「剣を渡すがいい。最高議長の前で恥をかきたいかね?」
概要
ダース・シディアスに仕えるシスの暗黒卿。異名はドゥークー伯爵。映画ではクリストファー・リーが演じている。
劇中での活躍
惑星セレノーに住み、銀河系でも一二を争うほど裕福な貴族階級の出身。
元はヨーダに師事したジェダイ・マスターで、オビ=ワン・ケノービの師クワイ=ガン・ジンの師匠であった。
古い掟に縛られたジェダイ騎士団の考え方に疑問を抱き、エピソード1と前後してジェダイ騎士団を脱退。
理想主義者であった彼は銀河共和国に異を唱える政治活動を開始し、さらに暗黒面への研究にも没頭する。
その後、シスの暗黒卿であるダース・シディアスと接触。長い協議の末にシディアスの目的と自分の目指す理想が同じである事に気付いた。
さらにドゥークーはシディアスの誇る暗黒面の力とその強さに魅了され、シスの教えを乞い忠誠を誓い、ダース・モールに代わる彼の弟子となった。同時に、シディアスからダース・ティラナスの名を賜る。
同時に、故郷セレノーに帰還して貴族の地位に復帰。伯爵の爵位と莫大な財産を手に入れる。
その財産を元手に銀河共和国の体制に反発する分離主義勢力の指導者となり、その運動から派生した独立星系連合の初代国家元首となって、銀河共和国を打倒するためクローン戦争を起こす。
ドゥークーの行う全ての所業はシディアスの策略であり、ドゥークーは自分こそがシディアスにとって最高のパートナーであり右腕であるという自負を持っていた。
しかし、シディアスは自分に劣る年上の元ジェダイよりも、若く自分さえも凌ぎうる可能性を秘めたアナキン・スカイウォーカーこそが自分の右腕にふさわしい存在になると考えていた。
柄の部分が曲がった特殊なライトセーバーを使い戦う。この形状は戦闘時に持ち手を変えることで間合いや斬撃の速度に変化を持たせやすく、ライトセーバー同士での戦闘に適したものとされている。
ドゥークーは更に剣術面でもライトセーバー同士の戦闘に傑出したフォーム、マカシを使いこなし、ジェダイだった頃から騎士団でも有数の剣客と呼ばれていた。
それに加えてシスのみに伝わる暗黒面のフォースと戦闘技術の秘儀の修行も積んだドゥークーは高齢でありながらその技術は非常に高い。
エピソード2ではアナキンとオビ=ワンのタッグを打ち負かしてアナキンの右腕を切り飛ばし、ヨーダとまともにライトセーバーの打ち合いやフォース合戦を行う程である。
指導者としての実力も高く、後にクローン大戦でオビ=ワン、アナキン、アソーカ・タノら優秀なジェダイ達を幾度となく苦しめたグリーヴァス将軍やアサージ・ヴェントレスなどを育成した。
エピソード3では冒頭で、ドゥークーの用いるマカシと相性の悪いド・ジェム・ソの腕を上げたアナキンと、ソレスに熟達したオビ=ワンのコンビに苦戦。
ダークサイドのフォースを使いオビ=ワンを気絶させるも、怒りのパワーでフォースを引き上げたアナキンに追い詰められ、シーヴ・パルパティーン元老院最高議長(ダース・シディアスの表の顔)の裏切りもあって、両腕を斬り落とされた末に止めをさされる。
この出来事はアナキンの暗黒面への足取りを大きく進める結果となり、またそれ自体がダース・シディアスの作戦であった。
テイルズ・オブ・ジェダイでは
アソーカ・タノと並んで主役に抜擢、これまで描かれてこなかったジェダイ時代のドゥークーの姿がフィーチャーされている。
なお、これまで設定でしか語られることのなかったクワイ=ガンの師匠であることが改めて明確に描かれ、またドゥークーにとってもクワイ=ガンは自慢の弟子だったことが判明した。またジェダイ時代のドゥークーは人一倍「正義」に対してのこだわりが強く、重税に喘ぐ領民が自分達の惑星を代表する議員の息子を拉致・監禁した際にも本来はジェダイが守るべき議員をその問題行動ゆえに痛めつけるという衝撃的な行動を見せた。
この一件はまだ青年だったクワイ=ガンの機転でなんとかなったが、その後も同僚のジェダイマスターの暗殺の一件などでも過激な行動に出ており、そのことをメイス・ウィンドゥに指摘されていたりしていた。なお、この暗殺事件によりメイスが自分を差し置いて最高評議会に席を与えられると言う屈辱を与えられ、そのしばらく後にクワイ=ガンがシスの暗黒卿との対決の末に殉職するという悲劇に見舞われる。
このメイスの評議員就任とクワイ=ガン殉職の間にシディアスからの接触を受け、彼のために様々な活動をしていた様子(サイフォ・ディアス暗殺や惑星カミーノの情報抹消、そしてサイフォ・ディアスが密かに進めていた計画の乗っ取りもこの時期に実行)。だが、クワイ=ガンがモールに殺されたことを知ると「話が違う!」とシディアスに詰め寄るも、「わしも弟子を失った」「そなたとわしは同じ」と唆され、しかもドゥークーを怪しんだマスター・ヤドルに現場を抑えられたことで後がなくなり、ヤドルの説得を聞き入れることなく彼女と刃を交えることに。その後、力を使い果たした彼女を手にかけ正式にシスの暗黒卿となった。
小話
- ドゥークー伯爵を演じたクリストファー・リー氏は、貴族出身でフェンシングの経験もあったため、容姿を始め蓄積された役者業の経験と高貴な佇まい、そして研ぎ澄まされた剣術の技術力は、まさに適役だった。
- だが、EPSODE2の撮影時には齢80代に突入していたため、派手なアクションや殺陣を行う事は困難であり、ライトセーバーによる殺陣の時はスタントマンが担当(後にCGで顔部分だけリー氏のものと差し替えた)し、リー氏自身はアップや立ち絵を担当した。
- ちなみに様々なホラー映画などでリー氏と共演し、親友でもあったピーター・カッシング氏もスターウォーズで強大な悪役であるグランド・モフ・ターキンを演じており、そのことを引き合いに出されることも多い。
- 裏設定ではあるが、ジェダイ聖堂の図書館の司書を担当しているマスター・ジョカスタ・ヌーとは浅からぬ仲だったらしい。未公開シーン送りになってしまった映像の中では、騎士団から去ってしまったメンバーの胸像の中に佇むドゥークーの像に対して好意的な評価をするジョカスタの姿が描かれていた。「テイルズ・オブ・ジェダイ」でも親しげに対話するシーンがある。
- シスの暗黒卿ではあるが身内には面倒見のいい一面があり、アサージ・ヴェントレスやグリーヴァス、サヴァージ・オプレスやクインラン・ヴォスといった部下たちを弟子として厳しくも的確な鍛え方をしていた。アサージは「クローンウォーズ」にてシディアスから排除を命じられてしまうが、この際も師父に対して必死に抵抗していた。