概要
銀河帝国軍の残党で結成された組織。シークエル・トリロジーにて登場。
映画だけだと非常にわかりにくいがファーストオーダー自体はあくまで帝国残党の中の一派閥に過ぎず、一応公式の(新共和国に対し降伏を宣言した)銀河帝国とその正規軍は規模を大幅に縮小して別に存在している。
帝国の再興と新共和国の殲滅、そして最後のジェダイであるルーク・スカイウォーカーの発見と抹殺を目的として掲げている。
ストームトルーパーの兵装やTIEファイター等の各種兵器には独自の改良が加えられており、そのデザインには銀河帝国時代との差異が確認できる他、将校を示す階級章にも変化が見られる。
なお、銀河帝国時代にはエイリアン(非人間種族)に対しては厳しい差別政策が敷かれていたが、未調査の領域が多く航行の難しい未知領域を航行するのに複雑な演算が必要とされた事から、高い演算能力を持つエイリアンで構成された「アテンダンツ」と呼ばれる者達を採用するなどしており、こうした差別政策については緩和、あるいは撤廃されているものと見られる。
最高位である最高指導者の地位にはスノークという人物が就いており、詳細は不明だがこの人物も人間ではなく遥かに長命な種族のエイリアンとされている。
また、銀河帝国自体のストームトルーパー部隊はほぼ全て人間の男性のみで構成されており、女性はオペレーター等の職務に就けられることが多いとされていたが、ファーストオーダーではストームトルーパーの指揮官であるキャプテン・ファズマを初めとして、基地内で女性のストームトルーパーの姿が確認できる。
他にも帝国時代のTIEファイターは偏向シールドや生命維持装置すら無い人命軽視的な設計だったが、ファーストオーダーではそれらの装備を搭載して生存性を高めている。強大な力を持った組織であれど、かつてのようにパイロットを消耗品扱いする余裕はないようだ。
成立
エンドアの戦いで大敗を喫した銀河帝国は、それでもしばらくの間は反乱同盟軍を圧倒するほどの勢力を維持していたが、皇帝シーヴ・パルパティーンとシスの暗黒卿ダース・ベイダーという2人の強大な指導者を失った痛手はあまりにも大きかった。
残された高官たちが各自の勢力を広げるべく互いに争った結果帝国残党は分裂し、新共和国の樹立を宣言した反乱軍にその隙を突かれ、惑星ジャクーで起きた大きな戦いで再び大敗を喫したのである。
そして新共和国と帝国との間に結ばれた銀河協定により帝国は大幅な軍縮と莫大な賠償金を課せられ、かつて銀河系全域を圧政の恐怖で支配した帝国も、その力をすっかり失ってしまったかに思われた。
しかし、帝国内部では「ファーストオーダー」を名乗る勢力がこの軍縮に異を唱え、開拓や調査の進んでいない未知領域(アンノウン・リージョン)へと集結。新共和国の目を逃れて密かに軍事力を再び蓄えようと試みていた。
一方その頃、新共和国は帝国への極度の反省と嫌悪から中央集権につながるすべてを忌み嫌い、逆の極端に舵を切りすぎていた。自分たち自身の軍隊も官僚組織も片っ端から解体し、各惑星の主権を大幅に強化した。この結果、レイア・オーガナをして「歴史が繰り返しているわけではない。帝国元老院は時々は機能していた」と自嘲させるほどの無為無策国家に成り果てていくのである。ついにはベイダーとパルパティーン二人の政治方針に問題があったのであり、銀河統一を目指した帝国の理念そのものは間違っていないと主張して新共和国の中央集権体制への移行を訴える「セントリスト」と呼ばれる党派が新共和国元老院に台頭し始め、各加盟惑星の自治権の強化を推し進めようとする「ポピュリスト」との対立が激化。元老院議会は麻痺状態となる。
そしてセントリストに所属する勢力の中でも特に過激な一派は密かに帝国時代の体制そのものを支持し、ファーストオーダーと内通。ファーストオーダーの援助や新共和国に対する妨害工作を行っていた。
そんな中、ファーストオーダーは協定を無視してスター・デストロイヤーやTIEファイターを新造し、共和国の監視の目が届かない惑星から多くの子供を拉致・洗脳して新たなストームトルーパーとした上、さらには恒星から奪ったエネルギーによってかのデススターを彷彿とさせるような惑星を瞬時に破壊するレーザーを放つ、恐るべき要塞スターキラー基地までも建造していたのである。
一方、新共和国の元老院議会ではレイアがいち早くファーストオーダーの潜在的な脅威を察知して警戒を訴えたが、協定により帝国が完全に無力化されたと信じる意見が多数派を占めていた元老院議会に黙殺され、更にはレイアの政敵によって彼女の父親がダース・ベイダーであったことが暴露されたことでレイアは新共和国元老院における政治的な発言力を奪われる。これに失望したレイアはファーストオーダーを牽制するための私設の軍事組織「レジスタンス」を結成。未知領域でファーストオーダーを監視する活動を開始する事となる。
レジェンズでは
スター・ウォーズの版権がルーカス・フィルムごとウォルト・ディズニー・カンパニーに買い上げられ、「エピソード1~6の映画六部作、クローンウォーズ等ごく一部のスピンオフ以外の従来作品の内容は今後ディズニーが制作する作品で描く歴史とはパラレルワールドとして扱う」というディズニーの方針によってレジェンズ(非正史)扱いに降格され、全て打ち切りになってしまった拡張世界にはカノン(正史)におけるファーストオーダーに極めて近い立ち位置の組織が登場する。
その名はインペリアル・レムナント、つまりそのものずばり帝国の残党である。ただしインペリアル・レムナント自身はこの呼称を嫌っており、あくまでも「銀河帝国」であると主張している。
こちらはフォース・センシティブのスノークではなく、帝国軍の高官やモフ評議会によって統治されたが、やがて国家元首によって導かれることになる。
全盛期に比べれば支配領域は格段に減少したものの、強大な軍事力を維持しており、新共和国とは度々戦火を交えた。ヤヴィンの戦いの19年後にはようやく停戦協定であるバスティオン条約を締結し、緊張関係ではあるものの平和が訪れた。
ユージャン・ヴォング戦争では主戦場が帝国領とは遠く離れた新共和国領であったため静観していたが、ついに新共和国の首都コルサントを陥落させたユージャン・ヴォングは次いで帝国の首都バスティオンを攻撃し、こちらも陥落させてしまう。
事ここに至っては静観しているわけにはいかないと悟った帝国艦隊最高司令官ギラッド・ペレオン提督は参戦に反対するモフたちを強引に説得し、新共和国の崩壊後に新たに再建された後継政府である銀河連合自由同盟に協力して戦争に加わった。
ユージャン・ヴォング戦争終結後は事実上の銀河連合自由同盟の加盟国となっていたが、やがてチス・アセンダンシーに身を寄せていたTIEファイター・パイロットのジャグド・フェルを指導者とするフェル帝国に再編される。
初代皇帝に即位したジャグド・フェルがハン・ソロとレイア・オーガナ・ソロの娘であるジェイナ・ソロと結婚してその子孫が代々皇位を受け継いだため、このフェル帝国は皇帝がフォース・センシティブであり、ジェダイ騎士団と似たインペリアル・ナイトという組織を擁していた。
インペリアル・レムナントひいてはフェル帝国は、「指導者がフォース・センシティブである」「レン騎士団に似たインペリアル・ナイト」(ただしかつての銀河帝国においてシスに仕えていた尋問官や正史におけるレン騎士団等のダーク・ジェダイ達とは異なり、インペリアル・ナイトは純粋に帝国のためだけにフォースを扱うことを理念としており、ジェダイからは光明面と暗黒面のいずれにも明確に属していない組織とされている)、そして「あっという間にシス帝国によって簒奪された」という点でファーストオーダーと共通している。
というのも、偶然の一致ではなく、「レジェンズ作品はパラレルワールドとして扱うしもう続編は作らないが、正史作品のネタ元として流用する」という方針がある為である(他にも尋問官の役職やスローン大提督など、設定リセット後にレジェンズ作品から改変・流用された例は多い)。