概要
注意:本項目は正史(カノン)と非正史(レジェンズ)の設定が混同された状態になっています。正しい設定は各自検索してみましょう。
いわゆるレーザーソード(エネルギー光の刀身を持つ、普段は柄だけの剣)と呼ばれる武器において文句ナシの代表的存在であり、後の機動戦士ガンダムのビームサーベル等の元ネタとなっていたりもする。
表記ブレにライトセイバーやライトサーベルがあるほか、初期の映画字幕や小説作品、ラジオドラマ等では「光線剣」「電光剣」と表記されていることもある。
※最近の翻訳では旧3部作(Ep4~6)を含め、ビームセーバーと呼ばれることも。
旧3部作が公開された頃の日本ではライトサーベルと発音・表記されることが主流だった。
ただ「サーベル」はイギリス英語発音であるため、旧3部作特別編の公開以降は翻訳修正に合わせてアメリカ英語発音に近い「ライトセーバー」の表記と呼称に統一されている。
構造
金属製の柄だけの状態からスイッチ起動することで、純粋なプラズマで構成された光の剣身が発生する。
このプラズマ刃はブラストドアを灼き切るほどの高熱を発するが、固形物または液体と接触しない限り、周囲に熱を放射することはない。
仕組みは外装に当たる金属の筒とバッテリー、それからエネルギーの刃を投射するクリスタルから成り立つ(このクリスタルは正史、非正史で異なるため後述)。
基本的に光刃の色はジェダイであれば青か緑、シスとダーク・ジェダイであれば赤という三色のいずれかであることが多い。
これは実写映画において視覚的にわかりやすい(見やすい)という理由からのものであり、他の色のライトセーバーも少数ながら存在している。メイス・ウィンドゥは紫のライトセーバーを使用しているほか、アニメ『クローンウォーズ』『反乱者たち』では黄色や白、黒や茶色の光刃も登場した。
また、ゲーム『フォールン・オーダー』では主人公カル・ケスティスが自身のライトセーバーを作成する際にブレードの色が選べ、その中には既出のブルーやグリーンなどの他にシアン、マゼンタ、オレンジがある。
ブレードの色はクリスタルの色によって決定されるが、スターウォーズサーガがディズニーに買収されて以降の正史においては色ごとに意味が設定されている(詳細は後述)。
1基のライトセーバーに使用されるクリスタルは1~3個。複数個のクリスタルを内蔵したライトセーバーの場合、クリスタル同士の配置角度を調節することで、刃の長さを変更することが可能である。
アナキン・スカイウォーカーが作り、後にルーク・スカイウォーカーが使用したライトセーバーには3つのクリスタルが使われ、右手とともに父のライトセーバーを失ったルークが新たに作ったものにはクリスタルが1つ使われている。
ライトセーバーのエネルギーは光刃となって光刃放射プレートから発射され、光刃の先端で折り返して再び戻ってくるので、物体を切断しない限りエネルギーを消耗しない。ライトセーバー同士で切り結んだり、ブラスターのエネルギーボルトを偏向してもエネルギー残量に影響はない。このため、ディアチウムパワーセルと呼ばれる部品に蓄積されたエネルギーは、3標準年分ほどにもなる。
また、万が一エネルギーが払底しても充電コネクタを介して容易に再充電できるほか、ジェダイ特有の充電方法としてフォースを使って空気中のエネルギーを収束し、電気エネルギーに変換して一気に充電するという芸当も存在する。
クリスタル
正史
ライトセーバーに使われるクリスタルはカイバー・クリスタルと呼ばれる鉱石で、古代のシスはこのクリスタルを使ってエネルギーを収束させる技術を超兵器にも転用していたとされている。
また、銀河共和国時代末期や銀河帝国時代には同様にこの技術をライトセーバー以外の兵器に利用する研究が行われており、デススターの主砲であるスーパーレーザーやファーストオーダーの新型スター・デストロイヤー、スターキラー要塞などにこうした技術が使われている事が語られている。
ちなみに、カイバー・クリスタルは人工的に作成することはできない(生物的な性質を持っているからかもしれない)。
セーバーの作成時にはクリスタルを作成者の操るフォースと調和させる必要があり、クリスタルと刃の色はこの時に調和したフォースの性質に応じて決定される(元々は無色透明である)。
しかしこのカイバー・クリスタルは元来、光明面のフォースと調和しやすい性質を持つため、暗黒面のフォースの使い手がライトセーバーを作成する場合は「ブリーディング」と呼ばれる行為で強引に調和させる必要がある。このブリーディングが施されると、クリスタルと刃は赤く変色する。
特にシスにおいてはジェダイを殺害するなどして彼らのライトセーバーからクリスタルを奪い、かつブリーディングを施して新たなライトセーバーを作成する事が通過儀礼として扱われているという。
アソーカ・タノが銀河帝国時代に作成したライトセーバーは例外的に白色の光刃をしているが、これは彼女が尋問官を打ち倒した際にそのセーバーからブリーディングが施されているクリスタルを取りだし、「浄化」を施して再利用しているため。
なお、「カイバー・クリスタル」という用語自体は非正史のスピンオフ作品にも登場しているが、そちらではその定義は正史とは全く異なっている。
ただし正史・非正史を問わず、既に完成したライトセーバーを単に起動して使用しても、使用者のフォースがクリスタルに影響する事はない。
映画や正史のアニメでも他の人物が作成・使用しているライトセーバーを借りて(あるいは奪って)起動したり、アナキンのように暗黒面に転向したジェダイが転向以前に作成したライトセーバーを引き続き使用している場面でも光刃の色が変化していないのはこのため。
非正史
主にオッサスやイラムで産出されるアデガン・クリスタルやイラム・クリスタルが用いられるが、熟練のジェダイならば簡単な炉と材料さえあれば人工的に合成することが可能。また、こちらにおけるカイバー・クリスタルは「惑星ミンバンでのみ発見されている、フォースを増幅させる力を持つ特殊なクリスタル」とされている。
ルークは右手と共に父のライトセーバーを失った際、ベン・ケノービの家で発見した日誌を基にして、この家の炉で新たなライトセーバーに必要なクリスタルを作り上げた。
アデガン・クリスタルには種類があり、カスラサイト>レラサイト>ダナイト>メファイト>ポンタイトの順に希少なものとなるほか、ダナイトとポンタイトは他の3種とは違った性質を備えている。
イラム・クリスタルはアデガン・クリスタルのメファイトと構造がよく似ていただけでなく、産出量もアデガン・クリスタルに比べれば多かったため、ジェダイらの多くはイラム・クリスタルで最初のセーバーを作成することが多かった。
ライトセーバーの刃の色はこのクリスタルの種類によって決定する。
ジェダイは主に鉱山で採掘される天然生成のクリスタルを好んでいたとされるが、反対にシスの暗黒卿はジェダイへの憎しみを込めた人工クリスタルを必ず使用しており、シスのライトセーバーの刃が赤いのはこのためとのこと。
正式なシス以外にも、シスによって暗黒面のフォースの訓練を受けたダーク・ジェダイについても同様である。
また、エネルギーを収束する性質を備えた物体ならクリスタルの機能を代替することもでき、必ずしもクリスタルを使用する必要はない。
安全装置
全てがカスタムメイドであるため、千差万別の特徴を持つ。
手から離れた時点でスイッチが切れて光刃が消えるものもあれば、放り投げても光刃を発生し続けるものもある(前者の場合でも、熟練のジェダイなら手から離れてもフォースによってスイッチの操作が可能である)。
また、フォースを使わなければ起動できないよう、起動スイッチを内部に設けた構造になっているものもあるらしい。
より簡素な安全装置であるハンドガードについても、アナキン(ダース・ベイダー)などが製作したライトセーバーのように使用者の手が光刃に触れないよう円筒状の覆いが設けられているもの、ドゥークー伯爵が製作したブレード状の部品が設けられているようなもの、逆に光刃放射プレートがむき出しになっているものなど様々。
デザイン
個人毎にフォースの導きに従ってありあわせの材料で作るということもあり、同一人物が同時に複数作成するつもりで材料を用意している場合でもない限り、全く同じデザインのものは存在しない。
また、ジェダイのライトセーバーはマスターへの敬意の表れとして、マスターのライトセーバーのデザインをモデルにして作られるのが慣例である。パダワン時代のオビ=ワン・ケノービのライトセーバーはクワイ=ガン・ジンのそれに、ルークが作ったものは壮年から晩年のオビ=ワンのそれに酷似しているのはこのため。
ただし、アナキンのライトセーバーはオビ=ワンのものとはデザインに共通点が全く見られない。これは彼の黒を基調とした服装と同じく、反骨精神を表したもの。
ダース・シディアスのライトセーバーは豪奢な作りではあるが、シスであることを秘匿するためか袖の中に隠しやすいよう小ぶりに作られている。
威力
ベスカー鋼やフリク鉱の加工品といった一部特殊な例外を除く、ほぼ全ての物体を一撃で両断・貫通することが可能。
例外の最たるものとしてエネルギーシールドやブラスターのエネルギーボルト、ライトセーバーの光刃などといった同じエネルギー放射によるものが挙げられ、これらは切ることが出来ずに弾かれる。
ジェダイ等はこの特性を利用し、フォースによる予知も合わせてブラスターのエネルギー弾に対する防御策としても使っている。そのため彼らはブラスター弾を弾いて逸らしたり、直接射手に叩き返したりといった離れ業を可能とした。
またフォース・ライトニングを受け止めることもでき、フォースの扱い方次第では偏向して弾き返すこともできる。
また「焼き切る」性質上、対生物戦では腕や脚を斬り落としても致命傷に至らない事が多く、状況次第では敵に反撃の機会を与えるというリスクにも繋がり得る。
ただしジェダイは相手の命を奪う事無く無力化させるために、このリスクを承知で敢えて相手の腕や武器を斬りおとすのみに留める場合も多い。
使用方法
使用方法は簡単。スイッチを入れて振り回す。ただそれだけ。
ジェダイやシスでなくとも使うことはできるが、柄の部分にしか重さがないことや光刃が独特なジャイロスコープ効果のモーメントを生み出す性質に加え、発生した光刃全体全方向が等しく切断する刃部であるため、なんの訓練も受けていない者が武器として使用するのは自傷するリスクが高く、極めて危険。
武器として使いこなすには身体的な技量に加えて高いフォースの素養も求められるため、スターウォーズの作品世界ではフォースの加護を受けずにライトセーバーを使うことは非常に不遜な行いとされている。
ただし「単純に起動して何かを切断する」だけなら誰でも可能であり、劇中ではEP5でハン・ソロがルークのライトセーバーを起動してトーントーンの腹を裂くために使用している。
戦闘への利用に関しても白兵戦の訓練を積んだ者ならばフォースの使い手ほどではないにしろある程度使いこなせるようで、グリーヴァス将軍は元々の高い戦闘センスとサイボーグ化に伴う機械による脳へのアシストを生かし、4本ものライトセーバーを同時に振り回す戦法を得意とした。
他にもアニメ『クローン・ウォーズ』では、格闘も含め高度な戦闘技術を持つ傭兵部族マンダロリアンの一派「デス・ウォッチ」のリーダーであるプレ・ヴィズラ総督も使いこなしている(これに関してはヴィズラ家の祖先にター・ヴィズラというジェダイが存在していたのも関係しているかもしれない)。
また、ファーストオーダーのストームトルーパーとして訓練を受けたフィンも(相手が負傷していたことに加え、精神的にも動揺していた状況とはいえ)カイロ・レンを相手にある程度斬り結ぶ活躍を見せている。
光刃(ブレード)の色
※正史の設定
ライトセーバーのブレードの色は先述の通り、コアとなるカイバー・クリスタルの色によって決定される。このカイバー・クリスタルは調和した相手のフォースを読み取り、その相手の適性に応じた色に変化する。
なお、それぞれ設定はあるものの、実際には単純に制作側の都合でそうなり設定は後付けというメタなパターンも少なくなく、ルークの緑のものは当初は青になる予定が空の色と被るから緑となり、メイスのものは役者が紫色を望んだことでそうなったのである。
- 青
クリスタルがこの色に染まったという事はジェダイ・ガーディアン…即ち剣術や戦闘技術に長け、それらをもって弱者を守る武闘派ジェダイの適性がある事を意味する。
事実、共和国末期のクローン戦争で活躍したジェダイはこの色が多かった。
この色のセーバーを使った代表的な人物はアナキン・スカイウォーカーにオビ=ワン・ケノービ、ドゥークー。いずれもジェダイでも指折りの剣士である。
- 緑
クリスタルを緑に染めた者の適性はジェダイ・コンシュラー…即ち戦闘よりもフォースの探求に長けた者である。
この色のセーバーの使い手はヨーダやクワイ=ガン・ジン、ルーク・スカイウォーカーなど、フォースの探求に心血を注いだ者が多い。
- 黄
この色はジェダイ・センティネル…即ち前述のガーディアンとコンシュラーの中間と言える適性の持ち主である事を示す。
シークエルの主人公であるレイが代表例。
- 紫
クリスタルが紫に染まったならば、その者は光明と暗黒の間で調和を保つグレージェダイの適性が高い事を示す。しかし、この色に染まる事は滅多にないらしい。
代表例であるメイス・ウィンドゥは光明面側のジェダイでありながら、その強靭な精神力で暗黒面の力もある程度御していた。
- 赤
本来はライトサイドのフォースと調和するクリスタルを、暗黒面のフォースで無理矢理染め上げる「ブリーディング」を行うとこの色に変化する。
故にこの色のセーバーを持つ者はシスやダークジェダイなどのダークサイダーのみ。
- 橙
元々はフォールン・オーダーの主人公であるカル・ケスティスが、自身のセーバーを組み上げた際に選択可能なブレードの色でしかなかった(因みに予約特典)。
しかしオリジナルドラマ『アソーカ』にこの色のセーバーを振るうダークジェダイが登場しており、(現時点では推測に過ぎないものの)中途半端なブリーディングを行うとこの色に変化するのではないかと考察されている。
- 白
ブリーディングを施されて暗黒面に染まったクリスタルを、再び光明面のフォースと調和させる「浄化(ピュリファイ)」を行うとこの色に変化する。
現時点ではアソーカのセーバーがこの色(前述のように、自身を捕らえにきた尋問官を返り討ちにして回収したクリスタルを再利用しているため)。
また、非常に近い色のセイバーとしてテラ・シヌーベがわずかに青みがかった水色のセイバーを使っていたが、由来は不明。
- マゼンタ、シアン、インディゴ
いずれもカルのセーバーの色選択における選択肢の一つ。
色の意味は明言されていないが「光の三原色(RGB表記)」においてマゼンタは青と赤の中間であることから、紫と同じくグレージェダイの素質を持つ者がこの色になると推測されている(因みに紫はRGBにおいてR:G:B=0.5:0:0.5でマゼンタはR:G:B=1:0:1である)。
またシアンは緑と青の中間色なので、最も光明面に染まっている者の色と推測されている。
インディゴはハッキリとした推察がなされていない。
いずれにせよ、カルのセーバーの色変更はゲーム的な都合が大きい。デフォルトや公式媒体の彼のセーバーは青である。
型
レジェンズ(非正史)の設定として、ライトセーバーでの戦い方に7つの型(フォーム)がある。それぞれ得手不得手があり、一つの型を極める者、複数を修めて状況に応じて使い分ける者と様々。
フォーム1:シャイ=チョー
別名サーラック戦法または決意の型
ジェダイの武器がフォースを染み込ませた金属の剣(フォースブレイド)からライトセーバーへ移り変わる過渡期に誕生した型。そのため、金属製の一般の刀剣の操術と共通する部分が多い。
攻撃、防御、受け流しといった動作の訓練法全ての基礎が集約されており、全てのジェダイが最初に学ぶ。
基礎を徹底的に突き詰めた性質ゆえに「窮めれば殆ど無駄も不足もないフォーム」ともいわれ、キット・フィストーのような熟練のジェダイにもメインで使い続けている者は多い。
ただし、これは裏を返せば「これといった強みもなく、基礎であるから対処が容易」という欠点でもある。
フォーム2:マカシ
別名イサラミリ戦法または競争の型
対ライトセーバー戦に特化した型。
ライトセーバー同士の白兵戦に特化した極めて精密で峻烈な剣捌きに加え、軽快なフットワークやフェイントといった緩急自在の動きが特徴。
始動時は、片手で握ったライトセーバーを下段に構える。
ちなみにドゥークーがEP2の対ヨーダ戦等で見せる「片手で持ったライトセーバーを顔の前に掲げ、もう片方の手を体の後ろに回す」所作は「儀礼の所作」であって構えではない(以降も「顔の前に剣を立てる」シーンは何度かあるが、最初から下段の構えをとることのほうが多いことから見分けがつく)。
片手持ちがメインとなるため、ジャーカイの様に二刀流のマカシへの派生を行う者もそれなりに存在した様である。
他のどの型を相手にしても有利に戦えるが、峻烈な剣捌きを熟すために片手持ちで戦うことの多い性質から、後述するシエンやジュヨーなどのパワフルな型に対しては押し負けることもある。
また、古い型なので対ブラスター戦の対応が想定されておらず、使い手はブラスターの被弾が多かった。
更にこの型は完全に技量に特化しているため、同じ型の使い手同士が戦えば熟練度の差が露骨に勝敗を決めてしまう「一方的に華々しく相手を打ち負かすか、一方的に滅多打ちにされて惨敗してしまう」極端な戦いになりがち。
シスが滅んだと信じていた旧共和国のジェダイ達はこの型の「強者が弱者を一方的に下す」傾向の強さが組織の思想にマッチしないことを理由にほとんど重要視しておらず、師匠と弟子の稽古(師の側が仮想的にシスを演じる目的で用いる)や演武の種目程度にしか学んでいなかった。
反対にシスはジェダイとの戦いに備えて全員がこの型を必ず修得し、窮めたうえで他の型に移行してそちらも窮めている。
代表格であるドゥークーはジェダイであった頃から達人といわれるほどに熟練していた。
フォーム3:ソレス(ソーレス)
別名マイノック戦法または立ち直りの型
防御とそこからの反撃を重視した型。
ライトセーバーを持つ手を大きく後ろに引き、反対の手の人差し指と中指を伸ばして前へまっすぐ伸ばす(もしくはチョキ)という、弓を引き絞ったような構えをとる。
銀河系の標準武装がブラスターに移行した時代に開発されたため、ブラスターを使う相手との戦いや集団を相手にした戦いに真価を発揮し、足場が広く安定した場所を得意とする。
ソレスを窮めた者を傷つけることは理論上不可能とされており、「最大限の防御で身を守り、最小限の反撃で無力化する」というジェダイの理念を体現した型とされている。
一方で、対ブラスターと対集団に特化しすぎた弊害(カウンターや受け流しがメインとなるため攻め手に欠ける)か近接戦闘やタイマンは苦手なようで、対ライトセーバー戦に特化してフェイントを駆使するマカシとは相性が非常に悪く、ソレスを窮めし者(ザ・マスター)と呼ばれるオビ=ワンですらドゥークーには圧倒されてしまった。
また、後述するシエンやジュヨーといったパワフルな型も、マカシほどではないものの苦手。
ただ、オビ=ワンのソレスは長年一緒に戦ってきたアナキンの使うシエンの影響を受け、やや攻撃寄り。ドゥークー伯爵の教えを受け、変幻自在にライトセーバーを使いこなすグリーヴァスに打ち勝つことができたのはこのためといえる。
フォーム4:アタロ(アタール)
別名ホーク=バット戦法または侵略の型
フォースを使って極限まで身体能力を高めた素早い身のこなしによって相手を翻弄する、非常にアクロバティックかつ攻撃的な型。
「銀河の平和を維持するには、今までのように守りに徹してばかりでは足りない」と考えたジェダイ達によって編み出された。
両手でライトセーバーを握り、右肩か左肩付近で垂直に立てる八相の構えを取る。
変則性や奇襲・強襲性に特化し、目まぐるしい動きで翻弄しながら息もつかせぬ怒涛の攻撃を繰り出す。それにより、牽制や威嚇の効果も高い。
反面、四方八方に相手の周囲を飛び回るため、一定の広さの跳躍で相手を囲い込む事が可能な空間でなければ真価を発揮し辛く、敵に背中を見せる機会が多い分隙も大きい。
狭過ぎれば動き回る事が出来ず、広過ぎれば間合の外や安全地帯へ逃げられて攻めきれずに取り逃がしてしまう。
加えてフォースの加護があるとはいえ体力の消耗は激しいため、使用には相応の危険が伴う。特に牽制や威嚇が通じない達人が相手の場合、一方的に消耗するだけでかえって危険であるともいえる。
主な使用者はヨーダ。彼は全ての型を極めているものの体が小さいためアドバンテージを得られる型が殆どないに等しく(リーチが短いため普通に攻撃しても相手に届かず、力比べでも不利であるため)、それをカバーするため攻防一体にまで昇華させたこの型をメインに使っている。
他に、クワイ=ガンやダース・シディアスもこの型であるとされる。
前者はジェダイ騎士団でも指折りの強者として評議員への推薦を受けたこともあり、後者に至ってはヨーダと互角に切り結ぶほどの実力を誇っているなど、強力な型であるのは想像に難くない。
フォーム5:シエン
別名クレイト・ドラゴン戦法または忍耐の型
ソレスから派生した、力による攻撃威力に特化した型。
作中での主な使い手にはアナキンとその弟子アソーカや、ジェダイ・マスターのプロ・クーンがいる。
「銀河の平和維持は力がなければ成し得ない」と考えたジェダイ達によって、アタロと時を同じくして編み出された。
防御のために構えたライトセーバーはおろか単純な打ち合いですら時に弾き飛ばすほどの力強い打ち込みや、ブラスター弾は積極的に相手へ打ち返すといった攻撃性の高さが特徴とされ、それ故に戦闘では前衛の切り込み役に向いている。
ライトセーバーを両手で握って左右どちらかの体側へ斜めに構えるのが一般的だが、ジェダイ・マスターのアディ・ガリアやアソーカの様に、片手の逆手に構えることもある。
その力強さ(フィジカル面重視の剣技)故に、時として剣術剣技の最高峰ともいえるマカシに対しても有利を取れる(EP3でアナキンがドゥークーの両手首を切り落とした巻き技がその一例)。
一方で、受け流しを得意とするソレスとは対照的な剣技のために互いの長所を潰し合う形となり、ムスタファーの戦いでアナキンとオビ=ワンの戦いが長引いた一因ともいわれる。
弱点としてはどっしり構えて攻撃に集中するためにフットワークが利きにくく、機動力に乏しくなることである。また、足場が不安定な場所では踏ん張りがきかず、力を発揮し辛い。
他にもその攻撃的な性質故に、後述するジュヨーに次いで使用者を暗黒面に誘いやすいとも。
基本的には「防御にかまけて戦闘を長引かせるくらいなら、自分や周囲が多少傷ついてでも肉薄して短期決戦を仕掛ける」戦い方となるが、アナキンのシエンは長年一緒に戦ってきたオビ=ワンが使うソレスの影響を受けて防御にも力を割く様になっているとのこと。
ルークは正規の訓練を受けていない(オビ=ワンからシャイ=チョーの一部、ヨーダからアタロを習った以外には学習していないとのこと)が、父であるヴェイダーとの戦いを経て自然とこの型に近い戦い方をするようになっていった。
ドジェム=ソ
シエンを更に攻撃に特化させた派生形。
シエン以上に対ライトセーバー戦へ重きが置かれている。
主な使用者はアナキン。
生物ならではの柔軟な関節の可動を駆使して腕をムチのようにしならせることで、より苛烈な攻撃を繰り出すことができる。
光刃が腕の振りより遅れてくる性質から予測を外す効果もある他。
反面、シエン譲りの機動力の低さに一層拍車がかかってしまっており、アナキンは相手に切り込む際にはアタロの技法を組み込んで大跳躍し、敵中に飛び込んで意表を突いてからはドジェム=ソを使う等の対処をしていたようである。
また、柔軟な関節の可動を駆使する性質上、生身の四肢か高性能な義肢でないと使用が厳しい様である(脚や膝の粘りも必要となるため)。
そのためか、ムスタファーの戦いで生身の四肢を全て失ったアナキンもといダース・ベイダーは、ダース・シディアスのフォローによって義肢(これらはジェダイの頃から右腕に付けていたものに比べると低性能らしい)を与えられて以降は重く強力な打ち込みを繰り出すシエンを使うようになっており、こちらを使うことはなかった。
フォーム6:ニマーン
別名ランコア戦法または中庸の型
フォーム1~5を組み合わせ、バランスよく発展させた型。
専門性の欠如を補うため、訓練においてはフォースによる念動力(引き寄せや吹き飛ばし等)を戦闘に取り入れることが奨励された。また、二刀流やダブル=ブレード・ライトセーバーを扱う技術も含まれる。
戦乱の少ない平時においてジェダイは紛争の調停者という役目も担っており、外交官としての能力も要求されるようになっていた。ニマーンはその誕生経緯から「一通りの技術を習得する」段階までなら修行の負担が他の型に比べて軽く、外交に必要な技術を学びながらでも訓練できるため、外交官の型と呼ばれることもあった。
ただし多くを取り込み過ぎたためか、この「一通りの技術を習得する」段階を越えて「実戦で戦況に応じ使いこなせるまでに習熟する」レベルへ至るには、他の型以上に学びや修練に多大な時間がかかる。それ故に実際の難易度は呑み込みの早い者でも最低10年はかかると語られるほど高く、会得したと思い込んでいても(若年のジェダイではなおさら)ほとんどが「本来ならまだ修行中」レベルであることも多かった模様。
おまけに旧共和国末期においてジェダイは外交官としての能力に比重が置かれていたため、戦闘術がそこまで重要視されていなかったことも禍して「会得した気になっていた」中途半端なジェダイが増える結果を招いた…と言えなくもない。
このため、バトルドロイドを中心とした大軍を相手取る乱戦となった「ジオノーシスの戦い」においてはこの型を使っていたジェダイのほとんど全員が戦死してしまい、実戦における力不足が露呈した。
反対にシスの側では個々人の適性を重視する教えが是とされていたためか、この型は「個性を殺し、成長の可能性を奪う」と見做され、同じ時代に用いる人物はほぼ居なかった(修得していなかったわけではない。現にダース・モールはこの型も窮めていた)。
本来は前述した5つの型の長所を組み合わせた良い所取り…つまり「真に窮めればあらゆる状況に対応できる」最も完成された型といえる。
また他の型の長所を取り込んでいることから、集団戦においては他の型の使用者との連携やサポートにも応用が利く。
旧共和国末期においては生齧りのジェダイを多く生み出してしまう結果にこそなってしまったものの、古代においてはシスの暗黒卿エグザ・キューン、旧共和国末期においてもジェダイ・マスターのシャアク・ティやサシー・ティンの様にこの型を用いながらも高名を得た熟練者もいるため、十全に機能したこの型が如何に優れたものとなるかは想像に難くない。
ジャーカイ(ジャルカイ)
ニマーンにおける、複数のライトセーバーを操る技術。「ジャーカイ」という名称は二刀流全般を総称する。
二刀流の際には二本のライトセーバーを攻撃・防御に使い分けたり、二刀でもって激しい連続攻撃を加えたりする。
手数の圧倒はほとんどの相手に有利に作用した一方、複数の弱点を持つことも意味した(片手持ちとなる性質上、防御の非力さや制御の困難さ、両手が塞がるためフォースの習熟が疎かになる等)。
使い手は普段から二本のライトセーバーを携帯する者もおり、アサージ・ヴェントレスやアナキンの弟子としてある程度修行を積んだ後のアソーカがその代表例。
当然ながら腕が多数ある種族であれば、3本以上のライトセーバーを同時に扱うこともできる。
フォーム7:ジュヨー
別名ヴォーンスカ戦法または残忍の型
全ての型を窮めた達人のみが制御し得るとされる、究極の型。
ライトセーバーを片手に持った状態で両腕を大きく広げて相手を受け入れるかのような一見隙だらけの構えや、両手持ちで大上段に構える。
興奮や憤怒といったジェダイにとっては本来忌避すべき感情を織り交ぜることで、静と動の相反する特性を兼ね備えた挙動を実現する。結果として身のこなし、太刀筋ともに極めて予測が困難な動きとなる。
その動きはシエン以上に攻撃的かつ動的であり、かといって演武にも見える精巧さのあったアタロとは異なる「細切れで不連続な荒々しさ」があり、傍から見れば洗練されていないように見える。
熟練した達人が操るジュヨーは「一人の敵を骨抜きにできる」と称されるほどに凶悪な一方、エネルギーの消耗はアタロよりさらに激しい。
感情の昂りを利用する性質上、この型を使うことは必然的にフォースの暗黒面に近づくことになるため、修練を許されるのは高位のジェダイ・マスターのみ。しかし彼らをもってしても暗黒面の浸食からは逃れることができず、戦闘中やその直後ともなれば焦りや不安といった負の感情を無意識に増幅させがちで、感情的になりやすくなってしまう。
反対にシス側ではこの暗黒面系のデメリットが問題とされなかったため、習得面での制限はほとんどなかった模様(歴代でも多くの暗黒卿が熟達していたとされる)。
ダース・モールやメイスはこの型の達人。ちなみにアナキンは感情が昂ったときに自然とこの型に近い動きを見せており、同様に激情に駆られたジェダイがこの型に近い動きを見せた例は多く見られるとされる。
ヴァーパッド
先述のジュヨーの使い手であるメイスが、自身の弱点を補うためにソーラ・バルクと共に編み出したジュヨーの発展型。厳密には独立した型では無く、あくまでジュヨーの一部とされることもある(特にシス側の観点では)。
下段または脇構えに構えて腰を落とす、ジュヨー以上に一見隙だらけの構えを取る。
ヴァーパッドという名称は、惑星サラピンの月に生息する7~23本の触手を持つ獰猛な生物の名に由来している。
無数の触手を超高速で振り回して獲物を叩きのめす猛獣ヴァーパッドの動きを参考にし、防御を顧みない突撃や高速の連続攻撃を繰り出す。アナキンはメイスによるあらゆる角度からの高速の攻撃を「紫炎の偏球」と評している。
死への恐怖すら高揚感として取り込むためにジュヨー以上に極限まで暗黒面に近づかなければならず(光明面と暗黒面の中間、いわゆるフォースのグレーゾーンに身を置くとの表記も)、修得および制御には高度な戦闘技術以上に強靭な精神力や信念を必要とする。
これを修得したジェダイは考案者のメイス、共同開発者ソーラ、そしてウィンドゥの元弟子デパ・ビラバとソーラから伝授されたクインラン・ヴォスのみ。しかし、そのうちソーラとデパとクインランは後に暗黒面へ堕ちてしまっており(クインランのみ立ち直って光明面に復帰した)、生涯ジェダイとしてヴァーパッドを使用し続けたのはメイスのみである(しかしそのメイスも最後には暗黒面に呑まれかけていた)。
一方で生粋のシス側でこの剣技を用いる者は意外にもおらず、騎士団を離反したダークジェダイか、コピーしたグリーヴァスくらいしか使っていない。
これに関しては「創始者がメイスなので、シス側で盗んで極めることは時期的に不可能だから」と言う説や、「ジェダイ(創始者であるメイスたち)が勝手に派生・亜流扱いしてるだけで、(シス的には)ジュヨーの範疇に入る剣技としか認識していない」と言う説も有る(古くから付き合いのあるドゥークーやシディアス、アナキンほか評議会のメンバーは見知っていたわけだが、既に自分の型を選び窮めている彼等には実質無用だったと考えれば不自然ではない)。
それ以外の型
以上の7つの型には含まれない、文字通り型破りにしてハイブリッドな型及び技術。
トリスプゼスト
ジュヨーの要素とスカイトリ(有翼種族)の伝統的な空中戦闘技術を組み合わせた型。スカイトリの言語で「(心臓の)鼓動」を意味する。
使い手は地上ユニットとの戦闘において飛行能力の利点を生かし、サイチャ(斬首法)による一撃必殺の攻撃に重きを置く。構造上、真下からの攻撃には極めて脆弱である。
ダークジェダイのモーはこの型の達人であり、空中で激しく回転することで四方八方に斬撃を浴びせる強力なテクニックを体得していた。
トラカータ
ジェダイ・シス双方の陣営ともに使用を忌み嫌い、存在しない物扱いした型。
別名は不明だが騙しの型と言ったところか。
このフォームはライトセーバーがブレードを出し入れ可能な武器である事を最大限に活用し、戦闘中にブレードのON/OFFを繰り返す事で相手の虚をつき仕留めるという、卑怯千万の謗りを免れないダーティーな戦闘スタイルを極意とする。
映像作品では非正史または並行世界(ノンカノン)扱いであるスターウォーズ・ビジョンズに登場。
あまりのダーティーさにジェダイでは「恥知らずな戦法」として嫌われ、時に不意打ちを行うことも容認するシス側さえもそのあまりの姑息さや怒り、憎悪を要しないこの戦法を「使い手は雑魚の証」と唾棄した。
とはいえ、非正史ではジェダイやシスも起死回生の手段としてやむを得ず使用することも、あるにはあったようである。
ソカン
型というよりもライトセーバー戦闘において戦術的優位性を高めるための原理原則。
戦場の地形を利用することで常に自分に有利な状況を確保する兵法。ライトセーバーの技ではなく、周囲の環境そのものを主軸に展開する。
実践者は優れた敏捷性と機動力を必要とし、古くよりアタロの技法を用いてきた。
EP1におけるダース・モールのレーザーゲートを利用した敵の分断、EP2におけるヨーダの三点跳躍による主導権の奪取、EP3におけるオビ=ワンの決め手となった高地への跳躍はこれの原則に則ったものである。
正史における型
正史ではデパが暗黒面に堕ちずにオーダー66で殺害された事や、「第三の型」を得意とし、この型に拘っていた事が言及されている。
また、非正史同様に7つの型の存在が記述された資料も発表されている。
ただし、こうした型が上述する非正史の設定と同一かは現状不明。
思想
ジェダイはライトセーバーを自身らの象徴であると共にブラスター等とは違う「洗練された武器」として一種の神聖視をしている面があり、粗末に扱ったり紛失したりする事は勿論厳禁である他、自分の専用ライトセーバーの制作が訓練の通過儀礼の一つとされている。
そのため、どれも切れ味の面では他のあらゆる武器を圧倒しているように見えても、一定以上の使い手の目にはその出来の粗悪が如実に見えてわかり、持ち主の技量そのものを計る物差にもなっている。
一般的にライトセーバーには出来損ないは一つもないといわれている。
しかしオビ=ワンが若い頃に製作したものは防水性が不十分だったためナブーの沼地に着水した際に完全に放電されてしまって起動できず、クワイ=ガンと合流した時はSTAPに搭乗したバトルドロイドを破壊できずに追い回されていた(『EP1ファントムメナス』制作時の設定として「完全に水没するとバッテリーが放電されてしまい再充電が必要になる」というものがあり、実際に若き日のオビ=ワンがライトセーバーを沼に落としてしまったためバトルドロイドとの戦いで起動できずにクワイ=ガンから叱咤されるという没シーンも作成されていた)。
しかしその後、「防水対策を施す事で耐水性を持たせる事が充分に可能である」という設定が追加され、正史の映像作品においては『EP2クローンの攻撃』で豪雨の中、『クローンウォーズ』では水中でライトセーバーを起動する場面が描かれている。
また、友情の証として他のジェダイと交換することもある。
ナー・シャッダ出身でイリドニアン・ザブラクのジェダイ・マスターイース・コスとメイスは若いころに互いのライトセーバーを交換しており、数年の後(ナブー封鎖の後)、メイスがマラステアの任務に赴く際にそれを返却しあった(EP1でメイスが持っている地味なデザインのライトセーバーはイースのものである)。
なお、イースはメイスのライトセーバーを使用していたわけではないようで、エピソード1でも師コスル・アヤダのライトセーバーを原型にしたものを使用していた。
一方シスの暗黒卿であるダース・シディアスは、そうしたジェダイの思想とは対照的にライトセーバーを単純な道具として扱い、それどころか「ジェダイの武器」と蔑んで極力使用を避けた。手練れのジェダイ・マスター数名を瞬殺し、ヨーダと互角に切り結ぶほどの剣技の持ち主であるにもかかわらず、である。
これは彼が類稀なる強大なフォースの使い手で、当代最強格といっても過言ではない強力な念動力や必殺のフォース・ライトニングを操る自身の力に絶対の自信を持っているがゆえである。
歴史
ジェダイはもともとフォースという未知の力場を研究する学者集団だったが、フォースを利用するようになってから平和の守護者へと徐々に変化していった。
そうした中で、彼らの武器も金属製の剣からエネルギーの刃を放射するライトセーバーへと変化していったのである。
初期のライトセーバーは光刃を放射する柄の部分からコードが延び、背負った大きなバッテリーからエネルギーを供給するという大型のものだった。
また、それを用いる技術も金属製の剣を用いる剣術とほぼ共通のフォーム1から、旧共和国末期にはフォーム7まで生み出された。
ジェダイは全ての基礎となるフォーム1を学んだ後、それぞれが望む型を修得し、窮めていくことになる(ドゥークーのマカシ、オビ=ワンのソレス、ヨーダのアタロ、アナキンのシエン及びドジェム=ソ、メイスのジュヨーおよびヴァーパッドなど)。
ただしこれらは体系化した旧ジェダイ・オーダーの崩壊とともに長らく失われ、後にルークによって創設された新ジェダイ・オーダーには当初、正しく伝わっていなかった(伝えようにもルークが習ったのはシャイ=チョーとアタロだけだったため)。
これは帝国の徹底したジェダイ弾圧によりジェダイに関するあらゆる記録が破壊されていたためだが、その後破壊を免れていたホロクロンの発見(しかも運の良いことにソードマスターであったシン・ドローリグやウェポン・マスターと称されたソーラが残したものだった)や旧ジェダイ・オーダーの生き残りとの出会いを経て復活することになる。
特異なライトセーバー
ダブル=ブレード・ライトセーバー
32BBYにジェダイの前に現れ、クワイ=ガン・ジンを殺害したシス卿ダース・モールは柄の両端から光刃を放射するライトセーバーを使用していた。
パッと見はライトセーバーの柄2つを繋げて一つにしたような形状。光刃は片方だけ使用する事も可能で、仮に片方が破損しても残ったもう片方で使用を続けられる。
ジェダイは主に練習用として稀に使う程度だが、クローン大戦でジェダイ騎士団と共和国を裏切った、4本の腕を持つベサリスクという種族のジェダイ・マスターポング・クレルはその巨躯によるパワーと文字通り手数を活かし、2本のダブル=ブレード・ライトセーバーを同時に使用する戦法を得意としていた。
また、ジェダイ・テンプル・ガードは構造のよく似たセーバー・パイクを標準装備している(こちらは普通のセーバーよりも柄が長い代わりに光刃が若干短い)。
レイがデス・スターの残骸の中で出会った自身の暗黒面の幻影はグリップ部分が二つ折りにできるタイプのダブル=ブレード・ライトセーバーを使っており、戦闘中に巧みにギミックを作動させる事で相手のライトセーバーを挟んで絡めとる事ができた。
非正史の設定では、ダブル=ブレード・ライトセーバーが初めて製作・使用されたのは旧シス戦争の時代まで遡る。シスの暗黒卿エグザ・キューンが製作したのが最初であり、彼はシス・ホロクロンを用いて通常のライトセーバーの柄を改造し、ダブル=ブレードにしたとされる(時代が経つにつれて柄が現在の形状まで長くなった)。
銀河帝国時代にシスの直接の命令に従い、オーダー66を生き延びたジェダイの捜索と抹殺を任務とする「尋問官」の役職に就いていたダーク・ジェダイ達は円形の柄を持ち、2本の光刃を回転させる事で投擲した際の殺傷力を上げたり飛行したりできるダブル=ブレード・ライトセーバーを使用していた。
アサージやカル・ケスティスのものの様に「スプリット・セーバー」と呼ばれる、二つのライトセーバーの柄頭を結合させる事でダブル=ブレードにする事が可能なものも存在し、二刀流とダブル=ブレードの切り替えによる変幻自在な戦法が可能となる。
カーブド=ヒルト・ライトセーバー
別名デュエリスト・セーバー。ダース・ティラナスとしても知られるドゥークー伯爵や、彼に師事したアサージらが用いたライトセーバーは柄が下向きに湾曲している。
これは対ライトセーバー戦に特化した伝統的なライトセーバーの作りで、湾曲した柄によって片手持ち時の取り回しの良さを高める意味をもつ。重心も通常のライトセーバーとは若干異なり、軽く握りや力加減を変えるだけで振り幅が変わるため、相対した相手に光刃の長さを誤認させたり斬撃のキレを増したりといった利点がある。
また、スイッチを押すことで瞬時に光刃を短縮できる機能が備わっており、フェイントなどで効果を発揮した。
反面、手首の角度で振り幅が大きく変わる特性上、攻撃の防御には向いていない形状であり、この形状のライトセーバーの使い手の多くはブラスターによる被弾が多かったとされる。
また形状故に両手で握るには不都合も多く、鍔迫り合いからの力比べに持ち込まれるのも苦手。
アサージはこのタイプのライトセーバーによる二刀流の使い手であり、彼女のライトセーバーは二つの柄を繋げることで上記のダブル=ブレード・ライトセーバーとしても使用できるようになっていた。
スピンオフ作品(非正史)の設定ではこのライトセーバーはアサージ自身が作成した物ではなくドゥークー伯爵の元弟子であるコマリ・ヴォサが使用していた物で、彼女が殺害された後にドゥークー伯爵が回収してアサージに贈ったとされている。
ちなみにサーベルやシャムシール等のように柄が下向きに湾曲した刀剣は実在する。
クロスガード・ライトセーバー
別名フォークド・ライトセーバー。通常の光刃の他に左右に短い光刃を2本、鍔のように投射する。劇中では主にカイロ・レンが使用。
なおこの構造自体はカイロが考案したものではなく、彼が古代のシスのライトセーバーの設計図を基に組み立てたとされている。
とくにカイロのライトセーバーは組み込まれているクリスタルがヒビ入りで出力が不安定化していたこともあり、そのせいで生じる余剰エネルギーを左右から放出するためにこのタイプの柄に辿り着いた可能性もある。
また、アニメ『反乱者たち』でも惑星マラコアに存在する古代シスの寺院において、このタイプのライトセーバーが遺棄されていた(このライトセーバーは光刃の色が緑であり、シスではなくジェダイが作成した物である事が示されている)。
その他、上記したカルのスプリット・セーバーは更なる改造によってこのタイプへの組み換え機能を有するようになった。
もちろん左右の光刃にも殺傷力はあるため、鍔迫り合いの時に相手へ押し付けてダメージを与える事が可能。
セーバー・ケイン
別名ケイン・ライトセーバー。ジェダイ・マスターのテラ・シヌーベ、老年期のダース・モールが使用する仕込み杖の様なライトセーバー。
現実の仕込み杖の様に杖としても使用可能で、セーバーとして使用する際は杖の部分を取り外してから光刃を起動する。
テラのものは外見が完全に杖で、光刃を起動するまでライトセーバーとわかり難い。モールのものはダブル=ブレード・ライトセーバーの片方の放出孔に木の棒を無造作にねじ込んだ程度のものでしかない。
使用していた2人はともに老年期の人物で、モールに至ってはライトセーバーの所持を隠して自らを無害な老人に偽装するのも兼ねていた。
ライトセーバー・ショートー
単にショートーとも。柄と光刃が標準よりも短いライトセーバー。
主な使用者はヨーダとアソーカ・タノ。
主に前述のジャーカイの使い手がサブのセーバーとして使用するほか、ヨーダのように小柄な種族の人物が自身の体格に合うセーバーとして使っている。
カイバーセーバー
『フリーメーカーの冒険』の設定における歴史上最初のライトセーバーで、カントゥーというジェダイマスターが作った。
通常のライトセイバーとは異なり青いカイバー・クリスタル製の刀身があり、所有者のフォースを1000倍に増幅できる。
完成後、試しに振ってみただけで空に向かって飛んでいった光の刃が月を真っ二つに切り裂いてしまい、あまりの性能にカントゥーは刀身をいくつもの「カイバーセイバー・クリスタル」に分解して宇宙の各地に封印した。
なお、レジェンズの歴史上最初のライトセーバーは古代種族ラカタが作ったフォースセーバーであり、正史の歴史上最初のライトセーバーはウェポンマスターと呼ばれたジェダイが作ったファーストブレードである。
ダークセーバー
『クローンウォーズ』『反乱者たち』『マンダロリアン』で登場する、白い光を纏う黒く平たいブレードの古いライトセーバー(見た目は日本刀やマチェーテに似ている)。
マンダロリアン初のジェダイであり、マンダロアの有力諸侯であるヴィズラ家出身のター・ヴィズラが作成して長く愛剣として用い、彼の死後はジェダイテンプルに保管されていた。
しかしターの親族であるヴィズラ家によって盗み出され、以降はマンダロアの諸侯達をまとめる旗印のように扱われている。
通常のライトセーバーが「ブオン…ブオン…」と音を立てるのに対して「ヒュィィン…ヒュィィン…」という金属の笛のような独特のブレード音が特徴で、通常のライトセーバーよりも威力が高いと思しき描写がある。
その他の特異なライトセーバー
他にも少数存在する特殊な形状のライトセーバーとして、
- ケイナン・ジャラスが使用する、不使用時には二つに分割し別の機器に偽装可能なタイプ。
- エズラ・ブリッジャーが作成した、ブラスターとしても使えるタイプ。
- ガード・ショートー或いはライトセーバー・トンファーと呼ばれるトンファー型のタイプ。
- ライトフォイルと呼ばれるブレードの長さは通常のセーバーと変わらないが、グリップがショートー並みに短いフェンシングのフルーレのようなタイプ。
- ライトウィップと呼ばれる軟質なワイヤー状の光刃を発する鞭型のタイプ。
などが存在する。
その他
ジェダイから盗み出されたライトセーバー及びカイバー・クリスタルは、裏社会において高値で取引されているらしい。
製作裏話
今でこそ超大作のSWだが、第1作目当時は低予算および過密な撮影スケジュールであり、小道具はほぼ有り合わせの機材で作られた。
ライトセーバーもその例に漏れず、ルークやベイダーのセーバーはカメラのフラッシュガンを用いて製作された(オビ=ワンのものは水道の部品などを組み合わせて製作。撮影スタジオの近所に昔イギリス軍が使用していた廃墟倉庫があり、そこにあった使い古しのカメラやストロボを再利用したという)。
特徴的な「ブオン…ブオン…」というブレード音は、砂嵐状態のブラウン管モニタにマイクを近づけた際のハウリングをサンプリングした音である。
因みにブレードの色も元は正義側の青、悪役の赤という設定でEP6のルークが新調したセーバーも青のはずだったが、ブレードが青だと撮影現場であるサハラ砂漠の空の色に溶け込んでしまったため緑にしたという裏話がある。
EP1でダース・モールの物として初登場したダブル=ブレード・ライトセーバーは、最初に製作されたプロップではグリップの長さが通常のライトセーバーと大差ないものだった。
しかし演者のレイ・パークが「より取り回し易いように長くしてほしい」と要望したため、最終的に通常のライトセーバーの2倍程度の長さのものになったという。
柄の両側から伸びた光の剣という事で時空戦士スピルバンのツインブレードを思い浮かべる人もいるようだがSWが元ネタではなく、実はあちらが先らしい。
備考
pixiv内ではこれが転じて、エネルギー光刃の剣で武装しているキャラが描かれているイラストにこのタグが付けられている場合が多い。