「誰がママだ」
「呪文を詠唱すること。それは則ち、共に戦い、守ってくれる仲間を信じる事だ。」
「導きは無い。だが光ならいくらでも照らしてやろう。」
プロフィール
概要
【ロキ・ファミリア】の副団長であり、フィンとガレスに並ぶ派閥内の最古参メンバーの一人。オラリオでも数少ない第一級冒険者にして、自他共に認める都市最強の魔導士でもある。本編当初はLv.6だったが、作中でLv.7に昇格する。二つ名は【九魔姫(ナイン・ヘル)】。
元々は『アルヴの王森』で生まれた、エルフの王族たるハイエルフの女性。
本編の28年前に、ロキによって半ば無理矢理ファミリアに加えられてしまったが、今では大切な居場所と思っている。ゆくゆくはファミリアを脱退して世界を旅するつもりで、自身の後釜としてレフィーヤを育ている。
人物像
容姿
翡翠色の長髪を持つ絶世の美女で、その美しさは女神以上とも称されている。
年齢は99歳と現在確認されている冒険者の中では最年長だが、長命種のハイエルフであるので、かなり若々しい外見をしている。
体型はスレンダー見えるが、どうやら着やせするタイプらしく、『メモリア・フレーゼ』のイベントでは周囲から結構胸が大きいと言われている。
エルフらしく肌を見せる事には抵抗があり、服装は基本的に露出を少ないものを着ている。
性格
その風貌や種族に似つかわしく知的で、常に冷静に物事を見据えている人物。不正や卑劣な行い、他者の尊厳を踏み躙る言動を心底嫌っている。派閥の古参である事と面倒見の良さから団員達に対して「母親」のように接する事があり、ロキからはよく「リヴェリアママ」とからかわれている。
頭脳明晰であることから若い団員達の教育係も務めており、アイズやレフィーヤにもダンジョンや魔法の知識などを教えている。【神聖文字(ヒエログリフ)】の読み書きも可能で、作中でベルのステイタスを見る機会があり、彼のアビリティが限界突破していることを知っている数少ない人物でもある。
狩りを趣味にしており、弓矢の腕前は非常に高い。故郷にいた頃はユニコーンを飼って世話をしていたらしく、特典SS『ユニコーンを追って』やダンメモのイベント『妖精輪舞曲』では、ユニコーンが彼女に懐いている姿が書かれている。ユニコーンと会話もできるらしい。
王族として
エルフにとって王族たるハイエルフは神以上の存在なので、世界中のエルフから崇拝されている。これは敵対派閥である【フレイヤ・ファミリア】の幹部を務めるヘディンとヘグニも例外ではなく、彼らもリヴェリアに対しては敬意をもって接している。そのため、リヴェリアに手をあげることはすなわち、全てのエルフを敵に回す事に等しい。過去に抗争でリヴェリアを狙ったガリバー兄弟は、オラリオ中のエルフから追い回されたことがある。
もっともリヴェリア自身は、頑迷で視野が狭く他者を見下すエルフの傾向をあまり好ましく思っていない。彼女が里を出た理由も、閉鎖的な故郷の価値観に耐えられなかった事と、未知の世界を自分の目で見たかった為である。現在も自分を王族として扱われる事を快く思っておらず、エルフ達の自分に対する態度にかなりうんざりしており、自分の事を王族として扱うなと周囲によく言っているのだが、全く改善されず呆れている。
ちなみに『メモリア・フレーゼ』のイベントでは、バレンタインにはオラリオ中のエルフが自分にチョコを渡しに来たり、自分が修道女の服を着ればオラリオ中のエルフが懺悔に来るなど、ハイエルフとして苦労する様子が詳しく書かれている。リヴェリアが王族扱いに辟易するのも無理ないと言える。
人間関係
幼い頃から面倒を見てきた娘のような存在。彼女への想いは母親そのもので、アイズもかつてはリヴェリアに対して反抗的な態度をとっていたが、現在は心から信頼を寄せており、周囲からはよく親子みたいだと言われている。ちなみにアイズがもし伴侶を持つとするなら、最低限の品性と高い人格、更にアイズと同格の実力を持った人物が好ましいと思っているが、この話を聞いたロキは母親だけでなく父親属性も兼ね備えていたと呆れていた。
自分と同じファミリアの最古参メンバー。ファミリア結成当初は種族の違いもあって険悪な関係だったが、今では大切な仲間となっている。
ファミリアの主神。彼女の言動やセクハラ行為によく呆れながらも、信頼を寄せている。もっとも尊敬は全くしておらず、彼女がロクでもない事をする度に折檻をしている。
後釜として育てている弟子。潜在能力は自分を超えるとして期待している。
ただ最近はベルへの対抗意識が強すぎて、支離滅裂な言動をする事が多くなったので、彼女に対して少し辟易気味。
リヴェリアの従者であり親友。ガレス曰くリヴェリアが感情的になる、数少ない相手だという。ちなみにアイナが人間の男性と交際関係にあると知った際は、その男性がアイナ託すに相応しいかを見極める為に決闘をしたこともある。
リヴェリアと共に故郷を出てしばらくの間は【ロキ・ファミリア】の旅に同行していたが、故郷の外の空気が合わず体調を崩し、静養の為に泣く泣くリヴェリアと離れる事となる。今でも彼女との友情は続いており、頻繁に手紙や薬を送っている。リヴェリアの『回復魔法』は彼女との別離が影響で発現した。
アイナの娘であるため、幼い頃から面識を持つ。リヴェリアにとっては親戚の娘のような存在。
5年ほど前からギルド職員として働いていたのだが、エイナがリヴェリアに気後れして会おうとしなかったので、最近までこの事を知らなかった。
作中の活躍
物語序盤において、酔った勢いとは言え自分達の迷宮(ダンジョン)での失態を完全に棚上げする形で、ミノタウロスに怯えていた駆け出しの冒険者であるベルを笑い者にしているベートの言動は心底不快に思い、彼だけでなく共感して大笑いしていた【ロキ・ファミリア】のメンバー達全員に対し、原因が自分達の失態にあり、巻き込んだベルに謝罪はしても酒の肴にする権利は無いと強く諌め、自省を促している。
ベルと片角のミノタウロスの戦いの現場にも居合わせ、彼が死闘の末にミノタウロスを単身で撃破する瞬間を見届ける。その際、偶然彼のステイタスを見ることが出来たが、アビリティが限界突破している事を知り、驚きのあまり笑い声をあげた。
『異端児(ゼノス)』を巡る一件では、フィンから『武装したモンスター』が理知的生命体である可能性を聞かさせると「モンスターとの『取り引き』も可能なのでは?」という、怪物への敵意が根強い人類側としてはかなり懐柔的な意見を述べており、ガレスが冗談で言った「取り引きをする振りをして利用する」という言葉に対し、「たとえ怪物でも騙し討ちをするような真似は許さない」とハッキリ答えている。
『闇派閥(イヴィルス)』の拠点である人造迷宮『クノッソス』にて実際に『異端児』と対峙した際には、『妖精部隊(フェアリー・フォース)』のエルフ達がその存在を認知する事で戦いに迷いが生じてしまう危険性を理解していながらも、フェルズやリドの話を聞き入れ、彼らの望みを理解しなければ『答え』を出せないとして、問答無用な攻撃を行おうとはしなかった。しかし、彼らの話を聞いた後のリヴェリアは、モンスターと決して手を取り合えない『現実』について理路整然と語った上で、フェルズの語った『理想』を「英雄に憧れる子供の夢物語よりも聞くに値しない絵空事」と辛辣に唾棄し、アリシア達の迷いを断ち切ろうとする。フィンの意向を汲んだ面も多くあり、エルフ達やフェルズはそのリヴェリアの姿にフィンを重ねていた。
しかしその結果、タナトスに付け入れる隙を与えてしまう事態となり、特攻覚悟で挑んできた『闇派閥』の襲撃を加えた最悪な三つ巴の戦いを展開させてしまう。この混乱した状況はレヴィスが仕掛けてくる隙を与えてしまうのだが、レヴィスによる呪道具による攻撃からアリシアを庇ったレイの命懸けの行動をエルフ達と共に目の当たりにし、リヴェリア含めエルフ達は『異端児』を受け入れない自分達について悩むことになる。
オラリオ崩壊を目論む『都市の破壊者(エニュオ)>エニュオ(ダンまち)]]』との最終決戦『狂乱の戦譚(オルギアス・サガ)』では、第二部隊のまとめ役として参戦し、深層の『階層主』以上の力を誇る穢れた精霊の分身『祭壇の支柱(スピリット・オルター)』を討伐する。この冒険の偉業でLv.7へのランクアップが可能になった。
『女神祭』では、ベルに振られたシルが女神フレイヤとしての正体を現して、ベルを手に入れる為にオラリオを『魅了』で染め上げたが、丁度その頃、無意識に他人になろうとしていたレフィーヤが心配でエルフィやアリシアたちと共にダンジョンの深層域に遠征していたので、フレイヤによる『魅了』の呪縛を免れる事となった。
その後、フレイヤの所業にけじめをつける為、【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の『派閥大戦』が行われることになったが、【ロキ・ファミリア】が『派閥大戦』への参加を『ギルド』に禁止される。その事を抗議しに行ったフィンだがロイマンが提示した『千蒼(タリア)の氷園』に関する情報を【ロキ・ファミリア】に公開する代わりに『派閥大戦』から手を引けという取引を持ち掛けられて、リヴェリアが『千蒼の氷園』の情報を絶対に無視できないと判断したフィンが、止む無くロイマンからの取引を受け入れる。
そのことを知ったリヴェリアはフィンの予想通りに『派閥大戦』に参戦できなくなって不満を募らせるヒリュテ姉妹をなだめて、文句があるなら全て私に言えと告げた後、内心はヒリュテ姉妹と同じ想いのガレスにも謝罪している。
能力
冒険者としての役割は『後衛魔導士』。時に仲間の支援を、時に自ら活路を切り開いて敵を殲滅するなど、都市最強の魔導士という肩書きに相応しい実力者である。
いかなる状況においても決して冷静さを乱さず、的確な判断を行うことが出来る。本人はこの精神調律を『大木の心』と呼んでおり、弟子のレフィーヤにも教えている。
本来ならば魔法のスロットは3つしかないため、最高でも3種類の魔法しか発現出来ないのだが、彼女の魔法は攻撃・防御・回復の3種類の魔法に加え、それぞれ3段階の階位を含めた魔法を詠唱連結することによって規模や効果を変える事が出来、これにより合計9種類の魔法を扱えるという特徴を持っており、彼女の【九魔姫(ナイン・ヘル)】という二つ名の由来ともなっている。
長く共に戦ってきたフィンとガレスとは、息の合ったコンビネーションが可能で、作中では魔導士であるにもかかわらず前線に出て、3人で神懸かりな接近戦の連携をみせた事もある。
ステイタス
Lv.6(最終ステイタス)
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
G243 | G277 | C651 | C609 | S989 |
魔導 | 治療 | 耐異常 | 精癒 | 魔防 |
E | G | G | H | H |
Lv.7
力 | 耐久 | 器用 | 敏捷 | 魔力 |
---|---|---|---|---|
? | ? | ? | ? | ? |
スキル
- 妖精王唱(フェアリー・アンセム)
魔法効果を増幅するスキル。魔法の射程距離も拡大し、詠唱量が増えれば増えるほど強化補正も増大していく。
- 妖精王印(アールヴ・レギナ)
長い歴史の中でもリヴェリアしか発現させていないだろうレアスキル。効果はリヴェリア自身の魔力アビリティ強化と自分の魔法円(マジックサークル)の中にいるエルフの魔法効果の増幅、また周囲に拡散する魔素を回収して精神力(マインド)を回復させる効果を持つ。
このスキル効果を活かすため、リヴェリアを中心としたエルフだけで構成された『妖精部隊』が作られる。
発展アビリティ
- 魔導
威力強化、効果範囲拡大、精神力効率化。魔法を使用する上で様々な補助をもたらす魔法円を作り出すことができる。
- 治療
作中で具体的な効果は説明されていないため不明。恐らく回復魔法に何かしらの補正がかかるものと思われる。
- 耐異常
状態異常の症状を防ぐことの出来るアビリティ。
- 魔防
作中で詳しい効果は説明されていない。魔法攻撃に対する耐性が強化されるアビリティと思われる。
- 精癒
少量だが精神力(マインド)の自動回復が出来る。魔導士にとって貴重なレアアビリティ。【ロキ・ファミリア】では、彼女以外にアイズが習得している。
魔法
- ヴァース・ヴィンドヘイム
詠唱連結の攻撃魔法。詠唱を繋ぎ、短文、長文、超長文と伸ばすごとに効果を変え、威力を高める事が出来る。
・ウィン・フィンブルヴェトル
詠唱式:【終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に風(うず)を巻け。閉ざされる光、凍てつく大地。吹雪け三度の厳冬--我が名はアールヴ】
第一階位攻撃魔法。極寒の三条の吹雪を引き起こし、敵を凍りつかせる。
・レア・ラーヴァテイン
詠唱式:【間もなく、焔(ひ)は放たれる。忍び寄る戦火、免(まぬが)れえぬ破滅。開戦の角笛は高らかに鳴り響き、暴虐なる争乱が全てを包み込む。至れ、紅蓮の炎、無慈悲の猛火。汝は業火の化身なり。ことごとくを一掃し、大いなる戦乱に幕引きを。焼きつくせ、スルトの剣--我が名はアールヴ】
第二階位攻撃魔法。魔法円から無数の巨大な炎の柱を突き出す広範囲殲滅魔法。
展開する魔法円にはレーダーのような機能が備わっており、人やモンスターとの識別も可能。当然詠唱をするだけで魔力を消費するものの、リヴェリアの豊富な『魔力』もあり、魔法の中断をながら探知を繰り返す行為を作中でよく行っている。ただし対象は『横』の範囲のみなので、迷宮やクノッソスのような『縦』の領域が存在する場所では、特定階層に自ら足を踏み入れる必要がある。
・ヴァース・ヴィンドヘイム
第三階位攻撃魔法。
- ヴィア・シルへイム
詠唱連結の防御魔法。詠唱を繋ぎ、短文、長文、超長文と伸ばすごとに効果を変え、威力を高める事が出来る。
・リヴ・イルシオ
第一階位防御魔法。
・ヴェール・ブレス
詠唱式:【木霊(こだま)せよー心願(こえ)を届けよ。森の衣よ。集え、大地の息吹--我が名はアールヴ】
第二階位防御魔法。物理属性と魔力属性に対する抵抗力を上昇させる補助防護魔法。効果は一定時間持続し、僅かだが回復効果もある。
・ヴィア・シルヘイム
詠唱式:【舞い踊れ大気の精よ、光の主よ。森の守り手と契りを結び、大地の歌を持って我等を包め。我等を囲え大いなる森光(しんこう)の障壁となって我等を守れ--我が名はアールヴ】
第三階位防御魔法。翡翠色の魔法円を、物理と魔法の攻撃を全て遮断するドーム状の結界に変える結界魔法。
- ヴァン・アルへイム
詠唱連結の回復魔法。詠唱を繋ぎ、短文、長文、超長文と伸ばすごとに効果を変え、威力を高める事が出来る。
・フィル・エルディス
第一階位回復魔法。
・ルナ・アルディス
第二階位回復魔法。
・ヴァン・アルヘイム
第三階位回復魔法。
装備
- マグナ・アルヴス
魔導士専用武器。ロキが法外の値段で魔法大国アルテナに作成を依頼した、迷宮都市も含めて下界の中で『至高の五杖』に数えられる最上級魔杖。
最高位の魔宝石が埋め込まれており、威力を限界まで高められる。『精製金属』と『聖皇鉱石』が複合した杖は強固であり、長柄武器として重宝する。
値切り済みで3億4千万ヴァリス。この値段は現在作中においてオッタルの《覇黒の剣》に次いで2番目に高い値段になるが、魔宝石の額も加えると更に跳ね上がる。石の交換は『魔女の隠れ家』の主レノアが行なっているが、遠征の度に石を壊してくるので悪態をつかれることもしばしば。
- 妖精王の聖衣
王族の里にそびえる聖王樹の繊維が編み込まれている。高い魔力耐性を持つ。もとの材料は、里を飛び出したリヴェリアが身に付けていた王家の王衣。従者であるアイナに押し付けていたものが、巡り巡って第一等級防具となった。
余談
- 声優の変更について
リヴェリアのキャストが種田女史から川澄女史に変わったのは、種田が『ソード・オラトリア』のアニメ化の約半年前に病気療養で活動休止を余儀なくされたため。両者は同じ事務所の先輩後輩にあたり、声質も似通っているため、順当な変更と言える。むしろリヴェリアの声に厚みが増したとして、この変更はよかったと思うファンは多い。ソード・オラトリアの放送終了後間もない時期に種田は復帰を果たしたが、その後もリヴェリアは川澄の持ち役として定着した。