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ダース・シディアス

だーすしでぃあす

『STAR WARS』に登場する悪役。シスの暗黒卿にして銀河帝国皇帝であり、劇中で起こった一連の出来事ほぼ全ての黒幕でもある。
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概要

(´з`)

「Your arrogance blinds you, Master Yoda. Now you will experience the full power of the dark side.(傲慢のあまり盲目となったか、マスター・ヨーダ。今こそ、貴様に暗黒面の真の力を味わわせてくれようぞ)」


史上最大・最強の「シスの暗黒卿」の一人にして、ダース・モールダース・ティラナスダース・ベイダーのマスター。ジェダイの滅亡を狙う宿敵であり、幾人ものジェダイを暗黒面に堕として自らの弟子としてきた。

人物像

目的達成のためならば如何なる手段も辞さない冷血漢。


また、他人を巧みに誘導して自身の駒として動かす事を好み、利用価値が無くなったり用済みだと見なすや、例え忠誠心の厚い部下や側近であろうとあっさり切り捨てる(ヌート・ガンレイら分離主義者、ドゥークー伯爵、グリーヴァス将軍、ベイダーなど)。


そのうえ卓越した策謀や人心掌握術の持ち主であり、特にアナキン・スカイウォーカーを暗黒面に引きずり堕とした際の手際と周到さは目を見張るものがある。

また、計画を進める中で想定外の事態に直面しても、臨機応変に計画を修正して乗り切る判断能力にも長けている。


しかし上記の通り冷酷な独裁者でありながら、以下のように妙に人間臭い面も多々見られる。

  • 1000年に渡るシスの悲願達成と勝利を確信し、喜びのあまりヨーダに「我が小さき緑色の友よ」などと嫌味ったらしく声を掛けながら、ノリノリで全力の暗黒面のフォースの力を披露して、ヨーダを返り討ちにはしたものの、反動で疲れ切ってしまう。
  • メイスとの戦いで顔が醜く歪んでしまったことを、鏡でちょっと気にしながら確認する。
  • ベイダーの危機を感じ取って、ナブーの青年時代以来やっていなかった全力疾走でシャトルに駆け付ける(この時、自分が思った以上の速さでまだ走れる事に、彼自身も驚いていた)。
  • ジェダイ時代のドゥークーとの密会がヤドル(ヨーダと同じ種族)に露見した際に、ヨーダに自身の存在がバレたと思い素で驚く。
  • ヤドルに素顔を見られまいと必死にローブで素顔を隠す。

こういったキャラクター性から純粋に悪役キャラとしての人気だけでなく、ネタキャラとしての人気も非常に高く、スターウォーズシリーズのキャラクターの中でも特に高い人気を誇っている。


強大な力と策略によって作中最強の黒幕として君臨した彼だが、この手のラスボスにしては珍しく、意外にも自身で直々に現場に出向き体を張って計画を遂行・進捗を監視している場合が多い。


代表的な例としてはエピソード3序盤の最高議長誘拐事件があり、シディアスの正体を知らなかったグリーヴァス将軍に手加減無しで襲われる。この作戦はドゥークーを通してグリーヴァスに命じたマッチポンプではあったのが、短気で癇癪持ちのグリーヴァスが作戦を無視して「パルパティーン議長」を殺しに掛かる可能性は十分あり。グリーヴァスを返り討ちにするのは簡単でも、シャアク・ティら歴戦のジェダイが護衛に就いている状況なので、正体が露見しかねないのでフォースが使えず。逃亡劇の最中に何度も危ない目にあっている。


その後、唯一自身の正体を知るドゥークーが死んでしまった為、グリーヴァスはやりたい放題であり。乗っている戦艦の脱出中に、エレベーターが落とされ危うく落下死しかけたりブリッジの窓を割られて空気と一緒に生身で宇宙空間に吸い出されそうになったり直後に船体が真っ二つになって大気圏突入する羽目になり本当に死にかけている

普段のシディアスならば強大なフォースで肉体を強化しているので、大気圏突入はともかく他はどうにか凌げたかもしれないが、アナキンとオビ=ワンが脇にいる状況では、少しでもフォースを使ったら正体に気付かれてしまう為、素の老人の身体能力しか発揮できない。

その為、このシーンのシディアスは、割と本気でアナキンに助けを求めていたとも推測されている

戦闘能力

ダースシディアス

既に老体であるにもかかわらず凄まじい戦闘能力の持ち主で、アニメ「クローン・ウォーズ」では銀河で最強の力を持つとまで言われている。


ライトセーバーの腕前は対ライトセーバー戦の剣術に特化したフォームⅡに始まり、二刀流はもちろん、特にアクロバティックかつ攻撃的なフォームⅣ・アタロを自在に操る。エピソード3では、ジェダイの中でも上位に位置する実力者であるキット・フィストーら3人のマスターをほぼ瞬殺し、当時ジェダイで最も強力な戦士であるメイス・ウィンドゥヨーダとも互角に戦っている。カノン(正史)のコミックスでは、師匠であるプレイガスから「シス歴代最強の剣士」とまで言われており、彼のセーバーコンバットの技量がいかに凄まじいかわかる。ただし、エピソード6の頃には老いによる身体の衰えもあってか、ライトセーバーは使わずにフォースだけで戦うスタイルになっていた。

……と思われていたが、2022年発行のコミックでは80代の高齢者でありながら、本気を出せばヴェイダーすら圧倒するレベルの剣腕を維持していた。


強大な暗黒面のフォースを自在に操り、特に、負の感情をエネルギーに変えて射出するフォース・ライトニングは非常に強力。その反面、使い手の肉体にかかる負荷も激しいようで、メイスとの死闘の際にはライトセーバーで偏光された事で自らの顔を焼いてしまい異形の外見となった。


SWサーガに登場する剣士としては文句なしの最強格であるが、彼はライトセーバーを「ジェダイの武器」と見做して使用を極力避け、それどころか軽蔑すらしていた。これはシディアス自身が己のフォースに絶対の信頼を置いている事や、シスの奥義を「如何にダークサイドを自在に使いこなすか」と見做していた事、そして政治闘争に重きを置いていた為である。

彼の戦闘哲学は「シスやジェダイなどのフォースユーザー同士の戦いを決めるのはセーバーコンバットではなく、フォースの技量とその力」というものであり、彼にとってセーバーコンバットはあくまでも相手を嘲り実力差を思い知らせる為の余興扱いである。それが最も顕著に現れているのが惑星マンダロアにおいてモールとサヴァージのダソミア兄弟と一戦交えた際である。

正体

本名はシーヴ・パルパティーン。惑星ナブー代表の銀河共和国元老院議員である。


謎のシス卿として通商連合を初めとする分離主義勢力を指導する一方で、表向きは清廉潔白な元老院議員として多くの人から信頼を集めていた。彼は、通商連合によるナブー封鎖による混乱を利用して最高議長に就任して以降、分離主義勢力の脅威を理由に共和国の軍拡と自身の権限強化を推し進めた。一人の男が銀河の両陣営を(共和国の首都コルサントに身を置いたまま)操っていたという、宇宙規模の壮大なマッチポンプとも解釈できる。


元老院議員や最高議長として、また、賄賂や犯罪行為が公然と横行して腐敗しきっていた共和国における最後の良心派として国中の市民から支持を集める名君として振る舞っていたが、強靱な理性と忍耐によって隠していたその本性は虎視眈々と銀河の覇権を狙い続けていた姦雄であり、やがては銀河帝国の皇帝として君臨することになる。

経歴

誕生~『シスの復讐』(銀河帝国建立)

惑星ナブーに生まれたことだけは確かだとされているが、彼の前半生についての情報は帝国成立後に殆どが抹消されたらしく、出自や生い立ちなどの詳細は一切不明。そのため、下記の経歴には推測や憶測なども多分に含まれる。


垢抜けない政治家としての道は早くから歩んでいたが、若い頃は失態に次ぐ失態に加え、故郷ナブーでの代表選にすら落選を繰り返す始末で、とても元老院議員や議長、ましてや銀河の支配者たる皇帝にまで上り詰めるなど誰からも予想されてはいなかったらしい。


彼の命運が変わるのは、自身のフォースへの感応力をダース・プレイガスというシス卿に見出されてからである。


ジェダイから暗黒面に堕ちた訳ではなく、最初から彼の元で修行したパルパティーンは、強大なフォースを操る術やライトセーバーによる剣術、さらにはシスならではの狡猾さ、野心を押し隠す忍耐力を着実に身に付け、いつしか師をも超える暗黒卿へと成長していった。


なお、師・プレイガスは生命の生死をも操る技術を知っていたとされ、アナキンの誕生に関わっているとも匂わせる描写がある。シディアスはこの技術を盗んだ後、寝込みを襲って用済みとなった師を殺害。自らが新たなマスターと化したようだ。


長らく、このプレイガス関連の逸話は全て彼自身が劇中でアナキンに語ったものでしかなく、その発言を裏付ける根拠は示されていなかった。


ただ、後に米国では「ルーカスが書いた修正なしのEP3のファーストプロット」が発売されており、これではもっと直接的に「自分の細胞からアナキンを作り出したのだ。父だと思って良いぞ(つまり親子どころかクローンに近い可能性がある)」と語っていたものの、上記のように映画版には存在せず、設定ごとボツになったものとの理解が主流であった。

そして、映画から20年近くの時を経て、ベイダーを主役にしたカノン扱いのコミックにて上記の設定が暗喩的な形で持ち出されファンの間で議論を呼んでいる。


結局、概ねレジェンズ、カノンとも、生命の秘術は存在し、パルパティーンは師ゆずりの技術や能力を殆ど習得していたものの生身の肉体での不死だけは会得していなかったという扱いでほぼ統一されたことになる。


壮年期に入ると、「政治家シーヴ・パルパティーン」としても日の目が当たり、ナブーの実質的な最高権力者となっていく。その背後では、「シスの暗黒卿ダース・シディアス」としてダース・モールなどの弟子や、様々な人脈を用いて暗躍。銀河系の各地へと着実に様々な紛争の種を蒔いていた。


その最終目標は、自らが支配する強固な独裁体制による銀河の掌握と、その最大の障害となるジェダイの壊滅であった。これは同時にダース・ベインから始まる、千年にわたり密かに存続し続けてきたシスの系譜の悲願でもあり、「偉大なる計画」と呼ばれていた。


『エピソード1』においては、通商連合とジェダイの争いを誘発させることで、元老院の最高議長にまで上り詰めた。ナブー封鎖の一つの目的は、それまでの議長であったフィニス・ヴァローラムを蹴落として、同情票を借りて自身がその地位に就くことであった(『Starwars Fact File』)。

『エピソード2』では共和国に敵対する分離主義勢力を操り、共和国の強大な武装化に成功し、クローン大戦を勃発させ、銀河情勢を自らの有利になるよう意のままに動かした。


これに並行して、『エピソード1』で死んだダース・モールに代わるアプレンティス(弟子)として元ジェダイ・マスターのドゥークー伯爵を取り込み、そして自らをも超える強大なフォースの持ち主であるアナキン・スカイウォーカーの心を掌握していった。


『エピソード3』においてとうとう本性を表し、アナキンからの報告で自分を逮捕しにやって来たメイス・ウィンドゥをアナキンの心の迷いを利用して返り討ちにする。同胞を手に掛けてしまい後戻りできなくなったアナキンを暗黒面に堕とすことに成功し、ダース・ベイダーの名前を与えて自らの弟子とした。また、極秘指令「オーダー66」を発令し、クローントルーパーとベイダーを操ってジェダイをほぼ全滅させた。さらにベイダーにはムスタファーに残っている分離主義者達の首脳陣をも粛清させた。


そして彼は、民主主義の弱点を突き、”万雷の拍手喝采の中”、銀河帝国の建立とその初代皇帝への即位を宣言した。この際の演説はSTARWARSの名シーンに挙げられる。さらに、ヨーダをも退ける活躍を見せている。


さらに、オビ=ワン・ケノービとの戦いで両手両足を失い、大火傷によってフォースの力も弱まってしまったベイダーを、サイボーグ手術によって復活させた。当初ベイダーが持っていた強大なフォースは失われてしまったが、それでもなお、シディアス自身に並んで最も強大なフォースエネルギーの持ち主であり、シディアスにしてみれば、自らが操りやすいレベルにまで彼が弱まってくれた、幸運な出来事であった。


とはいえ、シスの教えに忠実なシディアスは、もしベイダーが弱体化せずに師である自身を超えた最強のシスとなっていた場合は、彼に下剋上で殺されるのはむしろ本望と考えていたらしい(ダース・モールやドゥークー伯爵などは、自身に対する忠誠心が強すぎて、シスに不可欠な野心に乏しかった事も見限った一因であった模様)。ヨーダに対して「ベイダー卿は、自分やお前よりも強くなる」と言い切っていたのも、弟子の野心や彼に下剋上される事も踏まえての発言とも取れる。


アナキンについては、彼の才能や強いフォースにも勿論目をつけていたのだが、それらを抜きにしても純粋にアナキン個人の事も気に入っており、可愛がっていたのは彼を自身の側に取り込むための単なる演技という訳でも無かったらしい。アナキンが機械の身体となった事で彼を自らの後継者にする事は諦めたものの、それ以降も彼を自身の右腕として重用し、アナキンに機械の身体での戦い方をアドバイスするなど何かと目をかけており、引き続き彼を一人のシス卿として育てている。アナキンが内心で抱いていた自身を殺して帝国を乗っ取るという野心も、上記のシスとしての教義から好ましく思っており、より優れた新たなアプレンティス候補となりえるルークと直接謁見するまでは、アナキンことベイダーを切り捨てようとはしなかった(ルークをアプレンティスにする事についても、推してきたのはベイダーであり、彼自身は最初は乗り気ではなかった)。


最終的には、ベイダーを見限ってルークを新たなアプレンティスとして迎えようとし、彼に父親のベイダーを殺させようとしたが、これもあくまでシスの教義に則った行動と選択に過ぎず、シスの教義で言えば別に彼が弟子に対して特段に冷徹だったという訳ではない(シスの師弟においては、より良い弟子を選別する為に殺し合わせる事や、師を自身の野心の為の踏み台にする事は推奨されている事である)。


エピソード3のノベライズ版では、メイスがシディアスとの戦いの中でフォースでシディアスの心理を探り、ウィークポイントを探したところ、「シディアスが本心からアナキンを信頼している」という事が判明し、これにはメイス自身も驚いていた。実際にエピソード6では、最終的にはアナキン=ベイダーへのこの信頼が、シディアスを破滅させる文字通りのウィークポイントとなった。


ベイダーに限らず一旦身内とみなした人間に対して意外なほど甘い点はカノン、レジェンズとも度々指摘される彼の欠点である。無能な部下の処刑シーンばかりが印象に残るが、そもそも「巧言を用いる臣下に囲まれている愚かな皇帝」が初期設定であったため(彼のお気に入りとして徴用される時点でそれなりの有能さを持ち合わせているのは確かだが)大宰相マス・アミダなど主人の出世ペースに能力的についていけていない人物達を重用し続けたなどの設定は動かされていない。

そもそも彼が帝国を失ったことすらこの欠点と無関係ではなかった。EP4時点ではルーク・スカイウォーカーですら帝国軍の士官学校に進学しようとしていたように、帝国に不満はあれど命を賭けてまでと思う人物は極少数であり、決して反乱同盟軍が銀河の多数派とは言えていなかった。その状況を一変させたのがオルデランの破片プレゼント事件である。「いかに秘密兵器とはいえ設計図一枚のため有人惑星を吹き飛ばした上で、その秘密兵器を守れもせず戦死したターキン。おめおめと一人逃げ帰ってきたベイダー」はむしろ銀河帝国内部からこそ「他の士官に適用されていた基準ならあらゆる名誉を剥奪され即刻処刑で当然」という声は強かった。そこで彼は銀河中の星にオルデランの破片を送りつけ「ベイダーやターキンの行動は正しい。文句を言えば殺す」と明確に示し、部下を庇い立てしたのである。この行為は帝国支持派にすら銀河帝国の理念や民主主義云々以前に皇帝は本当に発狂しているのではないかと深刻な疑念を抱かせ、デス・スター完成時にその武力を背景にして(既に形骸化していたとはいえ)元老院を解散し、加盟惑星が帝国の政治運営に意見を出す権利を完全に奪っていた事とも併せて反乱の火の手を一気に爆発させることとなった。


『エピソード4』~『エピソード6』(銀河帝国滅亡)

皇帝に就任したシディアスは、自らに反抗するものを容赦なく排除し、さらに非人間型種を冷遇した。トワイレックやウーキーといった種族を奴隷化した他、ラサットという種族の母星ラサンを焼き討ちさせる等の活動を行ったのである。


更には帝国への反抗を企てる者達への究極的な抑止力として惑星を瞬時に破壊するレーザーを放つ超兵器デス・スターを建造させた。

(『エピソード2』の時点では、既にデス・スターの設計図がほぼ完成していた事が明かされており、『エピソード3』では帝国の樹立と前後して建造が開始されている為に、計画自体はかなり早い段階から秘密裏に進められていたものと見られる)

この計画を主導し、デス・スター完成後にはその司令官に就いたウィルハフ・ターキン総督に対しては帝国の執政官で最高の地位を示すグランド・モフの階級が創設され、皇帝に次ぐ実力者としてベイダーに対しても命令を下す事のできる指揮権を持つ事が示された。


ベイル・オーガナモン・モスマらが反乱同盟軍立ち上げると、彼らの鎮圧戦に端を発する銀河内乱が始まった。

当初は、帝国の圧倒的な軍事力によって争いはすぐに終わると思われたが、アナキンの息子ルーク・スカイウォーカーが逞しく育って新たなジェダイとなり、『エピソード4』では彼にデス・スターを破壊されてしまった。


エピソード6から本格的な登場をする。この時点で杖を頼るようになっていた。


その後、かねてからサイボーグと化した事で本来の力の大半を失ったベイダーに代わる、強大な才能に加えて若さを持った後継者を欲していた彼は、ベイダーの息子のルークを、かつてドゥークーを見限ってアナキンをアプレンティスとしたように、ルークに暗黒面の力を使わせてベイダーを討たせ、新たなアプレンティスにする事を目論見始めたのだった(ただし前述した通り、ルークをアプレンティスにする事はベイダーが提案してきた事であり、当初はシディアス自身はルークの事は危険分子として普通に始末しようと考えていた)。


度重なる帝国軍と反乱軍の戦いの末、シディアスはエンドアの戦いの最中、とうとうルークと対面する。

第2デス・スターを囮にして反乱軍の総戦力を罠に嵌めて人質にとり、さらには彼をベイダーと戦わせた末に勝ったのを見届けて、シディアスは彼を暗黒面へと誘惑した。遂にベイダーを見捨てたのである。

だが結局、ルークは強い意志を持ってそれを跳ね除け、ジェダイとして生きる道を選んだ。


怒ったシディアスは、フォース・ライトニングで彼を処刑しようとしたが、必死に抵抗した息子の姿を見て自らもライトサイドに帰還したベイダーによって、第2デス・スターの通気口に投げ落とされてしまい、そのままリアクター(融合炉)の炎に包まれて爆死した(この時テレキネシスで宙に浮いて逃れようとしていたが、ベイダーフォースで妨害されて失敗している)。


その後、罠にはめた筈の反乱軍も、彼が見下していた野蛮な原住民ことイウォークと協力した地上部隊のゲリラ戦による奮闘によって形勢が逆転してしまい、ついには第2デス・スターが破壊される。

結局シディアスの目論見はことごとく破られ、帝国軍への甚大な被害と自らの死という結果を招くこととなった。銀河帝国は崩壊し、また彼とベイダーが共に死んだことでシスも滅んだ。一度は暗黒面に引きずり込んだはずのアナキンと、その息子ルークによって、フォースに均衡と安定がもたらされた。


彼の元老院最高議長就任から始まった権力掌握の物語は、彼と帝国の滅亡によって幕を閉じた。

ある意味STARWARSとは、彼の、ひいてはシスの栄枯盛衰を描いた作品であったとも言えよう。


…このように、シディアスによって銀河にもたらされた戦争と恐怖支配の惨禍は、彼の死によって終わりを迎えたかに見えた

しかし、スピンオフ作品では、シディアスは自らの死後にも帝国とその支配に仇なした勢力の双方を脅かすための終末指令を実行させる準備を着実に進めていたことが判明しており、それを元にして後に新たな脅威が新共和国に襲い掛かることになる。

配役

旧三部作・新三部作ともにイアン・マクダーミドが演じた。ただし、『エピソード5』でのホログラム映像は当時無名の役者だったエレイン・ベーカーの顔にチンパンジーの目を合成し、俳優のクライヴ・レヴィルが声を当てている。


実はエピソード6の時点でイアンはまだ39歳であった。威厳と実力を兼ね備えた舞台俳優であった若い彼にわざわざ特殊メイクを施して老いた皇帝を演じさせたのである。これがたまたま功を奏し、エピソード6の16年後に公開された、30年前を描く新三部作の時に実年齢と演じるキャラクターの年齢が重なったのである。これは本シリーズの奇跡の一つと言えよう。

ちなみに新三部作でパルパティーン役に決まったのは、『エピソード1』の撮影前、監督のジョージ・ルーカスが英国に訪問した際、駆け付けたイアンに「パルパティーンを担当する役者を探してるが、誰か心当たりはないか?」と相談したところ、イアンが「今、君の前にいる奴なんてどうかな?」とちゃっかり立候補したのがきっかけ

イアンは元々舞台俳優であり、重厚感溢れる威容と巧みな台詞回しで見事にこの役を演じきっている。

旧三部作ではあまり出番が無く印象も薄かったのに対し、新三部作ではパルパティーン議長として、または裏の顔である悪の元凶ダース・シディアスとしてストーリーの根幹の部分で大活躍している。

特にシリーズ最終作、『エピソード3』では彼のキャラクターとイアンのキレた演技が絶妙にマッチして凄まじい存在感を放っており、世界中で彼のファンを大量生産した。

そのためか彼は年配であるにもかかわらず若い世代にファンが多い珍しいキャラクターである。


因みにイアンは当記事最下部の時期(ネタバレ注意)でのインタビューにて、パルパティーン人気が故に街中にて『皇帝陛下、万歳!!』だの『陛下、愛してます!!』だの声をかけられる事も多い現状を明かした上で、「彼(パルパティーン)はストーリー的に視聴者に蛇蛞の如く嫌われてなきゃいけない筈のキャラなのに、こんなに愛されているという事は私の俳優の仕事としては『失敗』という結果だと言えるかも知れないね。」と、役者魂溢れるコメントを述べていた…

…が、その際の彼の表情はニヤニヤ笑顔であり、そのイベントステージ上でもノリノリでファンサービスに応じていた様子を見るに、やはり本心では満更でも無さそうである。


日本語吹き替え

  • 稲垣隆史(EP3、クローン・ウォーズ、反乱者たち、バッド・バッチ、バトル・フロント2(2017))
  • 千葉耕市(ビデオ版EP5、ビデオ・DVD版EP6)
  • 小林勝彦(EP5DVD版、EP1(パルパティーン)、EP2、クローン大戦)
  • 坂口芳貞(EP1(シディアス))
  • 青森伸(EP9、テイルズ・オブ・ジェダイ)
  • 浦山迅(ニュー・ヨーダ・クロニクル、ドロイド・テイルズ、バトル・フロント(2015)、フリーメーカーの冒険)
  • 鈴木瑞穂(劇場公開版EP5)
  • 大木民夫(日本テレビ版EP5)
  • 加藤精三(テレビ朝日版EP5)
  • 田中明夫(日本テレビ版EP6)
  • 石井隆夫(ギャラクティック・バトルグラウンド(パルパティーン))
  • 長克巳(ギャラクティック・バトルグラウンド(シディアス))
  • 阪脩(ローグ スコードロン3)
  • 高木渉(ダース・ベイダー降臨)
  • 岩崎ひろし(ロボット・チキン)

余談

『エピソード3』でメイスにフォース・ライトニングを放ちながら叫んだ「POWER! UNLIMITED POWER!」(日本語字幕・吹き替えでは「無限のパワーを喰らえ!」)という台詞は響きの良さも相まって、国内外問わず絶大なネタ人気を博している。

キャラクター創造

ルーカスによるパルパティーンの概念化と、『スター・ウォーズ』においてこの登場人物が演じる役割は、時とともに変化した。『ジェダイの帰還』以後、パルパティーンは『スター・ウォーズ』の世界における悪の擬人化となり、主要なヴィランとしての役目をダース・ベイダーに取って代わることになる。

オリジナルの『スター・ウォーズ』三部作が映画化された時点では、皇帝には名前がなく、彼の君臨する世界も明確化されていなかった。名前は映画の中では用いられず、前日譚を描いた新三部作までは登場していない。最初にパルパティーンの名に言及したのは、アラン・ディーン・フォスターによる1976年の『新たなる希望』のノベライズが初めてだった。フォスターは皇帝の権力の掌握を、詳細に記している。


政権内部の野心家たちを味方につけたパルパタイン元老院議員は、豊富な資金力にものを言わせて、共和国大統領に選ばれた。パルパタインは民心の信頼を回復し昔日の繁栄を取り戻すと公約した。

権力の座についたパルパタインはやがて皇帝を僭称、市民と隔絶した存在になる。側近の阿諛追従に浸りきった彼の耳に、正義を求める民の声が届くはずもなかった。

(「パルパタイン」は原文ママ。『スター・ウォーズ 新たなる希望』、石田亨訳、竹書房文庫、1997年、12ページ。著者は日本語版ではジョージ・ルーカスになっているが、実際にはアラン・ディーン・フォスターが担当している)


ルーカスが当初、パルパティーンを今なお君臨する皇帝として、もしくは継承されていく皇帝たちの最初の一人として考えていたのかは定かではない。Secret History of Star Warsの中で、マイケル・カミンスキーは、ルーカスの当初のノートでは、堕落した皇帝たちの系図が扱われており、一人ではなかったことを明らかにしている。仮にパルパティーンが最初の一人だとするならば、カミンスキーはパルパティーンが劇中で君臨する皇帝ではなかったのではないかと推測している(※1)。しかし『ジェダイの帰還』とそのノベライズまでに、パルパティーンは今の皇帝の名として扱われるようになった(※2)。

帝国の逆襲』のストーリー会議において、ルーカスとリイ・ブラケットは、「皇帝とフォースは(映画の中で)二つの主題にならねばならなかった。皇帝の扱いは最初の映画では不十分であり、続編ではより具体的なレベルで扱われねばならない」と決定した(※3)。ルーカスは最終的に、第二作の『帝国の逆襲』ではなく、『ジェダイの復讐』において皇帝に焦点を当てることにした。

 映画の中で、パルパティーンの当初のコンセプトは、フォースの暗黒面に通じた独裁的な支配者としての描写に入れ替えられた。皇帝はアメコミフラッシュ・ゴードン』のミン皇帝からインスパイアを受けているという(※4)。

Flash Gordon

野心的で無慈悲な、最高権力の地位に昇るべく民主的な共和国を瓦解させる政治家としてのパルパティーンの描写は、部分的には史実のユリウス・カエサルナポレオン・ボナパルトアドルフ・ヒトラーから影響を受けている(※3、※4)。この登場人物のその他の要素は、リチャード・ニクソンから来ているという(※5)。ルーカスはニクソンの任期中、「いかに民主制が独裁制へと転じるのかについて、歴史的に考えさせられた。民主制は転覆するのではなく、別のものに明け渡される」(※6)。ルーカスはまた「映画の全体的なポイント、映画を作っている根幹的な要素とは、あなたが後戻りをするにしろ、前へ進むにしろ、民主主義の中に始まり、民主主義が独裁へと変わり、反乱が民主主義へと戻すということ」とも語っている(※7)。


ルーカスは皇帝を『スター・ウォーズ』における悪の根源とすることを考えた。脚本家のローレンス・カスダンによれば、「ダース・ベイダーと皇帝の間の関係は、私の感覚では、皇帝がより強大な存在ということだ。(中略)ダース・ベイダーは彼に脅かされている。ベイダーは威厳があるが、皇帝は『ジェダイ』において、真に全能の存在になっている」(※8)。カスダンは映画のクライマックスを、ダース・ベイダーと彼のマスターとの間の対決にあると説明している。皇帝が最初に姿を現す場面では、彼はデス・スターにおいて、大勢のストームトルーパー、技術士官、その他の職員から出迎えられる。ルーカスは、「ロシアメーデー」における軍事パレードのように見せることを考えていたと明らかにしている(※9)。


ルーカスは、皇帝を新三部作の中でより具体化した。ルーカスによれば、『ファントム・メナス』におけるパルパティーンの役割は、「いかにアナキン・スカイウォーカーがパルパティーンのアプレンティスとなっていくか」を説明し、一連の事件がどのように彼を権力の座へと導いていくか明らかにすることだという(※10)。映画批評家のジョナサン・L・ボーウェンによれば、「インターネット上で、ダース・シディアスパルパティーン元老院議員の関係についての議論が持ち上がっている。大多数のファンは、二つのキャラクターが同一人物であることを、彼らの結論を支持するロジックによって信じている」という。ボーウェンは、その議論は「怪しげなことに、ダース・シディアスはクレジット中に書かれていなかった」という事実によって油を注がれたと述べている(※11)。

ルーカスフィルムから出版されたStar Wars and Historyの中で、パルパティーンの権力強化は、ローマの政治家アウグストゥスと類似していると述べられている。両者は権威主義的な統治を「元老院における腐敗国家元首の力を削いでいる」とすることで正当化し、ともに元老院に対し危機に対応するための非常時大権を与えるよう圧力をかけている。そして「危機が去り次第、その権力を無効にする」と、偽って主張する。両者はともに、そのに対する強力なコントロールに依拠している(※12)。


※1 Kaminski, Michael (2008) [2007]. The Secret History of Star Wars, pp. 170–172. Legacy Books Press.

※2 Kahn, James (1983). Star Wars: Episode VI – Return of the Jedi. New York: Del Rey Books. p. 69.

※3 Bouzereau, Laurent (1997). Star Wars: The Annotated Screenplays. New York City: Ballantine Books. p. 173.

※4 Pollock, Dale (1999). Skywalking: The Life and Films of George Lucas. New York City: Da Capo Press. p. 142.

※5 McDowell, John C. (2007). The Gospel according to Star Wars: faith, hope, and the Force. Louisville, Kentucky: Westminster John Knox Press. p. 105. 初期の草稿では、ルーカスはの支持によって権力の座に留まる独裁者というプロットの要点を用いていた。彼のコメントの中で(新三部作の中で作られた)ルーカスはこれをニクソンが合衆国憲法修正第22条を無視するのではないかと考えていたことに帰している。しかし実際に大統領弾劾決議を受け、第三期に出馬する可能性は決してなくなった。『クローンの攻撃』のノベライズでは、パルパティーンは当初の彼の任期制限を超えた数年間、最高指導者としての地位に留まることが可能なよう、法を操作していることが描かれている(Molotsky, Irvin (November 29, 1987). "Reagan Wants End of Two-Term Limit". The New York Times. New York City: New York Times Company.)。

※6 Caro, Mark (May 18, 2005). "'Star Wars' inadvertently hits too close to U.S.'s role". Chicago Tribune. Chicago, Illinois: Tribune Publishing. Retrieved November 12, 2017.

※7 George Lucas, interview with Debbie Dykstra, at SciFi.com. Retrieved August 17, 2006. Archived September 9, 2006, at the Wayback Machine

※8 Bouzereau, p. 265.

※9 George Lucas, commentary, Star Wars Episode VI: Return of the Jedi, Special Edition (DVD, 20th Century Fox, 2004), disc 1.

※10 Bowen, Jonathan L. (2005). Anticipation: The Real Life Story of Star Wars: Episode I-The Phantom Menace. Lincoln, Nebraska: iUniverse. p. 4.

※11 Bowen, pages=93–94.

※12 Liedl, Janice; Reagin, Nancy R., eds. (2012). Star Wars and History. Hoboken, New Jersey: Wiley.

関連タグ

STARWARS

シス(STARWARS) シスの暗黒卿 銀河帝国(STARWARS)

フォース(STARWARS) 暗黒面 フォース・ライトニング

ヨーダ メイス・ウィンドゥ ルーク・スカイウォーカー


黒幕 ラスボス 全ての元凶 悪のカリスマ 皇帝 独裁者 最強の敵 高性能じいちゃん どうあがいても絶望 勝てる気がしない だいたいこいつのせい


本名シーヴ・パルパティーン


師匠

ダース・プレイガス


弟子

ダース・モール

ダース・ティラナス(ドゥークー)

ダース・ベイダー(アナキン・スカイウォーカー)


ベネディクト16世…見た目が余りにもそっくりすぎるためよくネタにされる。

あっひゃひゃっひゃ



























※以下『スカイウォーカーの夜明け』のネタバレ注意























実は第二デス・スターの反応炉に投げ込まれた際、惑星エクセゴルに隠していた自身のクローンに向けて魂を飛ばしており、生命維持装置に繋がれてミイラのような姿になりながらも生き延びていた。

ファーストオーダーの首魁である最高指導者スノークの正体にしてシークエル・トリロジーの真の黒幕

冒頭で遂に正体を現し、密かに蓄えていた最大最強の戦力「ファイナル・オーダー」を利用して全宇宙の制覇を目論む。

同時に、ある人物の祖父であった事が明らかになる(より正確には、彼のクローンの失敗作がその人物の父親に当たる)。その孫娘に怒りの感情で自分を殺させることによって暗黒面に堕としシスの女王にしようとしたが失敗し、彼女とカイロ・レンから力を奪って身体を再生した。完全復活した彼の力は一人だけで戦争全体の戦況が変わってしまう程で、フォース・ライトニングを放つだけで上空の宇宙に展開するレジスタンス艦隊や人民の艦隊をすべて操縦不能にして壊滅させかけるほどに強大だったが、ジェダイの英霊たちのエールによって立ち上がった彼女をフォース・ライトニングで殺そうとして、そのあまりに強大すぎるフォース・ライトニングをあろうことか彼女が持つ2本のライトセーバー(ルークとレイアの物)によって受け止められ、跳ね返されてしまったことで肉体が本拠地ごと消し飛び、今度こそ完全に滅び去ったのだった…。

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