ダーク・ジェダイとは、映画『STARWARS』シリーズのスピンオフ作品に登場する用語である。その定義は作品やそれが作られた年代によって微妙に異なる部分があるが、この記事では映画フォースの覚醒公開に伴い、スピンオフ作品がそちらに繋がる正史(カノン)とパラレルワールドとなる非正史(レジェンズ)に区別されて以降の正史での設定について解説する。
概要
ジェダイの掟に反してフォースの暗黒面に堕ち、その力を悪用するジェダイ。端的に示せばジェダイという宗教における破戒僧に当たる。
かつて古代のジェダイ騎士団から離反したダーク・ジェダイ達が、ジェダイでは禁じられた暗黒面も含めたあらゆるフォースを探求しその力で銀河を支配するというジェダイとは正反対の教義を掲げたシスという宗教組織を興している。この宗教に属するシスの暗黒卿は独自に体系化された教義に基づいて暗黒面のフォースを操り、一般的なダーク・ジェダイとは一線を画す力を発揮する事から別の存在として定義されている。シスを含めた暗黒面のフォースの使い手全般を現す用語としては、「ダークサイドの達人」という語が使われる事もある。
シスの暗黒卿が正式なシスではないダーク・ジェダイにシスの教義を除く暗黒面の技を仕込んで従える事もあり、フォースを操る素質を持つ者を最初からダーク・ジェダイとして訓練した例も存在する。
特にダース・シディアスがシス・マスターである時代には数多くのダーク・ジェダイがシスの指導を受けており、クローン大戦時代にドゥークーの手足となって独立星系連合軍を指揮した弟子達(アサージ・ヴェントレス、ダース・モールの弟サヴァージ・オプレス)や、オーダー66を生き延びたジェダイの抹殺を目的に任命された高官の集まりである「尋問官」(パウアンの大尋問官、ブラザー・フィフス、シスター・セブンなど)といったダーク・ジェダイにより構成された組織・役職が秘密裏に存在している。
非正史(レジェンズ)ではヴェントレスのようにシスの手先として働く者はシス・アコライト(シスの従者)とも呼ばれており、特にドゥークーに師事して独立星系連合軍の指揮官として働いていた者達についてはダーク・アコライトという呼称も存在する。
なお、作中では「ダーク・ジェダイ=悪」という扱いを受ける事が多いため勘違いされやすいが、これはあくまでジェダイの教義では悪と見做されているという話であり、一般的な尺度における悪人とはまた異なるという点には注意。
シスの暗黒卿も含め暗黒面のフォースの使い手の中には個人的な欲望や感情に溺れる者が多いのは事実ではあるが、一方でダーク・ジェダイの中には光明面だけに囚われず、様々なフォースを学ぶことを目的とした一種の探究者・求道者も存在した。
そもそもシスもそうしたジェダイの教義に囚われずにあらゆるフォースの側面を探究する事を唱えた求道者から派生した組織という側面も持っているのである。
ピクシブ百科事典に記事のあるダーク・ジェダイ
正式なシスについてはシスの暗黒卿の記事を参照。
なお、以下の人物については2016年現在非正史(レジェンズ)の作品のみでしか登場が確認されていない。
※マラ・ジェイドはダース・シディアスこと皇帝パルパティーンに師事していたとはいえ、自身の為では無くパルパティーンや帝国の為に(と信じて)フォースを使っていたため暗黒面に堕ちていなかったとする意見も作中で示されている。
グレイ・ジェダイ
ダーク・ジェダイとも異なる存在だが、この項目の作品が存在しないので便宜上ここに記述する。
光明面のみを信奉するジェダイと、光明面だけに囚われないダーク・ジェダイの二つと異なり、グレイ・ジェダイは「そもそもフォースに二面性など無く、使い手の在り様次第で如何様にも染まる」という、ある意味最もフォースの本質を捉えた思想を持っていた。
当然この思想は常に闇に堕ちる危険性と隣り合わせであるが、彼らは決して暗黒面に屈する事は無く、ジェダイオーダーと距離を置いてもなお共和国に忠誠を誓い続けていた。
現代ではジェダイ、シスともにフォースには二面性が存在すると結論付けてこそいるが、そうとも言い切れない事例も存在する。
代表的なグレイ・ジェダイ
- クワイ=ガン・ジン:最高評議会と度々衝突していた彼は「典型的なグレイ・ジェダイだ」とレッテルを張られていたが、実際彼の生き方はグレイ・ジェダイのそれであった。もし彼が戦死せず、当初の予定通りにアナキンをパダワンにしていたなら、アナキンもまた偉大なマスターとなり、古い考えに囚われたジェダイオーダーを変革することでシスとの融和も図れたかもしれないとする考察がある。
- ジョリー・ビンドゥー:4000BBY頃を生きたパダワン。人間の女性兵士と恋に落ちた結果オーダーから追放されるが、その後も密輸業者として生きる傍ら独学でフォースの鍛錬を積み続け、後に起きた「ジェダイ内戦」時には個人的に共和国のために戦い勝利に貢献、英雄として表彰された。後に惑星コレリアのコロネットシティーの大広場に建立された戦争の英雄の像の中には、唯一ジェダイではない彼の像もあった。
- ダース・ヴェクティヴァス:シス卿の一人ではあるが、歴代で最もシスらしくないシスの異端者。元は小惑星採掘コロニーの所長だったのだが、とある生物の影響で鉱山の他の従業員達共々知らず知らずのうちに暗黒面に侵食されてしまった。強いフォース=センシティブを有していた彼はその影響を強く受け、やがて真の暗黒面を求めての探究の旅の末にダース・ベインの弟子となるが、彼個人は支配欲や権力欲がなく、「シスマスター」の称号を継承した後もただ理想の経営者となることに注力、暗黒面の研究・探究を続けつつも以前の仕事仲間と共に小惑星鉱山の経営を再開した。シス卿が軒並み碌な人生を歩めない中、彼は多くの友人に囲まれ、そして愛する家族に看取られながらその生涯を平穏に終えることが出来た。
- アソーカ・タノ:ジェダイオーダーへの不信感からオーダーを去るが、オーダーから離れてなおその正義の信念が揺らぐ事は無く、後に尋問官から奪った赤いカイバークリスタルの浄化に成功したことからも、彼女もまたグレイ・ジェダイになったと言えるだろう。
- アナキン・スカイウォーカー:本編では結果的にシス卿になってしまった彼だが、アニメ「クローン・ウォーズ」ではモーティスに住む「ザ・ワンズ」のファーザーから、消滅が近い自分の後を継ぎ「フォースの均衡を保つ守護者」となる道を提示される。アナキン自身の事情もあってその道を選ぶ事は無かったが、このことからも彼にはグレイ・ジェダイとしての生き方もあったことがうかがえる。