「オーダー66を実行せよ。」
「はい、閣下。」
概要
クローン戦争の締めくくりとして、ダース・シディアスによって発令されたジェダイ抹殺指令。
元々クローントルーパーには、シーヴ・パルパティーン銀河共和国元老院最高議長の声による命令をトリガーとして緊急時に作動する「行動抑制チップ」が脳に埋め込まれていた。そのチップには「命令があり次第ジェダイを殲滅せよ」というコマンドがクローンの製造段階でインプットされており、通信があれば即座に行動に移るようになっている。銀河の各戦線でクローンを率いて戦っていたジェダイ達は、いきなり背後から撃たれる事になりその殆どが射殺されている。クローン達は行動抑制チップによって意識を奪われ、ただ命令に従って殺意も悪意も無く奇襲を掛けてきたので、ジェダイのフォースによる危機察知も働きにくかった事も事態の悪化に拍車を掛けた。
他のジェダイが死んでいくのを感じて異変を察知したヨーダや、その時はたまたま単独行動を取っていたオビ=ワン・ケノービの様に辛くも難を逃れたジェダイも僅かに存在したが、その大半は銀河帝国においてダース・ベイダーや尋問官が主導する「ジェダイ狩り」で次々と殺されており、生き残ったのはほんの一握りとなった。
アニメ「クローンウォーズ」のシーズン6では、クローン戦争中にタップと呼ばれるクローンの行動抑制チップが何らかの原因で変質して誤作動し、戦場で上官のジェダイを射殺するという事件が起きていた事が語られている。この時に同じ部隊のクローンの一人であったファイブスが事の真相を知って全てを明るみにしようとしたが、クローンの製造に携わったカミーノアンと裏で全てを指示していたシスによる妨害に遭い、最終的に命を落とすこととなった。
しかしファイブスは死の直前、クローンの上官であるレックスに警告の言葉を遺しており、これを受けたレックスは自分が指揮する第501大隊の一部メンバーと共に独自かつ極秘に調査を続けた。
そしてシーズン7やその十数年後を描いたアニメ「反乱者たち」ではレックスと一部のクローンがチップを脳から摘出し、ジェダイを殺さなかった事が語られている。
また、オーダー66発令直後の世界を描いたアニメバッド・バッチでは、行動抑制チップの影響を受けたトルーパーはオーダー66の発令によるジェダイの粛清とその後の銀河帝国の樹立に伴う環境の激変に対応し、ジェダイに対する攻撃以外の部分でも帝国の方針や上官の命令に盲目的に従うなど言動に大きな変化を生じている様子が描かれている。
しかし一方で、クローンの一般兵がパルパティーンの演説に対し歓声を上げる事を拒否する姿や、クローン・キャプテンの一人であるハウザーが帝国の占領政策を敢然と批判し、複数の一般兵がそれに賛同する姿が描かれるなど、「ジェダイを攻撃する」という最重要な一点以外の部分ではチップの効果の反映や持続に個人差がある様子が描写されている。
反乱者たちでは生き残ったジェダイの一人ケイナン・ジャラスが「クローンはジェダイを殺したのはチップのせいだと言い訳しやがった」と語るように、自分たちのしたことに苦悩するクローンもいたようで、その結果帝国時代には脱走兵となるクローントルーパーも続出した模様。
そうした事も理由の1つとなり、帝国の主戦力は非クローンの兵士で構成されたストームトルーパーへと移行されていった。
他にも現在はレジェンズに区分される、行動抑制チップの設定が発表される以前に作られた作品では当人の意志でオーダー66の発令に疑問を持ち、ジェダイへの攻撃を拒否するトルーパーもごく一部存在したと設定されていた。