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ダークエルフ

だーくえるふ

ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種「エルフ(Elf)」からさらに派生した種族。
目次[非表示]

曖昧さ回避


概要

概ねエルフの近縁種とされ、エルフや善良な存在に敵対する集団とされる場合が多い。
別名として「黒エルフ」「闇エルフ」「シャドウエルフ」などがある。

出典については諸説あるが、多くのファンタジー要素の原典となっている北欧神話には既にのエルフ(デック・アールヴ)』という単語が登場していた。
そこでは天のアルフヘイムに住む光のエルフに対して、闇のエルフは地下に住むと語られている。
但し、北欧で言う『闇のエルフ』はドイツのドヴェルガーに近く、エルフと言うよりはドワーフゴブリンめいた存在を指している。

例えばTRPG初期の名作『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』では、これを踏まえて地底の大陸レベルの洞窟網「アンダーダーク」に住んでいる者が多いとしている。
一方で同じ『D&D』でもドラゴンランス世界(クリン)の黒エルフはエルフ社会から追放された者とされる。

また、ファンタジー小説の古典と言える『指輪物語』でも、同様に対比される光と闇のそれぞれ2種のエルフが登場する。ただしこちらの場合、「闇のエルフ」といっても邪悪な存在では決してなく、ただ単に太陽以前の光(二本の木の光)を見たか否かによる区別でしかない。
そのため、エルフの人種・民族的分類とは一致せず、

  • ヴァンヤール:すべてが光のエルフ
  • ノルドール:アヴァリに含まれるごく一部を除き、すべてが光のエルフ
  • テレリ
    • ファルマリ:すべてが光のエルフ
    • シンダール:王のエル・シンゴル(エルウェ)だけが光のエルフ
    • その他のテレリ:すべてが闇のエルフ
となる。 ちなみに「シンダール」とは「灰色エルフ」という意味である。
また、同作に敵として登場するオークの容姿も、原作の設定では現在のダークエルフのイメージに近いとされる。

外見的イメージ

作品や描き手の解釈によって様々なのは言うまでも無いが、

  • 通常色白とされている肌の色が、褐色または漆黒
  • 金色や茶色が多い髪の色が、黒髪もしくは白髪
という特徴を持っている事が多い。黒系の色合いは「通常のエルフが邪悪な力に染まった(悪堕ち)」様の象徴としている場合もある。
なお、欧米のゲームの設定では「人間の『黒い肌』とは明らかに違う、人間では有り得ないような黒」「光をほぼ反射しない陰影さえはっりしない漆黒」など絵師泣かせな代物になっている場合も有る。

しかしながら「邪悪=褐色や黒髪」という表現は、後に欧米で人種差別的な表現とされ、近年に発表される作品では通常のエルフと外見や善悪の差異を設けないケースも増えている。

もしくは実在する諸人種を連想させないために、現実には有り得ない肌色と髪色を組み合わせる事もある。その中では青肌銀髪という組み合わせが人気な模様。
あるいはこちらの方をオークに寄せてクリーチャーじみた外見にするといったパターンもあり、実写作品においても特殊メイクによって著しく役者の姿を変えていたりする。

ファンタジー垢用ラクガキ。
【PFT】種を蒔くもの



また、女性の比率が高く、しかも通常のエルフより巨乳露出度が高い傾向もある。
おそらく「七つの大罪」などの影響でサキュバスあたりのイメージと融合したものと思われるが、『D&D』のルールブックにそのような記述は無く、成立過程はやはりはっきりしない。
サキュバスに比べるとワイルドな風貌をしている事が多く、アマゾネスなども取り込んでいるかもしれない。

物語論的に考えると、同じく善やエルフと対立しがちなオークがやたらと雄々しい男性ばかりが取り上げられる傾向があり、また、一昔前までは「主人公≒正義の味方≒男性」の構図が成り立っていたため、その方が収まりが良かったという事情もあるのだろう。
ちなみに、オークとダークエルフが連んでいる事は意外と少ない。

日本における定義の変遷

日本社会がダークエルフを認知するのは、上記『D&D』や『ファイティングファンタジー』等のゲームブック輸入された事による。
続いてそれらのイメージに大きく影響された国産TRPG『ロードス島戦記』と世界観を共有する『ソード・ワールド』が現れ、更に知名度を高めた。
『D&D』の日本語版ルールブック発売が1985年、『ロードス島戦記』のリプレイの連載開始が1986年であったので、一連の流れとして急速に普及したと言える。
特に『ロードス島戦記』は日本におけるファンタジーシーン、およびエルフという種族の外見的なイメージの原型を形作ったと言っても過言では無いため、同様にダークエルフのイメージもほとんどそのままで1980年代を推移した。

しかし1990年代に入ると「邪悪なエルフ」という定義はだんだんと薄まり、単に「褐色肌を持つエルフの亜種」として描く作品が増加し始める。
これは、「邪悪」の定義が多分にキリスト教的な世界観の影響を受けたもので日本にはそぐわない点が多々あったうえ、陰陽道などの影響で「物事には全て表裏一体の関係がある」といった考え方をしがちである事が影響していると思われる。他、やはり欧米と同じく「肌が黒い=邪悪」という設定が、差別的だと見なされたことも、影響していると思われる。
「光≒善」「闇≒悪」とする描写はSFの『STARWARS』シリーズなどにも見られるが、同様に日本では定着せず、この関係は日本の創作界では時代を経るごとにむしろ切り離されていった。

2000年代に入ると「萌え」文化が台頭する中で一層距離感が縮まってゆき、ラジアータストーリーズのように「エルフはプライドが高く人間文明を理解しようとしないので厄介な相手だが、ダークエルフなら俗っぽいので共存しやすい」という、立場が逆転した評価が下される例すら散見されるようになる。
邪悪さを残している場合もあるものの、多くは「ツンデレ」程度に軟化していてそのギャップ萌えを愛でるものとされるようになった。

ゲームにおける扱い

2000年代以前に発表された各種ゲームでは、ダークエルフはプレイアブルキャラクターにはなっておらず、専ら敵キャラとして登場する例が多かった。それらは大抵、接近戦の技だけでなく、遠距離攻撃の魔法を使いこなす強敵として主人公の前に立ちはだかった。

これがMMORPGネットゲーム)の時代に入ると、プレイヤーの選択肢を増やすという動機から、多くのゲームでダークエルフでのプレイが可能になる。
この場合、エルフとダークエルフとの善悪を絡めた対立軸はストーリーを制約しかねないという意味で好ましくなく、単なる「色違い」とするような風潮が一層進展していった。
一部に「プレイヤーが悪側の勢力だから」という理由でダークエルフでも構わないとする例もあるが。

先の『ソード・ワールド』でも、公式には原則としてダークエルフ(及びそれに伴うファラリス信仰)を敵専用のキャラクターとしていたが、実際には多くのプレイヤーたちが自作シナリオ(ローカル・サプリメント)の中でダークエルフを通常のプレイヤーキャラクターと同様に扱う行為が、半ば慣例化し横行した。
ソードワールド2.0』になると「ダークエルフ」という区分そのものが消滅し、「褐色肌のエルフ(他の肌色と同種族扱い)」が公式キャラとして登場するようになっている。なお、「ダークエルフ」が持っていた能力的な部分は「シャドウ」という別種族に引き継がれた(一方で、邪悪という設定は引き継いでいない)。ソードワールド2.0では、ダークドワーフという種族が登場するが、こちらは通常のドワーフと同一種族であり、蛮族に与して特殊能力を獲得したドワークがそう呼ばれているに過ぎない。また、肌の色は、白い者が多い。

変り種として、『半熟英雄』には、「性格がダークなエルフ」としての「ダークエルフ」がエッグモンスターとして登場する。根暗でいつも人を呪っており、攻撃も状態異常即死など陰険。

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関連タグ

ジャンルファンタジー
派生エルフ, シャドウエルフ, 褐色エルフ, 褐色ロリデコ銀髪エルフ, drow
TRPGダンジョンズ&ドラゴンズ, ファイティングファンタジー, ロードス島戦記, ソード・ワールド
CRPGThe_Elder_Scrollsダンマー
MMORPGリネージュ2
キャラクターピロテース, ダーエロ, ディオナ, ヤオ・ロゥ・デュッシ, ヘグニ・ラグナール

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