AT-AT
えーてぃーえーてぃー
AT-ATとは(All Terrain Armored Transport 全地形対応装甲トランスポート)の頭文字である。その名の通り、あらゆる地形状況下での装甲された兵員・物資の輸送能力を有する。
銀河帝国軍の陸上主力兵器であり、前線での直接戦闘および兵員輸送を兼任している。
敵地上部隊の排除と自軍歩兵部隊の輸送という役割を担い、4本の脚で地上を歩行、顎部の“連動式 重レーザー砲 (2門)”とこめかみ部の“連動式 中型連射ブラスター砲(2門)”の強力な兵器を搭載している。堅牢な装甲を持ち、その正面装甲は歩兵のブラスターから戦闘機のレーザー砲、地上砲台からの砲撃すら全く受け付けない。また巨体を支えて歩き回る巨大な脚部はそれ自体が強力な重機でもあり、歩行するだけで敵陣地を蹂躙する威力がある。
巨体を揺るがし、地響きを立てて前進するAT-ATの集団は敵を恐慌状態に陥れる。惑星制圧では本機の接近を見た原住民が逃走し、戦闘前に勝負がつくことも多かった。反乱軍はこの見た目通りの怪物染みた兵器を撃破するため、創意工夫を迫られることになる。
強力ではあるものの、あまりにも大型ゆえに小回りが利かず、反乱軍のスノースピーダーの機動力に翻弄されることもあった。そのため小型のAT-STを周囲に随伴、護衛させている事が多い。劇中では接近を許したスピーダーに脚部にワイヤーを巻かれて転倒、擱座させられた所をすかさず弱点の首にあたる部位を集中攻撃され破壊されるシーンが描かれている。(「スター・ウォーズ:バトルフロント」シリーズ等、ホスの戦いが描かれるゲームでは必ず再現されていると言える程に印象的なシーンである。)
ただし、スノースピーダーの装備するレーザーはAT-ATの正面および側面の装甲に対し全く無力であるのに対し、AT-AT頭部側面の中型連射ブラスターは数発でスノースピーダーを完全に破壊する威力があり、基本的にはAT-AT側が圧倒的有利である。
ホスの戦いでもスピーダーによるワイヤー戦法を考案したルーク・スカイウォーカー中佐機は2撃目をかけようとした所を本機の攻撃で撃墜され、その後もAT-AT部隊は若干の犠牲を出しつつも終始反乱軍を圧倒、そのままエコー基地を陥落させている。
障害物が少ない広大な雪の平原であったホスでは大活躍したAT-ATであるが、小回りの利かない巨体であるがゆえに巨木の生い茂るエンドアの月のような環境では戦闘には適さなかったのか配備はされているものの装甲を活かした要人輸送はこなしているが拠点防衛には参加している描写は劇中では無かった。(ps4スター・ウォーズ:バトルフロントでは普通に参加しプレイヤーたちの脅威となっているのでたんに戦闘に参加する機会がなかっただけとも捉えられる)
類似する兵器(銀河帝国編)
AT-ACT
(背景に映っている3台のメカ)
正式名全地形対応装甲貨物トランスポート(All Terrain Armored Cargo Transport)
- 映画「ローグ・ワン」に登場したAT-ATの亜種。惑星スカリフに多数配属されており、建設任務や基地防衛に従事していた。また、別作品では生産企業であるクワット・ドライブ・ヤード(KDY)社の工場でも多数が配備されていた。
- AT-ATよりも背は更に高くなっているが、基本的に物資運搬がお仕事なのでAT-ATに比べて戦闘は不得手。それでも歩兵や歩兵の携行兵器ではびくともしない頑強さを持つ。しかし装甲が薄いのかXウィングの攻撃で「腹部」を攻撃させた際には爆発で前後が泣き別れになってる。
AT-PT
正式名全地形対応1人乗りトランスポート(All Terrain Personal Transport)
- レジェンズ作品に登場する一人乗りの歩行兵器。性能含め後述のAT-DPと共通するものがある。
- 一応、正史作品でも帝国軍には存在するようだが、正史作品群では未邦訳のタワーディフェンスゲームにしか登場しないため、いまいち存在感が薄い。
AT-DP
正式名称全地形対応防衛ポッド(All Terrain Defense Pod)
- 「反乱者たち」に登場。銀河共和国が運用していたAT-RT(後述)を発展させた二足歩行の歩行兵器。操縦士と砲手によるタンデム式の複座となったが、武器はレーザー1門だけと相変わらず貧弱。しかも複座式になってコックピットを完全密閉の装甲式にしたせいか全体的に動きがもっさりしてる。
- 後述のAT-STとは共通点が多いが、総合火力ではAT-STには到底及ばず、戦闘用というよりも少人数での巡回や短距離偵察任務に使用されていたという。「防衛ポッド」とはいったい...
AT-DT
正式名称全地形対応防衛タレット(All Terrain Defense Turret)
- ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーに登場した大砲を搭載した二足歩行兵器。正面装甲を装備した重砲にそのまま二本足をはやしたとしか言いようのない独特な姿をしている。
- 劇中では惑星ミンバンでの帝国軍の戦いに投入されていた。かつてのAT-TEのように空挺作戦で展開される姿は圧巻。
AT-ST
正式名称全地形対応偵察トランスポート(All Terrain Scout Transport)
- ホスの戦いから登場(※)する二足歩行戦車。ホスの戦いではAT-ATの存在感が圧倒的であることと、目立った活躍がないためほぼ背景と化していたが、エンドアの戦いではエンドアの森林地帯を闊歩し、反乱同盟軍兵士や共闘する先住民族のイウォークたちを装備する4門のブラスター砲と2門のミサイル発射装置を追い詰めた。ドラマ「マンダロリアン」に登場する元反乱同盟軍兵士によると、中隊の兵士を数分で全滅させたほどの火力を持つ。同作でも盗賊団が改造した同機種を所有している。
- 速度と高火力を持つ優れた兵器ではあるが、代わりに装甲は犠牲になった。そのため、エンドアの戦いではイウォークが仕掛けた丸太のトラップでコックピット部分を押しつぶされるという醜態を晒している。さらに、歩行兵器の宿命として足元が脆弱なため、これまた丸太を転がしまくるトラップで足をすくわれあっという間に転倒して破壊されるという場面も見られた。
- ※ILMに所属し、長くスターウォーズシリーズに関わっているジョン・ノール氏はホスの戦いに登場するAT-STを「チキンウォーカー」と称して別物として扱っている(「マンダロリアン」メイキング座談会より)。事実、正面装甲など細かい点でデザインがかなり異なっており、有志のデータバンクではAT-ST(ホス仕様)として別カテゴリーとされていることもある。なお、「チキンウォーカー」とは実際に撮影現場で使われていた呼称らしい。
AT-MP
正式名称全地形対応ミサイル・プラットフォーム(All Terrain Missile Platform)
- AT-STのコックピット部分両側のブラスター砲を全てミサイルに取っ替えたような機体。ゲームにしか登場しないため、いまいち存在感が薄い。
類似する兵器(銀河共和国編)
AT-TE
(背後のメカニック)
正式名全地形対応戦術攻撃兵器(All Terrain Tactical Enforcer)
- クローン戦争開戦時から共和国軍が運用する六脚式の歩行戦車。後年AT-ATを開発・生産するクワット・ドライブ・ヤード社の子会社であるロザナ・ヘビー・エンジニアリング社製。
- 正面に4門、後方2門のレーザー砲に加え、最上部にマス=ドライバー砲を搭載する。このマス=ドライバー砲の破壊力は凄まじく、前線から姿を消して久しい帝国時代に当時の新鋭機種であるAT-ATを(弱点である「首」の根本を精密狙撃しているとはいえ)撃破している。
- 兵員輸送車としての側面も持ち、運用に必要な7名のトルーパーの他に20名の兵員を乗せることができる。また、脚の基部に磁力を持たせることで金属の壁を登ることができ、映画「クローンウォーズ」では惑星テスの断崖の上にあるボマー寺院に向かう際には垂直な崖をよじ登ってみせた。
- クローン戦争最初の戦いであるジオノージスの戦いから最後の戦いであるウータパウの戦いまで長く前線で運用されていたため、クローントルーパーからはかなり愛着を抱かれているようで、帝国時代にはキャプテン・レックス以下3名のトルーパーの隠居先として魔改造されたAT-TEが惑星シーロスで運用されていた。この際、反乱者たちを追いかけてきた帝国軍と交戦しており、AT-ATとのドリームマッチを繰り広げている。
AT-RT
正式名全地形対応索敵トランスポート(All Terrain Recon Transport)
- 帝国時代のAT-STに通じる単座式の二足歩行の歩行兵器(ウォーカー)。AT-STとは異なり、コックピット周りは剥き出しで、搭乗者は正面のキャノピー以外身をまもる方法を持たない。その分機動力に性能を一点特化させているようで、全速力で走ってくる。こいつに乗ったクローントルーパーがチンピラじみた怒声をあげて敵陣に突撃していくのは、もはや「クローンウォーズ」名物。
- 偵察のみならず、その圧倒的な機動性能を活かして突撃戦法にも活用されており、惑星ライロスの首都攻略戦や惑星アンバラへの強行着陸作戦では本隊に先んじて敵陣に突っ込み、敵の砲兵陣地を潰して味方の侵攻を援護するなど大活躍をしている。その分AT-RT隊の被害は甚大なのだが。
- 実写作品でもオーダー66発令後、惑星キャッシークでヨーダの捜索に派遣された2機の同機種が登場している。
AT-AP
全地形対応攻撃ポッド(All Terrain Attack Pod)
AT-OT
全地形対応オープン・トランスポート(All Terrain Open Transport)
- 以上の2機種は「シスの復讐」に一瞬だけ登場する全地形対応兵器シリーズ。
- AT-APは2門の巨大な砲を装備した三脚戦車、AT-OTは上部開放式の八脚式の兵員輸送車である。
AT-XT
全地形対応試作トランスポート(All Terrain Experimental Transport)
- レジェンズ作品に登場する機種。位置付けとしてはのちのAT-STなどにつながる試作機らしい。
類似の兵器(ファーストオーダー編)
AT-M6
正式名称全地形対応メガキャリバー6(All Terrain MegaCaliber 6)
- AT-ATよりもさらに巨大な四脚式の歩行戦車。背中に防御シールドをも貫通する超強力ビーム兵器メガキャリバー6を搭載しているのが特徴。ただし、劇中では一度も使われてない。
- 巨大な兵器を搭載しているためか、前脚がゴリラのようにナックルウォーク形態になっているのが特徴。
- クレイトの戦いに投入され、随伴のAT-ATよりも遥かに巨大な堂々たる体躯を見せつけた...が、レジスタンス基地攻略は主に超兵器スーパーレーザー・シージ・キャノンに出番を持っていかれたため、禄に活躍していない。唯一の活躍といえば、展開している他の兵器群と一緒にクレイトに現れたルーク・スカイウォーカー相手に一斉射撃を加えたくらい。
AT-MA
正式名全地形対応機動砲台(All Terrain Mobile Artillery)
AT-PD
正式名称 全地形対応パトロール・ドロイド(All Terrain Patrol Droid)
- 先述のAT-MAそっくりだが、こちらは完全自律制御のドロイド戦車である。こっちはもはやどこのシーンで出ていたかすら怪しい。情報求ム。
AT-HH
正式名称全地形対応重運搬機(All Terrain Heavy Hauler)
- クレイトの戦いで超兵器スーパーレーザー・シージ・キャノンを牽引していた車両。牽引車両のため、自衛用の4門のレーザーキャノン以外は兵装を持たない。
AT-HS
正式名称全地形対応重偵察機(All Terrain Heavy Scout)
- 「最後のジェダイ」に登場予定だったが、最終的に登場シーンがカットされてしまった機体。ただしなぜかレゴで製品化されている。とても独特な外見をしている。
UA-TT
正式名称都市型強襲トライペッド・トランスポート(Urban Assault Triped Transport)
- 共和国時代のAT-APに影響を受けたファーストオーダーの三脚戦車。なお、3本目の「足」は「腕」としても使用可能で、逃げる敵をひっつかむこともできるらしい。
- 分類上、「都市型」なので「全地形対応型(AT)」の系列から外れてはいるが、影響を受けているので掲載する。
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その名のとおりの小論文であります。 皆様は、スターウォーズをご覧になった時、疑問に思われませんでしたか? なぜ、あの世界では馬鹿でかい4脚歩行の兵器が恐れられているのかと。 そもそも、キャタピラやタイヤでは駄目なのでしょうか?また、エピソード1では、反重力装置で宙に浮く、戦車が登場しているのですから、帝国軍はこれらを更に発展させることもできたはずです。 しかし、共和国は、MBTたるべき車両を歩行兵器、劇中で呼ばれるところのウォーカーとしました。 共和国から発展した帝国も、同じ選択を行いました。一体何故でしょう? ヒントは、エピソード1、ナブーの戦いに隠されていました。 本稿では、SWのTRPG雑誌で連載されていたマイケル・ウンザー少将による宇宙からの惑星攻略に関する講義を元に、スターウォーズユニバースにおける地上戦にどのような背景があるのかを明らかにしていきます。7,682文字pixiv小説作品- スターウォーズ "The 224th"
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スターウォーズのスピンオフ映画”ハン・ソロ”から派生したスピンオフ作品。YOUTUBEで公開された、毎話10分程度のドラマシリーズ。”ハン・ソロ”冒頭で描かれた、ミンバンの戦いを、帝国軍第224装甲師団の兵士たちの目線で描く。その最終話のシナリオ という設定ということで一つ。 描いていただける方、いらっしゃったらよろしくお願いします 続き(というか前の話)も書きます。6,187文字pixiv小説作品