栄光のファミリア・クロス
なお、ベルのメイン装備はこのような感じ(特に得物は神のナイフや牛若丸を中心とした短剣の使用が多い)だが、長剣や大剣、あるいはモンスター等から奪った天然武器(ネイチャーウェポン)などといった別種の武器も、それなりに扱って戦えている。
戦績と前代未聞の修羅場
上記の通りベルは【憧憬一途】のスキル効果でアビリティがSSやSSSの領域に辿り着く事もあって、同Lv.帯では瞬く間に最上位の実力者に至るのだが、戦う相手のほとんどが格上ばかりで苦戦が多い(同Lv.帯以下との戦闘はモルド、アイシャ、ドルムル、ヴァンとの四戦のみ。しかも、モルドやアイシャと戦ったのはベルが昇格して間もない頃)。特にLv.3に昇格以降は、Lv.5やLv.6、そしてLv.7と言った都市どころか世界でも最強クラスの実力者達と死闘を繰り広げており、ベルほど過酷な修羅場を潜り抜けてきた冒険者は神時代最初期まで遡っても早々いないだろう。
身に降りかかった災難を振り返ればとても冒険者になって半年足らずの少年が経験する事とは思えない。
ちなみに、通常冒険者はランクアップした際にそれまでの活動記録をギルドに報告し、ギルドはそれをランクアップの参考記録にさせる為に他の冒険者たちに公開するのだが、ベルの冒険を参考にさせるのは危険すぎると判断されて一度も公開された事がない。
作中でベルのLv.2の活動記録を見たギルド職員のエイナとミィシャは、「修羅場しかないし、短期間で昇格(ランクアップ)したければ死んで来いって冒険者に言ってるようなもの」と評している。実際ベルの冒険をその目で見た他の冒険者たちも「あいつみたいな無茶したら死んじゃうだろ」と発言している
戦歴
Lv.1
VS.シルバーバック『勝利』
VS.片角のミノタウロス『勝利』
Lv.2
VS.巨靭蔓(ヴェネンテス)『レフィーヤとの共闘で撃破』
VS.モルド・ラトロー『主神介入により中断』
VS.漆黒のゴライアス『多くの冒険者との共闘で勝利』
VS.ヒュアキントス・クリオ『一勝二敗』
初戦:酒場で敗北
二戦目:街中で敗北
三戦目:『戦争遊戯』で辛勝
Lv.3
VS.アイシャ・ベルカ『一勝一敗』
一戦目:ダンジョンで春姫の魔法で擬似昇華した彼女に敗北。
二戦目:【イシュタル・ファミリア】ホームで勝利
VS.フリュネ・ジャミール『オッタル介入により中断』
【フレイヤ・ファミリア】の侵攻により有耶無耶になったが終始歯が立たなかったので勝ちとは当然言えない。
VS.リド『中断』
同胞を預けるに足る人物か見極める為の一応軽い交戦であったが、リドはこの時点から既にLv.5の潜在値を誇っていた為、仮に続けても負けてたのは言うまでもない。
VS.ディックス・ペルディクス『リドとの共闘で撃退』
呪詛に抗ったリドの加勢が来るまでは終始押され、結局彼の思惑は止められなかったので実質敗北と言っても良いかもしれない。
VS.アイズ・ヴァレンシュタイン『ウィーネの覚悟で中断』
精神面では完全に上回ったが肝心の剣戟の方は結局終始手加減されていながらもヘスティアが引くぐらいのボコボコだったので完全な負けとも言えないが勝ちとは当然言えない。
VS.アステリオス『敗北』(だが、実質一勝一敗?)
本来なら天と地ほど実力差がある二人だったが、この時のアステリオスは【ロキ・ファミリア】との戦いで右腕を失い、Hpが9割ほど削がれている上に五日間ほぼ補給なし状態だったのに対し、ベルはステイタスが限界突破してLv.4並みの身体能力だった上に片角のミノタウロスとの戦い並みに研ぎ澄まされていたため、この戦いでは接戦を繰り広げる事となった。
Lv.4
VS.モス・ヒュージ(『強化種』)『勝利』
通常のよりも遥かに知性が増して狡猾なモンスターと化したモス・ヒュージによって、一度は仲間達と引き離されてしまった。だが、実はLv,4に上がりたてのため『肉体と精神のズレ』があり、みんなのもとへ戻る道中、閃燕(イグアス)などと戦ったことでズレが解消される。それによって本来の力を発揮され、再戦でモス・ヒュージを圧倒し、最後は【聖火の英斬】で勝利。
VS.ジャガーノート『リューとの共闘で辛勝』
二度に渡り激戦を繰り広げており、一度目に右腕を切断され首の骨を折られかけるなどの致命傷を受けたが、マリィの血で回復して一命を取り留めている。二度目も今度は左腕がズタズタになるなど重傷を負い、最終的にはリューがとどめを刺して撃破するが、両者とも力尽きている。そこに救出に来た異端児達に発見されなければ確実に命を落としていた。
VS.ニーズホッグ『勝利』
VS.ヘグニ・ラグナール『リュー介入により中断』
とある理由からシルを処刑しようとした所を阻止する為に交戦したが、ヘグニ側には彼に傷一つ付けてはならない縛りがあったにもかかわらず、手も足もでなかった。『豊穣の女主人』メンバーが介入したが、それでも全く勝てる気がせず、逃走と言う形になっている。そも、能力値以外ではベルを上回るリューが、その後に瞬殺されている事から続けても、結果は分かりきっていた事である。
VS.オッタル『完敗』
フレイヤが本格的に自身を奪いに来た際なんと都市最強の彼直々にお迎えに上がっている。結果は記述の通りである。そもそもこればっかりは一対一ならベルに限った話ではなく誰でもあり得るのだが…。
VS.Lv.1~4の強靭な勇士(エインヘリヤル)『勝利』
各レベル帯の上位に位置する精強揃いのフレイヤの眷族達との初めての『洗礼』で最後の一人になるまで勝ち残ったとはいえ、バトルロイヤル方式であることと【ファイヤボルト】の優位性があったためであり(それと『深層』を四日間生き延びたという意地)、ベル自身も自分が他より強かったわけではないと自覚している。
Lv.5
VS.オッタル(二度目)『最終的に辛勝』
Lv.5に昇格したベルは、『派閥大戦』で単独行動に出ていた際、『円形劇場』で立ちふさがったLv.4のヴァンを一蹴した後に対峙。当初は圧倒的な力でねじ伏せられるが、その後駆け付けたリューとヘディン、ミアとの共闘による激戦の末にオッタルを膝を着かせて一時行動不能に成功する。
しかし、彼に相当ボコボコ&ボロボロにされたことで、戦い後は彼と対面しただけで泡を吹いて気絶するほどの心傷(トラウマ)を負ってしまった。
VS.アレン・フローメル『(速さ勝負で)勝利』
上記のオッタルを下した後、フレイヤもとへ向かう最中、追って来たアレンとの最後のデッドヒートを展開。オラリオ最速のアレンにあと一歩まで追い縋られるが、発展アビリティ『逃走』が発動したことで逆に突き放す形で振り切り、(ヴェルフの加勢もあって)フレイヤの元に辿り着き、『派閥大戦』勝利を決定づける。
ダンジョンに出会いを求めて
祖父の教育によるものとは言え、「女の子との出会いを求めて」と割と不純な理由で冒険者になったベルだが、本人は女性に対してかなり奥手で鈍感。
しかし、生来の純粋で優しい性格や戦闘時に見せる雄々しく勇敢な姿、そして神々屈指の女好きであるゼウスに教え込まれた女性の扱いなど、これらの素質や素養が重なった結果、冒険者屈指の天然たらしになってしまい、種族問わず多くの女性から好意を抱かれている。
異端児編以降は精神的な成長もあってか女性への気遣いも無意識に向上しており、リリに「以前より女ったらしになった」と言われてしまっている。
また、作中では何人かの女の子を成り行きからお姫さま抱っこしているが、自身もついにとあるポンコツエルフにお姫さま抱っこをされてしまった。
ちなみに、本人の好みは「金髪」「長髪」「エルフ」の女性で、現状【ヘルメス・ファミリア】のローリエと、【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』の前に伸びた髪を元の金髪へと染め直したリューが、この条件に当てはまっている。
ベルに好意を抱いている女性
女神
ヘスティア(ン億歳):自分の初めての眷族であり家族になってくれた。ベルヘスも参照。
フレイヤ(ン億歳):見た事のない透明な魂の色の持ち主として興味を持つ。
アルテミス(ン億歳):オリオンの矢を抜き、自身を救ってくれた。
冒険者
リリ(15歳):騙していた事を許され、自分を救ってくれた。ベルリリも参照。
春姫(16歳):儀式の生贄にされるところを救ってくれた。ベル春も参照。
カサンドラ(18歳):誰にも信じてもらえない予知夢を信じてくれた。
ローリエ(19歳):13階層で『怪物進呈』に見舞われたところを助けられた。
リュー(21歳):深層で死地を共にし自分のために戦ってくれた。ベルリューも参照。
異端児
レイ(20歳):異形の存在である自分達のために戦ってくれた。
マリィ(14歳):ダンジョンで戦う姿を見て。
その他
エイナ(19歳):子供ではなく一人の男性としての泣き顔を見て。ベルエイも参照。
シル(18歳?):モンスターに立ち向かう姿を見て…しかし実際は。
ニイナ(13歳):『学区』の女生徒で、下層での『冒険』でその雄姿を見て。
恋愛感情ではないが特別な感情を抱いている女性
アイズ(16歳):ご存じベルの憧れであり、意中の女性。そんな彼女からの印象は『兎さん(愛玩動物)』と異性としてはあまり見られていないようである。ベル君どんまい。
しかし、アイズが他人に興味を持つこと自体珍しい事であり、彼女の中のベルへの印象も少しずつではあるが変わりつつあり、特に『ソード・オラトリア』の10巻では、ベルが「守ってくれる英雄」となっていた異端児のウィーネに対し、無意識ながらも「女」としての嫉妬心を見せていた。
ベルアイも参照。
レフィーヤ(15歳):憧れであるアイズに気に入られていることもあり、いい印象はあまり持たれていないが、幾度かの交流を経て次第に認めるようになっていく。
また『戦争遊戯』での戦いを「カッコよかった」、アステリオスとの決闘を「熱くて強くてお腹の中が煮えたぎるほど気高かった」などと聞かれてもいないのに熱く語っていた。そして、エニュオとの最終決戦では、心身共に摩耗しきっていた所でベルの【英雄願望】の大鐘楼の音を聴いた結果、彼も戦っている事を感じ取り、ライバルとして絶対負けられないと奮起している。
少なくとも、彼女もアイズと同様、異性の中ではベルが最も気になる存在となっている。
ベルレフィも参照。
ティオナ(17歳):Lv.1時のベルとミノタウロスの決闘を目の当たりにしてかつて読んだ英雄譚の登場人物『アルゴノゥト』と彼を重ねファンを自称するようになり、『戦争遊戯』に備えアイズと共にベルの特訓に付き合うなど、積極的に協力している。また、自身の小さい胸が当たっても意識してくれる事が嬉しいあまり、自分からくっつこうとする事も多い。
彼女が今のように笑うようになった切っ掛けが『アルゴノゥト』にて記されており、涙腺崩壊間違いなしである。
因みに彼女の好みのタイプは「ヒューマンの同い年以下の男」。ベルと完全にマッチングしている。
ウィーネ(0歳):明確に好意を抱いているが、恋愛感情というよりは家族愛に近い感情を持つ。ダンジョンで生れ落ち、人だけでなくモンスターからも襲われているところを助けられ懐くようになる。異端児事件では自分のためにアイズと対峙し傷つくベルを見兼ね、二人の前に現れ自分もベルと一緒にいたいという想いを語り、アイズの前で自分の爪や翼を折るという覚悟を見せた。
アイシャ(21歳):初対面の時から初心そうな雰囲気を気に入っていたが、アマゾネスの強い男性を気に入る性質から、後に自分を倒した雄として性的な意味で狙っており、ファミリア解散は【ヘスティア・ファミリア】に入ろうともしていた。最近では心身共に成長したベルを見て、「そろそろ、食べ頃かねぇ」と密かに呟いている。
クロエ(21歳):自他共に認めるショタコン。特にお尻に目がなく、ベルを初めて見た時から彼のお尻に興味を抱き、時折撫で回す事を要求してくる。
「好意」というよりは、「発情」と見るべきか…。
ヘイズ:【フレイヤ・ファミリア】の治療師筆頭で美神の狂信者なのだが、他の団員達がベルを敵視する中、意外にも普通に好感を抱いている。というのも、自分の周りが団長のオッタルをはじめ対人能力が皆無な者ばかりで、それに比べれば素直で可愛らしく、監視を差し引いても面倒を見てあげてもいいと述べている。ベルはフレイヤの『特別』だから手を出すつもりはないと言っていたが、19巻でベルが気絶した時はシルとヘルンに続いて人工呼吸を名乗り出ていた(悪ノリ?)。
ヘルン:特別な感情を抱いているのはたしかだが、好意とは真逆の憎悪の塊であり、ベルと会えば露骨に汚物を見るような目で睨み、口を開けば罵詈雑言の嵐である。だがその実、とある理由で実際に抱いているのは歪んだ愛憎で、何かと「監禁すべき」と考えているほどのヤンデレ。
ペルセフォネ:【デメテル・ファミリア】の団長。ベルに農作業を手伝ってもらっている件で交流があり彼に好意的な感情を抱いてる模様。主神であるデメテルも悪く思ってないらしい。
上記を見てもらえばわかるように、彼に惹かれている女性はウィーネを除いて全員年上である(本編19巻及び『ソード・オラトリア』13巻で初めて年下が登場する)。またベル自身も年上の女性が好みらしく意識しやすい。
神はおろか、人に近いとはいえモンスターすら彼を意識する有様を見て、フェルズは「英雄色を好む・・・いや愚者は色を拒めず、か」とつぶやいている。
冒険者ランキング
特に良くも悪くも注目の的となっているベルは様々なランキングに入選(ランクイン)するようになった。
16巻の時点ではすっかり有名人になった事で、オラリオの女性冒険者の口から『将来性』順位1位、『玉の輿を狙うなら今!』順位3位(『派閥大戦』後は大きく下落)、『男性冒険者に《お姉ちゃん!》って言われたい』順位7位(『派閥大戦』後は6位に上昇)というランキングに入選していることが判明する。
しかも、『派閥大戦』後はローリエやシルがアンケート集計を買って出たことでより(私利私欲混じりの)多くのランキングに入選するようになる。ちなみに『新人冒険者(ルーキー)ランキング』は、冒険者としての日数はルーキーだが、これまでの偉業がとても新人レベルではないため、『新人詐欺』の烙印を押されて対象外となる。
ベルクラ☆ランキング
以下、上述の三つ以外に『派閥大戦』後に判明したランキングと順位
- 交際したい冒険者…9位
- カワイイ男性冒険者…17位
- 頭を撫でてほしい冒険者…41位
- 武器を作りたい冒険者※鍛冶師限定※…8位
- 嫌われ者…10位
- 見かけたらいっぱいおごりたくなる冒険者…9位
- 改宗してみたい眷族※神々限定※…1位
- 眷族同士お見合いさせたい…19位
- 都市最速…2位
- 最美男(イケ)ヒューマン…13位
以下、入選はしているランキング
- ともに探索したい同業者
- 遠征に帯同させたい前衛
- 街角で評判のいい冒険者
- 獣耳(ケモミミ)をつけたい異性
- 女装してほしい上級冒険者
- 雨の日に相合傘で自分の肩を濡らしながら私を庇ってくれるアオハル☆男子
出会いの運命に愛された少年
上述の巻き込まれ体質もあって必然的に多くの人物と関わりを持っているが、主神のヘスティア同様他者を差別も区別もしない性質もあって、全員から一目を置かれている。
また、誰かのために愚者を貫くその生き様は、自分でも知らず知らずの内に多くの者を惹きつけると同時に運命を変えており、作中では『家族と境遇に恵まれず孤独だった少女たち』、『世界のどこにも居場所がない優しき怪物達』、『過去の罪悪感に囚われた妖精』、『女神の軛に縛られ虚無感と孤独感に支配され続けた娘』など、苦悩と絶望を背負っている者達に手を差し伸べ、抱え込んでいた心の闇から救い出している。
逆に『金のために同じファミリアの団員を平気で殺そうとしたゴロツキ冒険者達』、『自分のくだらないプライドの為に闇派閥と手を組むという愚行を犯したあげく、自分の眷族まで生贄に捧げようとした醜悪な美の女神』、『自分の歪んだ欲望と快楽の為に異端児達を虐げた最低最悪の狩猟者』、『強大な力を持つ厄災を手に入れる為に、何の関係もない多くの冒険者を犠牲にした怪物趣味の調教師』、『人の不幸と悲しみに心からの喜びと快感を感じる下界の凌辱者』などの自分の欲望の為に他者の幸せと命を平気で踏みにじる悪党たちには、それまでの悪行に報いを受けるかのような恐怖と絶望と共に、死亡あるいは天界への送還という因果応報の結末を与えている。(全員ベルが直接手にかけたわけではないが、ベルという存在が不幸をもたらしたのは間違いない)
纏めるとベル・クラネルという少年は、心優しき善良な者達にはこれまでにない幸せと喜びを運ぶ『幸運の白兎』となるが、人の姿をした怪物達にはこれ以上ない不幸と破滅を与える『疫病神』となると言える。
また、このように出会った全ての者に大きな影響を与える事から、フェルズからは『良くも悪くも出会いの運命に愛された少年』と称されている。
元ネタ?
テセウス:ミノタウロスの最大の宿敵としている点が共通。
ヘラクレス
ペルセウス
Web版
瞳の色が兎の印象を持たせる特徴の赤...ではなく、こちらでは正反対の碧。独白が書籍版と比べて、少々荒っぽい。ヘスティアと生活している所が廃教会ではなく下水道など、貧困さがより顕著。
他作品への出演
テイルズオブザレイズ
2021年1月のコラボイベントで、アイズと共にプレイアブル参戦。
魔鏡技は、「英雄願望(アルゴノゥト)」。
この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ
2021年4月30日からのコラボで参戦。
普段から神がいる世界に暮らしているためかアクアが神であることをあっさり認めた。
#コンパスに出会いを求めるのは間違っているだろうか
NHN×ドワンゴにより共同開発されたTPS(三人称視点シューティング)リアルタイムオンライン対戦ゲームの『#コンパス』でアイズの参戦から約三年、コラボ第2弾としてアニメ四期よりついに実装。明確に言えばアイズこそ出典は三期だがソード・オラトリアの成分が含まれているため、実質ナンバリングシリーズの主人公は初参戦。
ベルのロールはスプリンター。攻撃倍率が高めで敵を倒すことに特化するキル型スプリンターだが体力は低めなので無理は禁物。ダッシュアタックの範囲が他スプリンターよりも広いので戦闘の妨害やポータル防衛も可能。
アビリティ「憧憬一途(リアリス・フレーゼ)」はアイズが近くにいると自動的にヒーロースキルパワーが自動で溜まる原作再現した効果。
ヒーロースキルは「聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)」。前方の敵にガードブレイクを付与した火炎属性の剣撃を与える。字面は原作さながら他のヒーロースキルと比べて地味だが確定でガードブレイクするのは大きい。
関連イラスト
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ヘスティア・ファミリア 迷宮都市オラリオ 迷宮(ダンジョン)
ヘスティア(ダンまち) アイズ・ヴァレンシュタイン
リリルカ・アーデ ヴェルフ・クロッゾ ヤマト・命 サンジョウノ・春姫 リュー・リオン
シル・フローヴァ エイナ・チュール レフィーヤ・ウィリディス ウィーネ ニイナ・チュール
ヘディン・セルランド
ベルヘス ベルアイ ベルリリ ベル春 ベルリュー ベルエイ ベルレフィ
黄金の精神 愚者(ダンまち) 時を渡る道化師
アルゴノゥト、エレボス:同シリーズ内での中の人が同じキャラ。
不動明:神様に恋され、恩恵を与えられるが、本人は別の女性に惚れているなど、ベルと共通点の多い主人公。
愛乃めぐみ/キュアラブリー:「男神様に恋する少女」という、「女神様に恋される少年」なベルと見事に対照的な主人公。
フレイ/ロキ:ベルと共通点(体や髪は真珠色の白と紅い眼)が似ているキャラ
キリト(SAO)、嘴平伊之助:中の人繋がり。また、『ともすれば女と見間違いそうな美形の素顔』『ひとかど以上の実力を持つ二刀流の剣士』『産みの両親と幼少時に死別している』など、意外に共通点は多い。
実際に中の人ネタイラストも投稿されている。前者はコンパスで共演が実現した。
結城リト:一級フラグ建築士なハーレム主人公繋がり。キャラクターとしても「童顔かつ女顔」、「彼を慕うヒロインの種族が多種多様」、「メインヒロイン+αと同居している」、「女性に対しては純情で初心」、「理不尽な目に遭おうが純粋な殺意を向けられようが笑って許すほどのお人好し」、そして「多少揺らいでも初恋相手一筋」であるなど、共通点は挙げたらきりがない。
彼の声を当てているのはアイシャ役の渡辺明乃女史。つまりアニメ2期10話のベルとアイシャの直接対決は、見ようによってはハーレム系主人公の先輩後輩対決と捉えることもできてしまうのだ。
五河士道:『メモリア・フレーゼ』でクロスオーバーしたデート・ア・ライブの主人公。中の人はご存知松岡禎丞の大親友(彼は後にベルの師匠を演じることになる)。こちらも困ってる者を決して見捨てない極めて献身的な性格で、ベル同様命がけの戦いの末に数多のフラグを建てている。
また、ベルが呼び捨てで呼んだ数少ないキャラクターでもある(最初こそ「さん」付けだったが)。両者の中の人同士が親友ということもあってか、コラボストーリーでは共に戦い、時に大ゲンカし、そして絆を深めるという少年マンガのようなストーリー展開が繰り広げられた。後編におけるベルと士道の大ゲンカは中の人の演技も相まって一見の価値あり。
ちなみに彼には女装した姿も存在し、作中においては【ロキ・ファミリア】と接触するためにこの姿になった。士道は女装した自分を見て取り乱したベルに対し、「俺だってベルが女装したらきっと取り乱す」と悲しげに呟いたのだが、このときの2人は知る由もなかった。このコラボの2年後にベル本人の女装姿が実装されてしまったということに…
ゴブリンスレイヤー:同じレーベル作品の主人公繋がり。メモリア・フレーゼのコラボイベント『Dungeon&Goblins』にて幻想とフレイヤの謀(TRPG)に巻き込まれ共に行動する内に戦友とも呼べる奇妙な間柄になっていく。
外部リンク
アニヲタwiki(仮)ベル・クラネル
この先ベルのルーツについてのネタバレ
前世
『メモリア・フレーゼ』の2周年イベント『アルゴノゥト』にて、童話の主人公にして数千年前に実在した人物アルゴノゥトの生まれ変わりである事が判明。
不相応な望みを持ち、幾多の思惑に翻弄され、それでも愚者を貫いた、一人の道化の名前。
世界中の人々に希望を与え、数多の英雄を奮起させ、人々がモンスターに立ち向かう『英雄時代』を切り拓いた『始まりの英雄』。
ベルの育ての親であるゼウスもアルゴノゥトの冒険を天界から見守っており、ヘルメスによると当時は相当興奮していたとの事。
その為、アルゴノゥトの生まれ変わりであるベルに、「アルゴノゥトが一番お気に入りの英雄で、アルゴノゥトの冒険はまだ終わっておらず、今度は何をするのか、何を起こすのか、出会った時から楽しみなんだ」と教えている。
実際ベルには、アルゴノゥトの想いと約束、そして生き様が全て受け継がれており、言ってしまえばダンまち本編は、ベルがもう一度『英雄(アルゴノゥト)』になる物語とも言える。
また、本編の転機となった『異端児編』は、ベルが人間の悪意に振り回され、汚名をかぶり、真実を知らない者達から非難されながらも愚者を貫き、ベルとアステリオスの戦いを以って悲劇の結末を覆し、世界の運命を変える事になるなど、何処かアルゴノゥトの物語を想起させる内容となっている。
出生について
『メモリア・フレーゼ』の3周年イベント『アストレア・レコード』のエクストラストーリーにて、【ゼウス・ファミリア】元幹部であるザルドと、【ヘラ・ファミリア】元幹部であるアルフィアによってベルの両親について語られる事になる。
父親は【ゼウス・ファミリア】の一番下っ端だったサポーター。赤い瞳をしたヒューマンで名前は現在不明。ファミリア最弱で、当時のオッタルやフィンにもファミリア内で唯一負けていた。おまけにサポーターなのに率先して逃げたり、主神と女湯を覗きに行くなど、美談のない醜聞しかないような人物だったとの事。
このようにどうしようもない人物だったが、仲間達からは弟分のように思われていたらしく、ザルドはベルの事を「あのバカの息子なら俺たちの家族に違いあるまい」、「一目見ておくべきだったか」と発言している。
母親は【ヘラ・ファミリア】のメーテリアという名の女性で、アルフィアの双子の妹にあたる。
一人では一歩も部屋から出られない程病弱で脆弱、その上、姉のアルフィアとは真逆で才能の欠片もなかったとの事。
だが唯一、優しさだけは持っており、何もできないが、誰からも愛される不思議な人物。
誰かから受け取った優しさを、誰かに返してあげることのできる普通の娘であった。
実は【ヘスティア・ファミリア】の最初のホームである廃教会はメーテリアが愛した場所で、ベルは自分でも知らないうちに母の足跡を辿っていた事になる。
ファミリアが全滅する前後にベルを産み、その後、ゼウスに我が子を託す。ベルの赤い瞳は父譲りだが、髪の色や容姿、性格は母親似との事。
アルフィアはベルの伯母にあたり、神時代以降、最も『才能』に愛された冒険者で、周囲からは『才能の権化』にして『才禍の怪物』と恐れられていた。十代半ばの頃にはLv.7に至っており、彼女の前では現都市最強の冒険者であるオッタルも手も足も出なかった。
ファミリアが黒竜に敗れ壊滅した後は、下界が滅ぶのを少しでも遅らせる為、世界三大秘境の一角である『竜の谷』で門番として生きる事を選んだので、甥のベルとは生涯会う事はなかった。
ちなみにザルドの「子供に会わなくてよかったのか?」という質問に対して「おばさんと呼ばれるのは嫌だ」と冗談めいた答えを返している。
彼女が魔法を発動すると鐘の音が鳴るが『アストレア・レコード』特典SS内にて、これがベルの名前の由来となっていることが判明。
『アストレア・レコード』では、残り少ない自分たちの命を『世界の踏み台』の為に使う事を決意したザルドとアルフィアの最後の選択が描かれている。
オラリオの後進、『英雄達』が自分たちを喰らい『黒き終末』を乗り越える事を望み。
そしてこの世に『希望』をもたらすために、妹の子が戦わずに済む世界のために。
もし、父親と母親の血の導きによってベルがオラリオに辿り着き、世界の命運を掛けた戦いに巻き込まれていったその時は…
―― 数多の『英雄』が立ちはだからんことを
――『英雄』の洗練を浴び、より強い冒険者にならんことを
―― そして願わくは、数多の洗礼を受け、いくつもの壁を超え『英雄』なんてものに至らんことを
―― 父親譲りの逃げ足は、誰かの窮地を救い、次に繋げるかもしれない
―― 母親譲りの優しさは、誰かの涙を拭い、笑顔をもたらすかもしれない
今のオラリオには、ベルが知らない『家族』からの願い、愛情がある。
『英雄達』の力、技、強さはベルに引き継がれていっている。