概要
主人公はアルマムーン王国の主となり、敵軍の城へと部隊を進軍させ、将軍や兵士を操って戦わせるというオーソドックスなもの。複雑な数値を撤廃して、最低限のパラメータで分かりやすいルールにしているのが特徴。
実は家庭用ゲーム機では初めてのリアルタイムストラテジー。ファイアーエムブレムからターン制を撤廃したようなものといえば、ジャンルとしては分かりやすいだろう。
すぎやまこういち氏はファミコン版に触れたときに大ハマリしたらしく、真偽までは不明だが「SFC版は作らないのですか?」という話をスクウェアにしたという噂もある。少なくとも、SFCの音楽を手がける程度にはこの作品が好きだったようである(他のシリーズは植松伸夫、及びスクウェアのサウンド関係者が手がけている)。
この作品のテーマは「人間の『可能性』」。
時々忘れられているふしがあるが、ストーリーを進めていくうちに『半熟』の意味を知ることになるだろう。
半熟英雄4以降続編が無かったが、「ああ、世界よ半熟なれ…!!」がアプリゲームとして2017年10月19日に配信。アプリ版はアイテム課金タイプではなくダウンロード購入タイプになる。それに伴い新規でエッグモンスターの募集も行われた。
ゲームシステム
たまご
この作品の大きな特徴は、戦いの際などに「タマゴからエッグモンスターと呼ばれるものを呼んで戦わせることが出来る」ことである。
戦闘で戦ってくれるのだが、ギャグやパロディ要素があまりにも多い。詳細はエッグモンスターの項目を参照。
切り札
将軍も「切り札」と呼ばれるアイテムで強力な攻撃や攻撃補助・回復などの多彩な行動ができる。
黒猫が通りかかって錘を落としたり、雷を落としたり、兵士を巨大化させて突進させたりする使いやすいものもあるのだが…、
たまに普通の発想からは大きくかけ離れたものが存在する。
- 科学忍法火の鳥のような技を使ったら自分も大火傷した
- (作品によっては)説明書に『絶対に敵を倒せる』としか書かれていない切り札を使ったら100%の確率で敵と刺し違えた
- (作品によっては)蘇生技を使うと天使が業務連絡で死んだ兵士を連れ戻す
- 切り札を使ったら敵がキャトルミューティレーションされた
……などがある。
ただ、弱い切り札でも使いどころがあるので…つまり「馬鹿と鋏は使いよう」である。
兵士・将軍
このシミュレーションゲームで重要な駒となるユニットが【将軍】で、それを守る盾になるのが【兵士】である。
とはいえ、この半熟英雄の恐ろしいところは……【兵士】は『消耗品』として扱われ、場合によっては【将軍】さえも『消耗品』になりうるところである。
ほかのシミュレーションゲームでも遊んでいる人は、その命の扱いの軽さに驚かされる。
- 兵士を増やすコマンドが「兵士補充」
- 特攻大砲で敵もろとも自爆するなんて普通(?)
- 洞窟で行方不明になっても募集すればまあいいやとしか感じない
- 主君に刃を向ける部下を機械的に切り捨てる主人公
他の作品なら涙なしには見られない悲劇も、このシリーズでは日常茶飯事である。例えて言うなら、艦隊これくしょんでの捨て艦戦法のような(半熟以外の多くでは決してやってはならない禁じ手のような)真似をしても、その行為に疑問を抱かせないのがこのシリーズの世界観の側面でもある。
- 特にそれが言えるのは第1作。この作品では、エッグモンスターを呼べるのは自軍だけ。ならば圧倒的な戦力で蹂躙できるのかというと、そうは問屋がおろさない。「城のレベルに応じて城を守る側に大きな戦力補正が入る」という攻め手に不利な仕様で、「占領した城の数だけ戦闘力が爆発的に増す」というもう1つの補正が自軍以外の全てに適用される。後者の補正は、下手すると、カンストの能力を持つ将軍と最低クラスの能力しか持たない将軍が戦って、その戦力差をひっくり返してしまうほど。
- この厳しいバランスをさらに後押しするのが、退却をした際に受けるペナルティのダメージ。要は、退却した者のHPを激減させ、連続戦闘をやらせない狙いがあるのだが、困ったことにこのダメージ、HP1で下げ止まらない。つまり、敵に殺られる前に逃げようとしたら、そのペナルティで殺られてしまうことになる。帰ろう、帰ればまた来られるからと言いたい所だけれど、帰れるもんなら帰ってみろ、背中向けた瞬間に死ぬぞという状況では、そうも言っていられない。
- そこで役立つのが、特攻兵器とも言える切り札「デッドガン」の存在である。説明書にはリスクのことを表記せずに「絶対に敵を倒せるからやってごらん」と書かれており、効果は両軍全員死亡。だが、勝てない相手に犬死にするぐらいなら、敵を巻き込んだ方がマシ、プレイヤーはそこまで追い詰められるのだ。城に複数の将軍が守っていれば、その城を落とすには全ての敵将軍を倒さなければならない。それも連続戦闘で。だが途中で退却しようとしたら上記の致死ダメージにより主力を失う恐れが…。そこで、弱い将軍を特攻させて敵将軍を減らし、敵側が将軍の補充をする前に主力を速攻でなだれ込ませ、一気に討ち取ってしまう手などが有効とされる。
1作目ではエッグモンスターに攻撃されると「~はしんでしまった」などと命の軽さが随所で描かれているが、シリーズ2作目より将軍達一人ひとりに趣味や性格が設定された。
これらのステータスは戦闘に反映されないが、使い捨て同然の存在であった将軍達にキャラクター性を持たせ、プレイヤーの感情移入を促している。
特に2作目のリメイクであるアプリ版は「将軍図鑑」と言う、将軍の大まかなステータスに加え一人ひとりに付けられた背景の解説等も見られるモードも加わった。(尤も、その背景が凄まじい将軍も居れば余りに碌でも無い背景を抱えている将軍も居るのだが・・・)
この矛盾感を高く評価するプレイヤーも多いらしいが、こういう作品なので何も考えずに頭をからっぽにして遊ぶのがよろしいかと。
ちなみに2作目当時の攻略本にも「将軍図鑑」が存在しており、将軍の趣味が当時のブームだった昔と過ぎ去った今を照らし合わせて、攻略本の記述とアプリで記述の矛盾点を探してみるのもまた一興(?)。
ファイアーエムブレムとは対照的に、基本的には「死んだ(脱落した)者が何度でも平然と復活する」ため、いつの間にか容赦の無い命の使い捨てが当たり前になっている気がする。
2作目以降では将軍が裏切るイベントもあり、将軍の戦闘力によっては主人公が討ち取られてゲームオーバーという可能性もなくはない。つまり、時には保身のために有能な将軍を切り捨てる場面すらありうるのだ。
とはいえ、「戦場で二度同じ奴に出会う確率は極めて少ない」ので、失った将軍を「将軍募集」で取り戻そうとすると、何度もクジ引きをやらされるハメになる。
さらに特定の時期にしか加入させられないレアな将軍もいるため、ミスやアクシデントでレア将軍を失った時のショックは計り知れない。
プロデューサー
このシリーズをプロデュースしたのは、デビルマンの影響で性悪説を徹底的に植えつけられた時田貴司氏である。ストーリーもよ~く見ると人間の悪しき面を軽いタッチでズバリ描く場面が決して少なくない。ただのギャグでは終わらないのである。
ちなみに時田氏はゲーム版「パラサイト・イヴ」もプロデュースしており、こちらで登場する宿敵「Eve」の母性は「エッグママ」。宿している子の「完全体」の成長していく様はエッグママから生まれた「ボイルド」がモチーフになっていると思われる。
シリーズ作(リメイクなど除く)
- 半熟英雄(ファミリーコンピュータ)
- 半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!(スーパーファミコン、ワンダースワンカラー、ios)
- 半熟英雄対3D(プレイステーション2)
- 半熟英雄4 七人の半熟英雄(〃)
- 半熟英雄モバイル(携帯電話)
- エッグモンスターHERO(ニンテンドーDS)
これらのうち、プレイステーションでの2作は前作から10年以上のブランクを空けての作であり、雰囲気や操作性に少なからぬ隔たりがある。
登場人物
メインキャラ
敵役
完熟軍
完熟戦隊ハードマン
完熟大将軍ノブナーガ
完熟生命体
完熟大統領
完熟四季王
3D軍団
四次元人
四次元皇帝】&【四次元女帝】
【公式が病気な一例
特に三作目以降がこういった事が多い。
- 嘘の次回予告 : 毎回シナリオクリアで次回予告があるが、オールクリア時にも存在し「次回はRPG」「次回はオンラインRPG」だの嘘予告が流れるのだが、この両者は変化球的に実現している。
- 対3Dのプロローグがコレのパロディ
- 大ボス曲がセルフカバー(パロディ)。対3Dの「絶叫すべき咆哮」はFF7の「片翼の天使」っぽいのはともかく、4の「ウィ・アザーワールド」はFF10の「OtherWorld」の歌詞が全部「4」になっているんだ4!
その他関連タグ
- 卵 ファイナルファンタジー 召喚獣 エッグマン オディオ
- スクウェア スクウェア・エニックス
- ファイナルファンタジー3(初の幻獣召喚作品だが、半熟英雄をヒントにしている)
- ファイナルファンタジー5(姿は出てこないが、エッグマンが幻獣として特別出演)
- 鋼の錬金術師(第4作目にて、この作品の登場人物のパロディとなるタガメの錬金術師が登場する)
- ドラゴンクエスト(エニックスとの合併後に制作された第4作目にて、この作品のネタが盛り込まれている)
- ポプテピピック(対3D以降のパロディ具合がこれを先駆けしている)
- 演劇:初代から会話イベントが毎回「舞台」かつ「劇場のような所」から、半熟英雄自体は「半熟英雄という舞台演劇」ではないのかという説がある。