概要
デイブ・フィローニはアメリカのアニメーション監督、声優、テレビ脚本家、テレビプロデューサー、アニメーター。STARWARSシリーズのアニメ「クローンウォーズ」をはじめさまざまな作品を手がけており、スターウォーズ系のスピンオフ作品における常連クリエイターとして知られている。
自身もスターウォーズファンであることを公言しており、深い作品愛と作品理解からくる作風からファンからも絶大な支持を得ている。
人物・エピソード
- 小さい頃からのスターウォーズシリーズのファンであり、ガレージでジェダイのコスチュームなどを作っていたという。
- 躍進のきっかけとなったのは「アバター伝説の少年アン」。この作品では各話のキャラクターデザインを始め、第一、二話のストリーボードおよび演出を任されるなど重要な役割を与えられた。
- 実はクローンウォーズが自身にとってはじめての3DCG映画だった。そのため、それまで自分が手がけてきたアニメと全く勝手の違う現場に悪戦苦闘することに。しかし、慣れない現場に加え、ルーカスフィルムのディズニーへの合併や製作の難航などによるさまざまな困難を乗り越え、全7シーズンを見事に描き切った。
- なお、後年全く経験のない実写ドラマの製作総指揮兼監督もすることになった。
- 本人はこれらの新しい環境に積極的に慣れようとしているらしく、マンダロリアンでカメオ出演したのも生身の俳優が感じていることを実感したいという理由があったとか。
- 黒澤明監督作品の影響が見られる作品が多く見られる。特に、クローンウォーズではシーズン2第17話で「7人の傭兵」というオマージュ作品を作った。このエピソード冒頭にはin memory of Akira Kurosawa (黒澤明に捧ぐ)とテロップが挿入されている。
- 補足すると、そもそもジョージ・ルーカス自身が黒澤明監督の影響を受けているため、その流れで作成された可能性もある。しかし、後年製作総指揮をとった「マンダロリアン」でも「武芸確かな流れ者を村民が雇い、荒くれ者を追い払う」というエピソードがあるため、フィローニ自身もかなり影響を受けているのは確かだろう。
- 西部劇的な要素を多く盛り込む傾向がある。クローンウォーズで生み出したキャド・ベインや、「マンダロリアン」シーズン2第1話「保安官」などが実例。
- 元々スターウォーズシリーズは西部劇の要素が多分に含まれているので、彼のこの製作方針は作中世界と見事合致し、ファンからも高い評価を得ている。
- なお、自身もメディアに映る際には必ずテンガロンハットを被っている。
- なぜか製作する作品には「ブラーグ」という大型騎乗爬虫類が出るというジンクスがある。現在「クローンウォーズ」「反乱者たち」「バッド・バッチ」「マンダロリアン」で継続中。
- なお、ブラーグ自体の初出はずっと前の「ホリデースペシャル」で放映された「イウォークの物語」である。
- このブラーグに代表されるように、古い作品の設定をうまく活かすことに定評がある。「マンダロリアン」の主人公の持つライフル銃(初出は同じく「ホリデースペシャル」のボバ・フェットのアニメ)や、手持ち金庫カムトーノ(初出は帝国の逆襲。詳しくはマンダロリアン(ドラマ)の記事参照)などが好例。
- ちなみにレジェンズ作品群(公式から正規の時系列から外された、ディズニー買収前に発表された作品群)からの設定の導入も頻繁に行なっており、「反乱者たち」では尋問官たちや大人気キャラクターであるスローン大提督を登場させた。「クローンウォーズ」ではユージャン・ヴォングを出す構想もあったようで、製作の際に書いたイラストが残っている。
- スタジオジブリ作品のファンとしても知られており、特に彼の作品から生み出されたアソーカ・タノはもののけ姫のサンへのオマージュ(顔の紋様や戦闘スタイルなど)が見られる。
代表作
アバター伝説の少年アン:第一、二話ストーリーボード、演出など
スターウォーズ/クローンウォーズ:総監督(映画・アニメともに)
反乱者たち:総監督、原案
バッド・バッチ:原案、企画
フォース・オブ・ディスティニー:監督
マンダロリアン:製作総指揮、監督(第1,5,9,13話)
ボバ・フェット/The Book of BabbaFett:製作総指揮、監督(第6話)