概要
迷宮都市オラリオに存在する超越存在(デウスデア)のイケロスが主神を務めるファミリア。
20年以上前よりオラリオに存在しており、ファミリアとしての等級(ランク)はBであるのだが、裏で行っている所業等からも総合的な戦力はAに近いと言える。
かつては探索系ファミリアとして迷宮(ダンジョン)の階層攻略の記録があり、最も危険で常識の通じないとされる「深層」にまで辿り着く偉業も成し遂げる等、それなりに名を馳せていたファミリアであった。
しかし、現在は階層攻略の記録が完全に途切れており、冒険者の間でも名前が上がる事は殆ど無い等、動向が不明瞭となっており、拠点も蛻の殻状態のままな為、『ギルド』からもその実態について怪しまれていた。
実は、【イケロス・ファミリア】の団長であるディックス・ペルディクスは、迷宮に繋がっている『人造迷宮クノッソス』を設計・建造した奇人・ダイダロスの子孫であり、先祖の遺したクノッソスを発見した事でそこを本拠地として利用していた。
団長のディックスを始め、所属している眷族は全員人を人と思わない残虐非道な所業を平然と行う倫理観の破綻しきった者達ばかりであり、冒険者の派閥というよりも無法者や犯罪集団の方が適切と言え、主神であるイケロスに対しても敬意を示さないどころか、顎でこき使う様な事さえしている。
モンスターを虐殺する事に愉悦に浸っている等、元から問題的なファミリアであったが、人間同様の感情を持ったモンスターである『異端児(ゼノス)』の存在を知ってからは、それを捕縛して拷問して痛めつけた挙句、クノッソスを通じて地上の怪物趣味の貴族達に高値で売りつける事業に手を染める等、更に非道な派閥と化していった。
現在は、オラリオの壊滅を目論む犯罪結社である『闇派閥(イヴィルス)』とも結託しており、闇派閥の開発した調教師用の魔道具を利用する形で、各階層から捕獲した凶悪なモンスターを提供している。数年前に起こった「大抗争」の時には既に繋がりを持っており、オラリオに進出して蹂躙の限りを尽くした強化種を含む凶悪なモンスターの数々も、実は【イケロス・ファミリア】が捕獲した物である。
一応、異端児達の密売や闇派閥との結託には、先祖のダイダロスが完成させられなかったクノッソスを完成させる為の資金を調達すると言う目的があるのだが、ディックスにとってその目的は二の次以下でしかなく、ひたすら異端児達を苦しめる事に愉悦と快楽を求めている。
数多くの問題を抱えているにも拘らず、主神であるイケロスはディックス達の暴挙を止めようとしないどころか、「顎でこき使われるのを自分がディックス達の行いを見て楽しむ為の条件」として受け入れてしまっている等、自身の娯楽と快楽のみを優先としたかつてのソーマ以上に問題的な神格の持ち主で、主神自体がファミリアを運営する神として問題的となっている結果、もはや歯止めが利かないまでの凶悪集団に成り下がった。
『ギルド』に所属する多くのファミリアは、少なからず問題的な部分を内包しているが、その中でも【イケロス・ファミリア】は『ダンまち』のストーリーに登場するファミリアの中でもトップクラスに極悪非道なファミリアと言える。
しかし、そんな【イケロス・ファミリア】もまた、『異端児』に属する怪物達の幾つかを虐殺し、更にはその一員であるウィーネとフィアの双方を連れ去った事で破滅の一途を辿る事になった。
ウィーネ達を助けるべく、【ヘスティア・ファミリア】の団長であるベル・クラネルと協力した異端児達の報復によってファミリアの殆どの団員達は皆殺しに追い込まれ、ベルに敗北したディックスも逃げ延びた先であるクノッソスに現れたアステリオスにトドメを刺される形で死亡。
主神であるイケロスは、【ロキ・ファミリア】の元で闇派閥との協力に関して自白した後、本来なら大罪から天界への即強制送還になってもおかしくなかったのだが、「闇派閥へ加担した神がどうなるか」という見せしめも兼ね、『ギルド』の方針で敢えて永久追放処分となり、いずれにせよ主神と眷族双方共に数々の悪行の報いを受ける形でファミリアは完全に消滅した。
最終的には、ギルドの主神・ウラノスの意を受けたロイマン・マルディールの公表により、「『武装したモンスター達(異端児達)』によるリヴィラの街の襲撃や地上への進出は、【イケロス・ファミリア】による扇動が原因」と公表される。
更には、後に『都市の破壊者(エニュオ)』によって引き起こされた『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』に関しても、「【イケロス・ファミリア】の拠点が存在する『ダイダロス通り』の地下に残存していたモンスター達の討伐に手間取り、その代償で【ディオニュソス・ファミリア】が主神を含めて全滅した」という形で公表され、皮肉にもこれによって黒幕でありエニュオの正体でもあったディオニュソスは「悲劇の英雄」扱いされる事になった。
尤も、異端児達の地上進出の原因を作ったのは【イケロス・ファミリア】に他ならないのは事実で、そもそも7年前より『闇派閥』とも多大に協力していた為、あながち間違いとも言い切れない部分もあった。
メンバー
主神。自らの娯楽のみを優先とし、その為なら他がどうなろうと平然としていられる極端なまでに快楽主義的な神。眷族達からは敬意を抱かれないどころか顎でこき使われているが、本人はそれも自分の楽しみの為として気にも留めていない。
Lv.5の実力を持つ頭にゴーグルをつけた団長。残虐非道そのものな性格の持ち主で、異端児を利用して拷問や密輸を行っていたが、最終的にその報いを受ける形でベル達に重傷を負わされ、クノッソスに逃げ込んだ所で遭遇したアステリオスに惨殺される。
- グラン
Lv.4で実質的な副団長。頭に入れ墨を入れているスキンヘッドの巨漢という凶悪な外見で、性格もまた冷酷非道である。何でも好き勝手に出来ると言う理由だけで所属し、暴走していたウィーネを槍で貫いて嘲笑っていた所で、グロスによって圧砕される形で死亡。