概要
地球などの天体の大気圏の外の空間。単に「宇宙」と言われることが多い。
地球の大気圏と宇宙空間との明確な境界は無いが、国際航空連盟の取り決めでは、人工衛星の周回が可能になる高度100kmより上が宇宙空間とされる。アメリカ空軍やアメリカ航空宇宙局の定義では、高度80km付近(中間圏と熱圏との境界付近)より上を宇宙空間としている。
が、希薄な大気は地球の高度100km以上にも存在し、高度1万km付近まで検出されている。太陽系からはるかに離れた宇宙空間でも何も存在しないわけではなく、ごく薄い星間物質がある他、ダークマターやダークエネルギーなどが満ち溢れているらしい。
特徴
宇宙空間は真空であり、大気による光の散乱もないため、目視てきる天体以外は暗闇に見える。また、大気に妨げられて地上に届かないもの(UVCなど)も素通しである。もちろん、人間が生身で生存できる環境ではなく、生存のためには宇宙船や宇宙服による空気(特に酸素)の保持や有害な電磁波などの遮蔽が必須である。
宇宙空間の平均温度は-270℃でほぼ絶対零度に近いが、真空のため熱伝導がほとんどなく、地上の気温の概念で捉えるのは適切ではない。宇宙機には機体に溜まった熱を赤外線の形で宇宙空間に棄てるラジエーターが取り付けられている。
宇宙空間自体は無重力ではなく、天体の動きと同様に物体は重力に支配される。
無重力状態は自由落下中に重力を感じなくなるのと同じであり、宇宙では地面からの抗力や空気抵抗を受けず、また衛星軌道であればずっと「落下し続ける」ことになるために、ずっと無重力に感じる。