概要
SF映画「STARWARS」シリーズのスピンオフ作品、アニメ「クローンウォーズ」に登場するキャラクター。
クローン戦争当時、惑星マンダロアを統治していたサティーン・クライズ女侯爵と彼女率いる平和主義のマンダロリアンの一派「新マンダロリアン」に反抗し、かつての戦士文化の復興を志す過激派組織「デス・ウォッチ」の首領を務めた。「表の顔」は侯爵に対して忠実な独立行政区である衛星コンコーディアの総督だが、裏では侯爵の暗殺とマンダロアの指導者の座奪還を虎視眈々と狙っていた。
彼がマンダロアの指導者への野心を抱いているのは、彼の出自が関わっている。
侯爵の出身であるクライズ氏族はもちろんマンダロリアンの中でも有数の有力な一門なのだが、ヴィズラ氏族はそれに負けないくらいの名門中の名門なのである。特に先祖の1人であるター・ヴィズラはマンダロリアンでありながらジェダイでもあったという伝説的な人物で、ジェダイとして独自のライトセーバーであるダークセーバーを作製し、そのセーバーと卓越した戦闘スキルでマンダロリアンを団結させたという英雄である。ターの死後、ダークセーバーは長くコルサントのジェダイ聖堂に安置されていたのだが、銀河共和国動乱期に子孫であるヴィズラ氏族のメンバーが盗み出し、以降はずっとヴィズラ氏族の家宝として伝わっていた。
このような経緯から、プレ・ヴィズラは「マンダロリアンの戦闘文化への強いこだわり」と「マンダロアの統治者は自分以下ヴィズラ氏族であるという自負」を抱いたと考えられ、劇中でもそれとなく示されている。
そしてクローン戦争が始まると、独立星系連合の支援を受け行動を開始。侯爵暗殺と新マンダロリアン一掃を目論むが、共和国元老院に送った偽のメッセージを侯爵に勘づかれ「新マンダロリアン」と共和国の協力関係の妨害に失敗。連合のリーダーであるドゥークー伯爵からも見捨てられてしまう。
途方に暮れるプレ・ヴィズラだが、新たなアジトを求めて宇宙を放浪している最中漂流中の宇宙船を発見する。部下と共に船内を探索すると、そこには自分達同様連合から追われるモールとサヴァージ・オプレスの兄弟が瀕死の状態で横たわっていた。
彼らをアジトで治療したのち、彼らの事情を知ったヴィズラは彼らとの同盟を提案。モールも利害の一致からこの提案を飲み、ここにモールを首領とする第三勢力「シャドウ・コレクティブ」が発足した。
元シスであるモールの能力とマンダロリアンの戦闘スキルを併せ持つ「シャドウ・コレクティブ」は瞬く間に銀河の巨大犯罪組織の数々を傘下に引き入れ巨大化。これらの犯罪組織を利用することでマンダロアの市街地で一芝居打つことで「デス・ウォッチ」は市民からの信頼を勝ち得、侯爵を「弱腰」と非難することで失脚させることに成功。ついにマンダロアの指導者の座を手に入れた。
だが、計画が進むごとにヴィズラとモールの間の軋轢が深刻になり、クーデター成功直後についにモールはヴィズラに「マンダロア指導者の座をかけた決闘」を申し込む。双方持てる限りの技量を発揮した戦いはモールが勝利。敗れたヴィズラはモールの手により斬首され、その生涯に幕を下ろしたのだった。
技量
マンダロリアンの中でもその戦闘スキルはかなり高く、あのオビ=ワン・ケノービとダークセーバーを使って互角の勝負を繰り広げている。また、最終的に敗北したとはいえモールに対しても善戦しており、最強の剣士の一角と名高いモールと比較してもその技量は決して劣っているとはいえない。
また、目的達成のため敵の懐で長く忠臣を演じ続けるなど、忍耐力に富んでいる。
一方で、戦略的な観点から見るとドゥークーから見捨てられてオタオタ慌てたり、モールとの対立を辞さなかったりとアラが多く、優れた戦略家だったかは疑問が残る。
また、政治家として彼が王座奪還後どんな政治をするつもりだったのか劇中で語られることはついぞなかった。
演者
彼はのちにドラマ「マンダロリアン」や「ボバ・フェット>ボバ・フェット(テレビドラマ)」に制作総指揮として携わることとなる。奇しくも、「クローンウォーズ」の監督はのちに両作でタッグを組むこととなるデイブ・フィローニだったことも、何か縁を感じさせる。
なお、のちに同じヴィズラ姓をもつパズ・ヴィズラの声も当てている。