「フォースをそなえたようだなスカイウォーカー。だがまだジェダイではない」
概要
英語表記は"Darth Vader"
シリーズ旧3部作の最大の悪役であり、新旧6部作通して最も重要な登場人物の1人。
その極悪ぶり、強大さ、そして衝撃的な正体など、強烈な魅力に溢れたキャラクター性で多くのファンを魅了しており、映画史上最も人気のある悪役の1人と言って差し支えないだろう。
悪役とは言っても、単なる悪党ではないところも彼の魅力であろう。
STARWARSシリーズお馴染みのテーマ曲「帝国のマーチ」と共に堂々と歩いてくる様は、もはや映画史上最大のカリスマである。
銀河帝国の皇帝シーヴ・パルパティーン/ダース・シディアスの弟子にして右腕。銀河全域で辣腕を奮う指揮官であり、銀河最強クラスの実力を持つ戦士。皇帝や帝国初のグランド・モフにして初代デススターの司令官でもあるウィルハフ・ターキンと並び、帝国の創設期を大きく支えた人物であると同時に、その支配体制の象徴となる人物と称された。
元々はクローン大戦で活躍したジェダイの騎士であり、当時はオビ=ワン・ケノービの弟子だったが、戦争末期にフォースの暗黒面の誘惑に屈してシスに転向した。
容姿
全身の大半がサイボーグ化された巨漢で、黒いマスク・スーツ・マントと身体全体を漆黒の衣装で包んでいる。
顔全体を覆うマスクは生命維持装置であり、絶えず独特の呼吸音を発している。これは過去の負傷(後述)が原因で自力での呼吸が不可能になったために付けられたもので、外れたり故障したりすると彼の命は失われる。
ただし、生命維持装置が機能している限り、短時間かつ適切な環境下ならばマスクを取り外すことはできる(エピソード5『帝国の逆襲』、『ローグ・ワン』より)。また、『反乱者たち』シーズン2では片目部分がマスク割れするも戦闘を続けるシーンがある。
人物像
性格は機械じみて冷酷非情であり、機械的な音声のような喋り方をする。敵はおろか味方でさえ無能と断じれば容赦なく粛清してしまう。
正体
本名はアナキン・スカイウォーカーであり、ルーク・スカイウォーカーおよびレイア・オーガナの実父。
生まれる筈だった子供は妻と共に死亡したものと思っており、ルークが「スカイウォーカーの息子」という話を聞き、初めて実子が生きていた事を知った。レイアの事も当初は娘であるとは知らなかったが、捕らえた彼女を処刑しようとするターキンに対して「まだ利用価値がある」と言って処刑の撤回を進言するなど、無意識のうちに庇う発言をしている。
能力
優れたフォースとライトセーバーの使い手であり、パイロットとしての腕前も超一流と、作中では最も強力なキャラクターの1人と言える。
ジェダイ時代は史上最強の騎士であり、暗黒面に堕ちた直後に至っては純粋な戦闘力という点においてはシディアスやヨーダをも凌ぐ存在だった。シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスによれば、『スター・ウォーズ』の世界で「純粋な戦闘力」という点においては最も強いのは、暗黒面に堕ちた直後の状態で後述の負傷を負うことなく、フォースの潜在能力を全て開花させた場合のベイダーである。
しかし、エピソード3『シスの復讐』においてオビ=ワンとの決闘に敗れた際に手足を全て失った他、全身に大火傷を負ったことで呼吸器系を損傷してしまい、自力での呼吸が不可能になってしまう。全身がサイボーグ化され生命維持装置を付けているのはこれが原因であり、以後の彼の戦闘力は全盛期と比べて大きく落ちている。
もっとも、『反乱者たち』では倒れてきたAT-DPを片手で持ち上げたり、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』では尋問官を相手に、自身のライトセーバーを起動することなく背後からのライトセーバーの一撃をフォース・プッシュで防ぐ、ヘリコプターのように使えば飛行もできるほどの回転力を持つ回転式ダブルブレード・ライトセーバーの回転を抑えるなど、弱体化したとは言っても並の敵ならば容易に返り討ちにする実力は健在であった。
一方で彼のアーマーの性能はEP3発表時の設定と比較すると明らかに跳ね上がっており電気が弱点、当初は歩行すら困難だったはずがEP3の絶叫の数分後にはフォース・ライトニングによる教育的指導が入った挙げ句、そのままジェダイ残党狩りに出撃させられている。
なお、レジェンズの設定においても機械化によってダース・ベイダーのフォースが弱まったというのはあくまで機械化される前のダース・ベイダーや彼の師であるダース・シディアスといった作中世界における銀河系最強クラスと比較した場合の話であり、レジェンズにおける機械化直後を描いたスピンオフ作品においても以前と比べて動きづらいサイボーグの身体を完全に扱いきれていない状態にありながら、それでも尚オーダー66を生き延びたジェダイを圧倒し次々に抹殺するという並のフォース=センシティブを凌駕する戦闘能力を発揮していた。
また、電気(あるいは生命維持装置)が弱点であるという設定自体は正史でも残っているらしく、スピンオフ作品ではドロイドによる高圧電流を受けてわずかな時間ではあるが行動不能に陥り、追い詰めたジェダイを取り逃がしてしまう場面も存在する。
スピンオフドラマの『オビ=ワン・ケノービ』では、6話でのオビ=ワンとの戦いの際、胸部の生命維持装置がライトセーバーの柄による打突を何回も受け動作不良を起こし、弱って隙を見せたところにヘルメットの左側が破損する強烈な一撃を受け結果として膝を折る事となった。
経歴
シスへの堕落~サイボーグ化まで
上述の通り、彼の正体はエピソード1『ファントムメナス』からエピソード3『シスの復讐』にかけての主人公だったアナキンである。
エピソード3において、アナキンはマスターであったオビ=ワンとジェダイ全体への不信感を抱いた末に、予知夢により妻のパドメを失うかもしれないという恐怖のあまり、「ダークサイド(暗黒面)の力は死すら乗り越えられる」というダース・シディアスの甘言によってダークサイドに堕ち、彼に忠誠の誓いを立てた。この時にシディアスから「ダース・ベイダー」の名を与えられており、同時にジェダイの騎士たるアナキン・スカイウォーカーは死んだと言える(後にオビ=ワンや息子のルークもこう表している)。ここが、シスの暗黒卿たるダース・ベイダーの誕生の瞬間であった。
その後ベイダーはシディアスの指示に従い、「オーダー66」の下、ジェダイ時代からクローン大戦で指揮していたクローントルーパーのエリート部隊第501大隊を率いてジェダイの騎士を(修行中の子供も含めて)虐殺した。
そして、オビ=ワンと溶岩の惑星ムスタファーで対決。この時点で、彼の力はオビ=ワンを凌駕していたが、慢心と怒りに駆られて戦ったことが原因となって敗北。ライトセーバーによる切断で四肢を全て失ったばかりか、溶岩流の熱で衣服が発火したことで負った激しい火傷により、呼吸器などにも致命的な損傷を受けた。
オビ=ワンはベイダーの死を確信してその場を去ったが、シディアスに回収された彼は驚異的な生命力と医療ドロイドの改造手術において、四肢に義手・義足を取り付け、生命維持マスクの装着および内臓の一部を生命維持装置へ置き換えて一命を取り留め、サイボーグの姿へと変貌した。
サイボーグとして覚醒したとき、最初にシディアスに尋ねたのは、パドメの無事であった。シディアスが彼女の死を伝えると、それを聞いたベイダーは痛ましい慟哭を上げて絶望し、フォースのダークサイドへとより深く堕ちてしまう。パドメは絶命する直前に二人の子供をこの世に残していたが、この時の彼はそれを知る由もなかった。後に彼はシディアスをも打倒するという権力欲に駆られることになるが、その源はこの事実を悟り、シディアスが自身を騙していたことに対する怒りであった。
なお、この際フォースによって周囲の施設を破壊しようとしたが、いずれも大きく変形するに留まり、彼の力が大幅に弱まってしまったことを示していた。生身の肉体の大半を失ったことで、ヨーダやシディアスをも上回ると目されたフォースの潜在能力は、永遠に失われてしまったのだった。シスの教義に忠実なシディアスは、ベイダーの本来の素質を永遠に失ったことを残念がる(シスにおいては弟子が師匠を越える力を得て殺害することが新たなマスターとしての独立を意味するため、その意味でシディアスはベイダーに下剋上で殺されるのも構わないと考えていた)ものの、「これでベイダーが自分に反逆することもなくなった」とほくそ笑むのであった。
なお、ベイダーの装甲服の着心地は極めて悪い。生命維持を最優先したから着心地が悪くなった……わけではなく、師への反逆を難しくするための皇帝なりの牽制と、自分をこのような状態にしたジェダイへの怒りを忘れさせないためである。
ちなみにサイボーグ手術にはグリーヴァスに使われた技術が流用されているが、意図的に粗悪な改造を施されているせいでグリーヴァスのようなアクロバティックな動きが不可能である。もっとも、逆に言えばその気になればグリーヴァスに匹敵する身体能力を与えられる事を意味している。
その後、自身が四肢を失いサイボーグとなる契機となった惑星ムスタファーに拠点となる城を構えており、スピンオフのコミックではベイダーがある研究の一環としてかつてフォースに関わる芸術品の制作を得意としていた古代のシスの暗黒卿で仮面に精神を封印されていたダース・モミンにこの城を設計させた事が語られている。また、この場所にある装置を隠していた事が後の時代に判明している。
旧3部作(+『ローグ・ワン』)
壮年期に至るまで、皇帝パルパティーンの忠実な右腕として、政治に戦闘に多大な活躍を見せる。しかし、密かに「皇帝を倒し自らが銀河を支配する」という野望も抱き始めており、パドメやルークにその野望の一端を語っていた。
なお、ダークサイドに堕ちてからは、もともとアナキンにあった直情傾向な性格がより強化され、特に無能な部下や敵を粛清する場面において、その行動はいっそう迅速かつ冷酷で容赦がないものと化した。
無能な部下や自身の能力を侮辱する者に対して、その首を得意のフォースグリップで締め上げ、制裁を加えるシーンは有名である。
クローン戦争やオーダー66による抹殺を生き延びたジェダイ騎士を始末していく内に、以前持っていた力に及ばないまでも、ダークサイドのフォースの能力に目覚めていった。
また、サイボーグの姿となってからもパイロットとしての腕は衰えておらず、黒い塗装が施された改良型ジェダイ・スターファイターやTIEアドヴァンストx1を愛機とし、『エピソード4』では反乱軍の優秀なパイロットたちを次々と撃墜している。
クローン大戦からジェダイの虐殺まで率いていた精鋭の第501大隊については、帝国樹立直後には引き続きベイダーの直属部隊として活躍し、「ベイダーズ・フィスト(ベイダーの拳)」の異名で知られる事になるが、ヤヴィンの戦いまでの間に彼の指揮下から外される事になる。手勢を失ったベイダーはクローン大戦時代に実戦投入段階へ入る前の「子供」だったり、クローン大戦の終結からクローントルーパー製造が打ち切られるまでの短い期間に新造された、ジャンゴ・フェットのクローンの「最終世代」を集めて自身や尋問官の配下としてジェダイの生き残りの討伐を専門とする暗殺部隊「パージ・トルーパー」を組織した他、上述した501大隊についても表向きは指揮下から外したように偽装しつつも一部の部隊については配下として固持し続けていたとする資料も存在する等、度々皇帝に隠れて独自の兵力を保持しようと暗躍していた事が窺われるが、これらの活動も最終的には皇帝に露見し、組織解体を命じられる事になった。
(レジェンズでは第501大隊はベイダー指揮下の独立部隊として存在したが、エンドアの戦いの後に解体される)
『エピソード4』は、反乱軍の中核を担うレイアの宇宙船を彼が拿捕した場面から始まる。
当初は、皇帝の腹心ではあったもののそれほど高い地位にいたわけではなく、本作ではターキンの指示を受けて動いていた。一方、デス・スターの存在を知った反乱軍は、帝国への反撃を開始。その動きを知った帝国軍は反乱軍の基地を割り出し惑星ごと葬ろうと試みる。ベイダー自身もTIEアドバンスドで出撃するも、デス・スターは一人の若いパイロットにより破壊されてしまった。このときベイダーは例のパイロットから強力なフォースを感じ取っている。
その後デス・スターを破壊したパイロットが自身の息子であることとその強大な才能を知り、2人の力を合わせて皇帝を倒し帝国の頂点に立とうという野望を抱き始める。
なお、『エピソード4』直前までの戦いを描く、2016年公開の公式番外編『ローグ・ワン』にも登場しており、彼がレイアを追跡することになるまでの経緯が明らかになる。
なお、「ローグ・ワン」最終盤では設計図を持って脱出を図る反乱同盟兵士たちをたった一人でバッタバッタと皆殺しにしていくという凄まじい立ち振る舞いをしてみせ、多くのファンから「歴史が変わったシーン」「(本編自体素晴らしいのはもちろんだが)このシーンだけでも見る価値がある」と絶賛された。なお、この終盤のシーンは撮影当時はスタッフの中でもごく限られた者しか知らない機密情報で、多くの出演者やスタッフが試写会でこのシーンのことを初めて知ったという。
『エピソード5』では、デススターが反乱軍により破壊され軍部の高官の多数が死亡した事もあり、反乱軍鎮圧の名目で「あらゆる法や規制に束縛されない特権」とスーパー・スター・デストロイヤー「エグゼクター」、そして「死の艦隊」を与えられた。
(とはいえこの特権を手にするまでの道のりは決して順風満帆であったわけでなく、ヤヴィンの戦いの敗北によるデススター崩壊直後にはこの宇宙ステーションだけでなく、勢力拡大を目論む反乱同盟軍により新たな標的とされた兵器廠の防衛にも失敗して皇帝から大きな怒りを買い、帝国軍大将軍となったカシオ・タッグの指揮下へと降格させられた事もあった)
強大な軍事力を持ってまさに「帝国の逆襲」たる猛攻を見せ、反乱軍に大打撃を与えた。そして自身はルークをおびき出し、ライトセーバーを用いた直接対決を行う(ちなみにベイダーがルークとライトセーバーで対決するのはこれが初めてではなく、カノンとレジェンズのいずれにおいてもそれぞれ経緯は異なるものの、ベイダーがルークの素性を知る以前に一度対決していた事がスピンオフ作品で語られている)。
ここでベイダーはルークを圧倒し、かつての自分のようにその右腕を切断し勝利する。そして彼に、自分こそがルークの父であることを告げ、野望実現のために手を組むことを提案する。
もはや語るまでも無く、このシーンはシリーズ史上屈指の名シーンである。この事実を、ルークのみならず観客もが、このとき初めて知った。
だが、ルークはベイダーの誘惑を振り切って逃亡した。
なお、ベイダーの野望は早くからシディアスに見抜かれていた。そして、ルークというベイダー以上の逸材を見つけ出したシディアスは、やはり早期からベイダーを切り捨ててルークを新たなアプレンティスにすることを目論んでいた。
『エピソード6』では、反乱軍が第2デス・スターに猛攻をしかけてきたところを罠に嵌め、修行を積んで復活したルークと再び対決する。ベイダーはこれを自らの差し金だと思っていたが、実際にはこのエンドアの戦いも、ベイダーとルークの対決も、すべてシディアスの掌の上の出来事であった。
修行を積み、さらには「レイアをダークサイドへ引き込む」という挑発によってダークサイドに近づいていたルークの力の前に今度は逆に圧倒され、右の義手を切断されて敗北。さらに皇帝によって、かつてのドゥークーのようにルークをダークサイドへ引き込む為の生贄に利用されかける。
しかし、ルークは強靭な意志でこれを拒否し、ライトサイドに踏みとどまった。
怒った皇帝はフォース・ライトニングでルークを抹殺しようとしたが、ベイダーはかつての自分とは対照的にダークサイドの誘惑を撥ね退けたルークの姿を見て、そして自らを信じて助けを求める声を聞いて、とうとうライトサイドに帰還し、皇帝をデススターの動力炉へ投げ込み倒した。
しかし、自身もフォース・ライトニングを浴びたことによって、生命維持装置を破壊されてしまった。
死期を悟ったベイダーもといアナキンは、死ぬ前に自分自身の目で息子の姿を見たいと願い、ルークにヘルメットを外させ、息子に見守られながら息を引き取った。
その仮面の下は、かつてムスタファーで負った重傷により傷にまみれ、白く爛れた姿であった。
ルークは彼の遺体を何とか連れ帰り、荼毘に付した。
そして、アナキンの魂はフォースと一体化し、ヨーダやオビ=ワンと共にルーク達を見守るようになった。
最終的にはライトサイドに傾きフォースに固執するあまり優しさや思いやりといった人間性すら失ったジェダイ、ダークサイドに傾き銀河全体を力と恐怖で支配したシスの両者を滅ぼし、ジェダイの予言通りフォースにバランスをもたらした。
だが、彼の遺した影響はあまりにも大きく、死後も彼に対して崇拝に近い感情を抱く者は少なからず存在した。エピソード7に登場したカイロ・レンもその1人である。
死後の扱いとしては大前提として原則ベイダーとルーク及びレイアとの親子関係はEP7直前まで公式には認知されておらず、新共和国、銀河帝国残党(ファースト・オーダー含む)とも「ジェダイであるルークが単身特攻して皇帝とダース・ベイダーを打倒した」との見方を公式の見解として採用していた。
一般に新共和国からは、ベイダー殺しこそが自らの正統性の象徴である事もあって大悪人ではあっても大物と扱われている。そのためベイダーことアナキンの実の娘に当たるレイアは、その血縁関係を証言する養父ベイル・オーガナの音声データがいくつもの不運により政敵の手に渡り、新共和国元老院で暴露された事で大多数の議員から謂れなき非難を浴びて政治的発言力を奪われ、元老院を去り独自にファースト・オーダーに対抗するレジスタンスを結成することとなった。
ただあちらの銀河では完全な版権フリー素材扱いでもあるらしく、「どこの土産物屋でもフィギュアが手に入る」とまで言われている。一方、ファースト・オーダーを含む帝国残党のプロパガンダでも最期まで皇帝に忠義を尽くした騎士だと見なされていた。そして勿論、暗黒面を信望する者たちからは強く崇められ続けていた。
ただ一方で皮肉にもこのプロパガンダにより、帝国残党やファースト・オーダーの軍部内にこそ「ベイダーがご自慢のフォースとやらで勝負して負けたから帝国が滅んだ」と見るものが相当数存在したのも確かである。孫が馬鹿にされていたのは「偉大なベイダー卿に及ばない」からばかりでなく「(オツムの程度が瓜二つの)ベイダー卿がお喜びになりそうなお孫さんですね」と侮るものもいたのである。挙げ句、元直属の部下に純粋な戦闘力だけなら孫が勝ると判断されたことすらある。
ある意味死後の扱いでもっとも意外なのが師匠ダース・シディアスからの扱いである。孫を弟子にしたばかりの時期がコミックなどで公開されているが、ルーク・スカイウォーカーのことは手放しに称賛し、侮るなと教える一方、一切彼の話はしていない。仮面をつけてきた孫を殴りつけたことすらあり、当たり前といえばそうだが、向こうは裏切り者のことなどなかったことにしているようである。シスとしては裏切り、下剋上など当然、もしくは継承の一環に過ぎない筈だが、ベイダーのそれは欲望や悪意といった「自身がより強力なシスの暗黒卿として君臨する」事を目的としたものではなく、我が子を守るために自らをも犠牲にする親子愛による裏切りであり、更にシスからジェダイに帰還したことが原因だろうか。
配役
デイビッド・プラウズ
旧三部作においてスーツアクターとしてサイボーグ姿のベイダーを演じた。
198cmにも達する長身生かし、悪の巨人、ダース・ベイダーのキャラクター像を作り上げた。
ただ背が高いだけではないベイダーの巨大な造形は、ボディビルダーとウェイトリフティング選手として鍛え上げられ、並外れた胸板の厚さを持つ彼の堂々たる体躯に由来する。
頭部も相応に大きく、ベイダーの実物大のマスク、ヘルメットを初めて見た方はその大きさに驚かれることだろう。
『エピソード5』でのルークに自分が父親だと明かすシーンの撮影時、関係者からのネタバレを防ぐため「オビ=ワンがお前の父親を殺したのだ」という偽の台詞を与えられていた。初回上演時に初めてベイダーがルークの父親であることを知り、「本当の台詞を知っていればもっと違う演技をしたのに」とこぼしたという。プラウズは公開前の映画のネタバレをしてしまうことで有名だったらしく、上記の措置もそれに関係していると思われる。ちなみに撮影時に本当の台詞を知っていたのはルーカスの他に監督のアービン・カーシュナー、ルーク役のマーク・ハミル、ベイダーの声を演じたジェームズ・アール・ジョーンズだけであったとされる。この件に加え後述のようにベイダーがマスクを脱ぐ場面で別人が使われ自分は終始声も顔も出なかったことに対して制作陣に不満を募らせており、他にも色々トラブルがあったことから制作陣との関係は悪くなってしまった。
プラウズがベイダーを演じたことに関して『アイ・アム・ユア・ファーザー』というドキュメンタリー映画が存在する。
晩年はアルツハイマー病に苦しみ、2020年11月、当時世界中で猛威を奮っていた新型コロナウイルスによる合併症により死去。訃報に際しSTARWARSシリーズの生みの親であるジョージ・ルーカス本人から「デヴィッドさんは、ダース・ベイダーに必要不可欠だった身体性をこの役柄にもたらしました」「ベイダーが記憶に残る悲劇的な人物となったのは彼のおかげです。ご冥福をお祈りいたします」という哀悼の意を込めたメッセージが公開された。
ジェームズ・アール・ジョーンズ
渋い低音ボイスを持つ名優で、出身地ブリストル地方の訛りの強いプラウズに代わり、旧3部作でサイボーグ姿(マスク装着時)のベイダーの声を演じた。また、『エピソード3』でサイボーグ化した後のベイダーや、『ローグ・ワン』ほかすべての作品において再登場したベイダーの声もすべて彼が演じている。
なお、2022年9月ついにベイダー役からの引退を表明。引退時のジョーンズの年齢は実に91歳、「新たなる希望」公開から45年もの間務めた彼の功績は大きく、ルーカスフィルムは代役を立てることはせず、今後登場するベイダーの音声はジョーンズの音声ライブラリーからAIを使って合成することを発表している。ジョーンズ自身もこの方針に賛成・協力しており、自分の声の権利を譲渡しているほか、ベイダーというキャラクターを演じるコツを伝授する形で協力しているという。
2024年の9月に代理人によって死去が発表された。ルーカスは「芸術的にも精神的にも最もユニークな声を持つ素晴らしい俳優でした。彼が長い間ヴェイダーを演じられたのは、彼の素晴らしい人間性を表れです。彼はすべての役柄に深みと誠実さと意味を与え、良き夫で良き父親でもあった。友人やファンを含めた多くの人が彼を惜しむでしょう」とコメントを発表し、息子のルーク役のマーク・ハミルはSNSで「パパ、安らかに」と追悼メッセージを投稿している。
セバスチャン・ショウ
『エピソード6』においてマスクを外したベイダー、及びフォースの霊体としてルークの前に現れたアナキンを演じた。
ボブ・アンダーソン
殺陣担当。『エピソード5』『エピソード6』において、剣劇の苦手なプラウズに代わりスーツを着て殺陣を演じた。
ジェイク・ロイド
『エピソード1』にて幼いころのアナキンを演じた。
ヘイデン・クリステンセン
『エピソード2』・『エピソード3』においてアナキン及びベイダーを演じた。特に『3』ではヘイデンの希望もあり、サイボーグ化したスーツ姿のベイダーも演じている。
身長183cmとそれなりに長身なのだが、元が198cmの旧三部作の演者とは身長がかなり差が出てしまうため、サイボーグ化後は超厚底ブーツで身長を合わせている。
特にあの「マスクが起動して顔に被さってくる」シーンはヘイデン曰く「悪魔が降りてきたと思った」とのこと。
彼が演じた新生ベイダーは小顔で左右均等に造形されたマスク、全身も細身のシルエットとなり、若いイメージを持たせている。旧三部作のベイダーとは異なるがこれはこれでなかなかにカッコよく、短いシーンではあるが注目してみよう。
また、『エピソード6』劇場公開当時はジェダイの衣装を纏ったセバスチャン・ショウが登場していたが、DVDリマスター版では整合性をとる為、ムスタファーで重傷を負う以前の姿としてヘイデン・クリステンセンに差し替えられている。マスクを外したベイダーの目の色などもヘイデン・クリステンセンのそれが合成されている。
日本語吹き替え
以下いずれもサイボーグ化後のベイダーの吹き替えを担当
1989年のVHS版発売の際にルーカスフィルムの監修のもとに選ばれ、新しく吹き替えられたベイダーを担当。
以降EP3やスピンオフ、『ソウルキャリバー4』といったゲームで声を吹き替えたルーカスフィルム公認のフィックス声優である。
ルーカスは大平の声を大変気に入っていたという。
近年のファンにはもっともなじみのある声といえる。
2015年のアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』出演中に体調不良で降板。その後2016年4月に死去したため、ベイダーの吹替は楠大典に引き継がれた。
『スター・ウォーズ 反乱者たち』のシーズン2以降、大平からベイダー役を引き継いで担当している。『ローグ・ワン』でもベイダー役を担当した。
EP4『新たなる希望』が最初に吹き替えられた際(1980年のリバイバル上映)にベイダーを担当した東映ニューフェイスのスター。
後に吹き替えを担当する大平透に近い声質でかなりハマっている。
現在ではリミテッドエディションのDVDでなければ視聴できない。
スターウォーズ大好きな日本テレビがテレビ放送の際に製作した吹き替えにてベイダーを担当。
EP4は渡辺徹がルークを担当した初回放送(水曜ロードショー)、EP5とEP6は水島裕がルークを担当したバージョン(金曜ロードショー)で吹き替えている。
EP5とEP6に関しては特にこのバージョンがよく放送されたため、古参のファンにはベイダーといえば鈴木瑞穂という人も少なくない。
他のバージョンと比べると声がだいぶ加工されているためか、血の通ってない機械らしさが出ている。
日本テレビが製作した別バージョンのEP4および2002年放送のEP4特別篇にてベイダーを担当。
同じ日テレ制作であるが、共通するキャストはベイダー役の坂口とオビ=ワン役の滝田裕介のみ。
日テレなだけあってか、どちらかというと鈴木瑞穂のベイダーに近い。
ちなみに坂口氏はEP1ではダース・シディアスの吹き替えを担当している。
テレビ朝日が唯一製作したEP5でのベイダーを担当。
他の吹き替えと比較するともっともジェームズ・アール・ジョーンズの声に近く、冷徹かつ力強い演技が特徴。
このバージョンはおそらく一度しか放送されていないため、現在では視聴が困難である。
レジェンズ
『エピソード3』と『エピソード4』の間を描いたゲームフォースアンリーシュドでは、彼の秘密の弟子であるスターキラー(本名ギャレン・マレック)が主人公となる。
フォースアンリーシュド2ではギャレン・マレックの能力を惜しんで製造した彼のクローンの内の一体が主人公となる。
全てまとめてレジェンズに降格されたEP7公開前の小説シリーズでは、エンドアの戦いの直後に霊体となってレイアの前に現れて謝罪をしたが、いまだ気持ちの整理が付いていなかったレイアは彼を許す事なく、アナキンは失意のまま姿を消し、それ以後、アナキンの霊体が人前に姿を現す事は無かったという。この時には若いアナキンではなくよりによってヴェイダーの姿で現れた事が描写されているが、これは新三部作発表前に執筆されたため。
その後、レイアは惑星タトゥイーンで起きたとある美術品を巡る騒動の中で、偶然にもアナキンの過去を知り生まれつきの悪人ではなかったと確信するまで、ハン・ソロとの結婚も子作りも拒絶していた。しかし後に誕生した第三子には「偉大なジェダイ」であった祖父アナキンにあやかり、アナキン・ソロと命名した。このアナキン・ソロもまた、祖父と同じ名前を持つ自分も同様に堕落してしまうのではないかと恐れる事になるが、ユージャン・ヴォングとの戦いで最期までジェダイとして戦いを全うし戦死した。
そして皮肉にもこの戦争の終結後、アナキン・ソロの兄にしてハンとレイアの長男に当たるジェイセン・ソロが祖父と同様にシスの暗黒卿に転向してダース・カイダスと改名し、新たな銀河内乱を引き起こす事になる。
その他
初期のジョージ・ルーカス監督の作品に散見される、厳格だった父へ抱いていた複雑な感情を表現したキャラクターと言われており、先に述べた"Darth Vader"という名も英語の"暗黒=Dark(Dark Load of Sithの略式で、シスの暗黒卿の地位にある事を示す称号でもある)とオランダ語の"父=Vader"に由来するとか。
そして、監督のこの「父を超える」「父と和解する」という動機がルークとベイダーに託され、銀河宇宙を舞台に繰り広げられる遠大なスターウォーズ・サーガを完結へと導いてゆく。
当初、中の人として三船敏郎にオファーが来ていたが、公開前の『エピソード4』は、ルーカス本人さえも混乱の末にハワイに逃げ出すほど、コケる臭いがぷんぷんする怪しい作品であったため、彼は断ってしまった(既に三船が大御所の名優であったのに対して、ルーカスはまだぺーぺーの若手であったことも大きく影響している)。ルーカスはこれに大きなショックを受けたらしく、三船が演じていればそもそも素顔のままであったはずのベイダーを覆面着用者に変更した。ベイダーのトレードマークが急場しのぎで生まれたのだから皮肉な話である(覆面は時代劇の甲冑をモデルにした)。
代わりに演じたセバスチャン・ショウも、三船の代わりに自らが演じたことについて悩んでいた。
…とは言われているものの、三船がスター・ウォーズの出来を危惧して出演を断ったという明確な根拠がなく、実際はスケジュールの都合により断らざるを得なかったのが真相らしい。
『エピソード4』のライトセーバー戦は、殺陣のノウハウがなかったこともあって、後のシリーズ作品に比べるとかなりもっさりしている。
もし、殺陣の速度であの黒澤明を唸らせた三船が演じていたら、同作のアクションはかなり違ったものになっていたかもしれないと見る向きもある。
そもそも『スターウォーズ』のアイデアは、元は、三船も出演した黒澤映画『隠し砦の三悪人』のリメイクであり、ライトセーバーの殺陣も、侍の戦いを表現するためのものであった。
三船にオファーがいくのはある意味必然であったと言える(ちなみに、『隠し砦の三悪人』における彼の役は、『スターウォーズ』ではハン・ソロに当たる)。
ただし、もっさり殺陣の原因としては視界の悪いマスクと動きやすいとはとても言えない衣装、Ⅳ撮影中当時はライトセーバーの特撮がまだ定まっていなかったことも挙げられる。当初ライトセーバーは光学合成ではなく、グリップに仕込んだモーターで高速回転する反射板の刀身に強い照明を当てて表現しようとしていた。当然強い衝撃を与えると刀身が壊れてしまうため、誰が演じていたとしても激しく高速で打ち合うチャンバラ自体が無理だった。(このモーター回転反射板セーバーはルークのファルコン内での修行シーンで特に顕著である。近年CGで本格的に修整されるまでは光刃が点滅する独特のセーバーが見られる。)
結果的にもっさりした殺陣を製作陣も反省し、次作からはライトセーバーの特撮を現在のシリーズまで続く「金属棒での打ち合い+光刃を光学合成」に変更し、ベイダーの中の人を元々ウエイトリフティングの選手であり殺陣は専門外であるデイビット・プラウズから剣戟シーンのみ専門の人に入れ替えた。努力の甲斐あってエピソード5、6では(対戦相手が年寄りから若者になった事もあり)段違いにスピードを増した殺陣を披露している。
余談を重ねるが2007年に吉徳大光よりダース・ベイダー鎧飾り・兜飾りが発売され、多くの関係者とファンの注目を浴びた。
アナキン?ベイダー?
アナキン、および彼が変貌したベイダーを語るうえでややこしいのが、作品上の時系列においてどこまでがアナキンで、どこからがベイダーかという点。インパクト満点の装甲服の影響で忘れがちだが、シディアスから「ベイダー」の名前を与えられたのはオーダー66の直前、つまり生身の時点である。そのため、サイボーグ化手術を受けるまでにあった惑星ムスタファーでのオビ=ワンとの決闘などではベイダーとなっているはずだが、この時点では外見・内面ともにアナキンの面影が色濃く残っているため、あまりベイダーのイメージがしっくりこない。その後、サイボーグ化手術終盤においてマスクの装着と共にアナキンの鼓動が無くなり、ベイダー最大の特徴でもある呼吸音が始まる(原語版ではマスクを装着されるとき「Padme,Help Me=パドメ、助けて」と言っている)。多くのファンはこの場面でアナキンの死と冷酷非道な暗黒卿ベイダーの誕生を感じるのであるが、後年の作品ではそうとも言い切れない描写が見られる。
装甲服に身を包んでからのベイダーは基本的に過去の自分自身であるアナキン・スカイウォーカーのことを別人のように扱い、否定する発言を繰り返している。その最たるものが、「アナキンはベイダーに『殺された』」という表現。
これは「新たなる希望」でオビ=ワンがルークに対して彼の父親(アナキン)のことを語った際に発した言葉で、のちに「アナキン=ベイダー」であると明かされた際にはルークも「なんで嘘をついたんですか!」とオビ=ワンの亡霊に怒鳴ったことであまりにも有名だが、実はこれ、ベイダー自身もそう認識しているのである。
「反乱者たち」Season2終盤に対峙したアソーカに対しては「アナキン・スカイウォーカーは弱虫だった。だから私が殺した。」と言い、ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」終盤で対峙したオビ=ワンが「すまなかった。私が悪かった」と謝罪したのに対し、「(アナキンを)殺したのはお前ではない、私(ベイダー)だ」と言い放っている(転じて、今の自分は「オビ=ワンが教育を誤ったが故に暗黒面に堕ちるという失敗をしでかした弟子の成れの果て」等ではなく、「純然たる自分の意志でライトサイド=アナキンを見限り、暗黒面=ベイダーを選んだ存在」であるという意味)。
ファンの中にはベイダーの放ったこの発言をルークに言ったのではないかと考察するファンもいる。実際、「オビ=ワン」前半ではアナキンがサイボーグ化し完全に暗黒面に染まったことに絶望したあまり、オビ=ワンはまともに対決することすらできなかったことからも、ベイダーのこの発言で踏ん切りをつけた可能性もある。
しかし、アソーカの存在を感じた時には「我が弟子が生きていたか」とはっきりと自分=アナキンであることを認識していることを示す台詞があり(ただし皇帝に報告する際にはきちんと「アナキン・スカイウォーカーの弟子が〜」と言っている)、また未邦訳のコミックでは未だにパドメへの未練が断ち切れず、ムスタファーにある古代寺院の禁術を使ってパドメの復活を試みるといったように、ベイダーの中にも確かにまだアナキンが息づいているような描写がある。
まあ、このように「どこまでアナキンで、どこからベイダーか」問題が未だにファンの間で議論されているのと同時に、皇帝を葬り去った際はベイダーと扱うべきかアナキンと扱うべきかという問題もあり、それの延長として「勝利の宴の際に登場するアナキンは死の直前にライトサイドに帰還したのだから、その時点の年齢でいいはずだ」(劇場公開版派)と「『ジェダイとしてのアナキン』はベイダーになる前に死んだのだから、ジェダイとして現れるなら若い姿じゃないとおかしい」(特別版派)という二つの意見がファンの間で盛んに交わされている。
このようにアナキン/ベイダーと簡単に割り切れないところも、彼の魅力の一つと言えるだろう。
頭の傷の謎
「ジェダイの帰還」クライマックス、生命維持装置に重大な損傷を受け死の間際となったベイダーがルークにマスクを取るよう懇願し、ついに素顔で息子と対面するシーン。
ムスタファーで負った大火傷のあとも生々しい白く爛れた姿が印象的なのだが、もう一つ目を引くのが頭頂部左から背後にかけての大きな傷である。
設定ではこの傷はオビ=ワンとの対決で負ったものとされていた...のだがムスタファーでの死闘でベイダーはこの傷を負っていない。そのため、この傷についてはファンの間で長い間議論が交わされてきた。
そしてついに...
客演
あまりにも人気があるため、CMや映画など、他作品・メディアに多く客演している。フォースグリップによる粛清などは、もはや様式美的なギャグの域に達している。
特にCMには引っ張りだこである。
詳細は、この「ベイダー卿が出演するユニークな11のCM」などのページを参照。
ライトセーバーの電池切れにぶちギレたり、蛍光灯を嵌めようとしたりといったネタのほか、下手糞なパターパッドをフォースで強引に成功させ、文句をつけてきたプレイヤーにフォースグリップをお見舞いした上にライトセーバーまで抜くという大人気なさを見せたりと、はっきり言って仕事を選ばない仕事ぶりである。
アメリカ・カリフォルニア州のテーマパーク、ディズニーランド・リゾート内のアトラクション「スター・ツアーズ」がリニューアルオープンしたときには、2人のストームトルーパーを引き連れて来園し満喫。最後には「スター・ツアーズ」の「OPENING SOON(まもなく開場)」の看板をフォースで思いっきり跳ね除けて突入するという暴君ぶりを見せ、アトラクションのリニューアルをダイナミックにアピールした。外部リンク
国内のCMにもいくつか出演している。
2013年にはパ・リーグとコラボし、CMにも出演。ボール磨きをサボったクローントルーパーを粛清するという野球ファンの鑑のような行動をとったほか、大気圏を突破する激烈なホームランでデス・スターを破壊するというスーパープレーを見せた(ただし、予算の問題か、このCMはちょっと安っぽい)。
映画『ナイトミュージアム2』に、スミソニアン博物館に展示されている衣装として登場。
敵役のカームンラーの部下になろうとしたが、所詮本物ではなく展示物なためフォースが使えず、さらには「何を言ってるのかさっぱりわからん」ということであっさり却下された。
ゲーム『ソウルキャリバー4』では、ヨーダや弟子のスターキラーと共にゲスト参戦している。
ダースベイダーが幼いルークとレイアの育児に四苦八苦するという内容の絵本がある。
2005年(シスの復讐公開時)、T.M.Revolutionの歌唱中に登場。ストームトルーパー軍団とも、TMRが引き連れているような演出であった。
2015年(フォースの覚醒公開時)には嵐の出場前に客席に出現。審査員席を襲撃した。
余談
- アメリカの元副大統領であるディック・チェイニーは「対テロ戦争においてはダークサイドに入る事も躊躇すべきでない」と発言したせいで「ダース・ベイダー」との渾名を付けられる事になった。
- 挙句の果てに当時の大統領であるジョージ・W・ブッシュから「副大統領に『ハロウィンの仮装はどうする?』って聞いたら『もうやってる』って答えて、その後、フォースの暗黒面に関して何かブツブツつぶやいてたよ」と冗談を言われる羽目になった。
関連動画
正式タイトルは『The Imperial March(帝国のマーチ)』。
言わずと知れたベイダー卿および銀河帝国軍のテーマ曲だが、後年のバラエティ番組でも何か途方もない脅威が迫りくる描写などでパロディとして使用されることがある。特に、伝説のお笑い番組『進め!電波少年』では番組プロデューサである土屋敏男氏(Tプロデューサー)のテーマとして使われ、当時の売れない若手芸人にとってこのテーマが流れてくることは死亡フラグ以外の何ものでもなかった。
2005年に栗コーダーカルテットが演奏したバージョンが作られ、こちらは原曲の威圧感とプレッシャーが見事に消え脱力感を醸し出すアレンジとなった。またの名を『やる気のないダース・ベイダーのテーマ』。
やる気のないバージョンが作られてからは原曲を「やる気のある方」と呼ぶこともある。
ちなみに、アナキンの幼少~青年時代の話である新三部作でも、エピソード1のエンディングのラストでこのテーマ曲のアレンジと共にダース・ベイダーの呼吸音がかすかに挿入される演出が取られたり、エピソード2でもクローントルーパーの大軍勢が出撃していくシーンでこのテーマが流れている。
意外な事に最初のスターウォーズであるエピソード4ではこの曲は全く使われていない。これは帝国のマーチが作られたのが続編の5の時点のため当然と言えば当然なのだが、2000年代以降の感覚で言えばこの曲が流れる事を期待して4を視聴するとおや?と思われる方も多いかもしれない。
4ではこの曲とは異なる別の「帝国軍のテーマ」が存在するが、サントラで個別の曲としては収録されていないのでシリーズのファン以外には馴染みが薄い。
この4だけで使われた帝国軍のテーマは次作で登場した現在の帝国のマーチにとって代わられ他のエピソードでは全く使われていなかったが、外伝「ローグ・ワン」で一瞬だけだが久々の登場を果たし、旧来のファンを喜ばせた。興味のある人はローグ・ワンのベイダー登場シーンを最後まで注意深く観てみよう。
関連タグ
表記揺れ:ダースベイダー
息子:ルーク・スカイウォーカー
孫:カイロ・レン
悪のカリスマ 悪の美学 ダークヒーロー アンチヒーロー 悲劇のヒーロー 哀しき悪役 裏主人公
伊達政宗:ダースベイダーのモチーフになったと言われている。
ヘルサターン総統、デースバンダー、アーシック・セイダー、アカン・ベーダー・・・ダース・ベイダーをモチーフにした他作品キャラクター。
シャア・アズナブル、東方不敗、騎馬王丸・・・ダース・ベイダーのオマージュとされるガンダムシリーズのキャラクター。
血車魔神斎・・・変身忍者嵐に登場する敵組織の首領。元ネタの一つではないかという説があるが、ジョージ・ルーカス本人がハカイダーをモチーフにしたという発言が見られるため、真相は闇の中である。これに関しては、ルーカス氏が魔神斎の名前を知らなかった可能性が挙げられる。(そもそもあちらの国では変身忍者嵐よりもキカイダーの方が知名度が高い事も理由だろうか。)
スラムキング(バイオレンスジャック)・・・ダース・ベイダーの元ネタ説があり、原作者にアメリカの弁護士から訴訟を催促する連絡があったという。