「ク、クク……今こそ蛮勇を超えた我が忠義を示す時……この想いは何人にも負けず、無論貴様ら塵芥にも……」
プロフィール
年齢 | 76歳 |
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身長 | 180C |
種族 | ダーク・エルフ |
職業 | 冒険者 |
所属 | フレイヤ・ファミリア |
Lv. | 6 |
二つ名 | 黒妖の魔剣(ダインスレイヴ) |
所持金 | 4200000ヴァリス(18巻時点) |
CV | 小林裕介 |
概要
【フレイヤ・ファミリア】幹部の一人である黒妖精(ダークエルフ)の男性。
Lv.6の第一級冒険者で、二つ名は【黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)】。
同じく幹部である白妖精(ホワイトエルフ)のヘディン・セルランドとは、入団前から因縁があり、二人揃って『白黒の騎士』『最凶の魔法剣士』の異名をもつ。
かつては白妖精と黒妖精が争いを続けていた妖精の孤島『ヒャズニング』の黒妖精側に生まれ、戦の才能の高さから『戦王』として担がれるが、王とは名ばかりで成果を上げなければ罵られ、酷使されるという奴隷の様な生活を送る。そんな戦いの日々の中で、白妖精側の『理王』として掲げられていたヘディンの存在を知り、自分とは対極の彼に羨望と嫉妬を覚え、いつしか彼に勝ちたいという目標を持つようになった。
しかし、ヘグニ達を酷使する国のあり方を醜いと感じたフレイヤの誘導によって『ヒャズニング』は壊滅。生き残ったヘディンと共に、自分を王という名の呪縛から解放してくれたフレイヤに忠誠を誓うようになる。
人物像
容姿
ダーク・エルフ特有の褐色の肌に、薄紫にも見える銀の髪と若葉色の瞳をした、エルフらしく整った容姿の男性。身長は高く、漆黒の外套を常に纏っている。
性格
常に拗らせ気味の言動をしており、一見「中二病」を患っているように見えるが、実は超がつくほど根暗であがり症、他人の目線や人付き合いも苦手で、初対面の人間が近づくだけで怯えながら逃走するなど、とても都市最大派閥の幹部とは思えないような残念な性格をしている。こんな性分のため、表立った行動は当然苦手で、嫌でも周囲から注目を浴びる「第一級冒険者」ではなく、闇に紛れて戦う「暗殺者(アサシン)」になりたかったとまで言う始末である。
中二病の様な言動も対人恐怖症と口下手のあまりなっているだけで、本人の意図したものではない。周囲の神々からはよく「厨二病乙」「邪王さんチーッス」などとからかわれているが、本人は「意味はわからないが馬鹿にされているみたいで嫌だ」と嘆いている。同じ幹部たちからも白けた目で見られており、ガリバー兄弟からは「雑魚精神(ザコメンタル)エルフ」と言われ、宿敵であるヘディンからも「残念な奴」「ただの馬鹿」と罵倒されている。
このように色々と残念な人物であるが、戦士としての矜持は持ち合わせており、フレイヤの眷族らしく強さを求めて邁進し続けている。また、追い詰められていながらも闘争心を失わない誇り高い同胞には素直に敬服の念を示す一面もある。
ベルへの態度
当初は他のフレイヤの眷族同様、フレイヤに気に入られているベル・クラネルに対して嫉妬し、ベルの暗殺を提案したりと物騒な言動もあったが、実際に彼と交流を結んでからは派閥内でもベルに対してかなり友好的な態度を取っている。というのもヘグニは上述にある通り、根暗で中二病の様な言動をしている為、周囲から白い目で見られることが多く、友人もいなかったのだが、底抜けのお人よしであるベルの場合、そんな自分にも普通に接してくれるので妙な安心感を覚えてしまった模様(ちなみにベルは、育ての親のゼウスがふざけて中二病の様な言動をする事があったので、ヘグニの言っている事の意味が何となく理解できる)。
後述の『洗礼』でヘディンが熾烈さを増して、やり過ぎなことを諫めた際は、彼に「情が移って友にでもなったか?」と問われ、自身の変な言動を気にせず話してくれるベルを「もしかして、無二の友?」と妄想していた。ベルとの鍛錬も結構楽しかったようで、【ヘスティア・ファミリア】との『派閥大戦』が決まり、彼への鍛錬が中断した際は「この手でもう少しだけ育てたかった」と述べている。『派閥大戦』終了後は、ベルと対話する際は中二病の様な言動が消え、普通の言葉遣いになっている。
ちなみに『魔法が炎属性』『冒険者とは思えない気弱で臆病な性格』『普段と戦闘時で性格が変わるという二面性を持つ(ヘグニは魔法の力を借りてだが)』など、冒険者としてのスタイルがベルと結構似ている。
人間関係
敬愛する主神。気弱で臆病な自分を誰よりも肯定してくれた彼女には絶対の忠誠を誓っている。その為、フレイヤに無礼を働いた者に対しては、人格を改変するまでもなく口調も吃らなくなり、本気の怒りを見せる。
【フレイヤ・ファミリア】に入団する前からの腐れ縁。上述にある通りかつては幾度も殺し合いをした相手だが、勝敗が決まる前にお互い同じファミリアに入団する事になる。現在は一緒に行動する事が多く周囲からはコンビに見られがちだが、本人たちは不服に想っており、いつかは彼と決着を着けようと思っている。
何かと因縁があり、作中では彼女と三度交戦する事になる。一度目・二度目の戦いではLv.の差もあって圧倒したが、三度目の戦いでは彼女がLv.6になった事に加え、自分が『派閥連合』との戦いで疲弊していた事もあって敗北した。
【アストレア・ファミリア】の元団長。実はヘグニは、彼女のことを『自分にはない眩しい輝きを放っていた』と人知れず尊敬していた。それだけに、派閥大戦でリューが死んだ彼女の魔法を行使した際には、誰よりも驚いていた。ヘグニにとっても、彼女の死は少なからずショックだったことがうかがえる。
作中の活躍
本編
本編の初登場は【イシュタル・ファミリア】のと抗争時で、イシュタルの眷族達を一方的に斬り伏せていたが、この際は一言もなく彼の人格については不明だった。
外伝『ソード・オラトリア』の『都市の破壊者(エニュオ)』との最終決戦「狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)」では、リヴェリア率いる第2部隊にヘディンと共に参戦。リヴェリアの前で終始無言だったが、これは単に王族である彼女に対して緊張のあまり話せなかっただけである(ヘディンからも「この緊張しいめ」と呆れられている)。戦闘後半では、ベルの【英雄願望(アルゴノゥト)】の大鐘楼の音を聞いて高揚し、高笑いを上げながら『祭壇の支柱(スピリット・オルター)』を切り刻んだ。
16巻では、女神祭の前にオッタルから緊急招集を受け、シル・フローヴァのデートに関する緊急会議に出席。その時まではベルが死ぬとフレイヤが魂を追って天界に還ることを知らなかったみたいで、「もう手っ取り早くベル・クラネル暗殺しない?(意訳)」と提案してガリバー兄弟に痛烈に罵倒されて、そのことを教えられると素に戻って激しく慌てふためいた。
『女神祭』2日目に、ベルの監視と並行しながら行方をくらましたシルを捜索していたが、自分の存在に気付いたベルが接近して来て、対面。ベルに難解な言い回しや変に気取っている様から「チューニ病ってやつですか?」と質問されて激怒するが、シルのことで問い質されて近寄られると、すぐに弱気になって挙動不審になり、逃げ出す。
その後、発見したシルを襲撃して追跡し、足止めに現れた『豊穣の女主人』のリューと交戦し容易く倒す。
3日目にフレイヤからの下知が下ると、ヘディンとともに駆け付けようとするアイズ達を足止めした。
オラリオ中に『魅了』が施された後は、ベルをヘディンとガリバー兄弟とともに『洗礼』で死ぬ寸前まで扱いていたが、ベルの実力と素質を分析して理不尽の経験と不条理の場数が足りない以外は評価している。
捕らえられていたリューが脱走すると追跡に向かい、追い詰めた彼女に投降を促し拒否する姿勢を見ると止む無く殺そうとするが、『魅了』が解けたアイズに防がれる。直後にオラリオ中の『魅了』が解けていることに動揺するが、すぐに立ち直って本拠に侵入したアイズとヒリュテ姉妹を迎撃している。
『派閥大戦』では、圧倒的な実力で椿を始めとした派閥連合の主力を撃破していったが、すんでの所でLv.6に連続昇華したリューが駆けつけ、交戦。彼女の新魔法『アストレア・レコード』の発動によって周囲の勇士達は全て薙ぎ倒されるが、唯一卓越した戦闘技術と経験により、互角以上に渡り合う。しかし『戦争遊戯(ウォーゲーム)』と言う形式上、既に多くの上級冒険者達の大軍の殲滅に普段なら決して侵さなかったであろう『呪武具(ヴィクティム・アビス)』の乱用に無意識に陥ってしまい、体力を激しく消耗していた隙を突かれ、敗北する。その後、意識を取り戻し味方に攻撃するヘディンに怒りを見せるも、内心で気づいていたフレイヤを救済できる唯一の存在がベルであることを指摘され、彼もまた忠義故にファミリアを離反することになる。
「君と同じだよ」
「俺も、あの方を……『シルさん』を救いたくなったんだ」
ヘグニはアレンの元へ行き、満身創痍の彼の妹のアーニャを助けて、アレンと対峙。戦いの最中、アレンが憎んでいるはずのアーニャに対して槍が鈍っていることを見抜き、さらに『妹を愛しているから憎むしかなかった』という本心と『妹という守るべき存在がいなくなって弱くなった』という事実を指摘してアレンを激しく動揺させ、その上で今の二人の関係は間違ってると告げる。だが、それでも『女神』を失わせまいと、【グラリネーゼ・フローメル】を発動したアレンにアーニャとともに轢き飛ばされて戦闘不能となる。しかしながら、この一件でアーニャは兄に嫌われていないとわかったことで完全に吹っ切れ、以降アレンに積極的にアプローチをかけるようになった。兄妹関係が仲直りに向けて大きく前進したことを鑑みれば、魔法に頼らず自らの言葉でアレンの核心を突いたシーンは、ある意味派閥大戦におけるヘグニ最大の見せ場と言っても過言ではないだろう。
『派閥大戦』が終結して【フレイヤ・ファミリア】が解体された後、オラリオを去ろうと『豊穣の女主人』を出たフレイヤが、ベルとリューたちに『本当の望み』を告げてベルとリューたちが歓声を上げた後、とある酒場の屋上でオッタルたちやヘルンと共に見守っていたヘグニは、アレンの問いにヘディンが素っ気なく答えたことで、アレンやガリバー兄弟と共にヘディンを睨み付けた。
その後、陰ながら【ヘスティア・ファミリア】の護衛を行っており、特に他勢力から狙われるようになった春姫とリューの刺客を悉く潰している。ベルが『学区』に潜入している時は、さすがに『学区』内には侵入出来なかったが、ベルがオラリオに来ている時は気付かれずに護衛をしていた。だが、ベルがエイナと一緒にいて食事しているのをシルに知らせた結果、シルがヘスティア達に「白兎のもとに妖婦(エイナ)の影あり……急がれたし」という手紙(地図付き)を送ってしまい、それによってヘスティア達(+ヘルン)が暴走してしまったことで、遠くでベルに申し訳なく謝罪していた。
とあるクエストでベル達が37階層に向かうことになった際、シルに仲介される形でヘディンとガリバー兄弟とともに護衛を引き受けることになる。あくまで護衛の依頼のため、報酬を要求するが、その報酬が「ベル達と卓上遊戯(ボードゲーム)をする」という、本当にそれが報酬でいいのかとベルが戸惑うほどのものだった(だが、彼の性格上、これでもかなり勇気を振り絞った要求である模様)。
ソード・オラトリア
経緯は不明だが【ロキ・ファミリア】の60階層に向けた遠征に参加している模様。本編ではこの遠征は失敗してしまう事が知られているが、彼の安否は不明。
アストレア・レコード
小説版『アストレア・レコード』ではLv.5で、『大抗争』が勃発した時には『闇派閥(イヴィルス)』の幹部であるディース姉妹と交戦し、ディナ・ディースのスティレットで重傷を負わされる。その翌日には回復しており、ザルドとアルフィアを倒す為の『強靭な勇士(エインヘリヤル)』を生み出す為に、オラリオ南西部にもう一つの『戦いの野(フォールクヴァング)』を生み出してオッタルたちと殺し合う。
『大抗争』最終日に、ディース姉妹と再び殺し合い、ヘディンがヴェナ・ディースを自身の呪剣《ヴィクティム・アビス》で魔力暴発に追い込んで重傷を与えた後、ヘディンが自分も巻き込むことを承知で放った魔法【ヴァリアン・ヒルド】をくらって硬直したディナを、ヘディンと弾かれて手元から離れたと見せかけて交換し合ったヘディンの長刀《ディザリア》で、ディナ・ディースの首を刎ねて勝利した。
『大抗争』終結後、この戦いの偉業が評価されてLv.6にランクアップする。
能力
戦闘スタイルは白兵戦を主体とした『魔法剣士』。卓越した剣技の持ち主で、呪剣(カースウェポン)の《ヴィクティム・アビス》による白兵戦の他、超短距離射程の威力特化型の爆炎魔法を使用する。魔法種族のエルフにしては珍しく『力』『器用』『敏捷』のアビリティが高水準と近接戦闘に特化しており、『魔力』を除いた全てのアビリティでヘディンを上回っている。
純粋な白兵戦の技量ならエルフの中でも随一で、ヘディンからは『同胞の中でも白兵戦最強の糞妖精』と称されている。上述にある通り対人恐怖症を患っているので、戦闘時に周囲からの視線に耐え切れなくなった場合は、人格改変魔法を使用して性格を改変し、無慈悲で冷酷な『戦王』と化して敵を容赦なく蹂躙する。
本編では当時Lv.4上位の実力者だったベルやリューに対し、フレイヤのお気に入りという理由から深手を与えてはいけない(特にベルに対しては傷一つ与えてはならない)というハンデがあったにもかかわらず、反撃の隙すら与えることなく打ち負かすという圧倒的戦力差を見せつけている。
ステイタス
Lv.6
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
S969 | D528 | S902 | A887 | B716 |
狩人 | 魔導 | 剣士 | 耐異常 | 閃斬 |
E | G | G | G | I |
スキル
- 妖精漆唱(フェアリー・ノクターン)
詳細不明。
- 戦界黒精(ヴァウ・ヒャズニング)
詳細不明。
- 闇剣王舞(ダークイン)
詳細不明。
魔法
- ダインスレイヴ
詠唱式:【抜き放て、魔剣の王輝(おう)。代償の理性、供物の鮮血。宴終わるその時まで—殺戮せよ】
ヘグニの二つ名の由来でもある人格改変魔法。人格に作用するという点ではフィンの戦意高揚の魔法と類似するが、能力上昇の効果はなく人格のみに作用するという一見地味なもの。但し、その精神作用に特化した改変効果は自己暗示を超えた『自己改造』であり、彼本来の性格の気弱さは一切消え去り、冷酷で無慈悲な『闇の戦王』へと変わる。
- バーン・ダイン
詠唱式:【永久(とわ)に滅ぼせ、魔の剣威をもって】
超短文詠唱の爆炎魔法。射程は超短距離ながら、その分効果範囲内の敵を根こそぎ吹き飛ばす程の威力を持つ。
- ラース・ダイン
詳細不明。
装備
- ヴィクティム・アビス
とある呪術師(ヘクサー)が製作に携わった、『体力と引き換えに斬撃範囲を拡張する』という効果を持つ第一等級武装にして、特殊武装(スペリオルズ)の呪剣(カースウェポン)。初見の相手、特に眼の良い人間ほどその斬撃の餌食になりやすく、ヘグニ自らその能力を『前衛殺し』と呼び、多くの剣士を葬ってきたという。
呪詛(カース)の性質上、使うたびに失った体力を回復しづらいことが最大の弱点。
余談
- ダーク・エルフについて
神時代ではダーク・エルフは稀少とされており、作中でヘグニ以外のダーク・エルフは、ヘグニの宿敵だったディース姉妹の片割れであるヴェナ・ディースと『学区』の生徒であるレギ・ギギしか登場していない。ちなみに、ヘグニは上述のように中二病の様なしゃべり方、レギは片言しゃべり、ヴェナは理解不能なサイコパスと、全員意思疎通に問題がある。
- 声優について
中の人の小林裕介氏はダンまち一期にモブ神に声を当てた事がある。また、ベル役の松岡禎丞氏とはほぼ同期の間柄で、リアルではかなり仲が良いことで知られている。ヘディンの中の人がこれまた松岡と仲がいい島﨑信長氏なので、白黒の騎士のキャストが公開された際には一部のファンが歓喜した。
関連タグ
ナツキ・スバル・・・中の人繋がりな主人公だが、こちらは人に嫌われる要素ばかり詰め込まれたヘグニに輪をかけたダメ人間。詳しくは本人の項目を参照してほしいが、あえて言うならヘディンが最も嫌いなタイプである。もっとも、物語が進むごとに成長したことで、そういった面は目立たなくなったが。
グロキシニア・・・中の人繋がりで、こちらも元は妖精の王様だった人物。
ディーノ(転スラ)・・・中の人繋がり。ヘグニが白兵戦最強の妖精なら、あちらは白兵戦最強の天使。