概要
モン・モスマは映画「STARWARS」シリーズに登場するキャラクターで、女性政治家。
旧銀河共和国元老院議員(のちに銀河帝国元老院議員も)を長年務め、のちに「共和国再建のための同盟」(通称反乱同盟)の設立し、その指導者兼元首、その後継国家である新共和国の初代元首となった。
作品公開順における初登場はエピソード6「ジェダイの帰還」。
演じた俳優はキャロライン・ブラキストン(Ep6)、ジェネヴィーヴ・オーライリー(RO&ANDOR)。
声優は「反乱者たち」ではジェネヴィーヴ・オーライリーが続投、日本語吹き替えではさとうあい(日本テレビ版のみ高畑淳子)
経歴
銀河共和国建国時からの加盟惑星である惑星シャンドリラ出身。その出身地のためか、殊更銀河共和国、ひいてはその根幹にある民主主義への関心が強い。そのため、パルパティーン最高議長を支持する議員からなるロイヤリスト・コミッティーという集団に所属しながら、クローン戦争の開戦に伴い非常時大権の行使によるパルパティーン独裁の機運が高まると、同志のベイル・オーガナ議員、パドメ・アミダラ議員とともに失われつつある民主主義を取り戻すため、自らの意見に賛同する2000人の元老院議員の署名を議長に提出するも、これを受け入れられなかったため同志たちと独自に行動を開始。
- ※ここら辺は「シスの復讐」で描かれる予定だったが、残念ながら該当シーンは全て未公開カット送りになってしまっている。ただしシナリオ集やコミック版では描かれている。
パルパティーンによる銀河帝国建国宣言後は、一度は他の反パルパティーン派の議員たちともども一度は検挙されるも、出身惑星が共和国の中でも強い発言力を持っていたこととパルパティーンへの恭順を明言したため、同志であるオーガナ議員とともに釈放され、帝国元老院議員に返り咲く。しかし、表面上はパルパティーンに服従しているように振る舞いつつ、水面下では帝国打倒と民主主義復活のため行動をしており、自らの地位と人脈を生かして各地の反乱組織に資金提供を行なっていた。だが、これらの行動は薄々ながら帝国に勘付かれており、周囲にスパイを送り込まれるなど執拗な追求を受けており、本人も精神的にかなり参っていた様子。(「キャシアン・アンドー」等)
だが、ヤヴィンの戦いの5年前、帝国軍による惑星ゴーマンでの大量虐殺を機についに帝国への偽りの服従を止めることを決意。面と向かってパルパティーンを非難したことで再び帝国当局から追われる身となるも、反乱組織の助けもあって辛くも逃れ、惑星ダントゥイーン軌道上にて「反乱同盟宣言」を発表。帝国の圧政への抵抗と民主主義による銀河政府復活を目指す「共和国再建のための同盟」を結成し、自らはその市民政府の元首となった。その後、帝国の極秘超兵器の情報を入手すると非戦論者が多数を占める市民政府の存在から、公的には開戦に踏み切れないとしつつも、個人的には「開戦はもはや避けられない」と察しオーガナ議員に独自の行動を依頼。その後、反乱同盟の一部が奇襲攻撃を強行したという一報が入ると、すでに戦場へと向かっていたラダス提督ともども開戦を決意し、ここに銀河内戦の火蓋が切られた。その後も歴史的大勝利や大敗北を経験しつつも反乱同盟の指導者として指揮を取り続け、エンドアの戦いでは作戦内容を自ら兵士たちに説明し彼らを激励した。
エンドアでの大勝利の後は戦勝に酔いしれる間も無く民主主義政府の復興に奔走し、銀河各地を遊説し新たな民主政府「新共和国」への参加を説得。自身はその初代元首となり、故郷の惑星シャンドリラに元老院を再建した。ただしシャンドリラの遷都は暫定的なもので、その後は選挙によって首都惑星を変える輪番制とした。これはかつての首都コルサントに残る帝国の影響を危惧したのと、特定の種族に権力が集中することを避けるためである。
エンドアの戦いから約30年後の時代には登場しておらず、世代的・年齢的な点も踏まえるとすでに亡くなっているか、仮に存命でも政界から引退したと考えられる。
人物
端的にいうと「民主主義」に身を捧げた理想家。
旧共和国の根幹であった民主主義を理想とし、帝国による圧政・皇帝による独裁に対して猛烈に反発していた。それでいて、帝国建国時に検挙・釈放後も重要人物として警戒されながらもゴーマンの大虐殺に対する批判をするまで(当局にマークされつつも)14年もの間反乱組織との明確なつながりを露呈しなかったなど、処世術に長けている。また、大きな人柄でも知られており、遊説先で「共和国も帝国も自分も惑星の意見に耳を貸さなかった!」と不満をぶつける聴衆の1人をその場でその惑星初の元老院議員に指名する、帝国軍に恋人がいる帝国軍出身のパイロットが泥酔のうえ自分に食ってかかった際にも覚悟を問いただしただけで無礼に対しては不問とする、議員として後輩に当たるレイアが危険な任務に志願するたびにその身を案じるなど、人格者としてのエピソードに事欠かない。
また、若い頃には自らも前線で戦うために戦闘機パイロットとしての訓練を受けていたともいい、案外アクティブなところがある(だがやってみて自分は弁舌の方が性に合っていると気づき政治家一本に絞った様子)。政治家としての師弟関係もあり、この弟子(レイア)あってこの師匠(モスマ)ありという感じがする。
一方で、彼女の致命的なまでの欠点が反帝国思想に「偏りすぎている」こと。
これは、「自分たちは帝国の圧政と戦っている」→「自分たちは帝国のやっていることとは違いますよ」というアピールのためでもあったと思われるが、モスマ本人もこの思想に固執しているきらいがあり、市民を巻き込んでまでの奇襲作戦には踏み切れず、それらを躊躇なく行なっていた過激組織パルチザンのリーダーソウ・ゲレラとの関係は決して良好とは言えなかった(ゲレラの過激さは半ば狂気じみており、やむを得ないとこともあったが)。
彼女の反帝国思想の最たるものが、新共和国時代の軍縮政策。これは元老院を解散した後圧倒的な軍事力を以って中央集権化を推し進めた帝国の政策への「反省」として行われたのだが、ヤヴィンの戦いから僅か4年後、皇帝が死んでもまだ帝国残存勢力が複数健在という状況で大軍縮を行ったのは、さすがに拙速過ぎたと言わざるを得ない。各地の防衛はそれぞれの惑星の防衛軍などが自力で行い、共和国軍はその編成・練兵などを支援するという形を取ったのだが、これにより各惑星の防衛費などの負担増加、そして何よりファーストオーダーの台頭を許すなど後世へ多大な悪影響を残してしまった。
関連人物
レイア・オーガナ
同志であるベイルの養女であり、議員としては後輩にあたり、実質的な弟子でもある。ベイル亡き後は過酷な戦いに身を投じる彼女を案じ、幾度となくその無茶な行動を諌めている。
ベイル・オーガナ
ともに民主主義を守るために戦うことを誓った同志。同盟結成後は政府のトップである内閣書記官として議長のモスマを支えた。後に出身惑星オルデランと共にデス・スターの砲撃の餌食となり、宇宙へと散った。
ジン・アーソ
デス・スター開発に携わった天才科学者ゲイレン・アーソの一人娘。ゲイレン救出の切り札として帝国の労働キャンプからの救出を命じた。ゲイレン亡き後その遺志を継ごうとする彼女に理解は示しつつも同盟政府の同意を得られなかったため、彼女の出撃の嘆願を聞き入れることはできなかった。
しかし、その後彼女が行動を起こしたと知るや開戦を決意したり、ベイルと開戦は避けられないことを話し合ったりと、どこか彼女の思想に共鳴していた様子がある。
ペリン・ファーサ
「キャシアン・アンドー」で明らかになった夫。モスマのことを愛してはいるのだが、モスマは現実主義で悲観的なのに対しペリンは社交家で楽観的など温度差がある。