概要
リューの種族であるエルフは、同胞以外には認めた相手にしか肌を触れる事を許さないという性質を持つものが多く、リューもその例に漏れずいきなり他人に触られそうになったら反射的に攻撃をしてしまう癖を持つが、アリーゼからは「もし、あんたの手を握れる男がいたらそれが運命の相手だから絶対逃がしちゃだめよ」と言われており、手を握られても平気だったベルの事を気にするようになる。
ベルと出会った頃は、自分の恩人であるシルの想いを優先して自身は一歩引いた立ち位置から彼女の恋を応援していたが、ベルと関わっていくにつれて、自分でも気づかない内に彼に惹かれていく事になる。
ちなみにベルとリューは「優しい」「正義感が強い」「真面目」「不器用」と性質が非常に似ており、二人とも自分の損得に関係なく人助けの為に奔走する事がよくある。ドラマCD『時を渡る道化師』では、リューの主神であるアストレアも「貴方たちは似ている」と評している。
また、ベルがLv.4になって以降は二人で肩を並べて戦う事が増えて、事実上冒険者としてのパートナーの様な関係になり、作中では幾つもの冒険を共に乗り越えている。
作中での出来事
クロニクルシリーズでのグラン・カジノの一件では、男装で潜入していたせいもあるが救出対象であるアンナ・クレーズから最後まで男性と間違われた事に少しショックを受け、事件が終わった後にベルに「自分は女性らしくないか?」と無意識に質問をして、たどたどしいながらも「いつかドレス姿のリューさんを見てみたいと思うくらい綺麗な女性と思っています」という言葉を受け嬉しく思い、彼を自身の日課である朝稽古に誘い、時折二人で稽古をするようになる。
BOOK☆WALKERでの電子版特典SSでは二人で本屋巡りをしている中、彼が大好きな英雄譚を語っている姿を見て「私は英雄譚を語るときの貴方が好きなようです」と答えるなど、少しずつベルと交流を深めていき、彼に心を許すようになっていく。ベルの手を握れたのもその純粋さを感じ取った故に、拒絶することなく受け入れられたのかもしれない。
そしてリューがメインヒロインとなる深層での一件で、彼女のベルへの想いは大きく変わることとなる。
原作14巻にて、階層を移動するモンスター『ワーム・ウェール』に飲み込まれ、深層域37階層へ落ちてしまったベルとリュー。既に瀕死のダメージの中、二人は深層に生息するモンスターやイレギュラーモンスター『ジャガーノート』の追撃から逃がれながら、深層脱出を試みる。
ダンジョンをさ迷う中で、モンスターが無限に生まれ続けるフロア『闘技場(コロシアム)』へと辿り着くが、ここでリューは自身を犠牲にしてベルだけを逃がそうとする。ベルを欺き一度は引き離す事に成功するが、彼がリューを見捨てて逃げるなどするはずもなく、彼女を救うべく戻ってきたベルは『火炎石』(熱を発し爆発作用のあるドロップアイテム)、【英雄願望(アルゴノゥト)】、【ファイアボルト】のコンボで闘技場を丸ごと吹き飛ばす。
辛うじて生き延びたリューはベルにどうして自分を助けに戻ったのかと問いただし、「誰も死なせたくない」というベルの簡潔で純粋な答えを聞き、改めて二人で地上に帰還することを誓い合う。
闘技場が崩壊した事で、偶然発見したモンスターが出現しない『未開拓領域』を利用する事で、ついに36階層への正規ルート近くにまで辿り着くが、そこには他のモンスターを捕食し無理矢理稼働時間を延命したジャガーノートが待ち構えていた。
合成獣(キメラ)の如く喰らったモンスターの能力を使いベル達を追い詰め、その圧倒的な絶望の前にリューはついに心が折れてしまう。しかしベルは諦めていなかった。リューと共に生きて帰る為に、一人で怪物に挑みに戻り、ジャガーノートもその意志を理解し、一人の雄と一匹の怪物は再び戦いを始める。そしてリューは薄れゆく意識の中で、かつての仲間である【アストレア・ファミリア】のメンバーの声を聞く。彼女達に激励の言葉を送られ、リアーゼから今のリューの正義は何か問われ、ベルと共にシル達の所に帰りたいという想いを告げ、ベルと共に生きて帰る為、自身の因縁に決着を着ける為、ジャガーノートと戦うことを決意し立ち上がり、ついに打ち倒すことに成功する。
力を使い果たし二人とも倒れてしまうが、異端児(ゼノス)達や『豊饒の女主人』のメンバーの力を借りて二人を救助しに来たリリやヴェルフ達遠征連合が駆け付けた事で、全員で無事に地上に帰還し一命を取り留めた。
全てが終わり、ベルに笑顔を見せながら、これまでの事に感謝をするリュー。
そして
「今のリューさんの笑顔、凄く綺麗です」
「え……?」
「今迄よりも、もっと。あの時よりも、ずっと」
【アストレア・ファミリア】の墓標の前。
森と水晶に囲まれた日の記憶を深紅の瞳が辿る。
記憶に浸る少年は、無邪気な子供のように笑った。
「リューさんがそんな風に笑えるようになって、良かった」
その言葉は白い雪のように純粋で。
あたかも自分のように喜んでくれていて。
そんな彼の顔を目にした時、リューは、自分の胸が跳ねたことを知覚する。
このベルの言葉で、ついに彼に対して明確な好意を抱くようになるのだった。
ヒロイン力の高さ
リューは現状ヒロイン達の中で唯一ベルと肩を並べて戦う事が出来る存在なので、ヒロイン達の中でも出番と活躍が多いが、作中でベルとの間に起きた出来事を並べると
- 『深層』37階層の死線を、互いに支え合いながら生き延びる
- ベルと裸で温めあう
- 涙を流しながらベルと抱きしめあう
- 自身のトラウマである『厄災』ジャガーノートをベルと共に討伐する
- 自分たちの恩人であるシルを救う為に、都市最強の冒険者オッタルに共に戦いを挑む
- 本作のラスボスの一角にあたる【フレイヤ・ファミリア】との戦いの最中に、オラリオ中が見守る中でベルに告白する
など、やたらとヒロインっぽいイベントが起きている。
ちなみに「金髪」「長髪」「エルフ」がベルの女性の好みだが、【フレイヤ・ファミリア】との『戦争遊戯』の前に髪型を【アストレア・ファミリア】時代と同じ金髪長髪へと戻したので、外見もベルの好みドストライクとなった。
また、本編から七年前のオラリオ『暗黒期』の戦いが書かれた『アストレア・レコード』では、仲間達と共に【ヘラ・ファミリア】の元幹部にしてベルの伯母にあたるアルフィアと戦い、死闘の果てに彼女に勝利して希望と未来を託されたが、言い換えれば自分の想い人の家族から最後に認められた女性になったとも言える。
このようにリューは、立ち位置、イベント、外見と作中でも屈指のヒロイン力を有している。
人気
過去にBOOK☆WALKERで行われたカップリング人気投票では見事1位に輝き、作者書下ろしのデートSSが書かれている。当時原作は異端児編の最中であり、リューもヒロインというよりはベル達の力になってくれる助っ人という立ち位置の方が強かったにもかかわらずメインヒロイン達にも勝利してしまう事からも、彼女の人気の高さが窺える。
ダンメモで行われたタッグキャラ総選挙でもベルとの組み合わせで再び1位を取り、リュー自身は日本、北米、韓国、繁体字圏で1位を、EUで2位を獲得し、相変わらずの人気の高さを見せつけた。
妖精の枝史
2023年、10周年企画にてweb版=理想郷譚プロトタイプが復刻連載され、同年アニメ4期深章 厄災篇Blu-ray特典短編にてweb版から文庫版化した際に改変される以前のリュー師範ストーリーの続編『妖精の枝史』が発表された。
本編14巻ベルとリューが結ばれ、花と花が触れて寄り添うような愛を「誰よりも何よりも」誓いあい、憧憬一途の話が終わり、第二部が開始しそうな引きで幕を下ろす。
詳細はリュー・リオン『妖精の枝史』へ。
枝史のベルは大人っぽい。そしてリューの微笑に幸福。『大人ベル推せる...』お姉さまがたのハートにぐっさり刺さった。
関連イラスト
関連タグ
ジュラ・ハルマー:2人を深層に落とした間接的な元凶。だが見方を変えれば2人にとっての恋のキューピッドと捉えることもできる。もっとも、リューへの報復が永久に叶わなくなった彼からすれば、望まずしてこんな役目をあてがわれたことはたまらなく口惜しいに違いない。
キリサチ:中の人同士が同じカップリング。ネタバレになるが、こちらはキリトの方がリューの立場に近い。なぜなら、キリトの目の前でチームが彼を残して全滅してしまったのだから…