「やらなければ、何もかもやらなければそこに立つ事さえ出来ないんだ」
「僕は許せない。何もしなくて、何かを期待していた僕自身を」
「僕、強くなりたいです」
プロフィール
年齢 | 14歳 |
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身長 | 165C |
種族 | ヒューマン |
職業 | 冒険者 |
所属 | ヘスティア・ファミリア |
Lv. | 1→5 |
二つ名 | 未完の新人(リトル・ルーキー)→白兎の脚(ラビット・フット) |
所持金 | 40000ヴァリス(19巻時点) |
誕生日 | 4月 |
CV | 松岡禎丞、寺崎裕香(幼少期) |
概要
本作の主人公。ダンジョンに出会いを求めて迷宮都市オラリオに足を踏み入れた少年。【ヘスティア・ファミリア】の最初の団員で、仲間達の勧めもあって現在は団長を務めている。
元は田舎の山奥で育ての親である祖父と暮らす農民だったが、ある日、祖父がモンスターに襲われて亡くなり天涯孤独となってしまう。あまりにも唐突な別れに悲しみが抜けず、無気力な日々を送るが、生前の祖父の言葉を思い出し、英雄譚に出てくるような運命の出会いを求めて冒険者になる事を決意する。後にこの祖父の正体は、かつて世界最強のファミリアと謳われた【ゼウス・ファミリア】の主神ゼウスである事と、実は天界に送還されておらず今も地上にいる事が判明するのだが、ベルはまだこの事実を知らない。
オラリオに着いた当初は、弱そうな外見を理由に訪れた全てのファミリアから門前払いされてしまい、どうすればいいからわからず途方に暮れていたが、自分のファミリアに入ってくれる団員を探し求めていたヘスティアと偶然出会い、彼女の誘いを受けて最初の眷族となる。このベルとヘスティアの出会いを以って、後に世界を騒がす【ヘスティア・ファミリア】は結成された。
ヘスティアの眷族になって半月ほど経ったある日のこと、ダンジョンでミノタウロスに襲われていたところをアイズ・ヴァレンシュタインに助けられ、その際彼女に一目惚れする。同時にこの出会いが、ベルの物語の本当の始まりとなるのだった。
外伝作『ソード・オラトリア』にも登場するが、本編には書かれなかったベルの冒険や交流を見る事が出来る。特に『都市の破壊者編』の最終決戦『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』では、外伝の内容にもかかわらず、それまでのベルの冒険の集大成とも言える程の活躍を見せる。
人物像
容姿
中性的な顔立ちと華奢な体格に、真っ白な髪と赤い瞳をしたヒューマンの少年。外見の特徴から周囲にはよく兎扱いされている。一見ひょろくて弱そうに見えるので、本人も結構気にしている。
性格
基本的に真面目で臆病な性格をしており、心根は超がつくほど善良かつ純粋。その根底にある正義感や真っすぐな心根は非常に強く、目の前で傷つき涙を流す者を助ける為ならば、自分の命を賭けて戦う事すら厭わない。このように自己中で荒くれ者が多い冒険者にしては珍しく自分より他人を優先する性格をしているので、周囲からは冒険者に向いていないと思われる事が多い。
いざ戦闘になると普段の気の弱さや臆病さは鳴りを潜め、己より強い相手にも臆することなく立ち向かう勇敢な冒険者へと変貌を遂げる。この戦闘時に見せる雄々しいベルの姿には、人々や神々はおろか、時にモンスターすら魅了される事があり、冒険者なら誰もがなりたかった姿を体現しているとも言える。
優しさや純粋さこそ変わらないものの、幾つもの出会いと試練を経て精神的にも強くなっていき、強かさや土壇場の冷静さ、そして上級冒険者としての風格の様なものを身につけつつある。特に『異端児(ゼノス)』を巡る戦いで得た経験はベルの心に大きな影響を与え、例え周囲から「偽善者」と罵られようと、「愚者」と嘲笑われようと、自分の信念を貫く覚悟が芽生える事になる。
また、強い『英雄願望』を抱いているが、これには富や名声を求めてといった利己的な理由は一切なく、誰かの悲しみを拭い笑顔をもたらしたいという無償の献身から来るもの。この『英雄願望』の根幹には、物心ついた時からゼウスに『英雄譚』を読み聞かせてもらった事で、英雄に強い憧れを抱いた事が起因している。ちなみにゼウスがベルに与えた『英雄譚』は、天界から英雄たちの活躍を見守るのが好きだったゼウスの直筆で、中には下界には広まらなかった情報や正しく伝わらなかった真実なども含まれている。
本編当初こそ、自分では英雄なんて偉大な存在になれはしないと諦めていたが、初めての冒険の中で「英雄になりたい」という想いが燃え上がり、以降ベルが冒険者として戦い続ける理由の一つとなる。
目標
義祖父ゼウスに幼少期から叩き込まれた英才教育(洗脳)のせいで、「女の子との素敵な出会いを夢見たから」「御爺ちゃんから男ならハーレムを目指せと言われたから」といった、かなり不純な動機で冒険者になったベルだが、アイズに一目惚れしてからは、憧憬である彼女に追いつきたいという明確な目標を得る事になる。
後にウィーネ達『異端児』との出会いを経てからは、怪物の体に人の心を持つという異端な存在であるが故にどこにも居場所がない彼らを救う事と、最強の異端児にして最大の好敵手であるアステリオスに勝つ事が新たな目標として加わり、より一層邁進していく事になる。
ちなみにベルの運命を大きく変え、目標を与えてくれたアイズと『異端児』だが、本作の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』というタイトル通り、ちゃんとダンジョンで出会っている。
団長として
仲間達の勧めもあって団長になったベルだが、元々気弱で人前に立つのも苦手な性格をしているので、自分では団長に向いていないと思っている。その上、人助けの為なら自分から厄介事に首を突っ込むことも辞さない性分をしているので、ファミリア全体を面倒に巻き込んでしまうことも多く、仲間達に対して申し訳なさを感じることもある。
もっともファミリアの団員達は、ベルのそんな生き様に救われた者や惹かれた者たちの集まりなので、どれほど厄介事に巻き込まれようともその信頼関係が揺らぐことは一切なく、何があろうとベルの力になることを決めており、ベルもそんな仲間達に出会えて良かったと心から思っている。
また、本人は無自覚だが仲間の潜在能力を引き出すことに長けており、団員のほぼ全員がベルとの出会いや冒険が切っ掛けで、新たなスキルや魔法の発現、そしてランクアップを果たしていくなど、眠っていた才能が開花していくことになる。
巻き込まれ体質
天性の巻き込まれ体質をしており、次から次へとシャレにならない厄介事が襲い掛かるので、冒険者になってから短期間の内に何度も死にかけている。毎度毎度ベルを起点にオラリオどころか世界すら騒がす大事件が起きるので、アスフィからは「大事件を引き起こす起爆点(ボマー)だ」という評価を下されている。
実は厄介事から逃げようと思えば逃げれるチャンスは結構あるのだが、自分が逃げれば身近な誰かが傷つき悲しむことになるので、我が身可愛さに誰かを見捨てるぐらいなら命懸けで戦った方がましと考えるベルは絶対に逃げる事をしない。その為、アイシャからは「厄介事に巻き込まれているんじゃなく、厄介事に首を突っ込んでいる」と呆れられてる。
もっとも、厄介事の中心にいるという事は、言い換えれば誰よりも冒険をしているとも言えるので、事件が解決した後にステイタスが急速に成長を遂げ、ランクアップする事も珍しくない。周囲から優しすぎて冒険者に向いてないと言われるベルだが、誰かの幸せと笑顔の為なら命を懸けて戦う事すら厭わないその優しさこそが、ベルの急速な成長の礎になっているのは間違いない。
また、厄介事に巻き込まれている最中に誰も知らなかったオラリオとダンジョンの秘密を発見する事も多く、現二大派閥である【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】はおろか、千年もの間オラリオに君臨し続けた【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】ですら知らなかったであろう真実を多く見つけている。
世間からの評価
荒くれ者が多い冒険者にしては珍しい優しい人柄や、主神ヘスティアの方針でボランティア活動もよくしているので、オラリオ住民からの人気が非常に高い。
Lv.2になった直後は、余りのランクアップの速さに周囲の冒険者に妬みから絡まれる事もあったが、ベルは衆目の中で戦う事が多く、傷だらけになりながら戦う姿を何度も見られているので、ベルの急速な成長はインチキなどではなく、誰よりも命懸けで戦っているからだと認められてからはそれもなくなった。
現在もベルの異常な成長速度と活躍を妬ましく思う者はいるが、それ以上にベルの優しさやひたむきな姿に好感を抱いており、彼の事を本気で嫌っている者はほとんどいない。また、ベルの生き様に影響を受けて、彼に負けまいと奮起する事を誓った冒険者も少なからずいる。
ランクアップの世界最速記録保持者である事や、人目を引く凄まじい冒険ばかりしている事もあって、現在は世界的有名人になっており、世界中を旅している『学区』によると、多くの街や国でも話題になっていたとの事。
出会いの運命に愛された少年
上述の巻き込まれ体質もあって必然的に多くの人物と関わりを持っているベルだが、純粋で真っ直ぐな人柄や、主神のヘスティア同様他者を差別も区別もしない性質もあって、関わった者達からは好感を抱かれることが多い。
また、作中でベルは多くの助けを求める者たちを悲しみや苦悩から救い出しているが、逆に悪党たちにはそれまでの悪行に報いを受けるかのような恐怖と絶望と共に死亡あるいは天界への送還という因果応報の結末を与えており、言ってしまえばベル・クラネルという少年は、善良な者達には幸せと喜びを運ぶ『幸運の白兎』となるが、人の姿をした怪物達には不幸と破滅をもたらす『疫病神』になると言える(ベルが直接手をかけた事は一度もないが、ベルという存在が不幸をもたらしたのは間違いない)。
このように自分の信念や願いのために愚者を貫くその生き様は、出会った者たちに良くも悪くも大きな影響を与えており、そんなベルの生き様をフェルズは『出会いの運命に愛された少年』と称している。
人間関係
憧憬にして想い人。弱く情けなかった自分を守り導いてくれた女性。彼女に一途な憧れを抱き、冒険者として遥か高みにいる彼女に追いつくために邁進していく事になる。ベルにとって何時如何なる時も前から導いてくれる『道標』のような存在。
敬愛する主神。自分の意思や想いを否定する事なく応援し、後ろから見守り支え続けてくれた大切な神様。ベルが冒険者として大成できたのは彼女が主神であった事も大きい。彼女の『家族』としてずっと一緒にいる事を約束している。
アイズ同様自分を守り導いてくれたもう一人の女性。自分の隣に並び幾つもの冒険を共に乗り越えてきた、事実上ベルの冒険者としてのパートナーとも言える存在。また、ベルの家族が最後に希望と未来を託した女性でもある。
ヘスティア同様自分を見守り支え続けてくれたもう一柱の女神。ベルの魂を輝かせるために『魔導書』や『試練』などを与えて成長を促してくれた。【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』に勝利してフレイヤの本心を引き出した後は、彼女の『騎士』としてずっと側で守り続ける事を約束している。
妹や娘のような存在。彼女を一度死なせてしまった事は、ベルにとって消えない心の傷として残っており、目の前で誰かが死にそうになる度に彼女の最期の姿を思い出している。彼女が教えてくれた大切な人が失う悲しみと苦しみは、ベルから諦めるという感情を破壊した。
猛牛の戦士にして好敵手。己の全てをぶつける事が出来る唯一無二の存在。彼との戦いの中で、ベルの中に眠っていた勇気と覚悟、そして『英雄願望』が目覚める事になる。ベルを真の意味で冒険者にしてくれた『始まりの敵』。
師匠。要領の悪い愚兎と罵られつつも女性の扱いから戦い方など様々なことを教わる。『派閥大戦』の共闘の中で馬鹿弟子と認められ、雷の加護と共に背中を押された。
アステリオス同様自分に強さを教えてくれたもう一人の武人。ベルのルーツとも大きく関わりのある人物で、ベルもこの事を無意識に感じ取ったのか「自分の冒険者としての起源はオッタルにある」と称している。『派閥大戦』で激突した際は、彼から『真の最強』の力を教わった。
義祖父にして育ての親。自分が神である事を隠し、一人の祖父として惜しみない愛情を義孫に注いだ。かつて世界最強のファミリアを創り上げた手腕は伊達ではなく、ゼウスが義孫のベルに残した教えは、ベルの心の支えとして生き続けている。(「男ならハーレムを目指せ!」「男なら寝込みを襲えぃ!」「覗きは男の浪漫(ロマン)だ!」等のくだらない事もたくさん教えたけど)
作中の活躍
第一部
ファミリアが結成されたばかりでパーティを組む相手が誰もおらず、ダンジョン上層にて一人でモンスターと戦う日々を送っていたが、ある日上層に現れないはずのミノタウロスに襲われてしまい、恐怖で身動きできなくなった所をアイズに救われる。この際、自分を救ってくれた彼女に一目惚れし、同時に憧憬であるアイズに追いつきたいという想いからレアスキル【憧憬一途】が発現する。
『豊饒の女主人』でベートに、ミノタウロスに情けなく逃げる姿を酒の肴にされる形で笑い者にされた結果、自分の甘い考えを自覚させられ、弱い自分から脱却するために「強くなりたい」という思いを抱く事になる。以降この時の思いと【憧憬一途】の効果もあって急速に成長していく事になる。
それから数日後の【ガネーシャ・ファミリア】の主催する『怪物祭(モンスター・フィリア)』にて、自身に『試練』を与えようとしたフレイヤが放ったモンスターに襲われて窮地に陥るが、自身の力になろうとしたヘスティアがヘファイストスに借金してまで製作してもらった《ヘスティア・ナイフ》を用いてモンスターを撃破する事に成功する。その後は、シルに手渡された『魔導書』で魔法【ファイアボルト】を習得し、小人族のリリにはサポーターとなってもらい、再会したアイズからは戦い方を教わるなど、冒険者として順調に成長していく。
しかし、ダンジョン探索の最中にオッタルによって仕向けられた片角のミノタウロスと遭遇。自身のトラウマの象徴であるミノタウロスと相見えた事で足が竦んでしまい、当初は逃げる事ばかり考えていたが、そんなベルの前にアイズや【ロキ・ファミリア】のメンバーが現れる。再び彼女に助けられてしまう事を拒んだベルはミノタウロスと戦う事を選び、壮絶な死闘の末にミノタウロスを奇跡的に撃破する。なお、この時の戦うベルの姿をティオナは、英雄譚の登場人物アルゴノゥトに見えると評していた。
第二部
片角のミノタウロスとの戦いを経てLv.2へランクアップし、神々からは【未完の少年(リトル・ルーキー)】という二つ名を与えられる。
片角のミノタウロスとの戦いで防具が壊れたので、新たな装備を探している最中に、自身の防具《兎鎧(ピョンキチ)》を製作した張本人であるヴェルフと偶然出会い、彼と意気投合した事もあってパーティを組む事になる。
戦力も揃ったのでダンジョン中層に進出するが、【タケミカヅチ・ファミリア】によって『怪物進呈(パス・パレード)』を仕掛けられてしまい、ダンジョン内で遭難する。何とか中層の安全階層(セーフティポイント)である18階層にまで辿り着き、そこで「遠征」から帰還中であった【ロキ・ファミリア】に助けられ、自分たちの救出に来たヘスティア達とも合流する。
【ロキ・ファミリア】と別れた後は、自身の活躍を妬んでいたモルド達と一悶着を起こす事になってしまい、その場はヘスティアが『神威』を発動して騒動を収めるも、神の気配を感じ取ったダンジョンが『漆黒のゴライアス』を産み落とすという異常事態が起きてしまう。襲い掛かる『漆黒のゴライアス』を倒すため、モルド達や街に滞在していた冒険者達と共闘し、自身のスキル【英雄願望】の一撃で『漆黒のゴライアス』を討伐する。
地上に帰還からほどなくして、ベルを欲した【アポロン・ファミリア】の主神アポロンから『戦争遊戯』を申し込まれてしまい、この事態を打開する為にベルは短期間で強くなる事を決意し、事情を知ったアイズとティオナから戦闘訓練を受ける事となる。そして行われた【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』では、パーティを組んでいたリリとヴェルフ、そして【タケミカヅチ・ファミリア】の命が【ヘスティア・ファミリア】の正式に入団した事と、リューが助っ人として参加してくれた事もあって戦力差を覆し、最終的にベルが団長のヒュアキントスを撃破した事で『戦争遊戯』に勝利する。また、この戦いでベルはLv.3にランクアップした。
新たな拠点である『竈火(かまど)の館』に引っ越しして間もなく、【イシュタル・ファミリア】の拠点である歓楽街にて、狐人(ルナール)の少女春姫と出会う。彼女が【イシュタル・ファミリア】の主神イシュタルに生贄にされそうになっていると知り、彼女を救うべく【イシュタル・ファミリア】と戦う事を決意。最終的に【フレイヤ・ファミリア】の介入もあって【イシュタル・ファミリア】は壊滅し、自身も「ケジメ」をつけに現れたアイシャとの戦いに勝利する。春姫の救出に成功した後は、彼女を【ヘスティア・ファミリア】の新たなメンバーに迎える事になった。
アレス率いる『ラキア王国』がオラリオを攻め込んできた際は、些細な事で喧嘩して館を出てしまったヘスティアがアレスに捕縛されてしまう。
ヘスティアを救出すべく、アイズと共にオラリオから出てベオル山地で追いつくが、乱戦の中でヘスティアやアイズと共に崖下の川へ落ちてしまい、付近にあったエダスの村で休息を取り、そこで神ブリギッドの眷族であった長老の最期を看取る。その後、互いの過ごす時間が異なる故にうまく向き合えなかった本心をヘスティアに語った事で彼女と仲直りし、オラリオへと帰還する。
第三部
ある日、リヴィラの街で冒険者依頼を受けたベルは、その途中モンスターでありながら知性と感情を持ったヴィーヴルの少女・ウィーネと出会う事になり、涙を流す彼女を放っておけず保護する事を決める。それを知った『ギルド』の主神ウラノスから強制任務(ミッション)を受けて、仲間達と共にダンジョン20階層にある『異端児の隠れ里』へと向かい、そこでウィーネと同じ『異端児』であるリド達と出会い、彼等と交流を経る事になる。
しかし、『異端児』を自分達の欲望を貪る為の道具として利用していた、ならず者集団【イケロス・ファミリア】によって、異端児のラーニェ達が惨殺された上にウィーネが連れ去られてしまい、それによって激怒した『異端児』達が【イケロス・ファミリア】の報復のために、暴走する事態となってしまう。事態を聞かされたベルは『異端児』の暴走を止める事を決意し、偶然手に入れた『ダイダロス・オーブ』を使って、フェルズと共に【イケロス・ファミリア】が拠点としている『人造迷宮クノッソス』を見つける事に成功する。
そこで待ち受けていた【イケロス・ファミリア】団長のディックスの呪詛によってリド達が同士討ちを始めてしまい、更には額の宝石を剥ぎ取られたウィーネも暴走してしまう。それでも彼らを見捨てる事なく戦う事を選び、そんなベルの姿を見た事でリド達も正気を取り戻し、彼らと共に【イケロス・ファミリア】を追い詰める。
だが、ディックスの最後の悪あがきによって暴走してしまったウィーネが地上へ誘導されてしまい、ウィーネがオラリオ中から狙われる事態になってしまう。我が身可愛さにウィーネを見捨てるか、オラリオ中を敵に回してでもウィーネを救うべく行動するかという、最悪の二択を迫られるも、どうしてもウィーネを見捨てれらなかったベルはオラリオ中を敵に回してでも彼女の為に戦う事を選択。最終的にフェルズの蘇生魔法もあってウィーネを救う事には成功するも、この一件で「利己的な理由で都市を危機にさらした恥知らずの冒険者」という汚名が広がってしまう。
実質的にオラリオの人々の殆どを敵に回してしまい、自分を慕っていた孤児院の子供達からも「裏切り者」呼ばわりされてしまった事で、かつて無いまでに精神的に追い詰められる事態となってしまうが、シルに励まされ、少しずつ立ち直った末、地上に残された異端児達をダンジョンに帰還させる事を決意する。
僅かながらも心強い協力者達を得て、ヘルメスに渡された『ダイダロスの手記』の情報を元に、異端児達のダンジョンへの帰還作戦が開始される。その途中、頑なに異端児を殲滅しようとするアイズと対峙するも、ベルがどんなに傷つこうとも信念を貫いた事と、ウィーネがベルの為に覚悟を見せた事もあって、アイズは戦意を失いその場を見逃される。その後、合流した異端児の一部と共にウィーネを無事にダンジョンへと逃がす事に成功する。
しかし、まだ地上に残っている異端児がヘルメスの謀略によって窮地に陥り、彼からベルの汚名返上の為に生贄になる事を強要されてしまう。グロスと一部の異端児がこれを承諾し、衆目の中でベルに討たれる為に、我を失ったふりをして地上で暴れまわる。それを止めるべくベルはグロスと激突する事になるが、グロスを信じる事を選んだベルは武器を収め、そんなベルの姿を見たグロスも攻撃を止める。
事態が硬直したその時、かつてベルと死闘を演じた片角のミノタウロスの生まれ変わりであるアステリオが乱入し、彼から再戦を申し込まれる。頭では再戦を受けている場合ではないのを理解しながらも、傷だらけになりながら自分の前にやってきたアステリオスの願いを背くことは出来ず、ベルはこの再戦を承諾。アステリオスの歓喜の咆哮と共に二人の再戦が始まる事となる。
二人の雄々しい死闘に全ての者が見惚れ、同時に強大な力を持つアステリオスに臆するなく立ち向かうベルの姿に悪意も失意も消えていき、オラリオ中にベルへの声援が轟く事となる。幾つもの思惑が重なり、悲劇の結末へと向かい続けた醜悪な舞台は、ベルの信念とアステリオスの願いが創り出した『英雄回帰』の舞台によって覆される事となるのだった。
最終的にベルとアステリオスの再戦は、圧倒的な力を発揮したアステリオスが制し、ベルの完全敗北で勝負は終える。戦いの後、止めようの無い無力感と敗北感が駆け巡ったベルは、悔しさのあまり声を上げて泣くのであった。
この戦いでの敗北は、新たに憧憬以外の目標を見出し精神面でも大きく変化する切っ掛けとなり、ファミリアの団長、パーティのリーダーとして仲間達を先導し、英雄の素質を掴み取った、器を示したと評される程にまで成長していく事になる。
第四部
前半期
地に堕ちた名声を取り戻し、Lv.4になった際には新しく【白兎の脚(ラビット・フット)】という二つ名を授かる。
初のダンジョン遠征では、『強化種』のモス・ヒュージの襲来、『闇派閥』の残党であるジュラとの交戦、『ジャガーノート』との死闘、ダンジョン深層でのサバイバルなど、異常事態(イレギュラー)が立て続けに起こり幾度も窮地に陥るも、リューとの協力や『異端児』の救助もあって、無事地上に帰還する。
遠征から帰還して間を置かず、外伝『ソード・オラトリア』のオラリオ崩壊を目論む『エニュオ』との最終決戦『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』に、【ヘスティア・ファミリア】のメンバーと共に参戦する。『エニュオ』に捕まった人質の救出部隊に遅れて参戦し、圧倒的な強さで食人花や晶黽(ヴァルグ)等のモンスターの群れを一人で殲滅。そして、『エニュオ』の切り札であった邪竜ニーズホッグと対峙し、フルチャージした【英雄願望】の一撃でニーズホッグもろともエニュオの計画を粉砕する。この時鳴り響いた【英雄願望】の大鐘楼の音色は、クノッソスで戦っていた全ての冒険者を奮起させ、各部隊の戦いを勝利に導いた。
『エニュオ』は当時の二大派閥だったゼウスとヘラが消えた15年前からオラリオを破壊する計画を立て、障害として【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】【イシュタル・ファミリア】(作中で消滅したため代わりに『闘国(テルスキュラ)』が穴埋めとして参戦)【ヘファイストス・ファミリア】【ウラノスの私兵・異端児】の六つの戦力を予想していたが、わずか半年前に冒険者になったベルの存在はエニュオの計画を大きく狂わせ、その事がオラリオひいては世界を救う事に繋がった。
後半期
オラリオの二大祭の一つである『女神祭』が近づいてきたある日、シルから女神祭でのデートの誘いの手紙を受け取り、彼女への普段の恩返し(並びにヘディンに脅され…)の為彼女とデートする事になる。そして、『女神祭』当日にシルから真剣に告白されるも、憧憬であるアイズへの想いもあってベルは彼女に「ごめんなさい」と告げた。しかし、ベルに振られた事でシルは、もう一つの姿である美の神フレイヤとして動き始め、本気でベルを奪う事を決める。
シルを拒絶した罪悪感に苛まれるが、シルが店に来ていないことを知ったベルはリューと共に彼女を探しに向かうが、フレイヤが眷族達に【ヘスティア・ファミリア】への襲撃を命じ、二人の前に立ちはだかったオッタルにベルとリューはなすすべもなく倒される。そして、ベルが気を失っている間にフレイヤは、自身の『魅了』の力を使って「ベルは最初からフレイヤの眷族」という記憶の改竄をオラリオ中に施し、オラリオ住民からベルの「ヘスティアの眷族」としての記憶を全て消去する。
翌日、ベルが目を覚ましたら状況は一変し、自分は最初から【フレイヤ・ファミリア】の一員だと聞かされる。「自分はヘスティアの眷族」と主張しても周りから「ベルは最初からフレイヤの眷族」と言い返され、【ヘスティア・ファミリア】や今まで関わって来た人々からも他人行儀されるという周囲の反応に愕然とする。今まで関わった全ての人物に忘れられてしまった事に加え、【フレイヤ・ファミリア】の幹部達に何度も死ぬ寸前まで『洗礼』を受ける日々を送った事で、かつてない程心身が摩耗し、自分でも「ヘスティアの眷族」として過ごした記憶は偽りなのではないかという疑念を抱くようになってしまう。
しかし、『豊饒の女主人』でミアに発破をかけられ、最後の拠り所であった『憧憬』のアイズと会いに行く事を決める。そして、彼女が朧気ながらベルとの思い出を覚えていた事で、自分の今までの軌跡は本物だったと確信したベルは、「【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネル」として再び立ち上がる。その日の夜、ヘルンとの会話で『シル・フローヴァ』と『フレイヤ』が同一人物である事と、フレイヤがベルを手に入れる為に大切なものを全て捨てようとする自分自身の行動に悲しんでいる事を知り、彼女を助ける為に戦う事を決心する。
フレイヤと対峙して互いの想いをぶつけ合っている最中、ヘスティアの権能によってフレイヤの『魅了』が解除され、オラリオ中に「ヘスティアの眷族」としてのベルの記憶が戻る事になるが、この状況になってもベルを諦めきれないフレイヤは、ベルを賭けての『戦争遊戯』を提案する。ベルもこれを承諾して自分が勝ったらフレイヤに「『本当の貴方』を教えてください」と要求する。こうして【ヘスティア・ファミリア】を中核とした派閥連合と【フレイヤ・ファミリア】による史上最大の『戦争遊戯』である『派閥大戦』が執り行われる事が決まる。
【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』に備えてベルは遂にLv.5へのランクアップを果たし、最速記録で第一級冒険者への仲間入りを果たす事になる。また、『派閥大戦』の参戦を禁じられた【ロキ・ファミリア】だったが、参戦以外の協力までは禁じられていないため、特訓を買って出たヒリュテ姉妹と鍛錬を行い、ランクアップによる『肉体と精神のズレ』を開戦前に直した。
開戦後は単独で【フレイヤ・ファミリア】本陣を目指すが、向かう途中で独断で待ち構えていたLv.4のヴァンと交戦。Lv.5にランクアップしたベルの敵ではなく難なく倒すが、直後にオッタルが現れ、彼と一騎打ちを行う事になる。都市最強の冒険者である彼に敵うわけもなく蹂躙され続けるベルだったが、Lv.6に連続昇華したリューと【フレイヤ・ファミリア】元団長であるミア、そしてフレイヤを『女神の軛』から解放する為に離反を決意したヘディンも参戦し、彼女たちと共にオッタルに戦いを挑む事になる。
スキル【戦猪招来(ヴァナ・アルガンチュール)】を発動させ、『獣化』した事によってLv.8相当の力を発揮したオッタルの前に幾度も圧倒されるも、春姫の【ウチデノコヅチ】とヘディンの付与魔法【ラウルス・ヒルド】による二重強化を受けたベルはオッタルと渡り合う。
最終的にヴァンから教わった駆け引きでオッタルの体勢を崩す事に成功し、そこにミアの拳とリューの魔法、そしてベルの渾身の【英雄願望】の一撃を叩き込み、遂に都市最強の冒険者オッタルを降すことに成功する。
オッタルに力を認められ、フレイヤの元に向かうベルだったが、途中で【フレイヤ・ファミリア】の幹部達の中で唯一生き残っていたアレンに見つかり、彼と『派閥大戦』の勝敗を賭けた最終闘走を繰り広げる事になる。都市最速の冒険者であるアレンに本来なら敵う筈などなかったのだが、春姫とヘディンの魔法によって強化された『敏捷』に加え、発展アビリティ『逃走』が発動した事で、下界最速の冒険者と化したベルがアレンを突き放す。あまりのベルの速さに魔法を使う事を決意するアレンだったが、ベルの救援に駆け付けたヴェルフの対魔力魔法【ウィル・オ・ウィスプ】と魔剣の力に敗れ戦闘不能になる。
全ての障害を乗り越え、遂にフレイヤと対面するベル。「女神」としてのプライドをかなぐり捨てる形で自身への愛を必死に叫ぶフレイヤに対し、「貴方の『恋』を終わらせる事しか出来ない」と自分の想いを告げ、彼女の胸に飾られた「紫丁香花(ライラック)」を散らせる形で戦いを制する。
『派閥大戦』終結後、オラリオを後にしようとするフレイヤだったが、そんな彼女の元にベルと【豊饒の女主人】の店員たちが訪れる。フレイヤが二度と間違わないように彼女の『騎士』としてずっとそばで守り続ける事を誓うベル。そんなベルの言葉に、遂にフレイヤも「女神をやめてみんなの側でシルでいたい」という本当の自分を見せる。こうして、フレイヤを抱え続けた孤独感と虚無感から救い、彼女の心を救う事に成功した。
第五部
【フレイヤ・ファミリア】との絶望的な戦いを制すに至ったベルだったが、その代償も大きく、オラリオ二大派閥の一つを解体に追い込んでしまった事での外界への影響は計り知れないものとなっていた。
ベル達が『豊饒の女主人』で祝勝会を行っている中、リューに呼び出されてファミリアへの入団希望を受け、後日みんなにもそのことを教えてリューの入団を快く受け入れる。
エイナに「リュー・アストレア」の入団を伝え、エイナからはファミリアがランク「B」になったことを知る。そんな中、『学区』の巨大浮遊艦である『フリングホルニ』が三年ぶりにオラリオに訪れ、学生達の中から新たなファミリアの眷族達を勧誘する一大イベント『眷族募集(リクルート)』が行われていた。エイナから息抜きを提案されて一緒に浮遊艦が停泊しているメレンに行くが、そこでベルはヘルメスに拉致され、そのまま強引に『飛翔靴(タラリア)』と『漆黒兜』で一緒に『フリングホルニ』へ無断侵入する羽目になり、すぐに侵入と素性がバレて学生達に追われてしまう(しかも、生徒達に顰蹙を買い幻滅されてしまう)。
追われている中、【バルドル・クラス】の主神兼『学区』の校長であるバルドルがいる部屋に偶然逃げ込んで彼に匿ってもらうことに(ちなみに、ヘルメスも先にいた)。さらにバルドルに見込まれる形で、『学区』への入学を打診される。一旦はファミリアに戻ってみんなと相談し、面倒事に巻き込まれたと自覚しつつも好奇心から入学を希望し、ヘスティアもそれを認める。
なお、素性がバレているため、魔道具で茶髪の兎人(ヒュームバニー)に変装し、赤い瞳は前髪をのばして隠し、改めて兎人の「ラピ・フレミッシュ」として、『学区』に入学し【バルドル・クラス】に編入した。
その際、ハーフエルフの少女でエイナの妹のニイナ・チュールが『学区』の案内などを任されることとなる。
学校生活では、Lv.1として振舞うこととなり、バレないように四苦八苦していたが、今まで師事したアイズ、リュー、ヘディン達から教わったことの反対の言動をすることで誰からも第一級冒険者だと気付かれることは無かった(ただし、外伝ではレフィーヤに「かなり『できる』」と勘付かれている)。また、魔法を使った時に誤魔化そうとしてうっかり【ウィル・オ・ウィスプ】の詠唱をして魔力暴発(イグニス・ファトゥス)を起こしたことで、イグリンに「超素人(ドベ)」と呼ばれてお荷物扱いされる。
その後、教師でLv.7のレオン・ヴァーデンベルクの依頼で、ニイナが率いる『おちこぼれ小隊』『歴代最低辺の小隊(ワースト・パーティ)』として悪名高い『第三小隊』に加わり、五人一組という形で『特別(ダンジョン)実習』を挑む事になる。ラピはサポーターとして同行するが、小隊の戦い方が前衛のドワーフのイグリン、黒妖精(ダークエルフ)のレギ、小人族(パルゥム)のクリスがそれぞれ勝手に暴れて戦い、後衛のニイナが彼らに治癒魔法などで支援するという「四人のパーティ」ではなく「四つのソロの集まり」のような協調性が非常に乏しい小隊の酷い実態を知る。全員Lv.2のため個々の力はあったものの、連携の無さと考え無しに上層を突き進む無鉄砲さにこのままではダンジョンで全滅すると評していた。
レオンにレポートを提出した時に彼もベルと同じことを考えており、ベルを第三小隊に加えたのも「ベルを『学区』で学ばせる『交換条件』として第三小隊の面倒をみる」というヘルメスとの取引があったためであり、ベルが彼らを成長させることを期待していた。また、レオンはベルに前衛の三人の他にニイナも問題を抱えていることを教える。そして、どこまで行けるかと問われた時にベルは12階層が限界と予想し、その予想通りに12階層で課題の一つであるインファント・ドラゴンに苦戦して停滞してしまう。だが、ラピはサポーターとして後方から小隊のみんなを観察していたことで作戦を立案し、地形とそれぞれの最適の役割、そして自分の経験をもとに作戦を展開し、難なくインファント・ドラゴンの討伐及び目的のドロップアイテムの獲得に成功。この一件で小隊のみんなに認められる(ついでに「迷宮オタク」という異名も付けられる)。
帰還後、『ギルド』本部で換金した帰りにエイナがニイナを発見して声を掛けるが、ニイナは逃げ出してしまう。その後、ベルに戻ってエイナに事情を聞いて、ニイナに嫌われていると落ち込むエイナに、普段のニイナの人柄を知るベルはそれを否定し彼女を励ます。
『派閥体験(インターン)』として【ヘスティア・ファミリア】に戻ってベルとして冒険もしていたが、仲間の戦い方に対して的確な指摘を出来るようになり、『学区』での経験が活かされ戦術眼が発揮するようになる。
それからはラピが『第三小隊』の中心となって小隊をまとめるようになってから次第にみんなの成績も上がり、より一層信頼されるようになる(ついでにゴブニュから合格をもらえない『鍛冶学科』の生徒達に彼らが打つ『機構武装』の欠点を冒険者視点から指摘して改善点のヒントを与えた)。その後、小遠征で15階層を目指すことになったが、15階層の『岩窟の迷宮』を中心に起こった崩落に巻き込まれる。半年前の自分と同じ状況となり、ニイナが地上への帰還を目指すか留まって救助を待つのかを決めかねている中、ラピは「安全階層」の18階層へ向かうことも提案し、ニイナは18階層へ向かうことを決める。道中、ミノタウロスの群れが急襲してニイナを襲おうとしたのを助け、そのまま群れを一掃したことで、ニイナ達を驚愕させる(その際、Lv.2にランクアップしたと誤魔化した)。
なんとか17階層にまで到達するも、そこで前回と同じく階層主のゴライアスが生まれて急いで18階層へ向かったが、転倒したクリスを助けたことでゴライアスの剛腕が迫る。だが、ベルは脚に付与した一秒の蓄積による瞬間的爆速で小隊まとめて出口に突撃し、どうにか切り抜ける事に成功している。
リヴィラの街に着くと、ニイナ達は『学区』の生徒を嫌っているボールスと一悶着を起こしていたが、ボールスにこっそり自分の素性を明かして便宜を図ってもらったことで野営道具を手に入れて一息付いていた。その際、互いに『夢』を語り合っていた(ラピは【ロキ・ファミリア】に入団することと誤魔化した)が、ニイナは『夢』を持っていないと打ち明けられる。
その日の夜、見張りをしているニイナのもとへ行き、彼女から『夢』が無い理由や姉から逃げている自分の惨めさなど彼女が抱えている問題を知る。だが、ラピは彼女に寄り添い、ニイナのおかげで学ぶ楽しさを知ったことやニイナによって多くの人が助けられていることに感謝していると励ます。
その後、『修学旅行』と称して『水の迷都』を見せるためにボールス達を護衛に雇って下層へ行くが、そこで稀少種のブルードラゴンと交戦。正体を明かせない状況と遠距離の攻撃手段がないため苦戦し、逃げ遅れたイグリンを庇ってブルードラゴンのブレスを浴びてしまう。このまま我慢比べとなるが、ニイナが自分を助けるために稀少魔法【ラグリエル・クリスヘイム】で状態異常と身体の負傷が全快する。そのニイナの献身に応えるために本気を出してブルードラゴンを圧倒して最後は【聖火の英斬】で討伐に成功。この時の雄姿を見たニイナは「冒険者となってラピ(ベル)の隣に立って色んな景色が見たい」という『夢』を抱くようになる。だが、ブレスによって変装の魔道具が壊れてベル・クラネルとバレてしまう。
ベル達はそのまま18階層に戻るが、そこに同じく崩落事故に巻き込まれていた『第七小隊』と救援に来たアイズ達と合流する。そこに、『学区』の卒業生で『第七小隊』の『教導者(インストラクター)』を務めていた何処かの【千の妖精(サウザンド・エルフ)】に詰め寄られ、さらにブルードラゴン討伐の雄姿を見た影響でニイナがベルに熱い視線を向けているのに気付いた彼女が『イラァ』とした結果、『万年発情兎』と罵られる形で激おこされる羽目になった(この時期の彼女は、自分らしさを失っていた状態であった為、いつものやり取りを見たアイズやティオナ、ティオネの三人は喜んでいる)。
その後、バルドルとレオンに正体がバレてしまったことを謝罪するが、ニイナ達を大きく成長させて「期待を超えてくれた」と予想以上の成果に感謝される。レオンからは「今度は『俺』が君と冒険をしてみたい」と約束を取り付けられる。
ちなみに、本来は一時的な偽装処置のはずが、『学区』の一人の生徒としてしっかり登録(ステイタスや魔法などは適当)されており、いつでもベルを生徒として呼び戻せる準備が整えられている模様。
能力
速度と手数を重視した短剣二刀流の剣技に、持ち前の脚の速さを組み合わせた『敏捷』特化の戦闘スタイル。そこに高い利便性・応用性を持った魔法【ファイアボルト】とスキル【英雄願望】を加える事で、多くの強敵を打破している。また、大型級モンスター等を相手にする場合、短剣ではリーチと威力が足りないので、他の冒険者から大剣を借りたり、その場に落ちている冒険者達の遺品となる武器等を使用する事もある。
ステイタスは成長促進系スキル【憧憬一途】の効果で全アビリティがSどころかSSやSSSの領域までたどり着くので、身体能力の潜在能力(ポテンシャル)は冒険者の中でも最高峰と言っても過言ではなく、同Lv.帯はおろかLv.が一つ上の相手とも渡り合えるほど高い身体能力を有している。特に足の速さに関しては天性の素質もあって、ヒューマンの身でありながら獣人を凌ぐ程の敏捷性を誇る。Lv.5になった現在は、Lv.4以下の動きなら遅く感じるほど動体視力と反射神経も高くなっている。
ステイタスに依存しないよう、技や駆け引きの鍛錬も欠かさず行っており、アイズやリューといった実力者たちに実戦方式で戦い方を教わる事もある。素直で純粋な性格をしているので、周囲からもらった助言をすぐに吸収して、戦闘に生かす事が出来るのも強みの一つ。ちなみに、アイズに戦い方を教わっている事や憧れている事もあってか、戦い方が彼女に似ているらしく、作中で【イシュタル・ファミリア】のフリュネや【ロキ・ファミリア】のメンバーが、戦闘時のベルの動きにアイズの姿を重ねていた。
また、生来の臆病な気質に加え、物語序盤からフレイヤに観察され続けた事もあって、人の視線に非常に敏感になっており、姿や気配を隠していても視線をこちらに向けているなら、相手の位置や自分に向けている感情を察する事が出来る。このような感覚の鋭さと短期間の内に多くの修羅場を潜り抜けた事もあって第一級冒険者になった頃には個人の『視野』はほぼ完成され、敵の誘導や死角からの対処も可能なっていたベルだが、『学区』のダンジョン実習においてサポーターの経験を積んだ事で、パーティ全体にまで『視野』が広がり、戦況に応じてパーティに必要な行動を選択できるようになるなど、より優秀なリーダーとして成長しつつある。
世界最速兎(レコードホルダー)
眷族がランクアップするには、アビリティの基本項目が一つでもD以上である事と、格上の敵の打倒や死地を乗り越えるなどの偉業の経験値(エクセリア)を獲得する事が必要だが、自分のアビリティを上限まで鍛えるのも、偉業の経験値をランクアップ可能になるまで習得するのにも、どんなに努力しても本来なら年単位は必要。
しかしベルの場合、成長促進系スキル【憧憬一途】の効果で1~2ヶ月もあればアビリティがSSやSSSの領域までたどり着く事と、自分の信念や助けを求める誰かの為に次から次へと襲い掛かってくる陰謀、死線、困難、修羅場に対しても逃げる事なく真っ向から立ち向かうので、偉業の経験値も凄まじい速度で獲得していく事になる。その結果、冒険者になって1年でLv.2になれば規格外の天才扱いされるこの世界で、冒険者になってわずか半年でLv.5になるという神時代屈指の成長を遂げる事となり、ランクアップの世界最速記録保持者『世界最速兎(レコードホルダー)』として世界中に名を轟かせることになった。
但し、短期間で急速にランクアップし続けた事による欠点もある。通常、ランクアップには上述のように相当の年月が掛かり、その分経験や場数を積み重ねていく事にもなるのだが、ベルの場合は、皮肉にも短期間でのランクアップが原因で、その経験や場数がLv.に対して足りないと言う弊害があり、作中でベルの修行相手を務めたヘグニも「理不尽の経験」と「不条理の場数」が足りないと称していた。
もっともこの欠点を補うだけの勝負強さと成長速度をベルは有しており、ベルに関わった第一級冒険者達もこの点は高く評価している。『メモリア・フレーゼ』のイベント『アエデス・ウェスタ』で対峙したエピメテウスは、戦いの中で限界を超えて強くなっていくベルを『古代の英雄達』と同類と見なしていた。
覚醒
このように規格外の成長を遂げたベルだが、ゼウスはベルの事を「素質が圧倒的になく、およそ大成する器ではない」と断言し、作者もTwitterで「神をプレイヤーとし、眷族をガチャキャラに例えるならアイズやリューはSSSRに対しベルはRぐらい」と発言するなど、実は才能に恵まれていたわけではない。そんなベルの本編でのデタラメな成長速度について作者は、「ベルが出会いという名の特定イベントを達成したことにより、プレイヤーを阿鼻叫喚のどん底に突き落とすバグカードになってしまった」と述べている。
余談だがゼウスは、才能がないと思っていた義孫が冒険者になって一ヶ月半でランクアップしたと聞いた時は、茶を噴き出すぐらい驚いたらしい。幼少期のベルに「ダンジョンに出会いを求めろ」と教えていたゼウスだが、まさか本当にダンジョンでの出会いがベルを覚醒させるとは流石のゼウスも想像できなかっただろう。
ベル自身も自分に才能があったとは思っておらず、出会いに恵まれ、多くの人に助けられたから強くなれたと思っている。ちなみに眷族がスキルを発現するには、心身に影響を与えるほど強い想いを抱く事が必須だが、ベルのスキルは自身のルーツである【英雄願望】を除くと、出会いの中でも自分に強い影響を与えてくれた者達への想いが由来となって発現している。
逃げ足
物語冒頭で『ミノタウロス』から逃げている事から始まり、その後も『シルバーバック』、【アポロン・ファミリア】、【イシュタル・ファミリア】など、ベル・クラネルの物語は逃走の歴史でもあった。その為、戦闘とは別に逃げる為の技術も高くなり、Lv.4のランクアップ時には発展アビリティ『逃走』が発現している。
上述にある通り、足の速さは元々同Lv.帯の中でも最上位の持ち主であるベルだが、逃走時は発展アビリティ『逃走』の効果で更に足が速くなるので、逃走態勢に入ったベルを捕まえるのは至難の業。また、逃走中に周りの地形を利用する事も得意で、実際Lv.1の時にLv.3のレフィーヤから地形を生かして逃げ延びた事がある。
【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』で、都市最速の冒険者であるアレンとの闘走を経験して以降は、単純な追いかけっこなら誰にも負けないと自信ではなく事実として捉えるようになっている。
必殺技
- 聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)
アステリオスとの再戦の後にベルが編み出した必殺技。魔力伝導率の高いミスリル製の武器である《ヘスティア・ナイフ》に速攻魔法【ファイアボルト】を放ち、拡散する前にスキル【英雄願望】を使用して、斬撃と魔力を『二重収束(デュアルチャージ)』する。
発動すると《ヘスティア・ナイフ》に炎雷が集束され、炎がまるで刀身のように長く伸び、炎熱の刃と化す。その鐘の音と共に放たれる炎の斬撃は文字通り必殺と呼べるだけの威力を有しており、目の前に立ちはだかる全ての壁を打ち砕いている。
技名の『アルゴ』は英雄譚の主人公『アルゴノゥト』から。『ウェスタ』は主神ヘスティアのもう一つの名で『燃え続ける聖火(ほのお)』を意味する。
不滅の白き炎は時を超克して、再び心を照らす。
ステイタス
Lv.1(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1091 | SS1019 | SS1098 | SSS1337 | SS1001 |
Lv.2(最終判明ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1088 | SS1029 | SS1094 | SSS1302 | A883 |
幸運 | ||||
I |
Lv.3(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SS1127 | SS1126 | SS1131 | SSS1477 | SS1009 |
幸運 | 耐異常 | |||
H | H |
Lv.4(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
SSS1379 | SSS1501 | SSS1383 | SSS1442 | SSS1251 |
幸運 | 耐異常 | 逃走 | ||
F | G | I |
Lv.5(原作18巻時点)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
G222 | F340 | G245 | F311 | I98 |
幸運 | 耐異常 | 逃走 | 連攻 | |
F | G | G | I |
※Lv.1とLv.3の最終ステイタスは、アニメ1期9話とアニメ4期1話で判明。
スキル
- 憧憬一途(リアリス・フレーゼ)
アイズとの出会いを経て発現したスキル。効果は『早熟する』『懸想が続く限り効果持続』『懸想の丈により効果上昇』。一言で言えば、憧憬であるアイズを想えば想うほど成長が速くなるスキル。その成長速度をヘスティアは「成長ではなく飛躍」と称し、ステイタスの限界とされたSを超えてSSやSSSの領域にまで届く。副次効果として『魅了(チャーム)』への耐性が存在し、本来なら防御不能な『美の神』の魅了すら耐える事が出来る。
因みに神々がベルに興味を持って玩具にされてしまう恐れとアイズへの嫉妬から、隠し事が下手なベルに、ヘスティアはこのスキルの存在を伝えていない。後にファミリアに移籍してきたリリ達他の団員には、ベルの異常な成長速度の理由を問い質された事で白状した。また、一時【フレイヤ・ファミリア】にいた時に、フレイヤにも知られる事となる。フレイヤ曰く、このスキルはベルの一途さだからこそ盤石たりえるもので、少しでも憧憬を疑えば効果が発揮されず、他の者では即刻無用の長物と化するほど厄介で脆いスキルと推察している。
IFストーリーでは、ヘファイストスやヘルメスも知る事となるが、ヘファイストスはヘスティアがこのスキルの存在を隠すのも無理はないと納得し、ヘルメスは驚嘆のあまり大笑いした。
- 英雄願望(アルゴノゥト)
片角のミノタウロスとの決闘の最中に、英雄になりたいという願望を抱いた事で発現したスキル。効果は『能動的行動に対するチャージ実行権』。より詳しく説明すると、体力と精神力を対価に必殺技の威力を上げる事が出来るスキル。発動条件は英雄を思い浮かべる事。チャージする時間によって威力は跳ね上がるが、その分体力と精神力の消耗が激しく、乱用は出来ない。チャージは1ヶ所だけで、同時2ヶ所以上のチャージは不可能。Lv.2~3の時の最大蓄積時間は3分までが限界だったが、Lv.5になった現在は5分にまで増えた。
使用すると鐘(ベル)の音が響き渡るが、チャージが一定以上になると『限界解除(リミット・オフ)』され、鐘の音が大鐘楼(グランドベル)の音に変化する。この時、鳴り響く大鐘楼の荘厳な音色は、周囲の者の戦意を高揚させる効果を持つ。
- 闘牛本能(オックススレイヤー)
アステリオスとの再戦を経て発現したスキル。効果は『猛牛系モンスターとの戦闘時における、全能力の超高補正』で、猛牛系のモンスターと交戦する際は、Lv.を超えた戦闘能力を発揮できる。Lv.2の頃から『闘牛殺し(オックススレイヤー)』の異名を持っていたベルだが、このスキルの発現で名実ともに『猛牛と戦いし者(オックススレイヤー)』の名を冠することとなった。
- 美惑炎抗(ヴァナディース・テヴェレ)
暴走するフレイヤを救いたいという想いから発現したスキル。効果は『処女の加護(ヘスティア・ディパル)』『魅了効果侵犯時に発動。全能力値(アビリティ)に超高補正』『体力及び精神力(マインド)の自動回復(オート・ヒール)』という対魅了特化型スキル。スキル名こそ『美の神』であるフレイヤが由来となっているが、スキル効果自体は『処女神』であるヘスティアの加護となっている。
発展アビリティ
- 幸運
現状ベルのみに発現が確認されてる『レアアビリティ』。ギルドの記憶にない為、詳細な効果は不明だが、「クエストで探していたアイテムをすぐに見つける」「モンスターのドロップアイテムが落ちやすい」「特に経験がないカジノでバカ勝ちしてしまう」等、文字道り運が良くなるアビリティのようである。またヘスティア曰く『加護』のような力を有しているらしく、その影響かカサンドラの誰にも信じてもらう事の出来ない呪いのような効力が作用する予知夢を信用するなどの効果を見せている。800年成功しなかったフェルズの蘇生魔法がウィーネに成功したのも、このアビリティの力ではないかと考察されている。
- 耐異常
状態異常の症状を防ぐ事の出来るアビリティ。効果は至ってシンプルではあるが、状態異常の攻撃を繰り出すモンスターと多数遭遇することになるダンジョン探索においては必須級と言われており、実際殆どの上級冒険者はこのアビリティを所有している。
- 逃走
逃走時における速度に対して高い上昇補正がかかる。Lv.4以降のランクアップでなければ発現しないので一応『レアアビリティ』なのだが、このアビリティが発現=多くの逃走劇を繰り返してきたという事なので、『不名誉な技能(アビリティ)』と言われてしまっている。派閥大戦の終盤では、都市最速の速度を誇るアレンからの逃走に役立った。
- 連攻
連続して攻撃を加えると、威力が向上するという攻撃系の発展アビリティ。
魔法
- ファイアボルト
『魔導書(グリモア)』によって強制的に発現した魔法。走る稲妻の様な爆炎を放つ。
詠唱を必要とせず魔法名を唱えるだけで放てる『速攻魔法』で、乱戦の際は大きな優位性を発揮する。素の威力と射程は抑えめで格上相手だと牽制程度にしかならないが、スキル【英雄願望】によるチャージと掛け合わせることで、魔導士の長文詠唱魔法にも匹敵する大火力に変貌を遂げる。さらに発動の際に手に持っている武器や道具、体術等と併用する事で、それらに更に強烈な必殺性を持たせる事も出来る為、大ボス級の強敵への決め技に使われる事も多い。このように利便性・応用性に富んだ魔法で、周囲の冒険者たちからは反則技と称されている。
※ベルの魔法スロットは一つなので今後新たな魔法が自然に発現する事はないが、質のいい『魔導書』を使えば一定確率で魔法スロットが一つ拡張するので、ベルに新たな魔法が発現する可能性が消えたわけではない。特にベルの場合、発展アビリティ『幸運』があるので成功する可能性は高いと思われる。
装備
- 短刀
ギルドから支給された初期装備。
現在はベルが初心者の頃、世話になった鍛冶屋「雛鳥の鉄床」店主ダルドが買い取り、店の奥に飾られている。
- ヘスティア・ナイフ(神様のナイフ)
※リンク先参照。
- シュワイザーデーゲン
両刃短剣(バセラード)。価格は値切り済みで19000ヴァリス。リリが《ヘスティア・ナイフ》を盗む際、せめてもの置き土産として渡した武器。9階層での片角のミノタウロスとの戦いで折れてしまった。
- 牛若丸(うしわかまる)
ミノタウロスのドロップアイテム「ミノタウロスの角」を、ヴェルフが加工したナイフ。別名「牛短刀(ミノタン)」。刀身は短いが、4~5巻時点では《ヘスティア・ナイフ》よりも攻撃力が高い。微量ながらも火属性が付与されている。
前に枕の下に入れて寝た時は激強の猛牛が夢に現れ、ベルは殺されかけたという逸話があったが、後にアステリオスとの再戦で正夢になる。
ベルにとって思い入れのある武器で、アステリオスとの戦いで砕けてしまった際は、心の中で感謝と謝罪を告げていた。
- 牛若丸弐式(うしわかまるにしき)
ヴェルフがLv.2に昇格した際に、残った「ミノタウロスの角」から製作したナイフ。ヘファイストスも認める第三等級武装。彼が習得した【鍛冶】アビリティの効果により、牛若丸とは一線を画する攻撃力を持つ。
クノッソスで【イケロス・ファミリア】との対決の際に紛失。ベルが後で拾いに行く意向は見せていたが結局の所、回収されたかは不明。
- 白幻(はくげん)
ヴェルフがユニコーンの『異端児』ユーノから譲り受けた「ユニコーンの角」を用いて作ったロングナイフ。大きさは《ヘスティア・ナイフ》と両刃短剣の中間ほどで、牛若丸を上回る切れ味を誇る。また、「ユニコーンの角」には解毒効果が備わっているので、《白幻》の刀身を突き刺せば毒を浄化することが出来る。
予想値段は1000万ヴァリス。
- 兎鎧(ピョンキチ)
ヴェルフが製作した軽装防具。ネーミングが非常に残念だが、防具自体は良く出来ており、ベルは一目見て気に入り持ち金の殆どをはたいて購入した。
ミノタウロスとの戦いで破損したが、再びヴェルフの防具を求めていたところに偶然本人と出会い、パーティを組むきっかけとなる。
Mk-IIからMk-Vまであり、Mk-Vはシリーズ最高の防御力と軽量化に成功した傑作。
- ゴライアス・マフラー
ベルの身を案じたカサンドラがヴェルフに頼み、リリの黒いゴライアスローブの余った部分を使って作成した防具。圧倒的攻撃力を誇るジャガーノートの破爪を防ぐほどの耐久力を有している。更に重量も非常に高く、これを利用しムチのように相手を薙ぎ払う、相手に巻き付けて自分に引き寄せるといった、今までにない中距離攻撃が可能となった。
- 身代わりの首飾り(仮称)
【アポロン・ファミリア】との『戦争遊戯』で舞台となる戦場へむかう直前にシルから渡された緑の宝石が埋め込まれた首飾り(アミュレット)。致命傷となる攻撃から身代わりとなって防いでくれる効果がある稀少な魔法具だが、効果は一回きりの使い捨てである。
ドラマCD『時を渡る道化師』では、ある人物を救うための重要なアイテムとなる。ちなみに、この時にヘルメスがその首飾りを「身代わりの首飾り」と称していた。
戦績と前代未聞の修羅場
上記の通りベルは【憧憬一途】のスキル効果でアビリティがSSやSSSの領域にまで辿り着くので、同Lv.帯では瞬く間に最上位の実力者に至るのだが、対戦相手のほとんどが格上で苦戦が多い。特にLv.3に昇格以降は、Lv.5やLv.6、そしてLv.7といった世界最強クラスの実力者達とも死闘を繰り広げており、乗り越えて来た修羅場を振り返ってみると冒険者になって半年足らずの少年が経験する事とはとても思えない。
本編とは別に『ソード・オラトリア』『劇場版オリオンの矢』『メモリア・フレーゼ』といった外伝でも過酷な戦いを繰り広げているベルだが、『ソード・オラトリア』ではオラリオ崩壊を目論むエニュオの切り札『邪竜ニーズホッグ』を討伐し、『劇場版オリオンの矢』では月の女神を吸収して世界を滅ぼす力を得た漆黒のモンスター『アンタレス』を打ち破り、『メモリア・フレーゼ』の4周年イベント『アエデス・ウェスタ』では世界に絶望したかつての英雄と戦って穢れた炎による世界焼失を阻止するなど、このように外伝の内容を含めれば世界を3回ほど救っている。
ちなみに、通常冒険者はランクアップした際にそれまでの活動記録をギルドに報告し、ギルドはそれをランクアップの参考記録にさせる為に他の冒険者たちに公開するのだが、ベルの冒険を参考にさせるのは危険すぎると判断されて一度も公開された事がない。ベルの活動記録をまとめたエイナは「修羅場しかないし、短期間でランクアップしたければ死んで来いって冒険者に言ってるようなもの」と評し、実際にベルの冒険をその目で見た他の冒険者たちも「あいつみたいな無茶したら死んじゃうだろ」と発言しており、周囲からも何で生きているのか不思議に思われている。
戦歴
- Lv.1
VS.シルバーバック『勝利』
VS.片角のミノタウロス『勝利』
- Lv.2
VS.巨靭蔓(ヴェネンテス)『レフィーヤとの共闘で撃破』
VS.モルド・ラトロー『ヘスティアの介入により中断』
VS.漆黒のゴライアス『多くの冒険者との共闘で勝利』
VS.ヒュアキントス・クリオ『敗北』
VS.ヒュアキントス・クリオ(二戦目)『敗北』
VS.ヒュアキントス・クリオ(三戦目)『勝利』
- Lv.3
VS.アイシャ・ベルカ『敗北』
VS.フリュネ・ジャミール『オッタルの介入により中断』
VS.アイシャ・ベルカ(二戦目)『勝利』
VS.リド『中断』
VS.ディックス・ペルディクス『リドとの共闘で追い詰めるも逃げられる』
VS.アイズ・ヴァレンシュタイン『ウィーネの覚悟で中断』
VS.アステリオス『敗北』
- Lv.4
VS.モス・ヒュージの強化種『勝利』
VS.ジャガーノート『リューとの共闘で勝利』
VS.ニーズホッグ『勝利』
VS.ヘグニ・ラグナール『リューの介入により中断』
VS.オッタル『完敗』
VS.Lv.1~4の強靭な勇士(エインヘリヤル)『勝利』
- Lv.5
VS.ヴァン『勝利』
VS.オッタル(二戦目)『リュー、ミア、ヘディンとの共闘で勝利』
VS.アレン・フローメル(速さ勝負で)『勝利』
ダンジョンに出会いを求めて
ゼウスの教育のせいで「女の子との出会いを求めて」という割と不純な理由で冒険者になったベルだが、生来の純粋さと優しさ、戦闘時に見せる雄々しく勇敢な姿、そして神々屈指の女好きであるゼウスに教え込まれた女性の扱いなど、これらの要素が重なった結果、冒険者屈指の天然たらしになってしまい、現在は種族問わず多くの女性から好意を抱かれている。
異端児編以降は精神的な成長もあってか女性への気遣いも無意識に向上しており、リリに「以前より女ったらしになった」と言われてしまっている。人や神はおろか、モンスターからも好意を抱かれるベルを見て、フェルズは「英雄色を好む・・・いや愚者は色を拒めず、か」と呟いている。もっとも、女性に対してかなり奥手で鈍感でもあるので、周囲からの好意に基本的に気づいていない。
ちなみに、ベル本人の好みは「金髪」「長髪」「エルフ」の女性だが、現状【ヘルメス・ファミリア】のローリエと、作中で伸びた髪を元の金髪へと染め直したリューが、この条件に当てはまっている。また、彼に惹かれている女性のほとんどが年上だが、ベル自身も年上の女性が好みらしく意識しやすい。
ベルに好意を抱いている女性
女神
- ヘスティア(数億歳)
天界にいた頃は色恋沙汰に全く興味がなかったが、ベルとは出会ってすぐに恋愛感情を抱くことになる。ベルに対して熱烈なアプローチをしており、貞潔を司る『処女神』とは思えない言動を見せることもある。ベルヘスも参照。
- フレイヤ(数億歳)
見た事のない透明な魂を持つベルに興味を持ち、シルの姿で接する内に彼に惹かれ、初めて恋を知ることになる。『派閥大戦』にて振られてしまうが、ベルの優しさと言葉に救われ、本当の願いは叶う事になった。
- アルテミス(数億歳)
オリオンの矢を抜き、漆黒のモンスター『アンタレス』に囚われた自分を救ってくれた。最期は「次にあったときは――一万年分の恋をしよう、ベル!」と言い残し、消滅する。
冒険者
- リリルカ・アーデ(15歳)
天涯孤独で誰からも必要とされなかった自分に手を差し伸べ、自身の心と命を救ってくれた。ベルリリも参照。
- サンジョウノ・春姫(16歳)
儀式の生贄にされるところを救ってくれたベルを自分の英雄として惹かれるようになる。ベル春も参照。
- カサンドラ・イリオン(18歳)
誰にも信じてもらえない予知夢を初めて信じてくれた事が切っ掛けで好意を抱くようになる。
- リュー・リオン(21歳)
元々無意識ながら惹かれていたが、深層で死地を共にし自分のために命懸けで戦ってくれた事で、完全に恋愛感情が芽生える。現在はベルの事になるとポンコツ行動を起こす、恋するポンコツエルフと化した。ベルリューも参照。
異端児
- レイ(20歳)
異形の存在である自分達のために周囲から非難されるのを覚悟で戦ってくれたベルに好意を抱くようになる。以降は彼に抱きしめられるのが夢になる。
- マリィ(14歳)
怯える自分の為にモスヒュージを倒してくれたことが切っ掛けでベルを好きになる。立場上にベルと滅多に会えないので、仲間達には度々ベルに会いたいと駄々をこねて困らせているらしい。
その他
- エイナ・チュール(19歳)
元々自分の好みのタイプだったが、アステリオスに敗北して悔しさのあまり男泣きするベルの顔を見て恋愛感情を認める。ベルエイも参照。
- ニイナ・チュール(13歳)
下層での『冒険』でベルの雄姿を見て憧れを抱くようになり、彼の隣に立ちたいという夢を持つようになる。
恋愛感情ではないが特別な感情を抱いている女性
- アイズ・ヴァレンシュタイン(16歳)
ご存じベルの憧れであり、意中の女性。アイズもベルの事を意識している模様で、現在はベルの事を考える時間が増えたらしい。フレイヤの『魅了』で記憶を改竄された際も、ベルとの思い出を完全に忘れることはなかった。ベルアイも参照。
- ティオナ・ヒリュテ(17歳)
ベルと片角のミノタウロスの決闘を目の当たりにした際に、自分の好きな英雄譚の主人公『アルゴノゥト』とベルの姿が重なり、彼のファンを自称するようになる。因みに彼女の好みのタイプは「ヒューマンの同い年以下の男」で、ベルと完全にマッチングしている。ベルの事をずっと見守り応援し続けることを約束している。
- ウィーネ(0歳)
ダンジョンで生まれ落ちて早々、人だけでなくモンスターからも襲われているところを助けてくれたベルに懐くようになる。明確にベルに好意を抱いているが、恋愛感情というよりは家族愛に近い感情で、ドラマCD『ファミリアでおままごと』によるとベルの事を父親と思っているらしい。
- アイシャ(21歳)
初対面の時から初心そうな雰囲気を気に入っていたが、アマゾネスの強い男性を気に入る性質から、後に自分を倒した雄として性的な意味で狙っており、ファミリア解散後は【ヘスティア・ファミリア】に入ろうともしていた。最近では心身共に成長したベルを見て、「そろそろ、食べ頃かねぇ」と密かに呟いている。
【フレイヤ・ファミリア】の治療師筆頭。自分の周りが団長のオッタルをはじめ対人能力が皆無な者ばかりなのに対し、それに比べれば素直で可愛いベルの事を、監視を差し引いても面倒を見てあげてもいいと述べている。フレイヤの『特別』だから手を出すつもりはないと言っていたが、気絶したベルに人工呼吸を名乗り出たこともある(悪ノリ?)。
- ペルセフォネ
【デメテル・ファミリア】の団長。ベルに農作業を手伝ってもらっている件で交流があり、彼に好意的な感情を抱いてる模様。主神であるデメテルも悪く思ってないらしい。
色々とアレな女性
- レフィーヤ・ウィリディス(15歳)
別名『破廉恥兎絶対焼却ガール』。自分の憧れであるアイズに気に入られているベルの事を一方的に敵視しており、よく理不尽な理由で彼のことを追いかけまわしている。一方で、幾度かの交流でベルの人柄はちゃんと理解しており、少なくとも異性の中ではベルが最も気になる存在となっているのは間違いない。ベルレフィも参照。
- ヘルン(18歳)
別名『下界の汚物完全呪殺ウーマン』。敬愛するフレイヤの心を奪ったベルの事を憎悪しつつも、とある理由から愛情も抱いており、正に愛憎入り交じった感情をベルに向けている。『派閥大戦』以降は更に屈折させる事になり、一度嫉妬心を爆発させれば愛用の『兎殺しのナイフ』を持ってベルに襲い掛かるヤンデレと化した。
- ローリエ・スワル(19歳)
別名『妖精ザビエル』。ダンジョンで『怪物進呈』に見舞われた所を助けられるが、恋愛経験など皆無であった上に吊り橋効果も加わった結果、ベルにゾッコンとなってしまった。それだけならまだ良かったのだが、ベルに夢中になるあまり彼の半年間の軌跡を追い、その素晴らしさを世に広めようとする等、『派閥大戦』後には最早ストーカーや宣教師の域にまで達している。
このようにベルに対して良くも悪くも重い感情を抱いている三人で、原作者も公認の「イカシたメンバー」。作者のtwitterでは、この三人が激しくいがみ合うファンアートが掲載されており、ここにベルが加わってしまうと、作者曰く「ベルは死ぬ!以上だ!!」との事。
ベル君の明日はどっちだ!?
冒険者ランキング
神々が面白がって作っている順位表『冒険者ランキング』では、良くも悪くも注目の的となったので様々なランキングに入選(ランクイン)するようになった。
16巻の時点ではすっかり有名人になった事で、オラリオの女性冒険者の口から『将来性』順位1位、『玉の輿を狙うなら今!』順位3位(『派閥大戦』後は大きく下落)、『男性冒険者に《お姉ちゃん!》って言われたい』順位7位(『派閥大戦』後は6位に上昇)というランキングに入選していることが判明する。
ちなみに『新人冒険者(ルーキー)ランキング』は、冒険者としての日数こそルーキーだが、これまでの偉業がとても新人レベルではないため、『新人詐欺』の烙印を押されて対象外となっている。
ベルクラ☆ランキング
以下、上述の三つ以外に『派閥大戦』後に判明したランキングと順位
- 交際したい冒険者…9位
- カワイイ男性冒険者…17位
- 頭を撫でてほしい冒険者…41位
- 武器を作りたい冒険者※鍛冶師限定※…8位
- 嫌われ者…10位
- 見かけたら一杯おごりたくなる冒険者…9位
- 改宗してみたい眷族※神々限定※…1位
- 眷族同士お見合いさせたい…19位
- 都市最速…2位
- 最美男(イケ)ヒューマン…13位
以下、入選はしているランキング
- ともに探索したい同業者
- 遠征に帯同させたい前衛
- 街角で評判のいい冒険者
- 獣耳(ケモミミ)をつけたい異性
- 女装してほしい上級冒険者
- 雨の日に相合傘で自分の肩を濡らしながら私を庇ってくれるアオハル☆男子
前世
『メモリア・フレーゼ』の2周年イベント『アルゴノゥト』にて、童話の主人公にして数千年前に実在した英雄アルゴノゥトの生まれ変わりである事が判明。
不相応な望みを持ち、幾多の思惑に翻弄され、それでも愚者を貫いた、一人の道化の名前。
世界中の人々に希望を与え、数多の英雄を奮起させ、人々がモンスターに立ち向かう『英雄時代』を切り拓いた『始まりの英雄』。
ベルの育ての親であるゼウスもアルゴノゥトの冒険を天界から見守っており、ヘルメスによると当時は相当興奮していたとの事。その為、アルゴノゥトの生まれ変わりであるベルに、「アルゴノゥトが一番お気に入りの英雄」「アルゴノゥトの冒険はまだ終わっておらず、今度は何をするのか、何を起こすのか、出会った時から楽しみなんだ」と教えている。
実際ベルの魂には、アルゴノゥトの想いと約束、そして生き様が全て受け継がれており、言ってしまえば『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』という物語は、ベルがもう一度『英雄(アルゴノゥト)』になる物語とも言える。
出生について
『メモリア・フレーゼ』の3周年イベント『アストレア・レコード』にて、【ゼウス・ファミリア】の元幹部であるザルドと【ヘラ・ファミリア】の元幹部であるアルフィアの会話から、ベルの亡くなった両親は神時代最強と謳われた【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】に所属していた事が判明する。
父親は【ゼウス・ファミリア】の一番下っ端だったサポーター。赤い瞳をしたヒューマンで名前は今の所不明。ファミリア最弱で、当時のオッタルやフィンにもファミリア内で唯一負けていた。おまけにサポーターなのに率先して逃げたり、主神と女湯を覗きに行くなど、美談のない醜聞しかないような人物だったとのこと。このようにどうしようもない人物だったが、どこか憎めない愛嬌の持ち主で仲間達からは弟分のように思われていたらしく、ザルドはベルの事を「あのバカの息子なら俺たちの家族に違いあるまい」「一目見ておくべきだったか」と発言している。
母親は【ヘラ・ファミリア】のメーテリアという名の女性で、アルフィアの双子の妹にあたる。一人では一歩も部屋から出られない程病弱で脆弱。その上、姉のアルフィアとは真逆で才能の欠片もなかった。しかし、唯一優しさだけは持っており、何もできないが、誰からも愛される不思議な人物で、誰かから受け取った優しさを、誰かに返してあげることのできる普通の娘であったらしい。アルフィアによると、ベルの髪の色や容姿、そして性格は母親譲りとのこと。
アルフィアはベルの伯母にあたり、神時代以降、最も『才能』に愛された冒険者で、周囲からは『才能の権化』にして『才禍の怪物』と恐れられていた。ファミリアが黒竜に敗れて壊滅した後は、下界が滅ぶのを少しでも遅らせる為、世界三大秘境の一角である『竜の谷』で門番として生きる事を選んだので、甥のベルとは生涯会う事はなかった。ザルドからは「子供に会わなくてよかったのか?」と質問されていたが「おばさんと呼ばれるのは嫌だから会いたくない」と冗談めいた答えを返している。ちなみに彼女が魔法を発動すると鐘の音が鳴るが、これがベルの名前の由来となっている。
『アストレア・レコード』では、残り少ない自分たちの命を『世界の踏み台』の為に使う事を決意したザルドとアルフィアの最後の選択が描かれている。
オラリオの後進、『英雄達』が自分たちを喰らい『黒き終末』を乗り越える事を望み。
そしてこの世に『希望』をもたらすために、妹の子が戦わずに済む世界のために。
もし、父親と母親の血の導きによってベルがオラリオに辿り着き、世界の命運を掛けた戦いに巻き込まれていったその時は…
―― 数多の『英雄』が立ちはだからんことを
――『英雄』の洗練を浴び、より強い冒険者にならんことを
―― そして願わくは、数多の洗礼を受け、いくつもの壁を超え『英雄』なんてものに至らんことを
―― 父親譲りの逃げ足は、誰かの窮地を救い、次に繋げるかもしれない
―― 母親譲りの優しさは、誰かの涙を拭い、笑顔をもたらすかもしれない
今のオラリオには、ベルが知らない『家族』からの願い、愛情がある。
『英雄達』の力、技、強さはベルに引き継がれていっている。
余談
- 『ダンまち』はベルの1年の物語
作者のインタビューによると、『ダンまち』の本編はベル・クラネルの1年の物語で、ベルの年齢を作中で変化させたくないとの事。ちなみに作者が教えてくれた設定によるとベルは4月生まれらしいので、春頃には本作のラスボス達との戦いに決着がつくと思われる。
- Web版
瞳の色が兎の印象を持たせる特徴の赤...ではなく、こちらでは正反対の碧。独白が書籍版と比べて、少々荒っぽい。ヘスティアと生活している所が廃教会ではなく下水道など、貧困さがより顕著。
- スキル【美惑炎抗】の裏話
アイズやアステリオス由来のスキルはあるのに自分由来のスキルがない事にショックを受けていたヘスティアだが、ベルがLv.5にランクアップした際に待望だった自分由来のスキル【美惑炎抗】が発現。その為、本編18巻の特典SS『第一級成長録』にてヘスティアは「ベル君にボク由来のスキルを刻んでやったぜ」と大喜びしていた。もっともスキル名はフレイヤが由来なので「ボクのかわいい眷族にナニ刻んじゃってくれてるんだジャガ丸君頬張らせるぞコラァ!」と憤慨もしていたが。
- 『聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)』について
作者のあとがきによると技の元ネタは、作者が好きだった漫画『ダイの大冒険』に出てくる技『火炎大地斬』である模様。ちなみに『ダイの大冒険』には、「使用者の強さに合わせて威力が変わる武器」や「戦う鍛冶師」など、作者が参考にしたと思われる設定が他にも多く見受けられる。
また、ゼウスの眷族だったザルドの魔法【レーア・アムブロシア】は炎の斬撃で、ヘラの眷族だったアルフィアの魔法【ジェノス・アンジェラス】は発動時に鐘の音が鳴り響くが、鐘の音と共に炎の斬撃を放つというベルの『聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)』の特性は、奇しくもザルドとアルフィアの魔法の特性を重ね合わせたものとなっている。
かつて『陸の王者ベヒーモス』を打ち破った『炎』と『海の覇王リヴァイアサン』に終わりを告げた『鐘』は、時を経て【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の最後の子供の元へと蘇ったのかもしれない。下界の悲願たる『三大冒険者依頼』の最後の一角を今度こそ討伐するために。
- ベルのルーツの物語
外伝作である『アルゴノゥト』と『アストレア・レコード』は本編より過去の物語なのでベルの活躍こそないが、上述にもある様に『アルゴノゥト』がベルの魂のルーツが明らかになる物語だとしたら、『アストレア・レコード』はベルの血のルーツが明らかになる物語なので、この二つの物語を知っているだけで本編の面白さが格段に上がる。
ちなみに、本編の転機となった異端児編は、ベルが人間の悪意に振り回され、汚名をかぶり、真実を知らない者達から非難されながらも愚者を貫き、最後はミノタウロスとの戦いを以って悲劇の結末を覆し、世界の運命を大きく変える事になるなど、何処か『アルゴノゥト』の物語を想起させる内容となっている。
また、作中最大の戦いの一つである【フレイヤ・ファミリア】との『派閥大戦』で、ベルはリューと共にオッタル相手に戦いを挑むことになったが、『アストレア・レコード』においてベルがゼウスとヘラの眷族の子供、リューがヘラの眷族であるアルフィアが最後に認めた女性、そしてオッタルがゼウスの眷族であるザルドに勝利した冒険者という事実が判明したことを踏まえると、奇しくも『派閥大戦』はゼウスとヘラが最後に希望と未来を託した者たちが全て集う戦いになったともいえる。
他作品への出演
テイルズオブザレイズ
2021年1月のコラボイベントで、アイズと共にプレイアブル参戦。
魔鏡技は、「英雄願望(アルゴノゥト)」。
この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ
2021年4月30日からのコラボで参戦。
普段から神がいる世界に暮らしているためかアクアが神であることをあっさり認めた。
#コンパスに出会いを求めるのは間違っているだろうか
NHN×ドワンゴにより共同開発されたTPS(三人称視点シューティング)リアルタイムオンライン対戦ゲームの『#コンパス』でアイズの参戦から約三年、コラボ第2弾としてアニメ四期よりついに実装。明確に言えばアイズこそ出典は三期だがソード・オラトリアの成分が含まれているため、実質ナンバリングシリーズの主人公は初参戦。
ベルのロールはスプリンター。攻撃倍率が高めで敵を倒すことに特化するキル型スプリンターだが体力は低めなので無理は禁物。ダッシュアタックの範囲が他スプリンターよりも広いので戦闘の妨害やポータル防衛も可能。
アビリティ「憧憬一途(リアリス・フレーゼ)」はアイズが近くにいると自動的にヒーロースキルパワーが自動で溜まる原作再現した効果。
ヒーロースキルは「聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)」。前方の敵にガードブレイクを付与した火炎属性の剣撃を与える。字面は原作さながら他のヒーロースキルと比べて地味だが確定でガードブレイクするのは大きい。
関連イラスト
関連タグ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ヘスティア・ファミリア 迷宮都市オラリオ 迷宮(ダンジョン)
リリルカ・アーデ ヴェルフ・クロッゾ ヤマト・命 サンジョウノ・春姫 リュー・リオン
シル・フローヴァ エイナ・チュール レフィーヤ・ウィリディス ウィーネ ニイナ・チュール
ベルヘス ベルアイ ベルリリ ベル春 ベルリュー ベルエイ ベルレフィ
アルゴノゥト、エレボス:同シリーズ内での中の人が同じキャラ。
テセウス、ヘラクレス:ベルの元ネタではないかと考察される神話の人物たち。
キリト(SAO)、嘴平伊之助:中の人繋がり。また、『ともすれば女と見間違いそうな美形の素顔』『ひとかど以上の実力を持つ二刀流の剣士』『産みの両親と幼少時に死別している』など、意外に共通点は多い。
実際に中の人ネタイラストも投稿されている。前者はコンパスで共演が実現した。
五河士道:『メモリア・フレーゼ』でクロスオーバーしたデート・ア・ライブの主人公。中の人はご存知松岡禎丞の大親友(彼は後にベルの師匠を演じることになる)。こちらも困ってる者を決して見捨てない極めて献身的な性格で、ベル同様命がけの戦いの末に数多のフラグを建てている。
また、ベルが呼び捨てで呼んだ数少ないキャラクターでもある(最初こそ「さん」付けだったが)。両者の中の人同士が親友ということもあってか、コラボストーリーでは共に戦い、時に大ゲンカし、そして絆を深めるという少年マンガのようなストーリー展開が繰り広げられた。後編におけるベルと士道の大ゲンカは中の人の演技も相まって一見の価値あり。
ちなみに彼には女装した姿も存在し、作中においては【ロキ・ファミリア】と接触するためにこの姿になった。士道は女装した自分を見て取り乱したベルに対し、「俺だってベルが女装したらきっと取り乱す」と悲しげに呟いたのだが、このときの2人は知る由もなかった。このコラボの2年後にベル本人の女装姿が実装されてしまったということに…
ゴブリンスレイヤー:同じレーベル作品の主人公繋がり。メモリア・フレーゼのコラボイベント『Dungeon&Goblins』にて幻想とフレイヤの謀(TRPG)に巻き込まれ共に行動する内に戦友とも呼べる奇妙な間柄になっていく。