概要
『STARWARS(スター・ウォーズ)』シリーズに登場する賞金稼ぎ。映画では成人したクローンも含めてテムエラ・モリソンが演じる。
小説版やコミックスで圧倒的な人気を持つボバ・フェットは、彼の純然たるクローンであり、ジャンゴとボバはお互いに「親子」と認め合っている。
伝説の傭兵部族マンダロリアンの流れを継承する戦士で、彼の装甲服はその伝統に倣っている。
ブラスターをはじめ、振盪ミサイル、ニーパッドのアロー、ジェットパック、火炎放射器、ワイヤーなど様々な武器が仕込まれており、その腕前はジェダイ騎士をブラスターで射殺し、オビ=ワン・ケノービやメイス・ウィンドゥといった実力者さえも苦戦するほどである。
また、「クローン大戦」の旧共和国軍の主力クローントルーパーは彼の遺伝子から、ドゥークー伯爵の注文で生み出された。
メイス・ウィンドゥとの戦いのさなか、猛獣リークが乱入してきたことでウィンドゥに隙をつかれ、ジェットパックを使って距離を取ろうとするもののリークの攻撃で破損していたため不発となりそのまま頭部をライトセーバーで切り裂かれて死亡した。
のちに彼の装甲服と宇宙船は「息子」であるボバに継承された。
ゲーム作品「ジャンゴ・フェット」ではそのタイトル通り彼が主人公となっている。シスの暗黒卿ダース・ティラナスとなったドゥークーからの依頼によりドゥークーのジェダイ時代の弟子にして暗黒面に転落しダーク・ジェダイとなったコマリ・ヴォサが率いる邪悪なカルト教団バンド・ゴラを追うというストーリーであり、ジャンゴがクローントルーパーの遺伝子ホストとして選ばれた経緯やエピソード2で協力していた賞金稼ぎ仲間のザム・ウェゼルとの出会いが描かれている。
余談
映画エピソード2ではジャンゴがスレーヴ1に乗り込む際にヘルメットを扉にぶつける描写があるのだが、エピソード4でストームトルーパーがデススター内の扉を通過する際に同様にヘルメットをぶつけるシーンがある。
これについてはストームトルーパーがジャンゴの遺伝子を受け継いでいたためジャンゴと同じ癖を持っていたという事が公式にアナウンスされていた。
ただし、旧三部作におけるボバ・フェットの声がDVD版ではジャンゴやクローントルーパーを演じたテムエラ・モリソンの声に差し替えられたのに対してストームトルーパーについてはそのような変更が一切成されなかったことや、ストームトルーパーにはクローントルーパーとは異なり明かな個体差が存在している描写があることから旧三部作の時代の帝国軍におけるジャンゴのクローンはごく僅かである事が推察できる。
これについて正史(カノン)のスピンオフアニメ「反乱者たち」ではクローン大戦に実戦投入されたクローントルーパー達は成長を速める遺伝子操作が施されていたことから、帝国の樹立後には急速に老化が進み、このアニメで描かれている時代(エピソード4の数年前)には既にほぼ全て退役していることが語られている。また、レジェンズのスピンオフ作品や設定資料ではクローンと設定されていた映画旧三部作に登場するストームトルーパーついてもカノンにおいては非クローンの人間兵士であるとして再設定されており、上述したデススター内でヘルメットをぶつけるトルーパーもカノンに属する短編小説では「惑星タトゥイーンでオビ=ワン・ケノービにマインドトリックを受けた兵士と同一人物であり、この時自分が検問で不審な老人を見逃した理由が解らず混乱していたから」と説明されている。正史のアニメ「バッド・バッチ」ではクローン製造にかかるコスト等の問題から帝国樹立直後にジャンゴ・フェットのクローンの製造は打ち切られ、以後は非クローンの人間の兵士を徴募するようになった事が明かされた。
一方で他の正史のスピンオフ作品では帝国軍内においても一般的には認知されていないものの、ごくわずかに帝国軍での活動を続けるジャンゴのクローンが存在していた事が確認されている。
また、スピンオフ作品の設定では、クローントルーパーの設定が作られる以前の作品も多いとはいえ現在レジェンズに区分されている作品の頃からクローンではない一般人が徴兵や志願兵としてストームトルーパーになった事例の存在が度々語られており、上記のアニメ「反乱者たち」でも徴兵された候補生を訓練するアカデミーが登場している。
映画エピソード7でも非クローンの人間として生まれ、幼少期にファーストオーダーによって拉致され兵士としての洗脳と訓練を受けたストームトルーパーの1人であるフィンが主要人物となっている。
なお、「正史におけるジャンゴは本当にマンダロリアンなのか?」という議論がよくファンの間で交わされるが、これはアニメ「クローンウォーズ」にて、マンダロリアンの母星である惑星マンダロアのアルメック首相が「ジャンゴ・フェットはマンダロリアンではなく、どこぞでアーマーを手に入れたマンダロリアンを騙る賞金稼ぎだ」と発言したからである。しかし、その後ドラマ「マンダロリアン」のボバのチェーンコード(身分証明のデータ)により、ジャンゴはマンダロリアン内戦を戦い抜いた正真正銘のマンダロリアンであることが明示された。
この設定の矛盾によりファンの間では度々激論が交わされるのであるが、
- アルメック首相は(初登場時は)非戦派の「新マンダロリアン」に属しており、武装したマンダロリアン戦士の存在を認めるわけにはいかなかった
- そもそも話した相手はジャンゴと対峙し、彼の雇い主との関係を知っているオビ=ワン・ケノービであったので、下手に「マンダロリアンだ」と認めると独立星系連合との関係を疑われかねない。当時「新マンダロリアン」閥は中立を宣言していたため、どちらかの勢力につくような言動を慎むことは十分考えられる。
という背景から鑑みると、アルメックの発言は政治家としてのしらばっくれの可能性が高いだろう。