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ダース・モール

だーすもーる

ダース・モールは、映画「スターウォーズ」9部作のうちのエピソード「ファントムメナス」に登場するキャラクターである。
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概要編集

ファントムメナス」に登場した、ダース・シディアスの弟子。人間に近いヒューマノイド種族・ザブラクのシス卿

ただしザブラクの母星イリドニア出身のイリドニアン・ザブラクではなく、惑星ダソミアで強力なフォースを操る近人間種ダソミリアンと混血を重ねたナイトブラザーと呼ばれるダソミリ・ザブラク(ダソミリアン・ザブラク)である。

ダース・モール

ザブラク特有の頭頂部の何本かの角と、全身に施されたシスの刺青が特徴。

EP1最大の強敵として、共和国から送り込まれた二人のジェダイの前に立ちふさがった。

演者はレイ・パーク。日本語吹替は山路和弘


人物編集

ダース・モール

フォースを操る魔女達が支配する惑星ダソミアで暗黒面のフォースを操る魔女ナイトシスターに仕えるナイトブラザーという戦士の部族に生まれ、幼少時にシディアスに見出されてシスとなった。

非常に寡黙な人物であり、初登場したエピソード1では台詞は全くといっていいほどないものの、その身振りや表情からは、シディアスに対する強い忠誠心とジェダイへの強い闘争心は窺える。


ダース・モール暗黒卿

非常に高い戦闘力を誇り、ライトセーバーのフォームの中でも最も難易度の高いフォーム7・ジュヨーを使いこなしていた。また肉体の内側からフォースを引き出す惑星バンドゥキの格闘技「テラス・カシ」も彼の得意技であり、劇中でもライトセイバーの剣技にキックなどを織り交ぜてジェダイふたりを翻弄している。

フォースの扱いにもそこそこ長けているようで、ジェダイ同様物を持ち上げたり、相手を吹き飛ばす技を使用している。

戦闘時には柄の双方から刃を発生させるダブルブレード・ライトセイバーを使用する。


これほどの実力者でありながら、師ダース・シディアスからの弟子としての評価は高くはなく、アニメクローンウォーズで再会した際、忠誠を誓おうとするモールに対しシディアスは容赦なく刃を向けている。

ジェダイを滅ぼすため戦闘に特化した訓練を施されたダース・モールは、強烈な憎しみに支配された戦闘・殺戮マシンとして完成してしまっており、時に狡猾さや利己心が必要とされるシス卿としては不完全な存在であった。

ダース・モールはダース・シディアスに対する忠誠心が非常に高く必要とあらば自らの命さえ投げ出すほどであったが、利己的な欲望から根ざす感情を源とする暗黒面の力を原動力とし、自らが力を得るためなら師匠や弟子を殺害することも厭わない冷徹さを求めるシスにとってモールの忠誠心は言い換えれば独立心や向上心の乏しさとも言えたのである。

加えて、カノン・レジェンズのいずれにおいてもエピソード1以前のモールを描いたスピンオフ作品ではジェダイとの戦いを求めて逸るモールに対し、シディアスが窘める場面が散見されている。モールは敵に対して強烈な攻撃性を爆発させるという能力にこそ長けていたものの、反対に必要な場面が来るまで力や感情を抑え冷静に期をうかがうという点では不得手な節があったのである。

そうした理由から、シディアス卿は冷静に状況を見極めて期が熟すまで裏方に徹し、新たな戦争への布石をばらまき次の戦乱へと繋げる事のできる新たな弟子候補としてエピソード1終了時点で既にジェダイ・マスタードゥークー(後のダース・ティラナスことドゥークー伯爵)に目星をつけ、次なる計画に向けて動き始めていた。


劇中における活躍編集

シディアスの命に従い、惑星ナブーのパドメ・アミダラ女王を捕らえ、アミダラを警護するジェダイ、クワイ=ガン・ジンオビ=ワン・ケノービの抹殺のために出撃。

惑星タトゥイーン脱出の手はずが整ったクワイ=ガンの前に現れるも、この時は取りのがしてしまう。


SW- Duel of the Fates

そして映画後半で再登場し、クワイ=ガンとオビ=ワン二人を相手取り互角の戦いを演じる。そして死闘の末クワイ=ガンを殺害し、怒りに震えるオビ=ワンの攻勢の前にセイバーの片側を失ってしまうが、一瞬の隙を突いてフォースで弾き飛ばし、溶解孔に追い詰める

溶解孔にオビ=ワンのセイバーを叩き落とし勝利を確信するも、一瞬の機転で師のセイバーを使って武器を取り戻すと共に溶解孔から脱出したオビ=ワンに一撃を加えられ、上下真っ二つとなって溶解孔に転落し姿を消した。


映画後半におけるセイバー戦は挿入歌の「Duel of Fates」と、スタントマンであるレイ・パークの熱演もあってシリーズ中一二を争う激しいセイバー戦となっている。

旧三部作の老人半機械による静かなセイバー戦、半機械対新人ジェダイの荒削りなセイバー戦とはまた違ったアグレッシブな剣戟の応酬が目に焼き付いた方は多いのではないだろうか。


怪物兄弟

アニメ「クローンウォーズ」ではダース・モールの弟サヴァージ・オプレスが登場している。死亡していたと思われていたモール自身も下半身をドロイドに置き換えた姿で生存していた事が判明し、因縁の相手であるオビ=ワンやアサージ・ヴェントレスと互角以上の戦いを繰り広げた。


しかし、最終的には戦いに敗れて弟共々仮死状態で宇宙船ごと宇宙を彷徨う事になり、マンダロリアンの分派の一つであるデス・ウォッチに拾われる。

モールとサヴァージはデス・ウォッチやいくつかの犯罪組織と手を組み、新たな犯罪組織「シャドウ・コレクティヴ」を設立。

その圧倒的な戦闘能力によって銀河系最大級の犯罪シンジケートであるブラック・サンの一部勢力やジャバ・ザ・ハットの組織さえも旗下に加え、当時のマンダロリアンの主流派である新マンダロリアンに対してクーデターを起こして惑星マンダロアを支配下に置いた。

しかし、モールの急速な勢力の拡大を危惧した元マスターのダース・シディアスがモールらを急襲し、サヴァージを殺害してモールを捕縛した。


「クローン・ウォーズ」の未放送に終わった脚本を基にした正史(カノン)のコミック・小説では後日譚が描かれており、投獄されたモールはその後デス・ウォッチ内部でモールを支持し配下となっていた「マンダロリアン・スーパー・コマンドー」の助けにより救出されたことが語られている。

そしてモールはシャドウ・コレクティヴの残った勢力や、グリーヴァスに滅ぼされたナイトシスターの集落の長でモールの母親でもあるタルジンと共謀し、シディアスとドゥークー及び独立星系連合の打倒を企てるが失敗。

シャドウ・コレクティヴは壊滅し、タルジンの集落も生き残りであったアサージとタルジンが殺害されたことで全滅。モールは裏社会への影響力だけでなく家族さえも奪われる事となった。


その後、クローン・ウォーズ ファイナルシーズンでは、コレクティブ壊滅後モールは「マンダロリアン・スーパー・コマンドー」と合流し惑星マンダロアに潜伏。しかし、これが反モール派の「ナイト・アウル」とアソーカに露見し、「ナイト・アウル」は母星が戦火に巻き込まれることを覚悟のうえで共和国軍の派遣を要請する。だが、これはモールの仕掛けた罠であった。

この頃にはフォースの流れは暗黒面に傾いてしまっており、モールのようなシスとしては半端物でも粗方の未来予知が可能であり、その未来予知で見たのは嘗ての師今の弟子を捨て、新たな強力な弟子を迎え入れ、銀河を支配するというものであった。二度にわたる対決で正面ではシディアスに対抗できない事を悟ったモールは、ここでその新たな弟子候補を殺害して、シディアスの計画を狂わすことで一矢報いようとしたのだ。

が、時を同じくしてグリーヴァス率いる独立星系連合の艦隊がコルサントを強襲、議長が拉致される。そのためアナキンはコルサントに急行し、代わりにアソーカがマンダロアに派遣される501大隊の指揮を補佐する形が取られた。作戦がご破算になったモールはアソーカと対峙した際、経緯を話した上で協力を申し立てるが、アソーカは幾らシス打倒とは言え、どの道アナキンが殺されると悟り拒否。モールに刃を向ける。ここにジェダイ、シスに切り捨てられた者同士の戦いが始まった。

セイバーの技量ではモールに分があったものの、総合的には互角であり、最終的にはアソーカの二本のライトセーバーを叩き落としたものの、アソーカの機転とクローン・トルーパー達の連携に敗れ、捕らわれてしまう。

捕らわれる直前、モールは必死にシディアスの魔の手がすぐそこまで迫っていることを叫び続けるが聞き入れられなかった。

モールは拘束されたままヴェネター級スター・デストロイヤーに連行され、コルサントへの移送が決定される。


だが、コルサント移送の為にハイパースペースに入って少し経った後、第501大隊の元にシーヴ・パルパティーン最高議長からの緊急通信が入りオーダー66が発令された。

オーダー66自体はジェダイ抹殺の為にパルパティーン議長ことシディアスがクローン・トルーパーに仕込んだ秘密指令であったのだが、モール(とアソーカ)に関しては特例で抹殺の対象に入っていた。拘束された状態で危うく射殺されそうになったが、同じく抹殺対象だったアソーカがこの危機的状況を打破するためにモールの解放と利害一致の協力を選び、モールは彼女に解放された。

アソーカに共闘を拒否され、あくまで陽動に徹するように言われたモールだったが、素直に利用される気は更々無く、フォースで行く手を拒むトルーパー達を倒しながら、ハイパードライブ装置を破壊して、艦そのものに致命的なダメージを与える。そしてスター・デストロイヤーが沈みゆく中、脱出の為にハンガーに赴きシャトルの強奪を試みた。ここでアソーカの妨害を受けるが彼女自身危機的な状況に置かれたのに乗じてスター・デストロイヤーから脱出、ハイパースペースに入り逃走した。


続編である「反乱者たち」でもシーズン2最終話から登場。この時はシスでは無い為只の「モール」と名乗っている。

全てを奪ったシディアスに復讐する為、惑星マラコアに眠る超兵器を利用しようとする。

シーズン3では主人公エズラ・ブリッジャーの才能に目を付け、彼を「我が弟子」と呼んでフォースの暗黒面に引き入れようと執拗に付け狙う。

またオビ=ワンへの復讐を未だに諦めておらず、彼の行方を捜している。


「反乱者たち」の少し前の時系列を描いた映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」にもラスト1シーンで登場。この頃は新たな犯罪シンジケート「クリムゾン・ドーン」を率いている。


役者について編集

映画で彼を演じたレイ・パークは本来スタントマンであり、格闘シーンでのスタントのみを担当する予定だったのだが、カメラテストで実際にダース・モールの服装をした彼の姿をジョージ・ルーカス監督が気に入ったためにそのままダース・モール役として起用したという経緯を持つ。声はピーター・セラフィノスが吹き替えを行っている。

そのためか映画では初期段階の脚本の時点でさえ少なかったダース・モールの発言シーンがさらに削られることとなり、結果的にダース・モールの寡黙な殺人マシーンとしてのイメージを観客に印象づけることに繋がっている。ちなみに、劇中で瞬きをするシーンはオビ=ワンに切り付けられたシーン一回のみである。

後にアニメ版で再登場した際、実写と違い普通によく喋るモールに違和感を覚えた視聴者も少なくない。


関連項目編集

STARWARS シス(STARWARS) ダース・シディアス

イース・コス エージェン・コーラー:同じザブラクのジェダイ騎士。

サヴァージ・オプレス:弟にして、同じくシス卿に仕えるダークサイダー。













これより下は深刻なネタバレを含んでいるため注意



















本当の最期編集


「そもそも何故お前はこんな所に来たんだ?ただ隠れる為じゃない…あぁ、何か目的があるんだな?恐らくそう、『何か』を守っている。いいや…『誰か』を守っている!」


反乱者たち」シーズン3にてエズラ・ブリッジャーを利用し、惑星タトゥイーンに隠れ住んでいた仇敵オビ=ワンを遂に見つけ出した。モールはオビ=ワンがこの星で誰かを守っていることを察し、オビ=ワンも守るべき者、すなわちルーク・スカイウォーカーへの危険を排除すべくライトセーバーを起動した。

しかし因縁の対決は一瞬で終わった。なんと僅か二手打ち合ったのみで、オビ=ワンはモールを倒したのだ。


息絶え絶えの中、モールはオビ=ワンに尋ねた。

「教えてくれ、それは『選ばれし者』か…?」

「……そうだ」

「俺たちの、復讐を果たしてくれる…」


その言葉を最後に、モールは仇敵に看取られながら息を引き取り、オビ=ワンはその目を閉ざして彼の死を悼んだ。ジェダイだけでなく、元シス卿であるモールもまた、若きルークに思いを託したのだ。


また、オビ=ワンにとってもモールは数多の同朋達のみならず、自分を育て上げた師、更には愛していた女性までをも眼前で手にかけてきた正に『怨敵』と呼ぶにふさわしい存在であった筈にもかかわらず、その最期に際しての彼の表情は旧友をあの世へと見送っているかの様に寂し気であった。

振り返ればナブーで相対して以降、悪しき感情からとは言えここまでの年月を自分に執着し続けたモールの死は彼には隠遁生活の孤独さと相まって、また一つ外界との絆が断たれた瞬間の様に感じたのかも知れない。

そしてモールの「俺たちの復讐」という表現は、単に自分と弟サヴァージの仇であるという意味かもしれないが、仇敵に対して縋るようにしてルークの存在を確かめた口調からは、同じくシディアスに翻弄されたオビ=ワンも「俺たち」に含んでいるようにも取れる。


なお、前述の通り対決は一瞬で終わったが、殺陣の完成度は非常に高い。「達人同士の勝負は一瞬で決まる」という言葉があるが、まさしくそのようなシーンとなっている。

オビ=ワンが師匠やその弟子だったころに使っていたものと同じ構えを取り、モールもクワイ=ガンを倒した時と同じ技を使うなど、演出面での見所も多い。

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